マナーとエチケットとモラルと(その1)
一番電車の中で、驚くべき光景に出くわす。そのころの私は、電車通勤をしていて、同僚よりも一本早い電車で出勤するのが常だった。北堀之内駅7時ころの一番電車の乗客は少ない。その車内でゆっくりと本に目を通し、頭を目覚めさせてから仕事に入るという考えもあってのことだった。
しかし、思わず息をのむような、信じられない光景も車内で繰り広げられる。清楚と言っても間違いのない、若い女性が通路を挟んだ反対側の席でお化粧に励んでいらっしゃる。完全に周りが気にならない、気にしない雰囲気。自宅個室の化粧台の前に座っているかのような状態に没入できるのだろう。
ここまででも、十分に驚かされる状況。こちらを見てにっこりとほほ笑んでくれたら嬉しい驚きだろうが、いやそれと同じくらいに驚かされる状況が繰り広げられることになる。なんと、その美女がバッグを開いて中から取り出すのが、大きなお握りなのだ。
清楚なそして、口紅を施されたお口を大きく開き、大きなお握りにかぶりつくのだった。もう電車の座席が完全に「我が家化」されている。ここまで行くと呆れるというよりも、あっぱれと言う気持ちにさえなる。ま、彼女もその時間を持ちたくて一番電車を利用しているのかもしれないと思うようになった。
前に満席の4人掛けの席で足を前の座席に投げ出す見事な親父の事を書いたが、他人のことが全く気にならないって、ある面凄いことだとも思う。
(続く)