夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「夢の中の恋人たち」―2―(死神シリーズ外伝)

2008-10-31 08:25:52 | 自作の小説

美人が歩いている
そう思って眺めていた 記憶に残ったのは形の良い脚だ

テンポよく歩いていく
流れるように

その姿に惹かれた

何処かで会った事がある
その思いが強くなる

ピンクのブラウス
青いスカート

紺色の制服にきりりとスカーフ巻いた細い首

長い髪 風に靡かせ 振り返り笑う
笑いかける

足首までのブーツ
黒のパンツスーツ

そう 僕は間違なく彼女を知っている

彼女は走っている
何から逃れて?

腕に抱えた衣装を投げ捨てる

今の彼女はどんな生 人生を生きているのか 僕は不思議に思う

そして 会いたい とも

彼女も生まれ変わっているだろうか

同じ世界に

そう 彼女に会わなくては

そう思いながら目覚めるのに

起きれば夢の中では あんなにはっきりしていた彼女の顔は
目の形さえ朧気だ

ただ僕の中には 彼女に会う 会える

そうした思い込みが あるばかりだ