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盗作じゃないですよね
ユ教授、決してジュニョンの演奏を自分のだと偽るつもりは無かったのでしょう。
新しい録音機器に、偶然、録音されてしまっていたジュニョンのルーティンである「トロイメライ」。
それを知り合いのPDに送ったところ、許可なく動画サイトに投稿されてしまったのです。
知り合いのPDに送った理由は分かりませんが・・・。
抗議の連絡を入れましたが、運転中だからときちんと話をする前に切られてしまって。
知り合いのPDは、演奏がユ教授が以前に出したアルバムより良いとべた褒め。サイトにも、どんどん感動のコメントが寄せられ始めました。
もう、今更、取り消すなんて出来ない状況になってしまったのです。あっという間の事でした。
ジュニョンが駆け付けて来た時には、もう開き直るしか無かったのかもしれません。
ジュニョンの演奏だとは認めませんでした。自分の演奏だと言い張ったのです。
確かに、それを証明するのは、難しいでしょう。
すごすごと帰るしか無かったジュニョンでした。
自宅に戻ったところにジョンギョンが心配して訪ねて来ました。
盗用されたんだから、対処しなくちゃと興奮するジョンギョンに、ジュニョンは放っておいてくれと言いました。自分が対処するからと。
そして、ここには来ないでくれと。
ジョンギョンが仕方なく出てきたところで、サンアとバッタリ会ってしまったと言う事なのです。
珍しく冷たくキツイ言葉でジョンギョンに相対したサンア。
でも、ジョンギョンも負けてはいませんでした。
「私のことより、今はジュニョンを気遣って。」
と、さも何も知らないくせに・・・と言いたげな言葉をサンアにぶつけたのです。
サンアは、ジュニョンに会わずに帰りました。
この苦しみを誰かに打ち明けたいと思いました。でも、唯一の親友であるミンソンとは仲違いしたままです。
重く苦しい心を抱いたまま帰宅しました。
沈んだ様子のサンアに、姉が気づきました。
で、一緒にビールでも?と誘ったのですが、サンアはその気にはなれませんでした。
バイオリン続けるの?と姉が聞きました。
分からない・・・と答えたサンア。
てっきり続けるものだと姉は思っていたのでしょうね、その返答に驚きました。
「口では反対したけど、本当はあなたの事凄いと思ってたの。並大抵じゃないもの、3浪してまで音楽学部に入るなんて。根気強さが無いと無理でしょ。」
いくら好きでも気持ちだけではどうにもならない事がいろいろあって・・・とサンア。
「ダメならやめればいいのよ。人が何と言おうと、自分が幸せな方を選べばいい。バイオリンでも何でも。幸せになりたいでしょ?」
と、姉が言いました。
ジョンギョンはヒョノを呼び出しました。
今回のユ教授との一件で解決法を探ろうと思ったのです。
自分たちに出来ることは無いとヒョノは言いました。
友達じゃないと、ジョンギョン。
“友達”と言う言葉をさらっと口にするジョンギョン。ヒョノは吹っ切れているわけじゃありません。
今までもこれからも、ジョンギョンを友達とは呼べないでしょう。
それを、ジョンギョンは分かっていないのです。
「俺が離れて行かないから君の言葉に傷ついていると気付かないんだな。」
と、ヒョノは言いました。
ジュニョンはチャチーム長に相談しました。
法的な措置は望まないとジュニョン。ただ、サイトから削除してほしいだけだと。
理由を聞かれ、ソンアに知られたくないと答えました。
これ以上ソンアに誤解されたくないし、それによって苦しめたくないと思ったのでしょう。
しかし、パク課長には報告しなくてはいけないとチャチーム長は言いました。現在マネージングをしているのはパク課長ですから。
ジュニョンから話を聞くと、パク課長はすぐにこれを利用しない手は無いと考えました。
しかし、ジュニョンはきっぱりと断りました。
ただ、音源を削除することだけを望んでいると言って。
パク課長は、あまりにも無欲なジュニョンに改めて呆れました。
そのサイトの運営者とは知り合いなので、すぐにでも削除の連絡が取れると言ってくれました。が、以前から提案してるリアリティ番組への出演を考えてほしいと交換条件のように言うのも忘れませんでした。
ソンアはジュニョンとやっと話が出来ました。
前夜カフェに行ったら待っている筈だったジュニョンがいなくて、家に行ったら、そこでジョンギョンと会ったと話しました。
ジョンギョンが訪ねた理由は何だったのかと、ソンアは聞きました。
ここでジュニョンがユ教授の事を含めてすべてを話していたら、ソンアも納得したかもしれません。
でも、ジュニョンはソンアを気遣って、それらすべてを伏せたのです。
ジョンギョンはまだ吹っ切れてなくて・・・とジュニョン。ごめん・・・と。
「何故謝ってばかりなんですか?」
と、ソンアは堰を切ったように不安な思いを訴えました。
「吹っ切れてないのは、ジュニョンさんじゃないんですか?」
ソンアさん・・・と、流石に、ジュニョンも声を荒げました。
ソンアも辛いことを全て吐き出してしまえば、こんな言い方をしなくて済んだかもしれないのに・・・。
この二人、お互いを思いやるばかりに、苦しい事や辛い事の全てを抱え込んで潰れてしまいそうになっています。
練習室で話をしていたので、次に予約していた学生が来ちゃって。
話は中断してしまいました。
そのまま帰ろうとしたソンアをジュニョンは呼び止め、謝りました。
ジュニョン
謝るんじゃなくて、ちゃんと自分の今置かれてる立場とか抱えてる問題とかを吐き出してしまえば良いのに
全部僕が悪かったとジュニョン。だから、このまま帰らないで・・・と。
でもソンアはそのまま帰ってしまったのです。
ジュニョンから何度も電話が入りましたが、出ませんでした。
ヒョノはジョンギョンと近くにいることが辛くなっていました。
音楽の業界は案外狭いから、知りたくない事も聞きたくない事も耳に入ってしまいます。
ジョンギョンの事ならなおさら気になります。
そんな時、ニューヨークの交響楽団から合格通知が届きました。
タイミング的に、ヒョノには丁度良い機会になりそうです。
携帯からジョンギョンのデータを消しました。
ジョンギョンがユ教授に会いに行きました。
これまでジュニョンが贈ってくれた「トロイメライ」のCDを示し、ジュニョンに謝ってほしいと言いました。
ユ教授が何と答えたのかは分かりません。
ジョンギョンが部屋を出ると、丁度ジュニョンが来合わせました。
僕が対処すると言っただろと、ジュニョン。
「トロイメライ」を何故弾いたの?とジョンギョン。もう弾かないと言ったのに・・・と。
ジュニョンは、それがピアノを練習する前のルーティンだったと言いました。だから、最後に弾いたんだと。
でも、ジョンギョンはこの一件をソンアに話していないと知ると、自分への未練をソンアに知られたくなかったんだと言いました。
いや、と、ジュニョン。
「君への未練じゃない。ソンアさんが好きだからだ。好きだから知られたくなかった。無駄に傷つけたくなかったからだ。」
きっぱりと言われ、流石にショックを受けたジョンギョン。
ところが、直後にソンアに会っちゃうんですよ。
で、自分の傷ついた分、ソンアを傷つけようと思ったのか、ただ悔しかっただけなのか、言っちゃいましたよ、「トロイメライ」のことを。
「ジュニョンはトロイメライをまた弾いてます。動画サイトに載ってます。何も知らないのね。彼にとってあの曲が何を意味するか分かるでしょ。ジュニョンはあの曲を私の誕生日に必ず送って来ました。それを数日前にまた弾いたんです。意味は分かりますよね?」
トドメですな、ソンアには。
この瞬間こそ、自分が愛してやまない音楽に癒されたいとソンアは思いました。
そして取り出そうとしたバイオリン。それが、壊れていたのです。願いは叶いませんでした。
バイオリンの弦を支える駒が倒れていたのです。
ドンユンの工房にバイオリンを持ち込みました。
ソンアの様子を見て、ドンユンはすぐに何かあったと察しました。
しかし、ソンアは何も話しません。
ミンソンしかいないとドンユンは思ったようです。すぐさま、呼び出しました。
ドアを開けてミンソンが飛び込んできた瞬間、ソンアの表情が崩れました。
ミンソンにしがみついて泣きました。ミンソンは優しく抱きしめてあげました。
泣けたわ・・・ホント、泣けた
ソンアはジュニョンに別れを切り出しました。
不安で傷ついて辛いんです・・・とソンア。上手くやれると思っていたけど、どうにもならない事もあるみたいです・・・と。
ソンアはジュニョンに振り回されたくないと言いました。
「今より不安じゃなかった頃に、一人で平気だった頃に、少なくとも自分の行き先が分かっていた頃に戻りたいんです。」
済まない・・・とジュニョン。
また謝るのね、ジュニョン。
頼りたかったけど、私より心が揺れてる人に頼れるわけがないとソンアは言いました。
呆然とソンアを見つめるジュニョン。
トロイメライを聞いたとソンアが言いました。
もう、ジュニョンが何を言ってもソンアの心は受けつけませんでした。
「あなたを好きでいるのが辛くて幸せじゃないんです。」
一方的にソンアに言われてしまったジュニョン。
ソンア、ここで自己チューとなったんですね。
ジュニョンも同じくらい苦しんでいたことを、知ってほしかったと私は思いましたよ。
外は雨になっていました。
これからはいつも僕が傘を持っているからと以前ジュニョンが言いました。
そのソンアがプレゼントした傘を、ジュニョンが差し掛けました。
ソンアは、何も言わずにその傘をさして行きました。ジュニョンは見送るだけでした。
ここまで胸が痛くなるような作品、久しぶりです。
泣けた・・・。