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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

携帯で脳腫瘍・ガンになるとの主張は無知な学者の暴論

2011年06月02日 13時06分43秒 | 思考空間

 WHOが、携帯の使用は脳腫瘍のリスクがあると発表したらしい。携帯の電波が脳に影響するかどうかは実は通信や電気の話。つまり、携帯が発信するマイクロ波が生体にどのような物理化学的な影響を及ぼし、それが脳に到達するのかと言うことである。マイクロ波や電気のことを知らないで、勝手にしゃべるのは的外れも甚だしい。

 まず、携帯の周波数は800M~2Ghzであり、このような高周波は体の表面を通り、体内までは侵入しにくいというのが電気技術者の常識。電圧が高い場合にも電流が表面しか通らない。これらはスキンエフェクトと言い電気の教科書に出てくる。

 次に、皮膚の下には細かい網の目のように血管が張り巡らされており、血管がマイクロ波のバリアになっている。あなたの家の電子レンジを見て欲しい。半透明なドアののぞき窓をよくよく見ると、規則的に無数の細かい丸い穴が見える。これが、電子レンジのマイクロ波の漏えいを防ぐバリア(ステンレス板などで作るパンチングメタル)なのだ。穴の半径は計算値以下に設定されている。

 血管の網の隙間はバリアのパンチングメタルの穴より小さい。一方、血管の中には塩分濃度3%という、海水と同じ塩分濃度の血液が流れており、電気的には導体(金属)に近い。携帯のマイクロ波が頭部に届くと、血液の水分に吸収され、熱エネルギーとなり、同時に細かい網上の血管によりマイクロ波の侵入がブロックされる。(勿論、血液は完全導体ではないので漏れは生じる)

 血管と血液の組み合わせは金属のパンチングメタルで作るバリアに比べて、血液が完全な導体ではない点など、十分な阻止機能を発揮できるかとの議論は有りえる。しかし、脳までの距離が大きく、頭がい骨で守られているこなどとを考えても、マイクロ波がストレートに脳にまで到達するはずがない。殆どのエネルギーは血液の昇温で消費されると考えられる。

 また、携帯電話のマイクロ波は1Wとかそのレベルで、仮にマイクロ波が皮膚に到達したとして、それはほんの一部に過ぎない。(電波の全量が皮膚に到達すると電波が相手に届かず携帯にならない) したがって、大量に流れる血液を温めるというには弱すぎる。血液を温めるには少なくとも数百W程度のエネルギーが必要だろう。電子レンジはマイクロ波が食物中の水分子に吸収され、振動させて加熱しするという原理を利用したものである。

 また、仮に電波が脳まで到達したとして、脳が極めて微小(例えば10g)で、全ての電波がその局所に集中しても、上昇する温度は小さい。仮に比熱を1《Cal/(g・K)》としても1W程度では、コンマ以下と殆ど温度上昇が無い。癌は温度上昇には弱いのであり、癌予防にもなる。これはあくまで、脳の極小部分に電波が集中して到達した時の話。

 正確な状況を把握するには頭と同じ材質や血液の流れを模擬した模型を作って電波到達の分布状況を計測すべきであろう。

 100歩も1000歩も譲って、強力なマイクロ波エネルギーが脳に十分到達した場合(例えば携帯の出力の100倍など)を想定するとこれは危険である。発癌に至る前に、細胞のゾルが加熱されゲル(固形物)になってしまう。茹で卵になり、細胞が死んでしまう。茹で卵の前段で、マイクロ波振動が脳腫瘍になるかどうかも、怪しい。もし、マイクロ波振動が遺伝子を傷つけ癌が発生するのであれば、脳腫瘍の前に皮膚がんが発生しなければならないが、そのような話は聞いていない。

 マイクロ波に関しては、色々迷信を生じやすい。例えば、殺菌に関して、マイクロ波のうちある周波数が菌の遺伝子などをさせ破壊などにより菌が死ぬのだという説も、もっともらしく専門家から出されていた。マイクロ波ぐらいで遺伝子が破壊するのだろうか、怪しげな説で、遺伝子は修復されるし、単純に水分子を振動させ昇温により殺菌するというのが事実であろう。

 医者や生態学者はちょっと得者な分野の人々で、優秀な人も多いのだが、電気とか通信の分野に疎い。そこで主観的な話がしばしば登場し、困ったことに、それなりの地位が災いして極端な話の好きなマスコミが飛びつく。今回の火付け役もマスコミのスポットを浴びたいために、怪しげな警戒論を主張していると考えることもできる。