ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

今しかできないことがある~亡くなったS先生からのメッセージ~

2012-03-18 23:17:38 | ひと
 一昨日・昨日と、G市のセレモニーホールに行ってきた。
 知り合いのS先生が亡くなったのだ。
 通夜、そして告別式に参列してきた。
 病休から休職。闘病の末の残念な結果であった。
 まだ、55歳。
 40,50年前ならいざ知らず、現代では、あまりにも早い。
 奥さんや学生の子どもさんたち家族を残しての逝去は、さぞかし無念であったことだろう。
 彼は、大変誠実で謙虚な人柄だった。
 担任時代には、熱心に子どもたちのための仕事をする人だった。
 もっと教壇に立ちたかったことだろう。

 聞けば、すでに25年も前から、難病と呼ばれる病にかかっていたのだという。
 そんなことは、ほとんどの人が知らなかった。
 彼は、弱音を吐かなかったのである。
 責任感の強い彼は、他人に弱みを見せずに、常に精一杯仕事を行っていたのだ。
 自分のことよりも、自分の前の子どもたちや人々のために、ということを優先していたのだ。
 そのうえで、自身は、闘病を続けていたのだった。
 セレモニーホールの入口には、車椅子に乗った、昨春の彼の写真が次々に映されていた。
 満開の桜の下で、車椅子に座りながら目をつぶって息を吸い込む、彼の写真。
 青空の下、桜満開の春の空気を、彼は、どんな思いで吸っていたのだろうか。

 彼は、年が明けてからは、「3月30日まで生きたい。」と、奥さんに言っていたそうである。
 3月30日は、奥さんとの結婚記念日だったのだそうだ。
 「それが達成できたならば、5月の連休の子どもの誕生日まで。」と笑っていたそうである。
 誠実な人柄そのままに、一瞬一瞬を大切にして生きていたことがわかる。

 読経の流れる中、まっすぐこちらの方を向いている彼の遺影。
 様々なエピソードが浮かび、遺影の写真から、彼のメッセージが聞こえて来た気がした。
 
 
  今を大切に生きてください。
  今しかできないことがあるのです。
  そのことに懸命になって取り組んでほしいな。


 今、私たちは、学校という場に勤めている。
 ここは、子どもたちの成長のためにと、子どもたちに力がつくようにと、取り組むところだ。
 
 今しかできないことがある。

 今回、彼から教わったこのことを心の中でくり返し念じつつ、今を大切に生きたいと思う。
 今の勤務先でできることも、まだまだたくさんあるのだから…。
コメント
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