すごい試合を見せてもらった。
FIBAバスケットボールW杯順位決定戦、日本対ベネズエラ。
この大会でアジア1位となれば、来年のパリ五輪の出場権が得られる。
それを強いモチベーションにして戦う日本。
立ち上がりこそ互角で始まったが、第1クオーター15-19とリードを許す展開。
それは、第2クオーター、第3クオーターを終えても、差が縮まらない。
追いつきそうになると離される、その繰り返し。
そして最終第4クオーター開始前には、53―62と、9点の差をつけられていた。
日本は、今までの試合では第4クオーターの得点は、過去3戦相手を上回っている。
試合の終盤に強さを見せるというが、さすがに今日は難しい。
第4クオーターが始まっても、逆に差を広げられ、最大15点差をつけられた。
今日は、ダメだな…と思いながら見ていたが、選手たちはあきらめていなかった。
そこから、次第に差を詰めていく。
ファウルを誘いながら、+1点を増やしながら、ゴールを重ねていった。
一度は再び離されながら、あきらめずに走る、動く、守る、攻める。
渡辺雄大、河村、ホーキンソン、馬場、そして比江島。
彼らの連係もどんどん強まっていき、ベンチも会場も盛り上がりが半端なく高まっていく。
最後は、奇跡のように得点を重ね、ついに逆転した。
特に、比江島の3ポイントシュートは、神がかり的だった。
それだけ強い気持ちで勝利に向けてファイトしていたということだ。
最終クオーターは、9点のビハインドで始まったのに、試合終了時には逆に9点差をつけての勝利となった。
第4クオーターでは、日本33得点、ベネズエラ15得点だったということ。
すばらしい集中力だった。
勝った日本のホーバス監督が、「疲れた」とインタビューで何度も繰り返していた。
「試合の終盤の戦いが最初からできれば、もっと楽に勝てるのに」とも。
そうは言うけど、最後の最後に勝利を呼び込むのだから、選手たちはすばらしい戦いを見せたということだ。
地元開催だから、場内の応援も大きな味方になったことは確かだ。
これだけ白熱した試合を見せてもらい、チームと観衆が一体となって得た勝利。
いやあ、本当にすごい試合を見せてもらった。
あと1試合、日本チームにはぜひ有終を飾り、パリ五輪出場枠を獲得してほしい。