10年ひと昔、というが、近ごろの私は「20年ひと昔」というような感覚になっている。
10年ひと昔は、
時のたつのが早く、世の移り変わりが著しいということ。
わずか10年という期間でも、振り返れば、遠い昔のように思われるという意味。
となっている。
私の言いたいのは、使い方が間違っているが、要するに20年という歳月が、非常に早く過ぎたという感じを言いたいのだ。
20年。
それは、母が亡くなってから過ぎた年月を指す。
今日は、母の命日なのだ。
墓参りを計画していたが、2日前になって、天気が崩れるという予報が出たので、1日早いが予定を繰り上げて、昨日の午前中に行ってきた。
墓地は、今冬の雪で、長靴でないと歩けない状態だった。
それでも、墓地があるのは海岸部だから、私が暮らしているところよりはるかに雪は少なかったので、歩くことはできた。
鳥や小動物が歩いた跡も残っていた。
墓にたどり着くと、そこもやはり雪。
2月13日は、まだ冬だから、雪があるのが普通かな。
去年はなかったけど。
近くの墓には、こんな厚さの氷が張っていた。
やっぱり寒いんだよね。
近くのお地蔵さまも、体を包んでもらうだけではなくて、帽子まで目深にかぶって、寒さをこらえているようだった。
実は、母が亡くなった年も、この時期よく雪が降った。
母が亡くなる直近の1週間が毎日雪だったことを思い出す。
だから、雪があった方が母の最期の時を思い出すことができる気がする。
20年。
あのころ、20歳前後で学生だったうちの娘や息子も、今やアラフォーである。
地に足を付けて生きなくてはいけない年齢になっている。
だけど、この間には、娘の大病があって、思い通りにはいかないことが起こったりした。
20年前には、40代後半で働き盛りだった自分も、こうして今は高齢者である。
あっという間の20年だったと思うのである。
今日は、自分より10歳年上の下条アトムの訃報が流れた。
20年と10年という数字を比べて見ると、今まで過ごしてきた20年という年月よりこれから先の10年の方が短い。
うーん。おいらも先が長くないかもなあ…。
…そんなことを考えてしまった、20年たった母の祥月命日であった。