ナオキ、君は行ってしまうのか。
残念。
J1新潟のDF石川直樹選手が、仙台に移籍することが今日、報じられた。
今季、残留争いに巻き込まれたと言えど、新潟の総失点数は、34。
全18チーム中2番目に少ない。
新潟は、安定した守備のチームだったのだ。
その中心にいたのは、鈴木大輔選手とともに新潟の守備の要として十分な働きをしたDF石川直樹選手。
2年前に加入し、昨季・今季と新潟でプレーした。
今季は、特に、DFの中心選手として、定位置を実力で獲得した。
負けられないアウエー清水との一戦でゴールを決めてサポーターに訴えたシーン、
最終戦で残留を決めて号泣していたシーンなど、忘れられない。
あの号泣を見ると、来季も新潟にいてくれると思っていたのだけれど…。
本当に、残念だ。
移籍に当たってのメッセージに、彼の人間性を見た。
新潟での2年間は驚くほどにあっという間でした。札幌からやって来た自分を温かく迎えてくださったファン、サポーターのみなさん。サッカーを通じて知り合えた新潟の方々。ビッグスワンでのあの熱気と興奮、史上最大のバス出迎えは忘れることができません。新潟に来ることができて良かったです。この2年間、辛いことも多かったです。でも、みんなで笑って泣いて闘った日々が自分を成長させてくれました。
仙台にオファーをいただいてから毎日悩みました。新潟が好きなだけに毎日悩みました。新潟でもまだまだ成長できる、それは間違いないです。しかし、世界に挑戦できるチャンス、さらに厳しい場所に自分の身を置くことが短いサッカー人生の中で一番いい選択であると自分で判断しました。
行くからにはすべて自己責任です。試合に出られる、出られないも自分の責任です。でも、アルビレックス新潟から来たという自信とプライドを持ってベガルタ仙台でがんばりたいと思います。新潟を忘れません。2年間ありがとうございました。
「ビッグスワンでのあの熱気と興奮、史上最大のバス出迎えは忘れることができません。新潟に来ることができて良かったです。」
「新潟でもまだまだ成長できる、それは間違いないです。」
と言いながら、出ていく決断をしたことについてはこう言っている。
「しかし、世界に挑戦できるチャンス、さらに厳しい場所に自分の身を置くことが短いサッカー人生の中で一番いい選択であると自分で判断しました。行くからにはすべて自己責任です。」
そうなのだ。
サッカー選手の選手人生は短い。
石川選手も、もう27歳である。
27歳にして、ACL出場権をもつチームからオファーが届いたのだ。
急成長させてくれたアルビレックス新潟というチーム・サポーターに対して、恩も義理人情もあろう。
悩むのも当然。
しかし、1年時機が遅れれば、それだけ選手寿命が短くなる。
オファーが来た、今が旬なのだ。
「今しかない!」
彼の決断は、間違っていない。
悔しいし、残念だが、一人の人間の一生の問題だ。
この選択が、彼の人生に大きな、よい選択であってほしい、と願っている。
今まで、2年間、ありがとう。
彼のメッセージには、自分を語る力強さがある。
新潟というチームやサポーター、お世話になった人々に対する丁寧な感謝の気持ちもまた伝わってくる。
数年前の千葉に戻ったある選手とは違う、言葉による自己表現力を感じる。
彼は、新天地仙台への転入のメッセージを次のように寄せている。
はじめまして、このたびアルビレックス新潟から移籍することになりました石川直樹です。
自分の特徴は左利きであることです。
それを生かしたビルドアップ、カバーリング、体を張った全力守備を見てもらいたいです。
リーグ戦にACLとタフなシーズンになると思いますが、自分の力がチーム力向上に繋がるようがんばりたいと思います。
よろしくお願いします。
無駄な言葉が、ない。
そして、自分を端的に表現している。
サッカー選手は、プレーでしか表現できないこともまたよくわかっている人だと伝わってくる。
ここにも、彼の人間性が感じられる。
がんばってほしい、仙台でも。
ただし、…新潟戦以外で、ということで…。