ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

職業柄か、人の悪口は好きではない

2010-01-25 22:18:19 | 「育」業
「人の悪口を言うだけの電話なら、やめろ。」
職場の同僚と長電話している娘に、思わず背後から声をかけた。
娘と職種が全く違うとはいえ、どうも職業柄か、人の悪口が聞こえるのは好きではない。

教室から職員室に戻ってきた人たちが、子どものことについて話し合うことがある。
情報交換は、大いに必要だと思う。
ただ、場合によっては、子どもの悪口に聞こえることがある。
「うちのクラスの○○は、全然宿題をして来ない。」
「へえ、うちの△△なんか宿題どころか、鉛筆だってまともに持って来ないんだよ。」
…となって、子どものよくない姿の話がエスカレートしていく時などは、切なくなる。
 「ひどい。」「ひどいよね。」と言いながら笑い合っている人たちを見て、無性に腹が立ったことは、一度や二度ではない。
「ひどいのは子ども。私が一生懸命指導しているのに、よくならないのは子どもが悪いから。」と、平気で言いたげなのである。
一生懸命やっているからと、確かにそう思いたくなる気持ちもわかる。
ただ、教員が専門職であるゆえんは、そのような実態である子どもたちに対しても、見捨てずあきらめず、よりよくなるために様々な方法を工夫して指導に当たっていくことにあると言える。
自分の思い通りにならない子をダメな子、悪い子と言って見捨てていたり、見捨てているような言動をしたりすることは、教育に関する仕事をする者として、してはならないことだ。
子どもがよくならないのは、自分の指導が悪いから。
まずはそう考えて取り組むようにしてきたのだ。
そのせいか、職場を離れても、人の悪口が聞こえるとムカムカする。

海援隊の武田鉄矢は、「母に捧げるバラード」で、母の教えを歌っていたことがある。
「人を指差して笑うな。指の2本は人の方を指しているけれど、残りの3本は自分の方を向いているのだから。」と。
きれいごとではなく、人として生きる時、こういった考えは必要だと思うのだ。
コメント (2)
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