サッカー女子W杯予選リーグ、日本代表の第3戦の中継を見た。
NHKが、BSではなく地上波でやってくれていた。
日本の対戦相手は、スペイン。
最近の世界ランクでは、スペイン6位、日本11位だったのだそうな。
互いにザンビアとコスタリカに快勝して、決勝トーナメント進出を決めている者同士だから、あまり勝敗にはこだわらないのかと思っていたら、とんでもない。
ガチンコの戦いであった。
試合は、圧倒的にスペインがボールを支配する。
だけど、スペインのシュートシーンがたくさん見られるわけじゃない。
日本が、各選手しっかり守っていた。
いいプレスのかけ方をしていた。
スペインの選手を自由にさせない。
いいボールを供給させない。
かといって、引きこもっているばかりじゃない。
いつかはチャンスが来るだろうと思っていたら、来た!
12分、DF熊谷から、左の遠藤にパスし、そこから相手DFの裏抜けに成功した宮沢にボールが渡る。
宮沢、これを見事に決め、日本先制!
日本のシュートは、これがこの試合初だったが、見事に決まった。
そして、28分に追加点。
やはり宮沢が、ボールを運び、ゴール前で植木にパス。
植木がシュートすると、敵DFにブロックされたボールは、ふんわりゴールに吸い込まれていった。
これだけで、前半でもう2-0のリード。
すばらしいと思っていたら、40分にも、植木→宮沢のパスが通り、宮沢がこの日2点目のゴールを決めた。
前半で3-0とは考えてもみなかった。
日本は、後半にも一人でペナルティエリアに進入した田中美が、自らゴールを決め、スペインに4-0で快勝した。
思ってもみなかった大勝。
きちんと守って、速攻でチャンスをねらう。
日本の作戦がしっかりとはまった印象だった。
だが、それだけではないと思った。
組織的な戦いができるうえに、日本の選手個人個人のスキルが高いのだ。
止める・けるに始まって、パスの通し方、枠内へのシュートなどが実に正確だった。
守っても、相手へのプレッシャーのかけ方、ボールの奪い方など、スペインを上回っていた。
だから、試合では無理してボールを奪おうとするスペインのファウルばかりが目立った。(日本3-12スペイン)
いつの間に日本の女子選手がこんなにうまくなったのだろう、と感心した。
日頃、日本のWEリーグの試合でアルビレックス新潟レディースの試合ばかりを見ていたが、それとは明らかに選手個人個人のスキルがすごいのだ。
新潟の、ひとり別格のうまさを見せる、上尾野辺選手が、まるで10人そろっているような感じだった(当たり前か)。
日本代表なのだから技術が優れているのは当たり前なのだろうけれど、やっぱりこれだから世界の選手たちに負けない戦いができるのだよな、と感心した。
男子選手だけでなく、今や日本代表の女子選手にも多くの国外チームに所属している選手が多くいる。
日頃から、欧米の選手たちにもまれていることが、技術を高め、自分や自分たちのよさを生かす戦い方ができることにつながっているのだな、と改めて思った。
これは、昨年のカタールW杯大会でも、スペインやドイツを破った男子の戦いを見て思ったことと同じだ。
今日の試合を見て、日本代表の女子チームへの期待がさらに高まった。
決勝トーナメントでも、自分たちのよさを前面に出して、快進撃を続けてほしいなあ。
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