山下澄人著.文藝春秋 2017 年 3 月号.
倉本聰の富良野塾の塾生の立場からの一人称小説.倉本聰なんて知らないよ,という僕のような人には,ふつうの男の子のふつうの日記みたい.少しばかりの幻想場面もあったが,ちっともおもしろくなかった.そもそも自分は,先生 (=倉本聰) がひとりでやっている塾なんかを信用したくないのだと思う.
でも,たいていの芥川賞受賞作は途中で嫌に成るところだが,なんとなく最後まで読んでしまった.
審査員たちの選評も一様に微妙.
中では川上弘美の
「平凡で覚えにくい名字の人達が十人以上でてくるが,そのひとたちを,ちゃんと区別できた,というあたりに,この小説のひみつがあるのかもしれないと,今は睨んでいる」
という台詞になんとなく納得した.
ときどき巻頭の登場人物リストと首っ引きで読まないと分からなく成るミステリがある.山下さんがミステリを書いたら,そんなことにはならないかも.
この文春では大特集「安楽死は是か否か」が,自分にとって切実な問題でもあり,おもしろかった.
倉本聰の富良野塾の塾生の立場からの一人称小説.倉本聰なんて知らないよ,という僕のような人には,ふつうの男の子のふつうの日記みたい.少しばかりの幻想場面もあったが,ちっともおもしろくなかった.そもそも自分は,先生 (=倉本聰) がひとりでやっている塾なんかを信用したくないのだと思う.
でも,たいていの芥川賞受賞作は途中で嫌に成るところだが,なんとなく最後まで読んでしまった.
審査員たちの選評も一様に微妙.
中では川上弘美の
「平凡で覚えにくい名字の人達が十人以上でてくるが,そのひとたちを,ちゃんと区別できた,というあたりに,この小説のひみつがあるのかもしれないと,今は睨んでいる」
という台詞になんとなく納得した.
ときどき巻頭の登場人物リストと首っ引きで読まないと分からなく成るミステリがある.山下さんがミステリを書いたら,そんなことにはならないかも.
この文春では大特集「安楽死は是か否か」が,自分にとって切実な問題でもあり,おもしろかった.