【台風24号】:慣れた沖縄の住民も不安、関空は閉鎖へ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【台風24号】:慣れた沖縄の住民も不安、関空は閉鎖へ
大型で非常に強い台風24号は29日、沖縄で最大瞬間風速の記録を塗り替え、「台風慣れ」している住民にも不安を抱かせた。台風21号や西日本豪雨、北海道地震の被災地では住民や自治体が備蓄の確保や壊れた家屋の応急処置などの準備に追われ、各地で30日のイベントを中止する動きも広がっている。
◆沖縄大荒れ
沖縄県では広範囲で停電が発生。宜野湾市の会社員の女性(55)方でも午前6時頃から停電が続いた。車に近くの店舗の看板が直撃したといい、女性は「約20年住んでいるが、不安を感じるほど風が強いのは初めて」と話した。
那覇市中心部の「第一牧志公設市場」などが入る商店街は、アーケードの屋根の一部が風で吹き飛ばされ、通路に激しい雨が打ちつけた。飲食店を経営する男性(31)は「観光客に人気の商店街なので早く復旧させたいが、メドが立たない」と表情を曇らせた。
◆被災地
今月4日、台風21号による高潮で滑走路が冠水、約8000人がターミナルビルに取り残された関西空港。運営会社の関西エアポートは、飲料水約4万本、非常食約3万7500食、スマートフォンの充電器150個などを準備した。今回は30日午前11時からの滑走路閉鎖を事前に決定。同社の石川浩司・運用統括部長は「利用客への情報提供や物資の配布などを的確に行いたい」と話した。
7月の西日本豪雨で大きな浸水被害を受けた岡山県倉敷市真備町では、29日から10月1日までボランティアの受け入れを中止。30日は支援物資の配布も中止されるため、29日は多くの住民が列を作って衣類などを受け取っていた。
![台風24号に備え、テントなどを撤収する倉敷市災害ボランティアセンターのスタッフら(29日午後、岡山県倉敷市真備町で)](https://www.yomiuri.co.jp/photo/20180930/20180930-OYT1I50000-L.jpg)
台風24号に備え、テントなどを撤収する倉敷市災害ボランティアセンターのスタッフら(29日午後、岡山県倉敷市真備町で)
北海道地震で震度7の揺れに見舞われた厚真(あつま)町。女性(84)方では暴風雨に備え、ボランティアらが地震でできた納屋の壁の大きな穴を板やシートで塞いだ。女性は「強風が吹き込んで屋根が飛んでしまうと心配だった」とほっとしていた。町内では29日夕時点で332人が避難しているが、台風で増えることも想定し、町は各避難所の食料や毛布を増やすよう手配した。担当者は「念には念を入れて備えたい」と話した。
◆欠航・運休
交通機関では、空の便が沖縄や九州の発着便を中心に欠航が相次いだ。29日は、全日空124便、日本航空58便が欠航した。30日も両社の国内線計約490便の欠航が決まっている。
JR東海によると、東海道新幹線は30日、下りは午前9時30分東京発新大阪行きの「のぞみ21号」、上りは午前9時10分博多発東京行きの「のぞみ16号」を最後に、東京―新大阪の上下線の運転を見合わせるという。
◆イベント中止
東京・台場で開催中のドイツビールの祭典「お台場オクトーバーフェスト」(9月28日~10月8日)の実行委員会は、30日の中止を決めた。期間中約6万人の来場が見込まれている人気イベントだが、担当者は「来場者やスタッフの安全確保のためにはやむを得ない」と話した。大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」や西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)も30日の休業・休園を決めた。
元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 社会 【災害・台風】 2018年09月30日 00:09:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。