路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【風向計】:キラリと光る涼しい目 編集委員 上別府 保慶

2019-03-07 11:02:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【風向計】:キラリと光る涼しい目 編集委員 上別府 保慶

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【風向計】:キラリと光る涼しい目 編集委員 上別府 保慶 

 「スーパーマンの呪い」という言葉がある。米国のヒーロー、スーパーマンを演じた役者が見舞われた不運を指す。中でも1950年代のドラマに出たジョージ・リーブス氏は、超人のイメージに押しつぶされ、他の役に恵まれないまま45歳で世を去った。

 60年代のドラマ「仮面の忍者 赤影」に主演した坂口祐三郎さんも、その後の役者人生は厳しく、この「呪い」の話を口にした。仮面姿で演じたにもかかわらず、主題歌にある「キラリと光る涼しい目」の印象が強烈過ぎたのだ。


「仮面と生きた男」(瀬崎智文氏著、扶桑社刊)

  「仮面と生きた男」(瀬崎智文氏著、扶桑社刊) 

 しかし、故郷の福岡県久留米市に戻った坂口さんの前に味方となる青年ファンが現れた。幼稚園児の頃、赤影に熱狂した瀬崎智文さん。続編を作ろうと会社勤めを辞めてプロデューサー業に転身。坂口さんと二人三脚でブームを再燃させるべく、本やDVDの企画に奔走した。今は北九州市に暮らし、55歳になった。

 「赤影」は赤影、白影、青影の忍者3人が、戦国時代に現れた、怪獣や魔神を操る謎の集団と戦う特撮活劇。カラーテレビに力を入れる三洋電機がスポンサーとなり、極彩色で描かれる、奇想天外なストーリーが子供の心をわしづかみにして52話も続いた。

 CGなどない昭和の時代。坂口さんは長時間、宙づりにされ、炎にあぶられ、撮影は命懸けだった。夜中の2時すぎに帰宅すると、ビールを1本だけ空けながら、傷んだ仮面を手入れして床に入った。

 坂口さんは、気を許した瀬崎さんにはそんな昔語りもよくしたが、赤影のみで人生を語られるのは嫌った。晩年には先の見えぬいら立ちから「急に攻撃的になって暴言を吐いたり、時にはとても不安そうに弱音を吐いたりすることが増えていた」という。

 そして「近々、良いか悪いかは分からないが、すごいことが起きると思うんだ」と語った夜、坂口さんは倒れた。脳幹出血で2003年7月13日に死去。61歳だった。

 瀬崎さんは、赤影の続編の夢を諦めていない。その布石として、坂口さんとの歩みを基に構成した小説「仮面と生きた男」(扶桑社)を出している。

 人名は変えてフィクションの体裁を取りつつ、幼い日に実母に去られた坂口さんの境遇など逸話を多く盛り込み、夢を演じた男の素顔に迫る。行間にあの「キラリと光る涼しい目」がよみがえる。

 =2019/03/07付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【風向計】  2019年03月07日  11:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:ゴーン被告保釈 長期勾留の回避は当然だ

2019-03-07 11:02:40 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【社説】:ゴーン被告保釈 長期勾留の回避は当然だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:ゴーン被告保釈 長期勾留の回避は当然だ 

 刑事事件の捜査は任意調べが基本であり、身柄の拘束は極力避けなければならない。拘束の可否を決めるのはあくまで裁判所であり、その判断が捜査側の意向に流されてはならない-。

 憲法や刑事訴訟法が求める、この大原則に照らして、今回の決定は当然であり、日本の刑事司法制度の在り方をいま一度見据える契機としたい。

 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の保釈請求を、東京地裁が認める決定を下した。検察側の不服申し立て(準抗告)は棄却され、同被告は昨年11月の逮捕以来、108日に及んだ身柄の拘束を解かれた。

 同被告は無罪を主張している。いわゆる否認事件である。また捜査の主体は「巨悪の摘発」を掲げる東京地検特捜部だ。その点を捉え、公判開始前の保釈を異例とみる声もあるが、むしろ遅きに失した感がある。

 地検はゴーン被告について、当初から長期勾留を前提に捜査を進めていた節がある。

 同被告は2011年3月期~18年3月期の役員報酬を実際より少なく有価証券報告書に記載(金融商品取引法違反)した、とされている。地検は最初に、この期間を二つに分ける形で2度にわたって同被告を逮捕し、それぞれ20日間、計40日間の勾留を確保しようとした。

 これに対し、地裁は2度目の逮捕で10日間の勾留しか認めなかった。地検は不服をあらわにし、私的な資金運用を巡る特別背任(会社法違反)容疑で3度目の逮捕に踏み切った。

 勾留が長期に及ぶ日本の事件捜査は「人質司法」と批判を浴びてきた。自白の強要や誘導につながり、冤罪(えんざい)を生む要因になっているからだ。そこで再確認したいのは裁判官の役割だ。

 警察や検察は容疑者の身柄を一時的に拘束する権限しか持たない。それも原則として裁判官が出す逮捕状が必要だ。逮捕後の勾留の可否も裁判官が決める。つまり彼らのチェックで不当な勾留は回避できる。その機能が働いているか。

 無論、証拠隠滅や逃亡の阻止は重要だ。ただし今回は日産との司法取引で地検に有利な証拠固めが行われた可能性が高い。ゴーン被告のような有名人の逃亡もそう容易ではなかろう。

 地裁は欧米の目を意識しつつ勾留について厳格な判断を下したとみられるが、自宅への監視カメラ設置、パソコンの使用制限などの保釈条件が人権上妥当なのか、今後、論議を呼ぼう。

 一連の事件は巨大企業の内紛の様相も帯びている。公判では刑事責任の有無と併せ、司法取引の正当性などについても審理を尽くすべきだ。裁判所の役割はそこでも問われる。

 =2019/03/07付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【社説】  2019年03月07日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【春秋】:「打ったー、逆転サヨナラホームラーン。これぞ野球の醍醐味だー」と…

2019-03-07 11:02:30 | 【仏教=伝統的な13宗・華厳、法相、律宗、真言、天台、日蓮、浄土、浄土真宗...

【春秋】:「打ったー、逆転サヨナラホームラーン。これぞ野球の醍醐味(だいごみ)だー」と実況アナが絶叫する…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【春秋】:「打ったー、逆転サヨナラホームラーン。これぞ野球の醍醐味(だいごみ)だー」と実況アナが絶叫する… 

 「打ったー、逆転サヨナラホームラーン。これぞ野球の醍醐味(だいごみ)だー」と実況アナが絶叫する。でも、この醍醐味って、どんな味だろう

 ▼辞書には「醍醐は乳から作った濃厚な、甘い食品。今のクリーム」と。昔は極めて貴重な食べ物だったのだろう。転じて醍醐味は「最高の仏の教え」「他の何ものにも代えることのできないもの」の意味に

 ▼話は平安時代に飛ぶ。空海の孫弟子に当たる聖宝(しょうぼう)は、京都の南東の山に五色の雲がたなびいているのを見た。上ってみると、一人の翁(おきな)が湧き出る水を口にして「醍醐なり」と言った

 ▼翁の正体は山の神。「この地をあなたに献じ、守護しよう」と告げられた聖宝は、そこに庵(いおり)を結び、観音菩薩(ぼさつ)を奉安した。これが真言密教の名刹(めいさつ)、醍醐寺の始まりと伝わる。九州国立博物館で開催中の「京都・醍醐寺 真言密教の宇宙」展で知った

 ▼平安時代に広まった真言密教は従来の仏教とは異なり、「現世利益」を説いた。熱心に信心すれば、この世で仏の恵みを受けられる。加持祈祷(きとう)によって厄よけや病気快癒、安産、立身出世までかなうとあれば、当時の人にとってこの上ない「醍醐味」。加持祈祷の実践を重視した醍醐寺に、天皇や貴族は篤(あつ)い信仰を寄せた

 ▼同展では聖宝に帰依した醍醐天皇が作らせた薬師三尊像(国宝)が見られる。穏やかな表情の薬師如来は千年以上の歳月に、どれほど多くの願いを聞いてきたのだろう。

 =2019/03/07付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【春秋】  2019年03月07日  10:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日産問題】:ゴーン被告変装に弘中弁護士も驚いた「ユーモラス」

2019-03-07 10:23:50 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【日産問題】:ゴーン被告変装に弘中弁護士も驚いた「ユーモラス」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日産問題】:ゴーン被告変装に弘中弁護士も驚いた「ユーモラス」 

 会社法違反(特別背任)などの罪で起訴され、東京拘置所に勾留されていた日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)の保釈から一夜明けた7日、弁護人の弘中惇一郎弁護士が都内で取材に応じた。

ゴーン被告変装に弘中弁護士も驚いた「ユーモラス」

  取材に応じる日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告の弁護を務める弘中惇一郎氏(撮影・近藤由美子)

 ゴーン被告が作業服で変装し、軽ワゴン車に乗り込む前代未聞の保釈劇について言及。「最初、知っている人から『どうして変装しているのか』と聞かれて、何のことか分からなくて、テレビで見てビックリしました」と話した。さらに「私もぜひ、今日聞いてみようと思っています。ゴーンさんと現場にいた保釈の弁護士さんたちのアイデアだったんでしょうね」と推測した。感想としては「あれはあれでユーモラスで、いろいろなアイデアがあっていいんじゃないかと思う」と好意的に受け止めていた。「保釈劇」は弁護団の高野隆弁護士が主に進めたものとみられる。

 弘中氏はゴーン被告とはまだ会っていないといい「今日はゴーンさんと会う予定はありません」と話した。また、会見開催については「検討していますが、今日はないと思います」とした。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・疑惑】  2019年03月07日  10:23:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【日産問題】:ゴーン被告の隠密作戦選ばれた? スズキ驚き隠せず

2019-03-07 10:23:40 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【日産問題】:ゴーン被告の隠密作戦選ばれた? スズキ驚き隠せず

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日産問題】:ゴーン被告の隠密作戦選ばれた? スズキ驚き隠せず 

 107日ぶりに拘束を解かれた日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)が6日午後、変装姿で保釈された。会社法違反(特別背任)などの罪で起訴され、東京拘置所(東京都葛飾区)に勾留中だったが保釈保証金10億円を納付して保釈された。作業服姿で軽ワゴン車に乗り、報道陣を引き連れて都内を駆ける前代未聞の保釈劇となった。

ゴーン被告の隠密作戦選ばれた?スズキ驚き隠せず

     保釈され、東京拘置所を出るゴーン被告(奥)(共同)

ゴーン被告の隠密作戦選ばれた?スズキ驚き隠せず

  カルロス・ゴーン被告はスズキ・エブリイに乗って東京拘置所を出る

ゴーン被告の隠密作戦選ばれた?スズキ驚き隠せず

  作業員姿に変装して東京拘置所を出るゴーン被告(中央)(撮影・山崎安昭)

 ゴーン被告の隠密作戦に選ばれた? スズキ自動車では驚きを隠せない。「スズキ・エブリイ」(車体価格95万400円~142万6680円)は商用仕様で荷物スペースを広げるために後部座席は簡易な折りたたみ式。シートは薄く、クッション性も低く、乗り心地は重視されていない。日産にはNV100、三菱にはタウンボックス、ミニキャブバンの軽ワゴン車がある。スズキ自動車東京広報では「弊社のエブリイと思われます。日産さんにも軽ワゴンはあるので、なぜスズキ車を選ばれたのか」と困惑していた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・疑惑】  2019年03月07日  07:53:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【日産問題】:ゴーン被告 奇想天外の脱出シナリオ弁護団の提案か

2019-03-07 10:23:30 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【日産問題】:ゴーン被告 奇想天外の脱出シナリオ弁護団の提案か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日産問題】:ゴーン被告 奇想天外の脱出シナリオ弁護団の提案か 

 107日ぶりに拘束を解かれた日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)が6日午後、変装姿で保釈された。会社法違反(特別背任)などの罪で起訴され、東京拘置所(東京都葛飾区)に勾留中だったが保釈保証金10億円を納付して保釈された。作業服姿で軽ワゴン車に乗り、報道陣を引き連れて都内を駆ける前代未聞の保釈劇となった。

ゴーン被告 奇想天外の脱出シナリオ弁護団の提案か

  作業員姿に変装して東京拘置所を出るゴーン被告(撮影・山崎安昭)

ゴーン被告 奇想天外の脱出シナリオ弁護団の提案か

  弁護士事務所を出るゴーン被告(奥)(撮影・滝沢徹郎)

ゴーン被告 奇想天外の脱出シナリオ弁護団の提案か

  ゴーン被告の保釈を前に、東京拘置所へ作業員姿の人間が紙袋を手に入る(撮影・山崎安昭)

 午後4時半すぎ。東京拘置所の玄関前。ゴーン被告は空色の帽子、メガネに白いマスクで顔を隠し、上下を紺系の作業服という変装姿で現れた。作業服には工事用の反射帯も着用するなど、前会長は徹底して作業員になりきっていた。この人物が10人近い刑務官に囲まれていなければ、ゴーン被告と分からなかったかもしれない。

 午後4時15分ごろ、玄関正面に緑色の営業車ナンバーをつけた黒い大型ワゴン「トヨタ・ハイエース」が横付けされ、数分後に銀色の軽自動車ワゴン「スズキ・エブリイ」が、その少し前に停車した。詰めかけた200人以上の報道陣はハイエースに乗り込むと、にらみ身構えていた。ゴーン被告は「この車か?」と周囲に尋ねるようにハイエースを指さしたが、刑務官に促されるように軽ワゴン車の方へ進み、乗り込んだ。

 運転手、同乗者全員が作業服に反射帯を着用し、軽ワゴン車の屋根には脚立が積載されていた。軽ワゴンは埼玉の春日部ナンバーで後部窓ガラスには「○○工業」の文字。だが、空色の帽子、作業着に入れられた社名はすべて違っており、入念に準備されていたものとみられる。 

 10億円という高額な保釈金はこの日、振り込みか、電子納付で納められたとみられる。そのゴーン被告が、まさかの軽ワゴン車。カメラマンらは撮影画像を何度も見直して、軽ワゴン車に乗り込んだ人物が変装したゴーン被告だと確認し、驚きの声を上げた。

 日産自動車をV字回復させ、「ルノー・日産、三菱」の3社連合トップに君臨した同被告が、変装した上、日産でもルノーでも三菱でもない他社の軽自動車で塀の外へという奇想天外のシナリオ。関係者によると、弁護団の提案だという。

 報道陣のバイクが追尾、上空にはヘリコプターが飛び交う中、車は午後6時すぎ、弁護団の1人で「刑事弁護界のレジェンド」と称される高野隆弁護士の千代田区内の事務所に入った。午後8時15分すぎ、ゴーン被告は黒のトヨタ・アルファードハイブリッドで事務所から出発し都内のホテルに入った。後部座席の被告は黒系ジャケット、白ワイシャツ姿。髪には長期勾留の疲れも感じさせる白いものが交じっていたが、眼光は逮捕前より鋭さを増した印象すらあった。

 一貫して無罪を主張しているゴーン被告。弁護人は「体調の回復が必要なため、きょうは記者会見を開かない」とし、後日、検討するとした。塀の外の「ゴーン劇場」の幕が開いた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・疑惑】  2019年03月07日  07:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【HUNTER】:【知事選異聞】: 福岡市「政策参与」への疑問

2019-03-07 09:21:00 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER】:【知事選異聞】: 福岡市「政策参与」への疑問

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:【知事選異聞】: 福岡市「政策参与」への疑問 

 福岡県知事選挙に自民党推薦で出馬することを表明している元厚生官僚・武内和弘氏を「政策参与(健康先進都市推進担当)」として採用し、時給18,000円という法外な報酬を支払っていた福岡市。弁護士報酬より高い時給に驚きの声が上がる状況だが、同氏が政策参与を辞任した経緯にも不可解な点があることが分かった。(写真は福岡市役所)

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■申出から辞任までに1か月以上のタイムラグ
 武内氏が福岡市から政策参与の委嘱を受けたのは、2017年の5月(下、左が委嘱状)。翌年4月に再任されていた。“辞任が認められた”のは今年の2月15日。武内氏本人から辞任届が提出され、同日付で「委嘱を解く」とする通知が発出されている(下、右が通知)。

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 問題は、武内氏の辞任届。福岡市の健康先進都市推進担当が届を受け取ったのは「2月15日」だ。しかし、辞任届の日付は「1月9日」となっている(下参照。赤いアンダーラインはHUNTER編集部)。「辞任届」を作成した1月9日から受理まで1か月以上のタイムラグがあるのは何故か――。

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 ここで、武内氏の政策参与就任から辞任に至るまでの経過を、福岡県知事選と関連付けて見てみたい。

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 武内氏が、自民党県連の推薦候補公募に応じたのが昨年12月28日。「話は武内(推薦)で出来上がっていた」(県連関係者の話)ことから、翌29日には県連の推薦候補に決定する。知事選候補の公募に応じるということは、事実上の出馬表明。しかも、28日、29日と武内氏の動きが大きく報道されており、出馬の意思はより明確になっていたとみるべきだ。当然、公的な役職や報道関係の仕事は辞すべきだが、残された記録によれば市への辞意伝達は年を越した1月9日ということになっている。政策参与辞任の決裁文書には、次のように記されていた。

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 「平成31年1月9日に口頭による辞任の申出があっていた」――。形の上では、辞任届の日付が「1月9日」なのだという理由付けはされている。しかし、辞任の申出があってから1か月以上放置されていたことの説明にはならない。

 ■どう見てもルール違反 チラつく麻生の影

 自民党が武内氏を知事選の推薦候補に決定したのは1月30日だが、同氏は年明けから事実上の選挙運動に突入していた。福岡市の政策参与という肩書を持ったまま、政治活動を行っていたということだ。ルール違反であることは確かだろう。注目すべきは、政策参与という立場が「特別職の公務員」にあたるか否かということ。特別職といえども、公務員が選挙に向けた政治活動を行えば違法性が問われる場合があるからだ。

 この点について福岡市に確認を求めたところ、市保健福祉局の担当課は「特別職ではないと判断している」と曖昧な回答。「判断している」とは、どうにでも解釈できる言い回しだ。“判断”の根拠を聞くと、「特別職であるかどうかは、総合的に判断している。武内氏は、政策決定には関与していないから特別職ではない」のだという。ならば、どうして『政策参与』なのか……。総務企画局の人事課にも聞いてみたが、2日経っても回答はなかった。市にとっては、極めて都合の悪い話なのである。

 保健福祉局の担当課は、1か月以上のタイムラグについて「1月9日に辞任の申出があった時に辞任届を書くようお願いしていたが、送られてきたのが2月15日だった」とうそぶいた。「それが事実だから仕方がない」とまで言う。しかし、特別職であるか否かの問いに明確な回答ができず、“政策決定に関与していない”人間に「政策参与」の肩書を与えるという不自然な状況をつくっている福岡市の説明を、信じる市民などいないだろう。

 知事選を巡る報道は正月明けから連日のように続いており、武内氏の動向については市役所も十分意識していたはず。「辞任届」の未提出を1か月も放置するとは思えない。しかも、当事者は出処進退の決まり事に厳しい霞が関出身の武内氏。役職辞任の重さが分かっていないとすれば、物事のけじめさえつけられない、いい加減な人間ということになる。真相は別にあるとみるべきだろう。

 武内氏は、あえて辞任届を作成しなかった――じつは、そういう見立ても可能だ。自民党県連が武内氏を知事選の推薦候補に選んだのは12月30日。党本部は、現職の小川洋知事と武内氏のどちらかに推薦を出すことになっていたが、正式決定は1月30日だった。武内氏は、正式決定を待って政策参与の辞任届を出すつもりだったのではないだろうか。「使えるものは、ぎりぎりまで使う」という考え方だ。その証拠に、同氏はレギュラーを務めていたテレビ番組「アサデス。」と「シリタカ!」、ラジオ「朝からしゃべりずき!」への出演を、知事候補公募の締め切り直前まで続けていた。

 18,000円という法外な時給といい、辞任の曖昧な始末といい、武内氏を政策参与にした福岡市の対応は極めて異例だ。出身の厚生労働省で幹部職の経験もない同氏を、特別待遇にした理由も判然としない。だが、推測を可能にするヒントはある。

 あまり表に出てきていない経歴だが、武内氏は退官後、福祉分野にも進出している人材教育会社「麻生教育サービス」の顧問に就任している。同社は、麻生グループの中核である「株式会社麻生」の関連会社。武内氏は、麻生グループの一員だったということだ。昨年2月には、日経デジタルヘルス社が企画した高島宗一郎福岡市長と麻生グループトップ・麻生泰氏との対談の進行役を、武内氏が務めていたことも分かっている。高島市長の後ろ盾は、言わずと知れた麻生太郎副総理兼財務相。武内氏に党推薦を出させるため、閣僚の座までかけたのだという。もう、お分かりいただけたと思うが……。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2019年03月07日  09:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【HUNTER】:福岡知事選陰の主役 大家敏志参院議員の野望

2019-03-07 09:20:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER】:福岡知事選陰の主役 大家敏志参院議員の野望

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:福岡知事選陰の主役 大家敏志参院議員の野望 

 保守分裂が確実となった4月の福岡県知事選挙。小川洋知事の再選を目指す勢力と元官僚・武内和久氏を推す麻生太郎副総理兼財務相らの勢力がぶつかり合う構図だが、ここに来て、こわもての顔と態度で候補者以上に目立つ男が注目を集めている。武内氏を引っ張り出した張本人と言われる麻生派の参議院議員、大家敏志である。
 自民党県連の選対委員長として強引に武内推薦への道を開いた大家氏は北九州市出身。現在2期目だが、ここまで目立った活躍がなかった政治家だ。一体、何が彼を突き動かしているのか――?((写真は議場の大家氏。報道番組の画面より)

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 ■政治活動=カネ集め
 北九州市出身の大家氏は1967年生まれの51歳。名門・久留米大学附設高等学校から北九州大学法学部に進み、卒業と同時に自民党福岡県連の職員となる。その後、参議院のドンと呼ばれていた村上正邦氏(KSD事件に絡んで2001年に受託収賄の容疑で逮捕。08年に有罪判決が確定)の秘書を経て、99年に福岡県議会議員に初当選。3期目の途中で国政に転じ、参院福岡選挙区で2010年、16年と連続当選している。

 国政の場で目立った活躍がなかった大家氏を有名にしたのは、昨年12月に参議院の本会議場で起きた“暴行事件”。議事進行が気に入らないとして野党議員を小突き、議長にも暴言を吐いたのだ。常軌を逸した行動に与野党の議員から批判が出て議運の理事を辞任したが、同情論は皆無。国会でも地元福岡でも、大家氏の評判は悪い。

 福岡選挙区で初当選した2010年の参院選では、「億単位の選挙資金が用意できる」と明言して自民党公認をもらっておきながら、実際はほぼ無一文。やむなく県連が政治資金パーティーを開いてカネ集めを行い、選挙費用を捻出したという。経済界でも「大家はカネに汚い」との評が定着しており、いきなり政治資金パーティーの案内状を送りつけるような強引な手法に批判の声が少なくない。

 確かに、大家氏の集金力は凄まじく、国会議員をやっているのは、「カネのため」としか思えない。大家氏の関連政治団体は資金管理団体「大家さとしを育てる会」と「自由民主党福岡県参議院選挙区第3支部」だが、下に参院議員2年目となった2012年から17年までの、それぞれの年の収入額をまとめた。

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 年々収入額が増え、2015年からは2つの団体の収入合計で1億越え。2期目の当選を果たした2016年には、1億6,000万円以上を集めていた。当選2回の参院議員にしては額が大き過ぎる。

 「大家さとしを育てる会」が総務省に提出した政治資金収支報告書によれば、平成27年の収入が約6,000万円(うちパーティー収入が約5,100万円、個人からの寄附340万円、医師会などの政治団体からの寄附約390万円)、28年が約9,000万円(パーティー収入約6,100万円、個人からの寄附650万円、医師会などの政治団体からの寄附約2,150万円)、29年が約7,000万円(パーティー収入約6,200万円、個人からの寄附90万円、医師会などの政治団体からの寄附約600万円)となっている。28年を除き年4回の政治資金パーティーが常態化しており、年中“カネ集め”に精を出している格好だ。大家氏にとっては、カネ集めこそが政治活動なのである。

 カネの集め方が乱暴なら、使い方も荒っぽい。大家氏を知る国会議員によれば、同氏の着ている背広や履いている靴は高級品ばかり。国会でも一二を争うファッションオタクなのだという。そうした靴や背広の購入資金の出所は不明だが、「飲食」に関する費用は、ほとんど集めた政治資金から支出されている。その額もけた外れ。2012年から17年までの飲食関連費は、次のようになる。

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 支出先を見ていくと、鮨店、中華料理店、フランス料理店、クラブなどがズラリ。どの店も“超”のつく高級店で、1件ごとの飲食代も大きく、30万円台、40万円台の支出が数多く記載されている。昨年12月には加賀料理の店に97万8,200円という途方もない「会合代」を支払っていた。庶民性ゼロの高級店で、数十万円単位の飲食代を払って大盤振る舞いすることが、果たしてまともな政治活動と言えるのだろうか……。

 ちなみに、大家氏が特にひいきにしているのは、銀座の「鮨 石島」。夜は一人20,000円のコースからという高級店である。確認できる2015年、16年、17年には、それぞれ「221万3,670円」、「994,650円」、「209万3,431円」を同店の運営会社に支払っていた。同店利用は、ほぼ毎月。「女性と二人のことも少なくない」(同店利用者)のだという。

■力の源泉は「カネと権力」への欲求
 カネ集めにしか興味がなさそうな大家氏が、県知事選で武内氏に入れ込んだ理由は何か――。「麻生派所属」が、その理由の一つであることは間違いないのだが、ある県連関係者は「それだけではないよ」とした上で、こう解説する。
「大家は、県連の蔵内(勇夫)会長を引きずり降ろしたくて仕方がないんだ。自分が県連会長をやりたい。福岡6区の補選で、蔵内会長の息子さんを引っ張り出したのは大家。もちろん、善意なんかじゃない。負ける選挙であることを見越して、息子さんを県連の推薦候補にした。県連会長の責任を問わせるつもりだったんだが、蔵内会長はあっさり留任。計算が狂った。
 今度は知事選で仕掛けた。もともと、武内を見つけてきたのは大家。武内は久留米大附設の後輩なんだ。後輩の武内が知事になれば、何でもできると踏んだんだろう。麻生さんは、別の人物を知事候補にしたかったらしいが、最後に残っていたのが武内だった。昨年来の強引な候補者選定は、すべて選対委委員長である大家のリード。ただ、小川知事が出馬を辞退しなかったのは、誤算だったはずだ。
 選挙は小川さんの圧勝。誰もが認めてる。大家は、なんとしても蔵内会長に“選対本部長”を押し付けたい。負け選挙の責任をとらせるためだ。しかし、選対委員長として武内を選んだのは大家なんだから、選対本部長も大家がやるのが筋。県連所属の議員は、大家の動きを冷ややかに見ている」

 どうやら、大家氏が必死にしがみつこうとしているのは「カネと権力」。国民の暮らしを良くするために汗を流すつもりはないと見たが……。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2019年03月01日  09:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 
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【HUNTER】:福岡知事選自民調査 「66対14」の衝撃

2019-03-07 09:20:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER】:福岡知事選自民調査 「66対14」の衝撃

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:福岡知事選自民調査 「66対14」の衝撃

 週明け、自民党本部が実施したという情勢調査の数字が、福岡県政界の関係者に衝撃を与えた。
 4月の知事選を巡って、小川洋知事の再選を支持する勢力と元官僚・武内和久氏を推す麻生太郎副総理兼財務相らのグループがぶつかり合う福岡県。保守分裂が確実となるなか、16、17日の両日に自民党本部が実施したとされる情勢調査の結果は、小川氏の圧勝を予想させるものだった。
 関係者は、この数字をどう見たのか――。(写真左が武内氏、右が小川知事)

武内a.jpg

 ■戦略の再考迫られる武内陣営
 「小川66ポイント、武内14ポイント」。自民党本部が16,17日の両日に実施したという情勢調査は、同党の推薦を得た武内陣営を打ちのめす結果となった。告示を1か月後に控えた今の時期に、5倍近くの開き。しかも、1月末に行われた情勢調査の数字「小川57、武内11」より差が開いている。党本部の推薦決定や麻生渡前知事の後援会長就任が、マイナスに作用した格好だ。武内氏のメディア露出が増えた後だけに、陣営の衝撃は大きかった。

 「66対14」の現実を前に、ある自民党関係者はこう話す。
 「武内が露出を増やせば増やすほど、逆に小川さんへの支持が増えることになるだろう。“失言、暴言の麻生太郎がゴリ押しで決めた武内”という構図が、すっかり固まっているからだ。『小川さんが気の毒』。どこに行ってもそんな声ばかりなんだから。武内は完全に悪役になっている。(武内推薦を強引に進めた)麻生さんと大家(敏志・参院議員)は、どう責任をとるんかね」
 別の自民党県連関係者からは「戦略の練り直しが必要」といった声も上がっている。

 ■冷ややかな野党
 独自候補の擁立を決めている共産党を除き、野党各党は自民内の争いに冷ややかだ。いったん小川氏の推薦を決めながら、ゴタゴタを受けて推薦決定を取り消した立憲民主党の関係者は、いずれも冷静にこの数字を受け止めているという。「66対14?まあ、そんなもんでしょう。うち(立憲)の関係者は、7対3とみてます。もちろん小川知事が7。所属議員は、ほとんど小川支持ですから」(同党関係者)。

 麻生財務相の主地盤である飯塚市・嘉穂郡から選出されている吉村敏男県議が県連代表を務める国民民主党県連。「自主投票」になっているが、過去2回の知事選で小川氏を支援した同党の県議たちは大半が小川支持となっており、明確な武内支持は「一人もいないんじゃないか」(同党関係者)というのが実情だ。「数字は聞きました。ずいぶん離れましたね。こと知事選に関しては、もう結果が出ていると言ってもよい。地方議員は自分の選挙で精一杯。わざわざ有権者から嫌われる候補者を推すバカはいないでしょう。武内さんは“名誉ある撤退”を考えるべきかもしれませんが、やっぱり退かないだろうなぁ」(同)。

 ■洞ヶ峠の自民福岡市議団
 「やっぱりそんな状況か……」。数字を聞いた自民党のある市議会関係者は、ため息交じりにこうつぶやいた。同党福岡市議団は、知事選対応をどうするか、結論を出せずに迷走中。いったん市議団会長が「自主投票」を公言したが、その直後に取り消すなど態度が定まっていない。
「このまま統一地方選に突入する。我々が(武内氏を)推薦してもせんでも、結果は同じ。この時期に66対14じゃ、話にならんでしょ。有権者が、武内推薦の過程に嫌悪感を覚えている証拠なんやから。武内をやらな公認を外すなどという話も聞こえてくるが、武内をやって自分の票が逃げたら元も子もない。大義名分のない知事選は他人事。我々は、洞ヶ峠でよかろうもん。麻生さんと大家(敏志・参院議員)が勝手に走ればいい。」(前出の市議会関係者)。

 福岡県知事選の告示は3月21日(投開票は4月7日)。どこまで小川陣営に迫れるか、麻生元総理の力が試される1か月となりそうだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2019年02月20日  08:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【HUNTER】:福岡知事選アンケートより(下) “麻生VS小川”対立の原因は…… 

2019-03-07 09:20:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER】:福岡知事選アンケートより(下) “麻生VS小川”対立の原因は…… 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:福岡知事選アンケートより(下) “麻生VS小川”対立の原因は……  

 4月の知事選を巡り、保守分裂が確実となった福岡県。小川洋知事の再選を目指す勢力と元官僚・武内和久氏を推す麻生太郎副総理兼財務相らのグループの対立は激化する一方だ。
 自民党県議団所属の県議41名へのアンケート結果からは、「武内推薦」を決めた党の方針に従うとしながら、麻生らの強引な手法に批判的な、いわゆる“面従腹背”組が一定数いることが分かる。
 そうした議員たちや県民の心にくすぶっているのが、「なぜ小川ではダメなのか」という疑問。麻生太郎が小川降ろしに走った背景とは……。ba5ffcc55c90ef8caa15a0e641083beda34eeecc-thumb-200xauto-24279.png

 ■県民が首ひねる「小川不支持」の理由
 これまでアンケートに答えた県議は10人。「武内支持」を鮮明にしているのは7名だ。そのうち、小川知事を容認しない理由を書き込んだのは5人。下にそのままを転記した。

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 この中に県民が納得できる理由があるだろうか?誰に聞いても、答えは「NO」だろう。知事の政治姿勢を巡って紛糾してきた県議会でのドタバタを認識している県民はまずいないだろうし、いたとしても「知事へのいじめ」程度にしか見ていない。「党が推薦したから」というのは、“なぜ小川ではダメなのか”という問いに対する答えになっていない。「公募に応じなかった」という理由も、知事選については成り立たないだろう。そもそも、首長は政党を超えた存在として、広く有権者の支持を得るべき立場。政党の公募など、どう考えてもなじまない。知事選は、政党が前面に出る衆議院議員や参議院議員の選挙ではないのだ。では、保守分裂を招いてまで、小川知事を引きずり降ろそうとする麻生太郎の真意はどこにあるのか――?

 ■背景に自動車産業絡みの利権
 麻生大臣の口から「小川洋」という人物を否定できるだけの決定的な理由が語られたことはない。公式な場で麻生が語ってきたのは、高島宗一郎福岡市長との比較だけ。安倍政権の国家戦略特区を活用して都市力を高めてきた高島市長は優秀だが、小川氏は何もしていないという主張だ。しかし政令市と県政、それぞれ違う課題を抱える自治体のトップを並べて論じるのはナンセンス。政治手法も様々あって当然だろう。

 高島氏が福岡市を発展に導いているのは認める。情報発信力もある。しかし、小川氏が着実な仕事ぶりで県民の信頼を得ているのも事実。九州豪雨の被災地復興や産業振興でも成果を上げている。「パフォーマンスが得意な高島。堅実な小川」(ある上場企業の副社長)という評価については、納得する県民が少なくないはずだ。どれだけ麻生が「小川はダメだ」といきり立っても、共感は広がらない。麻生太郎と小川氏が不仲になった原因がどこにあったのか、これまで、その真相が語られたことはなかった。

 両者の関係が崩れたのは、2016年に行われた衆院福岡6区の補欠選挙からだとされる。小川知事が、県連推薦候補への応援要請を断ったことで、同陣営の選対本部長を務めていた麻生氏の逆鱗に触れたのが発端だったという。その頃から小川氏と麻生渡前知事との関係も悪化。今回の知事選にあたり、ダブル麻生は「反小川」の急先鋒となっている。

 “麻生大臣と小川知事の関係が悪化した理由は何か”――。多くの関係者に話を聞いてきたが、ここに来て、ようやく複数の関係者が重い口を開きだしている。ある自民党県連関係者は、麻生財務相と小川知事の不仲について、こう話す。
「6区の補選で知事が応援を断ったことが不仲になった原因と言われてきたが、あれは通過点。不仲になったのは、そのずっと前からだった。麻生(太郎)さんがある施策の実行を迫ったのに、小川知事が拒否したのが本当の原因。麻生さんは、目をかけている高島福岡市長がやっているような国家戦略特区を活用したりする派手な事業の拡大を求めたが、知事はこれも受け入れなかった。まあ、『言うことを聞かないから気に入らねぇ』という麻生さんのわがままだがね」

 別の県議会関係者は、次のように解説する。
「麻生さんが知事に実現を迫ったのは、自動車産業絡みの事業。もちろん、自分の選挙区内でのことだったはず。トヨタとか、ね。麻生渡さんの時代から県が力を入れてきた自動車産業の振興は、太郎さんにとってはおいしい話。利権としては大きい。だけど、小川知事はこれを蹴った。“ひも付き事業”を嫌がったんだね。この話には前知事も絡んだ。だからダブル麻生と知事は険悪になった」

 利権に直結する施策の実現を迫ったダブル麻生に対し、拒絶した小川知事――。ダブル麻生と知事の関係は、小川県政2期目のスタート直後に修復不能の状態になっていたという。事実なら、まさに「私怨」による小川降ろしである。

 この話を裏付けるように、麻生氏は今月14日に開いた国政報告会で、麻生渡前知事が進めた自動車産業集積などの実績を褒めたたえ、「そんな実績が一つでもあるか」と小川知事を厳しく批判した。麻生前知事も、武内氏の後援会長に就任した記者会見で、「期待した政策が出なかった」と語っている。「そんな実績」「期待した政策」が何を指すのか――読者はもうお分かりだろう。

 6区の補選に不仲の原因を求めたがる報道各社の記事について、事情を知る人間たちはどう見ているのか。前出の自民党関係者は、「6区の補選が原因で(麻生太郎と小川知事が)不仲になったという話に一番迷惑しているのは、蔵内(勇夫)県連会長だろう。自分の息子の選挙のことで迷惑をかけたということになるんだから。小川降ろしに付き合わされた形。麻生さんは、分かっていて否定しない。蔵内会長を引っ張り込んでおきたいからだ。だいたい、総理までやった政治家が、選挙応援に来る・来ないでこんな騒ぎを起こすはずがない。『利権話を断られたから、知事を代える』なんて、言えないだろうがね…‥」

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【政治・社会ニュース】  2019年02月19日  09:45:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【HUNTER】:福岡知事選アンケートより(上)足並み乱れる武内陣営 

2019-03-07 09:20:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER】:福岡知事選アンケートより(上) 足並み乱れる武内陣営 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:福岡知事選アンケートより(上) 足並み乱れる武内陣営  

 4月の知事選を巡って、小川洋知事の再選を支持する勢力と元官僚・武内和久氏を推す麻生太郎副総理兼財務相らのグループがぶつかり合う福岡県政界。保守分裂が確実となる中、自民党の推薦を奪い取った形の武内陣営に、早くも足並みの乱れが生じていることが分かった。
 自民党県議団所属の議員は41名。知事選の候補者選定に関する本音を探るためアンケートを実施したところ……。

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 ■造反者が複数
 HUNTEERは先々週、自民党県議団所属の議員41名全員に、知事選に関するアンケート用紙を郵送した。質問事項は以下の通りだ。

1、公募で武内氏を選んだ県連の候補者選定過程について、どのように考えておられますか?
ア 何の問題もない
イ 問題がある(問題があるとしたら、具体的に)
ウ 答えられない

2、1で「ア 何の問題もない」と答えた方にだけお尋ねします。小川洋知事の、どのような点が推薦候補に相応しくないとお考えですか?        

3、武内氏の推薦を強力に進めた麻生太郎副総理兼財務相の行動について、どのようにお考えですか?
ア 何の問題もない
イ 問題がある(問題があるとしたら、具体的に)       
ウ 答えられない

4、貴殿は、知事選でいずれの候補を支持されますか? 

 アンケート発送直後、知事選に関する取材やアンケートへの対応を控えるようお達しが出たことで、回答してきたのはわずか10名。しかし、「無記名も可」としたため、同県議団にとっては表面化させたくない実態をさらけ出す結果となっている。回答書への主な記載内容を、「小川支持」と「武内支持」に分けて下にまとめた。

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 党の方針は「武内推薦」。名前を明記してこの方針を是認したのは吉松源昭(糟屋郡)、川端耕一(門司区)、松尾統章(八幡西区)の3人の県議だけで、あとの7名は無記名だった。無記名の内の4名が「武内支持」で、10人中7名が「武内支持」ということになる。

 一方、無記名で「小川支持」を打ち出した県議が3名。いずれも推薦決定過程に疑問を呈しており、事態を主導した麻生氏に批判的な意見だった。回答に出てくる「私怨」「遺恨」という言葉は、“小川降ろし=武内氏の推薦”が、麻生氏の個人的な恨みに起因しているとの見方を示したものだろう。

 ■面従腹背
 県政界の関係者が最近よく口にするのが「面従腹背」。たしかに、少ない回答の中にも、そうした状況をうかがわせるものがある。“知事選でいずれの候補を支持されますか?”という問いに、「武内和久」と明記した7人の内、無記名の3人は“県連の候補者選定過程”や“麻生太郎副総理兼財務相の行動”について、「問題がある」を選択しているのだ。

 「知事選に対しては、有権者の自民党に対する厳しい状況を感じる結果になっている」「なぜ小川ではダメなのについて、きちんとした説明がなされていない」「武内を選んだ県連の決定は明らかにおかしい」――。「武内支持」と明記しながら、この3人の思いは、取材で感じる有権者のそれとほぼ同じ。党人として決定に従う姿勢を見せながら、納得はしていないことが分かる。知事選は県議選と同じ投票日。疑問を抱いた県議らが、真剣に武内氏を支援するとは思えない。ある県議会関係者は、こう解説している。
「面従腹背の方が多いんだよ。まともな人間なら、武内推薦を決めるまでの過程がおかしいことは分かってる。どうみても麻生さんの無理押し。加えて、(県連)選対委員長の大家(敏志・参院議員)の傲慢さには、誰もが辟易している。アンケートの回答に出てくる大家も中村(明彦県議・小倉北区)も麻生の子分。(アンケートで)武内支持を明確に打ち出している吉松も松尾も川端も、そうだろ。ばかばかしくて、付き合っていられない。
 失言や暴言を繰り返してきた麻生さんを見てれば分かるが、彼には世間の常識が通用しない。知事選は、小川が強いに決まってる。そんなことは、ほとんどの県会議員が理解しているよ。麻生さんは『負けてもいいから武内で(選挙を)やらせろ』なんだから……。言いたいことは山ほどあると思うよ、みんな」

 「武内支持」が大勢を占める自民党県議団だが、アンケート結果でも明らかな通り、造反者がいるのも確か。14日には、県議会の代表質問で“踏み絵”を踏まされた福岡市中央区選出の岳康宏県議が、退会届を提出する騒ぎとなっている。ちなみに、岳氏は今回のアンケートに回答しておらず、新たな造反者が出るとすれば、それ以外の県議ということになる。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2019年02月18日  09:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【厚労省】:統計不正 監察委員長・樋口氏、35委員歴任 野党「中立性確保できぬ」

2019-03-07 06:15:56 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【厚労省】:統計不正 監察委員長・樋口氏、35委員歴任 野党「中立性確保できぬ」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【厚労省】:統計不正 監察委員長・樋口氏、35委員歴任 野党「中立性確保できぬ」 

 六日の参院予算委員会で、統計不正問題を調査した厚生労働省の特別監察委員会の樋口美雄委員長(労働政策研究・研修機構理事長)が、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の会長をはじめ、約二十年間に延べ三十五の同省審議会委員などを歴任していたことが分かった。野党は中立性が確保できていないと批判した。 

樋口美雄委員長

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 厚労省が参院予算委に提出した資料によると、樋口氏は二〇〇一年に同省の労政審雇用保険部会長に就任した後、審議会や検討会の委員を歴任。共産党の辰巳孝太郎氏は「樋口氏は厚労省と一体だ」と指摘した。

 安倍晋三首相は「個人の資質に着目して監察委の委員長を務めていただいている」と強調した。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・厚労省・統計不正問題を調査した特別監察委員会】  2019年03月07日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【参院予算委員会】:勤労統計不正 樋口氏「隠蔽意図 質問せず」

2019-03-07 06:15:52 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【参院予算委員会】:勤労統計不正 樋口氏「隠蔽意図 質問せず」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院予算委員会】:勤労統計不正 樋口氏「隠蔽意図 質問せず」 

 厚生労働省特別監察委員会の樋口美雄委員長は六日の参院予算委員会で、勤労統計の不正に関する同省職員に対する聞き取りの際、不正を隠す意図があったかどうかを確認していなかったことを明らかにした。

 二〇一六年十月に、当時の雇用・賃金福祉統計室長は「大規模事業所は全国一律で全数調査している」と事実と異なる内容を記載した計画書を、総務相に提出した。立憲民主党会派の小西洋之氏は、同室長に隠蔽(いんぺい)の意図の有無を確認したのかと追及。樋口氏は「直接的にこういった質問はしていない」と答弁した。

 樋口氏は、報告書で隠蔽の意図を否定した理由については「(職員)本人や関係者の供述、事実関係を踏まえて判断した」と監察委としての見解だったと説明した。

 小西氏は「事実を隠す意図の有無を確認しないなんてあり得ない」と批判し、監察委の調査は不十分だと指摘した。

 監察委が二月二十七日に発表した再調査の報告書は、厚労省が対外的にウソの説明をしたとして二件の「虚偽の申述」を認定した。一方、同省が不正を意図的に隠したとまでは認められないとして「隠蔽行為があったとはいえない」と結論づけた。 (木谷孝洋) 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・国会・参院予算委員会、厚労省・統計不正問題を調査した特別監察委員会】  2019年03月07日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【厚労省】:勤労統計、経済統計学会が声明 「政治権力から独立を」

2019-03-07 06:15:48 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【厚労省】:勤労統計、経済統計学会が声明 「政治権力から独立を」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【厚労省】:勤労統計、経済統計学会が声明 「政治権力から独立を」 

 大学教授らでつくる経済統計学会(会長・金子治平神戸大院教授)は六日、毎月勤労統計の不正調査について「真実性という存立基盤を覆すもの」と批判する声明文を、東京・霞が関で開かれた総務省統計委員会の会合で提出した。

 声明では、戦時期に実態を反映しない統計が無謀な戦争へ駆り立てたことに触れ、「(統計)関係機関は政治権力から独立でなければならないという社会的使命を確認するよう願う」と求めた。

 統計委の西村清彦委員長は「関係者全員が真摯(しんし)に受け止める必要がある」と述べ、終了後の取材に「(今回は)残念ながら疑われてしまった。中立性が守られていることを見えるよう運用することが重要だ」と訴えた。

 この日は一般社団法人「社会調査協会」も統計委に対し、不正調査は「事実への畏怖の欠如」とする声明文を出した。

 毎勤統計を巡っては首相秘書官が調査方法に関する「問題意識」を厚生労働省に伝えたことが判明している。その後、調査方法や算出基準が変更され、賃金伸び率が上振れする要因にもなったが圧力は否定。「見直しは統計的な観点から行われた」と主張している。 (井上靖史)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・厚労省・毎月勤労統計の不正調査問題】  2019年03月07日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【参院予算委員会】:首相「一般的には隠蔽」でも監察委の定義に理解 統計不正答弁で

2019-03-07 06:15:44 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【参院予算委員会】:首相「一般的には隠蔽」でも監察委の定義に理解 統計不正答弁で

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院予算委員会】:首相「一般的には隠蔽」でも監察委の定義に理解 統計不正答弁で 

 安倍晋三首相は五日の参院予算委員会で、毎月勤労統計での厚生労働省職員らの不正行為について「一般的な感覚で隠蔽(いんぺい)ではと思うことは当然あるのだろう」と話した。不正を調査した特別監察委員会が追加報告書で組織的隠蔽を否定したことには「法律的な観点から厳密な定義をしたと思う」と理解を示した。 (大野暢子、関口克己)

 根本匠厚労相は、職員の虚偽説明は認めながら隠蔽はなかったとする報告書の見解に「極めて言葉が難しいと思う」と指摘。一方で監察委に対しては「動機、目的、認識、責任の所在を明らかにしていただいた」と評価した。立憲民主党の蓮舫氏への答弁。

 同党の福山哲郎氏は報告書について、隠蔽の定義が不当に狭められたと批判。参考人で出席した樋口美雄監察委員長は「法律の専門家も参加し、議論を踏まえて定義した。一般的な用いられ方としても違和感はない」と切り返した。

 沖縄県名護市辺野古(へのこ)での米軍新基地建設を巡る沖縄県民投票を巡り、岩屋毅防衛相は「あらかじめ工事を継続することは決めている」として、結果にかかわらず工事を続行する方針だったと説明。首相は、玉城(たまき)デニー知事に要請された日米と沖縄県による三者協議の設置に関し「政府として責任を持って(米国と)交渉を進める」と、否定的な考えを玉城氏に伝えたことを明らかにした。

 首相は、トランプ米大統領が二度目の米朝首脳会談で北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に日本人拉致問題を提起したことについて「米国がそこまで重視していることを金委員長は理解したと思う。しっかり伝わったことは成果だ」と評価した。共産党の小池晃氏、日本維新の会の清水貴之氏らへの答弁。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・国会・参院予算委員会、厚労省・毎月勤労統計の不正調査問題】  2019年03月07日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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