路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【東日本大震災8年】:悲しみ胸に前進誓う 復興半ば、避難5万人超

2019-03-11 19:18:30 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【東日本大震災8年】:悲しみ胸に前進誓う 復興半ば、避難5万人超

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東日本大震災8年】:悲しみ胸に前進誓う 復興半ば、避難5万人超

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から11日で8年を迎えた。この間、関連死を含めて犠牲者は2万2千人を超えた。インフラ整備は進んだが、今も5万人以上が避難生活を送る。東京の国立劇場では政府主催の追悼式が開かれ、遺族らは午後2時46分の地震発生時刻に合わせて黙とう。「私たちを見守っていてください」。悲しみを胸に復興に向けて前へ進むことを誓った。
 
 式には岩手、宮城、福島の被災3県の遺族代表や秋篠宮ご夫妻、安倍晋三首相らが参列した。
 
政府主催の追悼式で黙とうされる秋篠宮ご夫妻=11日午後2時46分、東京都千代田区の国立劇場(代表撮影)
政府主催の追悼式で黙とうされる秋篠宮ご夫妻=11日午後2時46分、東京都千代田区の国立劇場(代表撮影)
地震発生時刻に福島県いわき市久之浜地区で手を合わせる男の子=11日午後2時46分
地震発生時刻に福島県いわき市久之浜地区で手を合わせる男の子=11日午後2時46分
宮城県名取市閖上で、メッセージが書かれたハト形の風船を放つ東日本大震災の遺族ら=11日午後3時2分
宮城県名取市閖上で、メッセージが書かれたハト形の風船を放つ東日本大震災の遺族ら=11日午後3時2分

 警察庁によると、8日現在で全国の死者は1万5897人、行方不明者は2533人。
 
 元稿:山形新聞社 主要ニュース 社会 【話題・東日本大震災】  2019年03月11日  19:18:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【東日本大震災8年】:被災地で鎮魂の祈り 依然5万2千人が避難

2019-03-11 11:25:30 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【東日本大震災8年】:被災地で鎮魂の祈り 依然5万2千人が避難

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東日本大震災8年】:被災地で鎮魂の祈り 依然5万2千人が避難

 多くの犠牲者を出した東日本大震災は11日、発生から8年を迎えた。津波や東京電力福島第1原発事故により、今なお約5万2千人が避難生活を余儀なくされている。被災地では、岩手と宮城、福島の3県沿岸部に暴風警報が出るなど悪天候に見舞われる中、発生時刻の午後2時46分を前に人々が鎮魂の祈りをささげた。警察の捜索は、一部が中止となった。

岩手県大槌町の旧役場庁舎の跡地で黙とうする平野公三町長(手前右)と遺族ら=11日午前8時
岩手県大槌町の旧役場庁舎の跡地で黙とうする平野公三町長(手前右)と遺族ら=11日午前8時

 岩手県釜石市の「鵜住居地区防災センター」では避難者162人(市推計)が犠牲になった。跡地に整備中の「釜石祈りのパーク」では追悼セレモニーが行われ、野田武則市長は「後世に災害を伝える施設になることを願う」とあいさつした。

 元稿:山形新聞社 主要ニュース 社会 【話題・東日本大震災】  2019年03月11日  11:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【東日本大震災】:定点撮影~復興、歩み着実に、きょう8年

2019-03-11 10:10:30 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【東日本大震災】:定点撮影~復興、歩み着実に、きょう8年

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東日本大震災】:定点撮影~復興、歩み着実に、きょう8年

 東日本大震災から11日で8年。激震と大津波で壊滅した被災地の復興はどれほど進んだのか。震災発生直後と今の状況を定点撮影した写真で比較した。

【岩手・陸前高田市】(上)海浜新都市の創造をめざし一部で市街地整備が進んでいる=3月6日、(下)大津波で壊滅し民家ががれきとなった中心市街地=2011年3月25日

 【岩手・陸前高田市】(上)海浜新都市の創造をめざし一部で市街地整備が進んでいる=3月6日、(下)大津波で壊滅し民家ががれきとなった中心市街地=2011年3月25日

 岩手県陸前高田市は大規模な土地のかさ上げ、区画整理が今なお続くが一部エリアで住宅や公園、商業施設が再建され市街地の形が現れ始めた。高さ12.5メートル、全長約2キロの巨大防潮堤は2年前に完成しており「海浜新都市」の創造が急ピッチで進む。

【宮城・気仙沼市鹿折地区】(上)街の形を取り戻し車が行き交っていた=3月5日、(下)大津波と火災で壊滅し大型漁船も流れ着いた=2011年3月21日
 【宮城・気仙沼市鹿折地区】(上)街の形を取り戻し車が行き交っていた=3月5日、(下)大津波と火災で壊滅し大型漁船も流れ着いた=2011年3月21日
【福島・南相馬市小高区】(上)日常空間に戻ったが倒壊した民家は今も再建工事が続いている=3月6日、(下)震災発生1年後のJR小高駅前通り。民家が倒壊していた=2012年5月4日
【福島・南相馬市小高区】(上)日常空間に戻ったが倒壊した民家は今も再建工事が続いている=3月6日、(下)震災発生1年後のJR小高駅前通り。民家が倒壊していた=2012年5月4日

 宮城県気仙沼市鹿折(ししおり)地区の市街地はかなり再整備が進み、車が行き交う生活空間を取り戻していた。

 民家が倒壊した福島県南相馬市小高区のJR小高駅前通りは日常風景が広がっていたがビニールシートに覆われたままの民家が震災の爪痕を物語っていた。

 陸前高田市の高台にある神社の絵馬に住民が書いたとみられる言葉があった。「みんなで少しずつ前へ!必ずいい町にするぞ!」。どんなに時間がかかっても無数の人の力が結集し被災地の復興は着実に進む。

 元稿:山形新聞社 主要ニュース 社会 【話題・東日本大震災】  2019年03月11日  10:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER】:「防災服」と政治家の覚悟

2019-03-11 09:30:30 | 【政策・閣議決定・マイナカード・2025大阪万博、優生訴訟・公権力の暴力他】

【HUNTER】:「防災服」と政治家の覚悟

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:「防災服」と政治家の覚悟 

 東日本大震災への政府の対応が後手に回る一方で、政治家への期待感はしぼむばかりだ。


 
 まず、直面する事態に対応しているはずの防災担当相や、蓮舫節電啓発担当相、辻元清美首相補佐官らが何をやっているのかさっぱり分からない。政府の「東北地方太平洋沖地震緊急災害対策本部」も、十分に機能しているとは言えないようだ。

 ある国会関係者は、政治不在の現状について次のように話す。「震災発生以来、支援物資の提供申し入れや、ボランティア希望者の問い合わせなどについて、何度も関係省庁に確認を求めてきました。ですが、霞ヶ関(の役人)からは、『政府の指示がないので動きようがない』という困惑の言葉を何度も聞かされました。政府の対応が後手に回っているのは事実でしょう。コントロールタワーが不在なんですよ。菅さん、蓮舫さん、ともに目立つことが好きで攻撃は得意だけど、危機管理の経験は皆無ですから。辻元さんに何をやらせるのかも分からない。蓮舫さんが防災服を着て、都庁に節電のお願いに行ったけど、石原都知事から『事業仕分け』でスーパー堤防の予算を切ったことを指摘され赤っ恥をかいただけだった。国会の中でファッションショーをやってた人だから・・・。それと、菅さんには申し訳ないが、この人の下で復興に向けてガンバロウという気にはならない」。
 
 受け入れ先の迷惑もかえりみず、被災地視察にこだわった菅首相も、その仕事ぶりが国難突破に寄与しているとは到底思えない。

 菅、蓮舫、辻本、それぞれに共通するのはパフォーマンスに長けた政治家という点だ。
 
防災服申込用紙 

 そのパフォーマンスに走る政治家の代名詞となりつつあるのが「防災服」である。民主党は、先月末、所属議員に「党防災服購入のご案内」を送付し、1着5,000円で党名やロゴマークが入った防災服の購入を募った。納品は4月中旬の予定と記されている。緊迫した状況にはそぐわぬ、のどかな話である。
 防災服を着用して、被災地に出向くというならまだ我慢もできるが、テレビ映りのためなら何をかいわんや、だ。

 "内閣府"や"厚生労働省"のマークが入った防災服を着ている国会議員が少なくないことに違和感を抱いていたが、被災地から離れた国会周辺で、なぜ防災服を着用する必要があるのだろうか。国会内で、大臣や副大臣、政務官が防災服を着用して歩く後ろを、背広姿のSPや秘書官が付き従う光景は滑稽としか言いようがない。
 
 ついでながら、政治家が選挙のときに使う決まり文句は、「死ぬ気でがんばる」「命がけで国のために働く」などだ。しかし、福島第一原発において、文字通り命がけで活動しているのは、消防や自衛隊に所属する名もなき英雄たちで、政治家の姿はない。東京電力や政府が繰り返す、「直ちに影響があるものではない」程度の放射性物質の量なら、現地に飛んで、原発封じ込め作業に従事する人たちを激励する政治家がいてもよさそうなものである。もちろん、そのときはロゴマーク入りの防災服を着て行ってもらいたい。
 覚悟もないのに格好だけつけるな、ということだ。

 復興への舵取りを、この政権に任せられるとは思えないが・・・。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2011年04月04日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 
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【HUNTER】:東日本大震災対応 政府は態勢強化を急げ

2019-03-11 09:30:20 | 【政策・閣議決定・マイナカード・2025大阪万博、優生訴訟・公権力の暴力他】

【HUNTER】:東日本大震災対応 政府は態勢強化を急げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:東日本大震災対応 政府は態勢強化を急げ 

 東日本大震災の発生から5日、被災地で懸命の救助活動が続くなか、全国では義援金や物資提供といった支援活動が活発化している。しかし、政府による受け入れ態勢は整っておらず、善意の申し出が宙に浮く状況だ。

 東海地方のある企業は昨日までに、今、最も必要なはずの防災用トイレ・テントなどを提供しようと、国会関係者を通じて国に打診した。だが、問い合わせを受けた総務省などの関係省庁は「上からの指示がない」などの理由で対応できなかった。

 被災していない全国の自治体では、14日から義援金呼びかけや、支援可能物資の情報提供を求めるなど、支援に向けての活動を始めているが、肝心の政府の窓口がハッキリしていない。
 地方自治体を所管する総務省に物資支援の窓口について聞いたところ、内閣府に回された。内閣府は、企業による物資支援についての窓口は官邸の危機管理センターに連絡してもらいたいという。

15日午後の首相官邸

 政府内でも支援物資受け入れ態勢についての意思統一がなされていない状況だ。昨日までは、どこが窓口になるのかさえ分からなかったらしい。

 政府からは、現在まで、被災地支援についての受け入れ方法の説明や、ボランティア希望者に向けての正式なメッセージが出されていない。首相は、辻元清美衆院議員をボランティア担当補佐官に任命したが、動きが見えない。ボランティアの被災地入りについては、肝心の現地の情報が不足しているだけでなく、組織立った活動をするためのシステムも立ち上がっていない。

 なにより、多くの善意をむだにしないための措置が求められている。混乱を避けるためにも、態勢強化が急務である。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2011年03月15日  14:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER】:問われる原発の行方~崩れた「安全神話」

2019-03-11 09:30:10 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

【HUNTER】:問われる原発の行方~崩れた「安全神話」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:問われる原発の行方~崩れた「安全神話」

 未曾有の大惨事となった東日本大震災は、11日の発生から4日経った現在も被災地での懸命な救出活動が続いている。一人でも多くの命が救われることを願うばかりだ。地震やそれに伴う津波による被害が従来の想定を大きく超えるものになってしまったが、「想定外だった」では済まないことがある。原子力発電所の安全性だ。

  ■後手に回る政府対応に不信感広がる

 福島県大熊町にある東京電力・福島第一原子力発電所の1号機が、地震の影響で炉心溶融を起こしたと見られ、12日には原子炉建屋が爆発で吹き飛んだ。東京電力や政府は、建屋内部で水素爆発を起こしたためで、炉心そのものは大丈夫だとしているが、爆発後に、周辺住民らが被曝していることが明らかとななった。また、14日午前11時頃には3号機が同様の爆発を起こすに至った。
 
 同原発を巡っての政府や東京電力の対応は、とても適切とは思えない。地震が発生した11日の緊急事態宣言後、政府の避難指示は「原発から半径3キロ圏内」。12日には「10キロ」となり、同日夕には建屋の爆発を受けて「20キロ」へと拡大した。しかし、20キロ圏内からの避難指示は、建屋の爆発から約3時間が経過しており、菅首相や枝野官房長官による福島原発に関する一連の経過公表までに、さらに2時間以上かかっている。
 3号機建屋の爆発については、早い段階から1号機と同じ状況であることが分かっていながら対応が遅れたばかりか、炉心内の状態を示すデータなどは、東電や政府から何も公表されていない。後手に回る対応と情報の少なさに不信が増幅する。政府の慎重姿勢は、パニックを回避するためだろうが、過ぎれば事実の隠ぺいを疑われることになる。また、放射能という目に見えない恐怖と向き合う被災者や現場の救援チームなどには、迅速かつ正確な原発情報が必要なはずだ。
 関係機関全体の取り組みについて、立て直しが求められる。 

 ■求められる「情報開示」と安全基準の見直し
 大地震が来ても大丈夫だという「安全神話」が崩れたことで、原発への風当たりが強まるのは必定だが、必要な電力の3割以上を原子力に頼っている現状では、すぐ代わりを用意することは不可能。すべての原発の稼動を止めることは現実的ではない。ただし、新規に計画されている施設も含めて、原発についての徹底した情報開示と安全基準の見直しが求められる。
 とくに、既存原発の耐震性見直しは急務だ。電力各社は、平成19年の新潟県中越沖地震以後、地震時の安全評価の基準となる「基準地震動」の策定を厳しくしたが、それでも福島原発では事故が起きた。「想定」の範囲を見直すことは、原発の信頼性を維持する上で必須条件になったと言える。

 ■九州の原子力発電所

 実験プラントである高速増殖炉「もんじゅ」を含めて、国内で稼動中の原発は北海道から鹿児島まで18カ所で大間原発を建設中のほか、山口県の上関原発など2施設が計画中)あるが、原発の事故は枚挙に暇がなく、九州も例外ではない。

玄海原子力発電所

 昨年1月、薩摩川内市の九州電力・川内原子力発電所で、作業員1人が死亡し、6人が重軽傷を負う事故が発生した。分電盤の点検中に、通電している端子に誤接触したために起こったとされるが、原発内の事故は、一歩間違えば大惨事につながる。同原発では、3号機設置の計画が進行しており、鹿児島県や薩摩川内市は、根強い反対論を黙殺して計画へのゴーサインを出している。

 九州ではこの他、佐賀県唐津市にプルサーマル計画を実施中の九電・玄海原子力発電所が存在するが、ふたつの原発の安全基準や情報開示については、早急な見直しが必要だ。 

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2011年03月14日  14:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【僭越ながら論】:あえて問う「がれき処理」

2019-03-11 09:30:00 | 【政策・閣議決定・マイナカード・2025大阪万博、優生訴訟・公権力の暴力他】

【僭越ながら論】:あえて問う「がれき処理」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【僭越ながら論】:あえて問う「がれき処理」 

 東日本大震災にともなって発生した"がれき"の処理をめぐって、全国の自治体で受け入れを表明する動きが加速している。国は"がれき"を復興の妨げと断言し、大手メディアは「がれき処理」を受け入れない地域を冷たい視線で報じているが、あえてこの状況には異を唱えておきたい。筆者には、必ずしもこの流れが正しいとは思えないからだ。

 ■「がれき」は復興の妨げか?
 国が全国の自治体にがれき処理を要請する根拠となっているのは、「大量の"がれき"が復興を阻んでいる」という前提があるからだ。大手メディアの論調も同じ。しかし、これは本当なのだろうか。
 
 震災で発生した"がれき"は、大半が被災地の沿岸部や郊外に集められている。復興を震災前と同じ場所で進めるのであれば、たしかに"がれき"が妨げになるのだが、そうではあるまい。
 大津波が「想定外」ではなくなった現在、高台でのまちづくりを基本原則とすべきで、昨年の3月11日以前とまったく同じ地域での復興は自殺行為に等しい。ならば、今ある"がれき" が復興を阻む最大の要因とは言い切れないのではないか。"がれき"の処分と復興は、同時進行が可能なはずだ。

 「"がれき"が復興を阻んでいる」という主張は、復興の遅れを批判される国が、問題をすり替えるための方便であり、これに乗っかった大手メディアの報道姿勢は、いつもの「右向け右」が繰り返されているだけのことだろう。

 その証拠に、放射性物質を含んだ"がれき"とそうではない"がれき"がひとくくりで報じられており、問題点の整理さえなされていない。
 一例を挙げる。26日、福岡市議会では共産党を除く5会派が、福岡市長に対し"がれき処理"の受け入れを検討するよう要望書を提出した。だが、個別に話を聞くとかなり事情が違う。
 申し入れに参加したある会派の議員は「当然ですが、"放射性物質が含まれていないがれき"は受け入れるべきという主張です。新聞にはそう書いてないんでしょうか?」。別の会派の議員は「"福島県以外のがれき"という意味ですよ。他にもきちんと条件をつけています」。
 しかし、同日の地元紙夕刊の記事には、単に"がれき処理"の受け入れを要望したことしか書かれていない。これでは"放射性物質を含んだがれき"も含めた受け入れ要望としか思えない。

 意図的なのか、申し入れを受けた福岡市長が《『閉鎖性の高い博多湾に放射性物質が流れ込む可能性がある』と、あらためて受け入れに難色を示した》と続けている。記事の流れからすると議論の対象は"放射性物質を含んだがれき"にしかならない。

 福岡市側の説明では、市の処理施設では放射性物質を除去することができず、"放射性物質を含んだがれき"の受け入れによって博多湾を汚染する可能性が生じるとしており、これが事実なら市長の方針は正しいということになる。
 議会側の出した要望書には「全国の自治体が連携・協力して災害廃棄物を処理しなければ、被災地の復旧・復興はあり得ない」とあるが、記事ではこの文言を市長見解の後に続けているため、あたかも市が復興に寄与していないかのような印象を与えている。
 ことほどさように前提条件の整理さえされないまま、「がれきを受け入れるか否か」だけがニュースになっているのである。こんなものが正しい報道であるはずがない。

 ■根拠なき放射性廃棄物の安全基準
 昨年来、「絆」や「がんばろう」と言う言葉がこの国に氾濫している。確かに、何らかの形で復興の手助けをし、被災住民らに手を差し伸べることは同じ国で生きる者として当然のことだ。しかし、"放射性物質を含んだがれき"の受け入れを拒むことがこれに反するというのは間違いだ。以下、その理由を述べる。

 まず、放射性物質を含んだがれき処理にあたっての安全性が担保されていないことが挙げられる。
 じつは、放射性廃棄物について、国が定めた基準には法的根拠が存在しない。がれき処理にあたって国が示した放射性物質の基準は、がれきの焼却灰やコンクリートくずなどの不燃物について、放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8,000ベクレル以下なら最終処分場に埋め立てを可とするもの。しかし、これは当面の基準を国が勝手に示しただけで、何かの法律に明確に規定したわけではないのである。

 一方、国は平成17年に「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(原子炉等規制法)の改正(改悪だろうが)を行ない、「クリアランス制度」を整備している。
 この制度について、経済産業省原子力・安全保安院のホームページには次のように紹介されている。
《放射性物質の放射能濃度が極めて低く人の健康への影響が無視できることから、放射性物質として扱わないことを「クリアランス」といい、その基準を「クリアランスレベル」といいます。「クリアランス制度」とは、原子力発電所の解体などで発生する資材等のうち、放射能濃度が極めて低いものは、法定された国の 認可・確認を経て、普通の産業廃棄物として再利用、または処分することができるようにするための制度です》。
 つまり、国の確認を受けた原発から出る放射性廃棄物は、原子炉等規制法の規制から解放され、通常の産業廃棄物又は有価物として処分することが可能となっているのだ。
 クリアランスレベルは、年間線量を10マイクロシーベルトまでとしており、"がれき処理" の1キログラム当たり8,000ベクレルとはまったく違う。
 また、全国の原子力発電所から出た低レベル放射性廃棄物については、厳しく規制しており、発生した低レベルの放射性廃棄物は「ドラム缶」に入れて管理したうえ、青森県六ヶ所村に搬出することになっている。

 ■IAEAの基準は100ベクレル―日本ではその80倍
 日本では、放射性廃棄物を『焼却』するということを想定しておらず、原発から出る核のごみ以外での処分方法について法的整備がなされていなかったである。1キログラム当たり8,000ベクレルというのは、付け焼刃の数値であり、安全を保証できるものではないのだ。
 唯一、IAEA(国際原子力機関)が定めた放射性廃棄物の『焼却』に関する基準は1キログラム当たり100ベクレル。日本の基準はその80倍となっている。
 これでも安全と言えるのか?そもそも低レベル放射性物質が人体に及ぼす影響について、科学的に証明することができるデータや実験結果など存在しておらず、原子力ムラの御用学者が「大丈夫」と連呼してきたに過ぎない。

 なぜ震災がれきだけは別の基準で処理が可能なのか。そのことに対する国の説明がないまま、がれき処理の受け入れが進まないことが復興を遅らせているという作為的な大義名分がまかり通っている。いい加減、国と大手メディアの情報操作に気付くべきだ。
 
 どんな理由があるにせよ、放射性物質を全国にばら撒くことが許されるとは思えない。復興支援の遅れをがれきの受け入れを拒む自治体のせいにする流れは、国の無為無策を証明しているだけのことなのだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 僭越ながら論  2012年03月27日  10:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【僭越ながら論】:無責任政治が生む「無関心層」

2019-03-11 09:29:40 | 【政策・閣議決定・マイナカード・2025大阪万博、優生訴訟・公権力の暴力他】

【僭越ながら論】:無責任政治が生む「無関心層」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【僭越ながら論】:無責任政治が生む「無関心層」 

 これほど「政治への関心」が失せた時代があっただろうか。高低の差こそあれ、いつの時代でも国民の政治への関心は存在した。
 自民党一党支配に対する怨嗟の声が充満しても、政治とカネで永田町が揺れても、1年足らずでコロコロと宰相が代わっても、政治に対する「関心」だけはたしかに在った。
 しかし、東日本大震災以後に現出した政治のあまりのふがいなさが、国民から政治への「関心」を奪い去ろうとしている。いまや国民の政治を見る目は"虚ろ"でさえある。

 ■民主党の無責任 

 平成20年夏の政権交代は、政治への期待が最高潮に達した瞬間だったが、民主党の幼稚な政治手法が、間を置かずして失望感を招いてしまった。
 埋蔵金の枯渇などによる財源創出の失敗、展望なきマニフェストの見直し、混迷をつづけた沖縄の米軍普天間基地問題等々、失態を数え上げればきりがないお粗末な政権運営ぶりだ。鳩山前首相や小沢元幹事長の「政治とカネ」の問題も、国民の民主党離れを招いた大きな要因のひとつであることは間違いない。

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 政治不信に拍車をかけたのは、東日本大震災に対する政府の無策ぶりで、復旧・復興や福島第一原発の事故を、政治主導で解決することに失敗してしまった。
 とくに原発問題をめぐる朝令暮改ぶりは目に余る。突然、浜岡原発を止めたかと思ったら、運転休止中の原発の再稼動を進める方針を打ち出し、経済産業相が玄海町長や佐賀県知事に再稼動容認を要請。しかし、その数日後には菅首相の発案でストレステストの実施を決め、再稼動要請の根拠となった原発の安全性に政府自ら疑問符をつけた形となった。
 この間、復興の指揮を執るべき立場の松本龍前復興相が辞任するなど混乱が続いている。

 一方、震災対策に「一定のメド」がついたら辞めると表明したはずの菅首相は、自ら「一定」のハードルを上げつづけ、未だに居座った状態。もちろん、国会が正常に動くはずがない。
 
 民主党のある国会関係者は「補正予算関連などの本会議などは開かれているが、ほかはまったく動いていない。多くの国会議員は、上京してグループ内の会合やちょっとした会議に出る程度。居座った菅さんをどうすることもできず、手をこまねいている状態。震災復興に本気で取り組んでいるのは被災地選出の議員ばかりではないか。これでは国会はいらないと言われても仕方がない」と自嘲気味に話す。
 たしかに、各地の原発再稼動問題などでも、民主党国会議員の発言は聞こえてこない。
 佐賀県在住の50代の主婦は、「原口一博さんなどの佐賀県の国会議員は、なぜ玄海原発の問題で発言しようとしないのでしょう。民主党の議員は九電労組におもねる姿勢がみえみえ。こんな連中に税金で高い給料を払う必要はないですよ」と手厳しい。
 政党支持率が自民党の半分近くにまで落ち込んでも、かつてのダイナミックな動きは陰を潜めたまま、もはや政党としての体さえ成していない。責任感ゼロの政党に何かを期待するほうが無理ということのようだ。「テレビ画面に菅首相の顔が映し出されたとたん、チャンネルを変えたくなる」(福岡市在住、50代男性会社員)。「自民も民主もダメ。もう政治は結構。興味が持てん。国会議員やらおらんでも何も困らんよ」(同、40代女性)というコメントに、うなずく人も多いだろう。
 かくして「無党派層」ならぬ「無関心層」が生まれる。

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 ■原発を推進した自民党の無責任 

 原発を「国策」として推進してきたのは自民党である。電力各社と自民党の間には、カネと票をからめた密接な関係が存在してきたことは明らかで、「脱原発」で自民に何かを期待するのは無理な話だ。
 電源3法交付金による原発立地自治体の懐柔策を作り上げたのは故・田中角栄元首相だが、カネ(原資は電気料金だが)で地域ごと買収する手法がどれほど地方を蝕んできたかは、原発マネーで歪んだ佐賀県玄海町の実状を見れば分かるはずだ。
 自民党の政治資金団体「国民政治協会」への電力各社の役員らによる多額の献金からは、「癒着」という言葉しか浮かんでこない。
 原発の「安全神話」は、政・官・業・学の合作によるものだが、「政」の主役は紛れもなく自民党なのだ。こうした過去について、党としての見解さえ明らかにせぬまま政争に明け暮れる姿に、国民の共感が集まるとは思えない。
 
 民主党の凋落と反比例して支持率が上がった自民党だが、同党が民主党から政権を取り戻すことには、多くの国民が危惧を抱いているのではないか。理由は、虎視眈々と復興利権をねらう輩が暗躍し、再び「土建国家」に戻ることが予想されるからだ。税金を使った公共事業を餌に、建設業界から票とカネを吸い上げてきた同党の政治手法が作り上げた国の形は、土建国家というより「収賄国家」と呼ぶにふさわしい。再び、同じ過ちを犯すことがあってはならないはずだ。
 
 国会論戦での同党議員による口汚い野次は、とても子どもに聞かせられる代物ではなく、建設的な議論など皆無の状態だ。政権奪取に固執するのは政党政治の常とはいえ、党を超えて震災復興に力を尽くす姿勢は見えてこない。
 久留米市の会社社長(60代、男性)は次のように話す。「昔の自民党は重厚だった。イケメンでもなかったし、口も重かったが、『国家』とは何かを真剣に考える政治家がたしかにいた。安定感もあった。利権漁りに長けた国会議員が増え始めてから日本の政治はレベルが下がった。自民党は狡猾だが、政治家としては自民党議員も幼稚だよ。国会中継など見たくもない」。

 ■「無関心層」増大の危うさ
 2大政党制は、現政権や与党に対する不満を、選挙で他方の政党に委ねることで解消することができるとの考えは甘かったようだ。末期の自民党もひどかったが、期待された民主党はさらに政治不信を増大させた。危険なのは、国民の「政治不信」がさらに進み「無関心」へと変わっていくことだろう。
 「無関心」は、つまり政治や行政に対する監視の弱体化を招来することにつながりかねず、国が荒廃する前兆とも考えられる。決して看過すべき状況ではないのだが、自民、民主に取って代わる政治勢力はいまのところ見当たらない。公明党の福祉政策には共感する部分もなくはないが、国会で多数を占める勢力にはなり得ない。
 みんなの党をはじめ、その他の政党にしても、2大政党の隙間に咲いたあだ花的存在で、飛躍的に党勢を拡大することは困難な状況だ。
 
 民主・自民の闘争は、とても切磋琢磨とは言い難いものだ。結果、「無関心層」が増え続けることがこの国にとっての最大の不幸になるのだが・・・。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 僭越ながら論  2011年07月27日  07:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
 
 
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【僭越ながら論】:「原発」の是非、決めるのは?

2019-03-11 09:29:30 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

【僭越ながら論】:「原発」の是非、決めるのは?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【僭越ながら論】:「原発」の是非、決めるのは? 

 東京電力福島第一原子力発電所の事故が収束の気配さえ見せぬなか、全国で運転休止中の原発で「再稼動」の是非が問われている。
 注目される九電の玄海原発(佐賀県玄海町)をはじめ、いずれも立地自治体と県に判断を委ねた形となっているが、これは間違いではないだろうか。

 福島の現実は、原発事故の影響が立地自治体だけでなく広範囲に及ぶことを示している。いったん原子炉が暴走し始めると、"迷惑料"と揶揄されてきた電源三法による交付金で潤ってきた地域以外でも、甚大な被害を受けることは明らかだ。
 原発から20キロ以上離れた場所でも安全ではないということを、福島第一原発の事故が実証しているうえ、これまで10キロ圏内とされてきたEPZ(防災対策重点地域)の見直しは確実なものとなっている。
 福島から数百キロ離れた静岡県で、茶葉から放射性物質が検出された事実も見逃せない。
 国民ひとり一人に、原発とどう向き合うかが問われているのだが、国は判断を下せるだけの材料を提示していない。

 ■原子力行政の複雑さ
 なにより、問題なのは日本の原子力行政の分かりにくさだ。政府内には原子力を所管するいくつもの組織が存在し、一元化されていない。
 内閣府には「原子力委員会」及び「原子力安全委員会」、経済産業省の「原子力安全・保安院原子力安全・保安院」、そして文部科学省(旧・科学技術庁)といくつもの省庁が原子力行政におけるそれぞれの役割を担っている。国民から見ると、なぜ政府機関がバラバラに会見を開いているのかまるで分からない。
 
 例えば、内閣府には"原子力基本法"や"原子力委員会及び原子力安全委員会設置法"に基づき、「原子力委員会」と「原子力安全委員会」が設置されており、前者は、原子力政策に関し《安全の確保に関する事項》以外を取り扱う。
 一方、後者の「原子力安全委員会」は、原子力の研究、開発及び利用に関する事項のうち、《安全の確保に関する事項》についてのみを所掌する。
 福島第一原発の事故に関して「原子力安全委員会」が前面に出ているのは《安全の確保に関する事項》にあたるためだ。
 経済産業省原子力安全・保安院は、原子力における事務取り扱い機関で、原発の安全性や方針について、審議をしたり決定を下す権限などない。
 省庁合併で旧・科学技術庁を吸収した文部科学省は、主として放射性物質のモニタリングを所管している。

 ■原子力村
 原子力に関する政府内の行政区分を理解するだけでも大変なのに、政府組織以外に、いくつもの原子力関係団体の名称が登場し、話をややこしくする。

 東京電力・福島第一原子力発電所の事故発生以来、登場した原子力関連機関だけでも覚えきれないほどだ。ざっと挙げても次のような組織が存在する。
 独立行政法人 日本原子力研究開発機構
 独立行政法人 原子力安全基盤機構
 財団法人 高度情報科学技術研究機構
 財団法人 原子力安全技術センター
 財団法人 原子力弘済会
 財団法人 エネルギー総合工学研究所
 財団法人 日本原子力文化振興財団 
 財団法人 原子力研究バックエンド推進センター
 財団法人 核物質管理センター
 公益財団法人 原子力安全研究協会 
 公益財団法人 原子力環境整備促進・資金管理センター
 一般財団法人 原子力国際協力センター
 一般社団法人 日本原子力技術協会
 社団法人 日本原子力産業協会
 社団法人 原子燃料政策研究会

 原発関連だけでもこれだけの団体が乱立しており、その大半には当然のようにあまたの「天下り」が行なわれている。
 産・学・官による原発推進態勢は、「国策」による豊富な予算に支えられて構築されてきたものだが、そこに膨大な「役人利権」も生じさせているということだ。
 もちろん、これらの団体のほかにも電力各社や原子炉メーカー、ゼネコンといった企業の存在がある。「原子力村」の裾野は広い。

 ■広範な意見の集約を
 こうした実態や、福島第一原発の詳細な事故データを隠したまま、「原発は安全」と言い切る経済産業省や政治家は、無責任というほかない。
 求められているのはあらゆる点での情報開示であり、10年、20年先を見据えたエネルギー政策のビジョンなのだが、必要なことを何も示さないまま、休止中原発の運転再開の是非だけが問われる事態は危険だ。

 いったん原発に事故が起きれば、自治体や電力会社だけですべての責任を負うことは不可能となる。福島以外の原発の安全性に「絶対」はあり得ず、万が一の時に「あの時、運転再開に同意したのは誰だ」ということになっても遅いのだ。
 運転再開を急ぐあまり、原発の是非を立地自治体と県だけに押し付けた形の現状は、議論を矮小化させる危険性が大きい。

 電力供給のおよそ3割をまかなってきたのが原発であるという事実を踏まえたうえで、一時的な電力不足と向き合う覚悟はあるか。目前の生活の豊かさと将来の安全のどちらを選ぶのか。
 投げかけられた課題はあまりに重いが、原発を抱える自治体だけでなく、広範な意見を集約すべき問題となっていることを忘れてはならない。
 
 あなたは、原発で潤い、原発に生活を支えられる地域に、自分や子ども達の未来を決めさせますか?

 元稿:HUNTER 主要ニュース 僭越ながら論  2011年06月22日  10:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【僭越ながら論】:「未曾有」とメディア

2019-03-11 09:29:20 | 【政策・閣議決定・マイナカード・2025大阪万博、優生訴訟・公権力の暴力他】

【僭越ながら論】:「未曾有」とメディア

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【僭越ながら論】:「未曾有」とメディア 

 東日本大震災の発生以来、改めて認識させられた単位や固有名詞、そして言葉がある。
 例えば「シーベルト」「ベクレル」といった放射能に関する単位や、「原子力安全・保安院」「原子力安全委員会」などの政府組織、放射性物質の「セシウム」「ヨウ素」「ストロンチウム」などだ。
 事故や事件の報道で頻繁に使われ、定着する言葉は少なくない。アメリカにおける同時多発テロでの「アルカイダ」などはその最たる例だ。
 そうした言葉の"ひとつ"が気になっている。

 ■「未曾有」
 3月11日以来、連日のようにテレビや新聞の紙面でお目にかかるようになった言葉のひとつに「未曾有」がある。震災について語られる(あるいは報じられる)時、必ずと言っていいほど冒頭にこの言葉が振られる。「東日本大震災という未曾有の事態に・・・」、「未曾有の国難の前に・・・」といった具合だ。最近の国会論戦でも頻繁に聞かれるが、元首相が「みぞうゆう」と誤読し、一躍有名になったことは記憶に新しい。
その「未曾有」である。

 ■語源
 語源をたどると、「未曾有」とは梵語すなわちサンスクリット(サンスクリットは古代インドの言語)の「アドブダ」(adbhuta)が中国で漢訳されたものだという。もとは仏陀の功徳を褒め称えた時の仏教用語で、"非常に珍しいこと""これまでなかったこと"を指すとされ、仏典にも登場する。
 梵語の「アドブダ」(adbhuta)を日本語に直訳すると「奇跡」となるそうだが、日本に入ってきたのは漢訳された「未曾有」。そのため、"未(いま)だ・曾(かつ)て・有(あ)らず"、つまり 「これまで一度もなかったこと」の意味だけがこの言葉に対する一般的な解釈となったものらしい。
 「未曾有の好景気」「未曾有の災害」といったように、善にも悪にも用いられてきた。ただし、世相を反映してか現在はもっぱら悪い事象を形容する言葉になっている。

 ■「未曾有」の数々
 東日本大震災による死者・行方不明者の数は明治29年の「明治三陸地震」のそれを上回っており、一般家屋やライフラインを含めた都市基盤も平成7年の「阪神・淡路大震災」以上に失われた。地震の規模は"マグニチュード9"という世界最大級(正確には観測史上4番目)で、人的にも経済的にも、まさに「戦後最大」の災禍である。

 この国は、これまでにも多くの「災禍」「惨禍」「国難」を経験してきた。
 近代に限って言えば、前述の「明治三陸地震」。大正12年の「関東大震災」。そして平成7年には「阪神・淡路大震災」が発生した。
 広島、長崎で一瞬にして数十万人の未来を奪った「原爆」や、さらには「太平洋戦争」自体がもたらしたものもそれに違いない。日清、日露の戦役も同じことだ。
 経済的な問題としては平成20年のリーマンショックが引き起こした金融危機もしかり。
 これらすべてが、当時において「未曾有」と表現されてきたことは疑う余地がない。

 ■「未曾有」とは?
 それでは、何をもって「未曾有」とするのか。被害者の数か、震度の大きさか、津波の高さか、被災地の範囲か、経済を含めた全体へのダメージの深刻さか・・・。

 東日本大震災と比較すれば、犠牲者の数や建物被害では関東大震災の方が上回っているし、津波をともなう巨大な地震として今回の規模が「未曾有」だったかといえば、地震の歴史に詳しい人は「明治三陸地震」のほかに「平安時代の『貞観地震』の事例だってあるじゃないか」と反論するだろう。
 終戦から65年を経ても、なお苦しみの種を残していることでは原爆や戦争によるダメージの方が際立っている。

 もちろん、それぞれの地震が起きた当時と現在では人口や建造物の数が違っており、簡単に比較することは難しい。
 戦争は国家指導者による「人災」の側面が強く、地震や津波と同列で論じることには違和感がぬぐえない。

 「未曾有」を規定することは、ことほどさように難しい。だからこそ、"未曾有の安売り"は危険であり、「原発安全神話」を崩壊させた大震災をその一語で片付けていいのか、という懸念がつきまとう。

 ■「未曾有」乱発のあやうさ
 「未曾有」の3文字が乱発されることに"あやうさ"を感じるのは、延長線上に「想定外」という言い訳があるからにほかならない。
 
 「想定外」とは知識や経験のなさを隠すための言葉に過ぎず、これを軽々しく口にする人間は「自分ほどの者でも見通せなかった」と言っているだけのこと。つまりは人を見下しているということで、驕りの証明でもある。
 
 とくに、政治や行政にたずさわる人間にとっては禁句だと思うが、残念なことに首相をはじめ政府関係者は、「想定外」あるいは同義の「想像を超えた」などという発言を重ねてきた。
 もちろん、裏には「『想定外』だから仕方がない。自分は悪くない」=「責任は取らない。取る必要がない」とのメッセージが潜んでいる。

 政府や東京電力は、東日本大震災がもたらした津波や原発事故は「想定外」だったという姿勢を崩していない(こうした姿勢には多くの批判が出ているが・・・)。その根拠は、今回の震災の規模があらゆる意味で「いまだかつて一度もなかったこと」すなわち「未曾有」の事態だったからというところにある。
 見方を変えれば、為政者にとって「未曾有」こそ「想定外」の証明というわけだ。だが、これはいけない。

 前述したが、過去の大地震の歴史を検証すれば、東日本大震災の被害の大きさは決して「初めて」とは言い切れない可能性があることが分かる。
 原発についても、米国・スリーマイル島や旧ソ連のチェルノブイリで実際に事故が起きているうえ、国内の原発でも数え切れないほどの事故や「事故隠し」が明らかとなっている。
 そうすると、東日本大震災の規模や福島第一原発の事故に「未曾有」は当てはまらないことになる。決して「未だ曾(かつ)て有らず」ではないからだ。
 
 政府や東京電力が発すべきは、「対策を怠った」か「間違いを犯した」、あるいは「高をくくっていた」という真摯な反省の言葉だったはずだが、「未曾有」であることを盾に「想定外」でことを終わらせようとしている。
 
 心配なのは、「未曾有」の乱発が為政者の逃げ道になり、誰も責任を取らないまま"増税"などの国民への"つけ回し"が行なわれることであり、メディアまでがこれに組する形になりはしないか、その事である。

 ■原発に関する疑問
 戦後、原発は「国策」として建設が進められてきた。自民党政権下ではもちろん、政権交代を果たした民主党も原発推進の立場であったことに変わりはない。そこで、いくつかの疑問が生じる。
 
 ・スリーマイル、チェルノブイリの事故を経て、阪神淡路大震災が「地震」というこの国が抱える最大の問題点を突きつけていたにもかかわらず、「日本では事故はあり得ない」との立場を崩さなかった国や電力会社、御用学者の責任は問われないのだろうか。
 ・「原発安全神話」を作り上げるため、巨額な税金をつぎ込んで国民を欺いてきた者たちは謝罪しないのか。
 ・そして何より、為政者たち以上に「未曾有」を乱発するメディアに、そうした問いかけを担う資格があるのかということだ。

 ■創作された「原発安全神話」 
 これまで、国や電力会社は、膨大な予算を使って原子力発電の必要性、安全性を広報して来た。そうして作り上げられた「安全神話」が虚構だったことは、福島第一原発の事故が証明済みだ。
 新聞紙上で原子力発電の広告記事を読んだ経験は誰もが共有しているだろうし、テレビはタレントや文化人を起用した原発の広報番組やCMをたれ流してきた。
 潤ったのは新聞社でありテレビ局だったわけで、多くのメディアが原発は安全だという神話「創作」の片棒を担いできたのは事実だろう。
 新聞社やテレビ局が経営重視であることは論を待たないが、そのことがジレンマとなって大切な視点を欠いてはいないだろうか。

 ■メディアに求められる「覚悟」
 復興に向けて動きが始まったいま、報ずべきことは、被害を拡大させた原因の究明であり、不十分だった対策にかけられた予算の額や内容であり、原発や公共事業利権からもたらされた利益を政治家や官がどれほど食いつぶしてきたかの検証であろう。
 そうでなければ、多くの国民は何も知らされないまま、ただ利権集団のつけ回しに追われるはめになる。
 メディア側にも「原発安全神話」の創作に加担したことに対する反省が求められているのは言うまでもない。
 性根を据えてこの国の未来を語るのなら、メディア側にも相応の「覚悟」が必要なのではないのか。
 
 電力会社による自民党の政治資金団体への寄附や原発の広報。ゼネコンから政治家への献金。本来の目的を果さなかった放射能拡散予測システムや役に立たなかった防災モニタリングロボット。そうした「無用の長物」に多額の税金を投じ続けてきた官僚組織・・・。
 すべてを支えてきたのは、被災者を含めた国民が支払った電気料金や税金なのだ。もちろんメディア側に流れ込んだ巨額な原発広報費も原資は同じである。

 こうした事実を脇に置いたまま、復興はもちろん、増税や国債発行などの政治課題についてまともな批評ができるとは思えない。
 
 大半のメディアが政府や東電の「想定外」という逃げ口上について批判しているが、ならばなおさら、「未曾有」という言葉の使い方を誤ってはいけない。
 正確をもって旨とする大手メディアが、あやふやな「未曾有」を乱発することは、「原発安全神話創作」に加担した事実を覆い隠すため伏線を張ったとしか見られかねない。

 被災地の悲劇や美談、震災がもたらしている社会状況を報じることも大切だ。しかし、何が事態を悪化させたかの"覚悟を持った検証"がなければ、国民はメディアへの信頼を失うだろう。
 これまで、そうした自己批判も含めた姿勢の報道があったのか?
 寡聞にして、私は知らない。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 僭越ながら論  2011年05月09日  11:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天地人】:夜中に目が覚め、そのまま眠れないような夜、ラジオに耳を傾けることが増えた。

2019-03-11 09:09:30 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【天地人】:夜中に目が覚め、そのまま眠れないような夜、ラジオに耳を傾けることが増えた。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天地人】:夜中に目が覚め、そのまま眠れないような夜、ラジオに耳を傾けることが増えた。

 最近は、インターネット経由のラジオ放送をスマホで聞くことができ、音質も安定し放送済みの番組も楽しめる。名作文学の朗読や懐かしい音楽。落ち着いたアナウンサーの声を聞いているうちに、再び寝入ることもある。

 ラジオがとりわけ力を発揮するのは災害時。東日本大震災が発生した8年前のきょう、懐中電灯の明かりと石油ストーブの火が頼りの薄暗い支局で、ラジオにすがりつきながら夜を過ごしたことを思い出す。

 情報が途絶し、被害の全容が見えない中、太平洋沿岸の集落が津波で壊滅状態などという情報が、緊迫した声で伝えられたときは耳を疑った。「心配しています。連絡ください」。次々と流れる安否情報に胸がつぶれる思いがした。

 死者1万5千人超、2500人超が依然として行方不明という。残された家族らにとって、どんな月日が流れただろう。時間とともに深まる悲しみもあるだろう。

 いとうせいこうさんに「想像ラジオ」というタイトルの小説がある。津波で死んだはずの人物がラジオのDJとして語りかける物語。もし話が聞けるなら、突然命を絶たれ、どんな思いでいるか、今どこにいるか、残された人に古里に、何を望んでいるだろうか。鎮魂の日。亡き人の声に周波数を合わせ、耳をすましてみたい。

 元稿:東奥日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天地人】  2019年03月11日  09:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【北斗星】:横手市十文字町で毎週末行われている編み物教室がある。

2019-03-11 09:07:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【北斗星】:横手市十文字町で毎週末行われている編み物教室がある。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【北斗星】:横手市十文字町で毎週末行われている編み物教室がある。

 主宰するのは地元の佐藤弘美さん(47)。十数人の仲間と共に、カラフルな毛糸で靴下や帽子などを一つ一つ丁寧に編む

 ▼毛糸は東日本大震災翌年の2012年、宮城県気仙沼市に設立された会社から取り寄せ、皆でお金を出し合う。経営するドイツ出身の梅村マルティナさん(60)の復興に懸ける思いに共鳴。その活動を後押しするためだ

 ▼震災発生を受け、住んでいる京都から各地の避難所に毛糸を贈ったのが梅村さん。編むことでほんのいっときでも嫌なことを忘れてほしい。そんな思いからだった。願いは通じ、気仙沼で編み物の輪が拡大。地元雇用創出のための会社設立へと発展した。当初3人だった従業員は16人に増えた

 ▼佐藤さんは震災時、あまりの惨状に言葉を失い、無力感に襲われたと振り返る。同じ東北の人がこれほどひどい目に遭っているのに何もできない。自分を責めた。だからこそ復興のシンボルとも言える会社が気仙沼にできたと知り、即座に協力を決めた

 ▼壊滅的な被害にも負けず再起を期す人たちの助けになればと同社から毛糸を購入。地元の交流施設で13年から編み物教室を始めた。趣旨に賛同し、熱心に参加する仲間が支えだ

 ▼震災から8年。心配なのは、年月の経過とともに人々の心から被災地への思いが薄れてしまうことだ。「これからも復興支援を続けていこう。ささやかでも、できる限りのことを」。今改めて胸に誓う。

 元稿:秋田魁新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【北斗星】  2019年03月11日  09:07:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:東日本大震災8年 生活再建はまだ道半ば

2019-03-11 09:07:40 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【社説】:東日本大震災8年 生活再建はまだ道半ば

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:東日本大震災8年 生活再建はまだ道半ば

 岩手、宮城、福島の3県を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災から、あす11日で8年となる。復興は進んでいるとはいえ、今なお全国で約5万2千人が不自由な避難生活を強いられている。被災者の生活再建はまだ道半ばである。被災者に寄り添った支援が求められる。

 東日本大震災の全国の死者は1万5897人、行方不明者は2533人。長期の避難生活での体調悪化や自殺による震災関連死は1都9県で3701人に上る。

 被災地3県では災害公営住宅や道路、防潮堤の建設が進んでいる。東京電力福島第1原発事故に見舞われた福島県を除いて、多くの自治体でインフラ整備に一定のめどが立ちつつある。

 一方で、普通の生活を取り戻すまでに至っていない被災者は多く、プレハブの仮設住宅から退去できない人もいる。災害救助法ではプレハブなどの応急仮設住宅の提供期間を原則2年としているが、震災では特例で期間の延長を繰り返してきた。

 被災3県の自治体アンケートを基にした共同通信のまとめでは約1860世帯、約3880人がプレハブ仮設に居住。このうち約3割に当たる約1250人が65歳以上の高齢者だ。

 入居者の半数以上が3月末までに退去予定だが、4月以降も住み続ける被災者はいる。3県合わせて597世帯、1300人に上る見通しである。自宅の再建や災害公営住宅の完成までという人もいるが、その中で生活の困窮によりプレハブ仮設を出たくとも出られないというケースがあることが気に掛かる。

 プレハブ仮設は老朽化が進み、住環境の悪化が心配される。自治体によっては戸別訪問による意向調査や助成制度の活用の提案など退去に向けた支援を継続している。しかし仮設生活が長くなり、居住者それぞれが抱える事情は複雑化している。被災者一人一人の悩みに対応し、不安なくプレハブ仮設を出られるような環境を整えてほしい。

 被災地では人口減や高齢化が進む。他県へ避難し、そこで新しい生活を歩み始めた人もおり、地域コミュニティーの再生が見通せない地域もある。再生に向けた取り組みとともに、被災者の心のケアも重要である。

 政府が被災地を財政面で支援する「復興期間」は2020年度で終了する。同時に復興庁も廃止される予定だ。しかしハード面での復興は進んでいるが、生活支援を含めたソフト面の課題はまだまだ残っている。21年度以降も支援は必要で、復興庁に代わる組織を設置するべきである。

 大震災以降も、熊本地震、西日本豪雨、北海道地震など日本列島は大きな災害に見舞われている。いつ大災害が襲ってくるとも限らない。「3・11」を忘れることなく胸に刻み、大震災から学んだことを教訓として、災害に備えたい。

 元稿:秋田魁新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月10日  02:13:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【北斗星】:イチゴが旬を迎えている。

2019-03-11 09:07:30 | 【食糧自給率・農業・JA・農協・農家・化学肥料・米の作柄・牛・豚・養鶏・野菜】

【北斗星】:イチゴが旬を迎えている。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【北斗星】:イチゴが旬を迎えている。

 県内の青果店やスーパーの売り場は各産地のイチゴが並び、目にも鮮やか。栃木生まれの「とちおとめ」がかなりのスペースを占めているが、珍しい品種も並ぶ。白いイチゴを見たときは驚いた

 ▼白いイチゴは近年人気が高まっており、各地で品種開発が盛んに進められている。「パールホワイト」(奈良)、「雪うさぎ」(佐賀)などネーミングでもアピールしている

 ▼全国のご当地イチゴが一目で分かる「苺(いちご)のふるさとMAP」が会員制交流サイト(SNS)で話題だ。豊洲市場の通販サイトを運営する食文化(東京)がツイッターで発信し、46都道府県の88種類を紹介している。本県からは病気に強い品種として開発された「こまちベリー」が載っている

 ▼マップ担当者によると、苗で育てるイチゴは農家が新規に参入しやすい作物。それぞれの地域で特色あるイチゴが作られていて、「まちおこしのきっかけにもなっている」と話す

 ▼東日本大震災でイチゴ農家が被害を受けた宮城県山元町で先月、農産物直売所「やまもと夢いちごの郷」がオープンした。買い物客で混み合う店内には、昨年デビューしたばかりの新品種「にこにこベリー」も並んでいる

 ▼同県が12年かけて開発した品種で、「生産者も消費者も笑顔になってほしい」との願いを込めて名付けた。果実は断面まで鮮やかな赤色で、パフェなどのスイーツ需要も見込まれるという。復興に向けた関係者の努力が実を結んだ。

 元稿:秋田魁新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【北斗星】  2019年03月10日  09:07:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:景気後退の可能性 地方経済にも目配りを

2019-03-11 09:07:20 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【社説】:景気後退の可能性 地方経済にも目配りを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:景気後退の可能性 地方経済にも目配りを

 内閣府は、1月の景気動向指数の速報値を発表し、基調判断を「足踏み」から「下方への局面変化」に引き下げた。景気が数カ月前に後退局面に入った可能性があることを示している。大きく影響したのが中国経済の減速。最大の要因である米中の貿易交渉が早期に解決するとは考えにくく、日本の景気は不透明感を増しているといえる。

 今回の「局面変化」は、中国経済の変調がすぐに日本経済に及ぶことを如実に示した。他にも難航する英国の欧州連合(EU)離脱問題や米国との通商交渉など日本経済を揺るがしかねない不安材料が山積している。こうした世界経済の変化にどう備えるか。企業任せにするのではなく、国を挙げて考える必要がある。

 1月の速報値では景気の現状を示す一致指数(2015年=100)が前月比2・7ポイント低下の97・9と、5年7カ月ぶりの低水準に悪化。日本から中国への輸出は大きく落ち込んだ。昨年来、米国と激しい貿易戦争を繰り広げてきた中国経済のしわ寄せを受け、スマートフォン向け部品など半導体や産業機械の輸出減が際立った。

 政府は1月の月例経済報告で国内景気は「穏やかに回復している」との判断を維持。景気拡大期間が74カ月に達し「戦後最長になった」と表明したばかり。ただし景気後退に入ったかどうかを内閣府が確定するのは早くても1年先となる。14年の消費増税後にも「下方への局面変化」と4カ月間判断されたが、結果的には景気拡大は途切れていないとされた。

 今回も一時的落ち込みとの見方がある。菅義偉官房長官も、景気拡大が続いているとの認識を変えていない。だが、かつて景気が一時的に落ち込んだ東日本大震災や消費増税直後といった特殊な要因と違い、日本の輸出状況が改善されない限り、「下方への局面変化」が続くとの見方は強い。

 何より安倍政権が掲げる経済政策「アベノミクス」は好調な輸出がけん引役となってきた。今後、世界の不安材料が多くの日本企業に暗い影を落とすことが懸念される。

 実質経済成長率が10%を超えることが多かった高度成長期の「いざなぎ景気」などとは異なり、現在の景気拡大の恩恵は地方に及んでいないとの声は根強い。一方で、中小企業が多い地方は景気の後退のあおりをもろに受けやすい。こうした状況を踏まえ、地方経済のてこ入れ策強化も求められる。

 10月には消費税の10%への引き上げというマイナス要素も加わってくる。原材料費や人件費の高騰を理由にした食品などの値上げが相次いでおり、消費者動向の減速も危惧されている。政府は今回の「局面変化」の実態を見極め、「アベノミクス」を含めて、日本の経済構造に合った最善の手だてを講じなければならない。

 元稿:秋田魁新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月09日  02:13:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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