【北斗星】:スキー場跡地に移動式キャビン(小屋)を設置し、自然の中でゆったりと過ごしてもらえる宿泊プランを実践したい―。
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【北斗星】:スキー場跡地に移動式キャビン(小屋)を設置し、自然の中でゆったりと過ごしてもらえる宿泊プランを実践したい―。
県が先日、都内で開いた「ドチャベン(土着ベンチャー)」の審査会で提案されたプランだ
▼県内への移住を望む20~50代の8組が起業に向け知恵を絞り、新たなビジネスモデルを紹介。他のアイデアもオーガニック野菜を使った弁当の販売事業、発酵文化や自然を活用した心身ケアのプログラム、男鹿半島を丸ごと美術館に見立てたツアーなど、どれも斬新だ。地域の隠れた素材の掘り起こしにつながる発想ばかりで胸が躍った
▼ドチャベンは4年目。県が今回、起業の活動拠点の候補地に示したのは能代、男鹿、湯沢、五城目、美郷の5市町。参加者は各市町を視察して担当者から説明を受け、構想を練り上げた
▼目を引いたのは8組のうち5組が活動拠点に湯沢市を選んだこと。冒頭の提案もその一つだ。同市の情報発信が巧みだったからなのか、それとも活性化につながる素材がありながら、地域で十分に生かされてこなかったからなのか。提案を聞きながら思いを巡らせた
▼これまでドチャベンに参加した移住希望者から6組が起業。他にも数組が準備中だ。地域に新たな息吹を吹き込もうと構想を練って挑む。その覚悟は並大抵ではないだろう
▼だからこそ受け入れる側は地域の一員として温かく迎えたい。住民の協力的な姿勢は彼らを勇気づけ、事業を後押しする大きな力になるはずだ。
元稿:秋田魁新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【北斗星】 2019年03月09日 09:07:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。