路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【北斗星】:スキー場跡地に移動式キャビン(小屋)を設置し、自然の中で・・・

2019-03-11 09:07:10 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【北斗星】:スキー場跡地に移動式キャビン(小屋)を設置し、自然の中でゆったりと過ごしてもらえる宿泊プランを実践したい―。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【北斗星】:スキー場跡地に移動式キャビン(小屋)を設置し、自然の中でゆったりと過ごしてもらえる宿泊プランを実践したい―。

 県が先日、都内で開いた「ドチャベン(土着ベンチャー)」の審査会で提案されたプランだ

 ▼県内への移住を望む20~50代の8組が起業に向け知恵を絞り、新たなビジネスモデルを紹介。他のアイデアもオーガニック野菜を使った弁当の販売事業、発酵文化や自然を活用した心身ケアのプログラム、男鹿半島を丸ごと美術館に見立てたツアーなど、どれも斬新だ。地域の隠れた素材の掘り起こしにつながる発想ばかりで胸が躍った

 ▼ドチャベンは4年目。県が今回、起業の活動拠点の候補地に示したのは能代、男鹿、湯沢、五城目、美郷の5市町。参加者は各市町を視察して担当者から説明を受け、構想を練り上げた

 ▼目を引いたのは8組のうち5組が活動拠点に湯沢市を選んだこと。冒頭の提案もその一つだ。同市の情報発信が巧みだったからなのか、それとも活性化につながる素材がありながら、地域で十分に生かされてこなかったからなのか。提案を聞きながら思いを巡らせた

 ▼これまでドチャベンに参加した移住希望者から6組が起業。他にも数組が準備中だ。地域に新たな息吹を吹き込もうと構想を練って挑む。その覚悟は並大抵ではないだろう

 ▼だからこそ受け入れる側は地域の一員として温かく迎えたい。住民の協力的な姿勢は彼らを勇気づけ、事業を後押しする大きな力になるはずだ。

 元稿:秋田魁新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【北斗星】  2019年03月09日  09:07:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:東海第2の支援 東電は被害者を優先せよ

2019-03-11 09:05:50 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説①】:東海第2の支援 東電は被害者を優先せよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:東海第2の支援 東電は被害者を優先せよ

 東京電力が日本原子力発電の東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働に向け、資金支援計画の中核を担う方向になっている。

 必要になる資金は、これまで想定されていた額の2倍近い3千億円規模に膨らむ。安全対策工事に充てられる。

 東電は約1900億円を支援する計画という。約960億円は大手金融機関から借り受けて原電に融資し、残りは債務保証する。

 東電は福島第1原発の廃炉作業や、事故に伴う賠償などに莫大(ばくだい)な費用が必要になる。資金面で国の支援を受けているのに、融資を転貸してまで原電の後ろ盾になることには疑問がある。

 被害者への賠償交渉では、内容に納得できない被害者が相次いでいる。原子力損害賠償紛争解決センターによる裁判外紛争解決手続き(ADR)による和解案を、東電が拒否するケースも多い。

 被害者は、原電への巨額の支援計画に納得できないだろう。

 今回の支援には大きなリスクもつきまとう。

 東海第2原発は首都圏唯一の原発だ。昨年11月に運転期限の40年を迎えている。原電は最長20年の運転延長を目指して原子力規制委員会に審査を申請し、安全対策を施すことを条件に正式に合格した経緯がある。

 福島第1原発と同じ沸騰水型だ。格納容器が小さく、冷却機能が失われると内部温度が上がりやすい欠点がある。安全対策にはコストがかかる。当初の費用は約1800億円だった。今後、どこまで増えるのか不透明だ。

 さらに周辺町村が再稼働に同意するのかも分からない。

 避難計画の策定が必要な半径30キロ圏内の人口は最多の96万人に及ぶ。原電は立地する東海村を含め、水戸市など周辺計6市村と事前に再稼働の了解を得る協定を全国で初めて結んでいる。

 事故時に住民が安全に避難できる計画の策定は遅れている。首長らは再稼働に慎重な姿勢を崩していない。再稼働できなければ、廃炉になる可能性も否定できない。その場合は東電が損失を被る可能性がある。

 東電は福島の事故まで、東海第2で発電した電気の8割を購入してきた。再稼働で今後の経営を安定させたい思惑があるのだろう。そのために、リスクの高い支援をするのでは本末転倒だ。

 東電は置かれている状況を自覚し、地道に経営再建と被害者救済に取り組む必要がある。優先するべきことを間違えてはならない。 

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月11日  09:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:学童保育 見守る目弱まらないか

2019-03-11 09:05:40 | 【待機児童問題・認可、無認可保育園・認定こども園・子育て世代、産休・育休・...

【社説②】:学童保育 見守る目弱まらないか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:学童保育 見守る目弱まらないか

 放課後に小学生を預かる学童保育(放課後児童クラブ)は共稼ぎの親やひとり親の大きな支えだ。子どもたちが安心して過ごせる居場所にもなってきた。その土台が揺らがないか。

 学童保育は現在、おおむね40人以内の子どもに対して常時2人以上の職員を置くことが義務づけられている。この基準の扱いを変えて職員1人でもできるように児童福祉法を改めるという。政府が閣議決定した地方分権に関わる一括改正法案に盛り込まれた。

 職員の配置基準は、厚生労働省が2015年度、児童福祉法に基づく省令で定めた。職員のうち1人は、保育士や社会福祉士の資格を持ち、支援員の研修を修了している必要がある。

 「従うべき基準」としてきた規定を「参考にすべき基準」に“格下げ”して縛りを緩め、市町村の裁量の幅を広げる。義務づけではなくなるため、資格を持たず研修も受けていない職員1人で子どもたちを預かることも、自治体の判断によっては可能になる。

 人手の確保が思うに任せないことが背景にある。学童保育も保育所と同様に受け皿は足りていない。待機児童は都市部を中心に1万7千人余に上る。定員を増やそうにも、基準を満たすだけの職員を集めるのが難しい。

 一方で、子どもが数人でも、支援員を含めて職員を複数置く必要があるため、中山間地などでは確保できずに中止したところがあるという。基準の見直しや地域の実情に応じた裁量の拡大を求める声が自治体側から出ていた。

 ただ、職員が減れば保育の質は低下する恐れがある。市町村によって格差が生じることにもなりかねない。支援員や保護者の全国組織は、子どもたちに安全で安心な生活の場を保証できなくなるとして強く反対している。

 職員は大半が非正規雇用で、週5日以上勤務しても年収150万円に満たない人が半数近くを占める。低い賃金と不安定な雇用が人手の確保を難しくしている。処遇改善のため財政面の手当てを拡充することこそが欠かせない。

 学童保育は、いじめや虐待をはじめ子どもが直面している困難に気づき、支援につないでいく場にもなる。一人一人に丁寧に目を配ることが何より大事だ。その態勢を弱めるべきではない。

 実際に学童保育を運営する基準は各市町村が条例で定める。安心して子どもを預けられる場になっているか。行政と議会の姿勢に目を向けていく必要がある。 

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月11日  09:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【斜面】:川沿いでよくシジミ掘りをした=60代女性。

2019-03-11 09:05:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【斜面】:川沿いでよくシジミ掘りをした=60代女性。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【斜面】:川沿いでよくシジミ掘りをした=60代女性。

 夏は田んぼが草原のようだった=20代男性。沼にはナマズがいた=60代男性。斜めのジャングルジムがあって遊んだ=40代女性…。何げない日常の中で心に刻まれた光景や体験が並んでいる

   ◆

 宮城県石巻市大川地区にまつわる住民らの思い出をまとめた「大川地区ふるさとの記憶」だ。昨年暮れに出版し、2月に増刷している。東日本大震災の津波で住民2489人のうち418人が死亡・行方不明となり、4集落が災害危険区域に指定された

   ◆

 被災前の街を形に残そうと、住民らでつくる団体を中心に2016年から4集落を模型で復元する活動を進めた。神戸大などの学生らの協力も得て500分の1の大きさで再現している。住民から話を聴きながら模型に彩色したり、思い出を記したアクリル片の旗を立てたりした

   ◆

 復元された街並みが記憶を呼び起こすのだろう。2700本の旗を立てても書き切れない「つぶやき」が千件を超えた。これを編集、収録したのが「ふるさとの記憶」だ。お花見や山菜採り、釣りなど豊かな自然に囲まれた暮らしの一端が浮かび上がる

   ◆

 楽しい行事を思い出すとともに復活させたいという意欲が湧く―。団体の代表、小川英樹さんが本の謝辞で記している。祭礼の再開に取り組んできた集落は昨年、集団移転先でお神楽を奉納した。大震災の発生から8年。土地の記憶が人の心をつなぎ、将来への活力を生んでいくよう願う。 

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【斜面】  2019年03月11日  09:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:あすへのとびら 福島原発事故8年 故郷追われた苦難今も

2019-03-11 09:05:20 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

【社説】:あすへのとびら 福島原発事故8年 故郷追われた苦難今も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:あすへのとびら 福島原発事故8年 故郷追われた苦難今も

 晴れた日曜の午後、駅前の一帯に人影は見えなかった。通り沿いには、家屋や商店を取り壊した後の更地が目立つ。

 東京電力福島第1原発事故で全町避難を強いられた福島県浪江町を先日訪ねた。2017年春に一部地区の避難指示が解除され、もうすぐ2年になる。

 わずかに営業する商店や飲食店で、暮らしの様子を聞いた。みな複雑な表情を見せた。

 「まちづくりを一からやり直している状況で、何とも…」

 「子どもたちに戻ってこいとは言い出せない」

 事故前は2万人以上が暮らしていた浪江町。いまは800人ほどだ。丸ごと失われた生活や仕事の基盤は簡単には取り戻せない。

 町の8割を占める帰還困難区域は放射線量が高く、現在も立ち入りが規制されている。一族の墓参りに許可を得て入る瀬尾誠さん、美和子さん夫妻に同行した。

 紅葉で知られる高瀬川渓谷に近い小丸(おまる)地区。約30戸の集落は雑草に深く覆われ、野生動物の領域が家や庭を侵食していた。

 室町時代からという由緒ある集落。農地もある。瀬尾さんは「いつかは戻り、守っていきたい」と話す。だが見通しは立たない。

 <帰還政策の一方で>

 復興庁によると、福島県の避難者はピーク時の16万人から減少したが、いまも4万2千人がふるさとを離れ、県内外で暮らす。

 事故から8年。政府は「復興」を強調し、拠点地域の整備を促すなど帰還に力を入れている。

 しかし、暮らしを断ち切られ全国各地へ避難した人の多くが、まだ帰ることができない。避難指示が解除されても、浪江など9市町村の解除地域の居住率は2割程度にとどまっている。

 被災者の置かれた状況が、政府には本当に見えているか。一面的な復興、帰還政策になってはいないか。問い直さねばならない。

 理解する必要があるのは、目に見えない放射線への不安が個々の被災者にもたらした、ひとくくりにはできない問題の数々だ。

 1ミリシーベルトだった年間被ばく量の限度は、事故を受け、20ミリシーベルトに引き上げられた。この緊急的な措置が安全基準のように扱われていくことに不安を抱くのは当然だろう。放射線リスクへの認識は人によって違う。深刻な意見の対立は家族の間にも生まれた。

 被災地のどこから避難したのかも人生を左右する。道を1本隔てて区域が違うと、支援策の内容に大きな違いが出る。避難指示が出ていない地域から避難した人は自主避難者と呼ばれる。

 福島県は2年前、帰還を促そうと、自主避難者に対する住宅の無償提供を打ち切った。避難先の自治体が独自に行ってきた住宅提供も、多くがこの春で終了する。生活の苦しくなる人が増える。

 被災地の再建だけが復興ではない。大切なのは、たとえ帰還しなくても被災した一人一人の不安に向き合い、生活の再建につなげられるかどうか、ではないのか。

 <責任の所在を明確に>

 この災害が単なる自然災害ではなく、原発を推進した国策の延長で起きたという事実を、忘れてはならない。

 全国各地の避難者が国や東電を相手に損害賠償を求める集団訴訟は約30件に上り、原告は計1万人を超えた。国が被告となった訴訟は地裁で6件の判決が出され、うち5件が国の責任を認めた。だが国と東電はいまも、事故の責任を認めていない。

 浪江町の瀬尾さんは、千葉県に避難した人たちの訴訟に加わる。17年に国の責任を認めない判決が出され、現在は高裁の審理が進む。責任を認める司法判断が定着してきたことに期待をかける。

 ふるさとを追われた苦難は、責任を明らかにした上で、きちんと補償されなければならない。そのことが、原発のコストを安く見積もって推進した政策の過ちをただすことにもつながるはずだ。

 政府は原発政策の失敗を認めず、ごまかしを続けている。

 昨年決定したエネルギー基本計画は、30年度の原発の電源比率を20〜22%とした。達成には新増設が必要なのに、脱原発の世論を恐れてか、具体策を語らない。

 核燃料サイクル政策は、破綻している現実を認めようとしない。政府が旗を振る原発輸出は今年、再生可能エネルギーとのコスト競争に勝てず全滅状態になった。

 今後は、「復興五輪」を掲げる東京五輪の準備が加速する。聖火リレーの出発地は、事故の対応拠点だったJヴィレッジで調整が進んでいる。さまざまな復興ストーリーが、政府によってお膳立てされるだろう。

 その一方で事故の教訓を忘れていないか、前のめりの復興に隠れてしまったものはないか、目を凝らしていかねばならない。 

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月10日  09:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【斜面】:参院のサイトが公開している録画を見ると、そのとき口元が心なしか緩んで・・・

2019-03-11 09:05:10 | 【中央省庁・内閣府・1府11省2庁・公取委・主任の大臣・事務次官・官房・

 【斜面】:参院のサイトが公開している録画を見ると、そのとき口元が心なしか緩んでいるように見える。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【斜面】:参院のサイトが公開している録画を見ると、そのとき口元が心なしか緩んでいるように見える。

 「思い上がり」などの批判が野党だけでなく与党からも上がって、陳謝に追い込まれた。内閣法制局の横畠裕介長官である

   ◆

 6日の予算委だ。野党議員が安倍晋三首相の答弁を時間稼ぎだとして、「聞かれたことだけ堂々と答えなさい」と大声を上げた。与党がこれを問題視すると議員は国会の内閣に対する監督機能について質問、横畠氏は「声を荒らげて発言することまで含むとは考えていない」と述べた

   ◆

 野党が怒るのには伏線がある。長官には政権寄り姿勢が目立つからだ。例えば安保関連法の答弁で「毒キノコだとすれば一部をかじってもあたる。しかしフグなら、全部食べるとあたるが肝を外せば食べられる」。違憲部分は取り除かれている、と

   ◆

 5年前の長官就任の記者会見では、憲法解釈の変更について「およそ不可能という前提には立っていない。遅れることなく、しっかり研究していきたい」。集団的自衛権行使は憲法に反し許されない、としてきた歴代内閣の憲法解釈変更を目指す政権と息の合ったところを見せていた

   ◆

 法制局は「憲法の番人」と呼ばれる。厳格な法解釈により、時に政府の解釈改憲に立ちはだかってきた。安倍首相はそこに手を突っ込み、法制局を自分の意のままになる役所に作り替えつつある。野党質問を官僚が鼻先で笑う異様な光景。問われるべきは首相の姿勢である。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【斜面】  2019年03月10日  09:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【論説】:【震災原発事故8年】どこへ行くか

2019-03-11 09:04:30 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

【論説】:【震災原発事故8年】どこへ行くか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【論説】:【震災原発事故8年】どこへ行くか

 忘れられない画題がある。「われわれはどこから来たか。われわれは何か。われわれはどこへ行くか」。フランス人画家ゴーギャン最晩年の作だ。二〇二一年度以降の復興庁の後継組織設置が固まり、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興は新たな局面を迎える。本県の今の姿と、取るべき態度を画題は表しているように思える。
 地震や津波の被害を受けた沿岸部や内陸部は、社会基盤の整備が進んでいる。津波被災地の復旧・復興事業は帰還困難区域を除き、二〇一八(平成三十)年度中に箇所数で93%が完了する。東北中央自動車道、JR常磐線など交通インフラも整いつつある。
 ただ、進み具合は「一様でない」ことを肝に銘じなければならない。特に浜通りの市町村長は実感に濃淡がある。
 「帰還した町民の割合は約九割になった」「安心して生活できる環境が整ってきた」。本紙の取材に手応えを語る首長がいる。一方、「復興はまだ緒に就いたばかりだ」「帰還率は思うように上がらない」「構想や計画が具現化する。『帰町元年』として、町の復興にようやく一歩を踏み出す」と困難な現状や悩みを吐露する声もある。
 置かれた状況が異なる中、古里の暮らしを取り戻し、住み良い環境をつくろうと行政や住民は懸命に取り組んでいる。とはいえ政府の計画や予算執行通りに復興が進むとは限らないことを示している。
 そんな中、復興庁後継組織と今後起きる可能性の高い大規模災害に備えた防災対応組織の一体化を目指すべきとの意見がある。災害復興がなおざりになりかねず、現実的ではない。現に進行中の復興事業と原発廃炉に国力を注ぐ体制を維持すべきだ。
 復興・創生期間終了は二年後に迫る。本県はそれ以降の青写真をどう描き、実現すべきなのか。政府の支援はもちろん、自助の心構えが求められる。災害と人口減少による地域の活力低下が指摘されるが、気候風土に育まれた農林水産業や、ものづくりの力に可能性を見いだそうとする動きが出ている。文化やスポーツで活躍する若者が次々に現れ、移住者や観光客は増えている。本県の魅力に自信を持ち、磨いて生かす工夫が活路を開くに違いない。
 西洋の宗教と文明に疑問を抱いたゴーギャンは南太平洋に移り住み、人間本来の在り方を見つめようとした。日本が経験したことのない状況下にいるわれわれも経緯と現状を冷静に認識し、県土再生に向けて未来への視座を定める時期に来ている。(鞍田炎)

 元稿:福島民報社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【論説】  2019年03月11日  09:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【あぶくま抄】:海が傾いた日

2019-03-11 09:04:20 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【あぶくま抄】:海が傾いた日

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【あぶくま抄】:海が傾いた日

 いわき市大久町の「三艘舟[さんそうぶね]」地区は里山に囲まれ、田畑が広がる。海から四キロほど離れているが、かつて津波が川をさかのぼり、三艘の舟が打ち上げられた。海が時に牙をむくという教訓を、先人は地名によって後世に伝えてきた。
 地震、津波、避難生活の心労などで、県内の四千九十九人の命が奪われた。行方不明は死亡届が出された人を含め二百二十六人を数える。きょう十一日、人々は浜辺や岸壁に立ち、鎮魂の祈りをささげる。愛する人や家族、友人の面影をしのぶ。
 八年前のあの日、いわき市の男性は海のそばで仕事をしていた。「海が壁のように盛り上がり、向かってきた」。やっとの思いで逃れた記憶が鮮明に残る。鎌倉時代初期、随筆家鴨長明[かものちょうめい]は方丈記に大地震のありさまをつづる。〈海は傾きて陸地をひたせり〉。世の中は何が起きても不思議ではないという「無常」を記した。
 政府の有識者委員会は本県沖の大地震が今後三十年以内に発生する確率を「10%程度」から「50%程度」に引き上げた。沿岸部は防潮堤や防災緑地が出来上がりつつある。いち早い避難への住民意識も高い。再び海が傾く日への備えを、今を生きる人は未来につなぐ。

 元稿:福島民報社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【あぶくま抄】  2019年03月11日  09:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:3.11から8年/復興の上昇気流生み出そう

2019-03-11 08:49:55 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

【社説】:3.11から8年/復興の上昇気流生み出そう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:3.11から8年/復興の上昇気流生み出そう 

 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く大熊町。今春には、第1原発立地町としては初めて一部地域で避難指示が解除される見通しだ。町の「復興拠点」となる大川原地区では役場庁舎や復興住宅の整備が急ピッチで進む。

 町役場は来月に開庁、大型連休明けの業務開始を目指す。真新しい庁舎にあたる春の柔らかな日差しは、復興へ新しい一歩を踏み出そうとする同町と町民に温かいエールを送っているようだ。

 東日本大震災と原発事故から丸8年がたった。地震、津波、原発事故、そして風評という災禍に県民は立ち向かってきた。きょうからは9年目に入る。歩みを止めることなく、前へ、前へ。復興を遂げた福島県を次世代に手渡すために力を合わせていきたい。

 復興は前進している。観光客数や製造品出荷額は震災前に近い水準まで回復してきた。地域の本格復興へ期待を担う常磐道の大熊、ならはスマートの両インターチェンジは今月中に開通し、原発事故の対応拠点となったJヴィレッジも来月20日に全面再開する。

 一方で、第1原発の廃炉は、8年を経て溶け落ちた核燃料に接触できたものの、先は見通せないままだ。事故の風評も根強く、農産物の価格は低迷、今なお24の国・地域が輸入規制を続けている。外国人宿泊者数も震災前の水準を超えはしたが、全国的な旅行者急増の流れからは大きく遅れている。

 復興が順調に進んでいるものをけん引役にして、遅れているものを引き上げるような「上昇気流」をつくり出し、復興に加速度をつけていくことが必要だ。全国新酒鑑評会での県産清酒「日本一」や、全国男子駅伝での初優勝など、復興のトップランナーを増やすことに県を挙げて挑戦したい。

 政府が10年間と定めた復興期間は2020年度末で終了する。同時に復興庁も廃止となる。しかし本県の復興には長い期間が要る。政府は8日の閣議で復興に関する基本方針見直しを決定。具体的な形態は示さなかったが、復興庁の後継組織設置を初めて明記した。

 被災自治体からは「ポスト復興庁」の形が定まらなければ、先を見据えた政策遂行に支障が出るとの指摘もある。切れ目のない復興政策の実行と深化に、国が前面に立って責任を果たすことができる組織づくりへ議論を急ぐべきだ。

 復興だけでなく、急速に進む人口減少にも着実に対応していかなければならない。県や市町村には復興と地方創生を同時に成すことができるよう繊細かつ大胆な施策の立案と執行が求められる。

 元稿:福島民友新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月11日 08:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【編集日誌】:3.11のハーモニー

2019-03-11 08:49:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【編集日誌】:3.11のハーモニー

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【編集日誌】:3.11のハーモニー 

 「音楽は世界語であり、翻訳される必要がない。そこにおいては魂が魂に語りかける」とはバッハの言葉だ。素晴らしい音楽は、多くの人の心を結び付ける力を持っている

 ▼東日本大震災から2年後に生まれた合唱曲が、全国各地で歌い継がれている。南相馬市の小高中の生徒たちが歌詞を作り、音楽教諭の小田美樹さんが曲を付けた「群青」。この春に出版される高校3年生の音楽の教科書にも載ることになった

 ▼もともと、2013年の卒業式で生徒たちが歌うために作った曲だった。生徒たちは津波で友人を失ったり、長い避難生活を強いられたりしていた。傷ついた心を癒やしてくれたのが、学校近くの海の色を題名にしたこの曲だった

 ▼卒業式の数日前、復興支援コンサートで生徒たちが曲を初披露すると会場は大きな感動に包まれた。その後、県内外の合唱団がさまざまな場で歌うようになった。小田さんは「生徒のために作った曲だが、今ではたくさんの人の曲になった」と感慨深げだ

 ▼「涙のあとにも 見上げた夜空に 希望が光ってるよ」。人々の心と心をつなぐ優しいハーモニー。復興への道を歩む被災地を励ますように、きっと今日も誰かがどこかで口ずさんでいる。

 元稿:福島民友新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【編集日誌】  2019年03月11日 08:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:震災8年・産業再生/課題見極め的確に対応策を

2019-03-11 08:49:45 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【社説】:震災8年・産業再生/課題見極め的確に対応策を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:震災8年・産業再生/課題見極め的確に対応策を 

 相双の空にドローンが飛ぶ。技術者らはヘルメットをかぶり、中空を行き交う機器の動きを見守る。現場は整備中のロボット研究開発拠点「福島ロボットテストフィールド」だ。さまざまな機関が施設を利用し、国内でも最先端の実証試験などが行われている。

 浜通りで展開されている福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想は、ロボットや廃炉など幅広い分野で被災地の産業再生を進める国家プロジェクトだ。しかし、テストフィールドのような施設整備や関連企業の誘致が進む一方で、地元企業参入の方向性や地域経済への波及効果などは未知数のままになっている。

 構想を地に足のついた経済政策として根付かせるためには、本県へ進出してくる企業と地元企業の連動が欠かせない。国と県は、進出企業が地元に何を求めるのか、地元企業はどのような協力ができるのかを把握し、仲介することで両者を結び付け、産業再生を軌道に乗せていかなければならない。

 進出企業と地元企業の協力関係は、部品提供などものづくりに関連した分野に限らない。物流や飲食業など幅広い業種が想定される。構想の旗振り役である福島イノベーション・コースト構想推進機構などの関連機関には、より多くの地元企業が参加できる情報交換や商談の場を設けてほしい。

 ただ、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出された12市町村の中小事業者の現状をみると、別の課題が浮かび上がる。福島相双復興推進機構によれば、古里に帰還して事業を再開したのは全体の約3割にとどまり、地域経済はまだ回復の途上にある。

 同機構は、事業を成り立たせる「商圏」そのものが住民避難などで損なわれたことが、帰還をためらう背景にあると指摘する。同機構には、中小事業者が人口の減少した地域でも安定した経営を実現できるよう、地元以外への販路開拓をアドバイスするなど多角的で息の長い支援を求めたい。

 中小事業者の再開状況を市町村別に見ると、広野町は8割強となっているが、富岡町や浪江町は1割を切っており、地域間の格差が生じてきていることが分かる。

 今後は住民の帰還状況などにより、民間主導では産業再生が難しい地域も出てくるだろう。市町村と支援機関、地元企業が力を合わせ、まちづくりと一体化した振興策を描いていく必要がある。  原発事故から8年を前に見えてきた課題を詳しく分析し、それぞれのケースに即した対応策を的確に打ち出していくことが重要だ。

 元稿:福島民友新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月10日 08:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【編集日誌】:木造校舎

2019-03-11 08:49:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【編集日誌】:木造校舎

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【編集日誌】:木造校舎 

 直木賞作家の三好京三さんは、岩手県の小学校分校で教師をしていた経験がある。子どもたちと過ごした木造校舎への思い入れは強く、「(木と人の)息づかいが一体化してあたたかさをかもし出す」とエッセーに書いている

 ▼廃校となったいわき市田人町の旧田人二小南大平分校が、地元木材で高級割り箸や鉛筆などを作る工場に生まれ変わった。地元企業が市から分校を譲り受け、木造校舎の温かい雰囲気を残しつつ、教室などを工場に再生した

 ▼1885(明治18)年に開校したという同分校はレトロ感が漂う。高速道のインターチェンジに近いという利点を生かし、校舎内にはサテライトオフィスも設けられ、入居に向けた動きがすでに始まっている

 ▼少子化や過疎化の進行で地域のシンボルでもある小中学校の統廃合が県内でも進んでいる。大平分校のように条件に恵まれた校舎ばかりではないため、廃校の利活用も容易ではない。各地で模索が続いている

 ▼大平分校には体育館・講堂を活用して、住民らの交流サロンも設けられた。懐かしさと少しの切なさをまといながら地域の人たちの胸の中に生き続ける同分校の校舎は、地域活性化の新たな拠点として再び時を刻み始めた。

 元稿:福島民友新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【編集日誌】  2019年03月10日 08:26:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:震災8年・被災地の医療/「点」から「面」に広げ充実を

2019-03-11 08:49:35 | 【医療・診療報酬・病気・地域・オンライン診療・マイナ保険証・薬価・医療過誤】

【社説】:震災8年・被災地の医療/「点」から「面」に広げ充実を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:震災8年・被災地の医療/「点」から「面」に広げ充実を 

 南相馬市で5日に行われた公立双葉准看護学院の卒業式。白衣を着た卒業生19人の表情には医療の道へと進む決意がにじんでいた。

 双葉町にあった同校は東京電力福島第1原発事故のため休校、2017年に南相馬市の仮設校舎で再開した。再開後初の卒業生を代表し、阿部光美さん(44)は「私たちへの期待や役割、責任の重大さを実感している」と述べた。同校の再開は、地域医療の再生へと歩む被災地を照らす新たな光だ。

 東日本大震災と原発事故で大きな影響を受けた双葉郡の医療体制の再構築が徐々に進んでいる。

 富岡町では昨年4月、県ふたば医療センター付属病院が開院した。同病院は、入院が必要な救急患者を受け入れる2次救急医療機関だ。双葉郡は2次救急医療の空白地となっていたが、同病院の開院によって救急患者の受け入れや治療の幅が大きく広がった。

 同病院を拠点に救急患者の搬送などを行う多目的医療用ヘリコプターの運航も昨年10月から始まった。県によると、1月末までにヘリで患者を搬送した件数は18件で、急病やけがの発生から治療を受けるまでの時間の短縮化や、救命率向上につながっている。

 重篤な患者を受け入れる第3次救急医療を担ういわき市医療センターをはじめ、各地の医療機関との連携をより強め、医療提供体制を「点」から「面」へと広げて充実させていくことが大切だ。

 一方で、県立大野病院付属ふたば復興診療所(楢葉町)や、浪江診療所など自治体による医療機関は開設が進むが、民間の医療機関の再開はなかなかはかどらない。県は、患者数が見通せないといった経営的な不安が再開をためらっている背景にあるとみている。

 地元に帰還した住民は高齢者が多く、身近なかかりつけ医の存在は欠かせない。また、眼科や耳鼻科などの専門医が再開していなかったり、人工透析ができる施設がないことから、受診のために遠方の病院まで出向かなければならないケースがあり、住民の負担軽減が大きな課題となっている。

 県や地元自治体、医師会などには、郡内の病院や診療所に定期的に専門医を派遣したり、病院まで循環バスを運行したりするなど補完の在り方を検討してほしい。さらに住民の帰還が進むことを見据えて、医師や看護師を確保していくことも必要だ。

 健康で安心して暮らせるかどうかは、住民が地元に戻る際の大きな判断材料となる。国や県は医療体制を着実に整え、住民の思いに応えていかなければならない。

 元稿:福島民友新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【社説】  2019年03月09日 08:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【編集日誌】:諏訪神社の再建

2019-03-11 08:49:30 | 【神道・伊勢神宮を本宗・神社本庁、明治神宮他全国約8万社の神社、敬神生活の...

【編集日誌】:諏訪神社の再建

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【編集日誌】:諏訪神社の再建 

 人は一人では生きていけないものである。血縁や地縁、友人などさまざまなつながりの中で人生を歩む。縁を取り持つのは趣味であったり、場所であったりする

 ▼双葉町と浪江町にまたがる両竹地域の住民にとって、縁をつないでいたのは地元の諏訪神社だった。沿岸部から約1キロ、高さ25メートルの高台にある神社には、夏の盆踊りなどに住民が集まり、にぎわいを見せていた

 ▼2011年3月11日、神社は東日本大震災による大津波の襲来から逃れてきた住民の避難場所となり、多くの命が救われた。しかし、間もなく東京電力福島第1原発事故が発生した。住民が避難で地域を離れている間に、拝殿は余震で倒壊してしまった

 ▼震災と原発事故から丸8年となるのを前に、諏訪神社の再建が決まった。10月末ごろには完成し、20年の初詣には間に合う見通しという。近くには県復興祈念公園を一望する展望地も整備される予定で、地域の復興の象徴になりそうだ

 ▼県神社庁によると、原発事故によって一時は浜通りの約240の神社で立ち入りができなくなった。住民を結ぶ地域コミュニティーの核は大きく揺さぶられた。復興の歩みの中で一つ一つ、人のつながりを再生していかなければ。

 元稿:福島民友新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【編集日誌】  2019年03月09日 08:24:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【編集日誌】:エスカレーター

2019-03-11 08:49:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【編集日誌】:エスカレーター

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【編集日誌】:エスカレーター 

 名言集にこんな言葉があった。「エスカレーターに乗っても歩きなさい。自分を機械に任せたら終わり」と。楽なことばかりを望む思考停止人間を揶揄(やゆ)したものだが実際に歩くのは危険行為だ

 ▼エスカレーターは「歩かず、手すりにつかまって乗る」が基本。県内でも急ぐ人のために片側を開けて乗る利用者を目にするが、近年、転落事故や輸送効率を考慮して、鉄道会社を中心に"危険な習慣"を変える啓発活動が盛んだ

 ▼1914年、日本で初めて東京大正博覧会の会場に設置され100年余、同年には日本橋の呉服店に登場した。きょうは「エスカレーターの日」とされるが諸説あり正式には決まっていないそうだ

 ▼独特の形状に魅せられた愛好者も多い。わずか5段、世界一短い川崎市の「プチカレータ ー」や、白虎隊士の眠る会津若松市の飯盛山には屋外で動く坂道「スロープコンベア」など各地でさまざまな顔が活躍する

 ▼「思考の整理学」で知られる外山滋比古さんの著書に「エスカレーター人間」がある。誰でも自由に乗降できるエスカレーター。便利だが先の金言同様、自分の頭で考えることが大事だ。そこで見る景色には外山さんの言う自己発見の端緒が詰まっている。

 元稿:福島民友新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【編集日誌】  2019年03月08日 08:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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