【東京都】:小池知事、旧築地市場再開発方針で「食文化」強調
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京都】:小池知事、旧築地市場再開発方針で「食文化」強調
東京都は29日、旧築地市場(東京都中央区)の跡地再開発をめぐる関係局長会議を開き、これまでに発表しているまちづくり素案をもとに、新たに修正を加えた正式な方針を公表した。
修正としては、随所に「食文化」の文字が盛り込まれた。「日本の台所」として世界に名をはせた旧築地市場の特性を、あらためて示した。一方で、小池百合子知事がかつて主張し、事実上撤回する形となった「食のテーマパーク機能」のフレーズイメージに、できる限り近づけたい思いもあるとみられる。
![小池知事、旧築地市場再開発方針で「食文化」強調](https://www.nikkansports.com/general/news/img/201903290000384-w500_0.jpg)
市場移転に関する関係局長会議であいさつする小池百合子都知事
小池氏は17年6月、都議選直前の会見で「築地は守る」と発言。「食のテーマパーク機能を有する新たな市場」に整備するとの考えを示したが、今年1月に発表された素案に市場機能は盛り込まれず、国際会議場を中心にした将来像が示されたことで、旧築地市場関係者が猛反発。小池氏は都議会でも自民党や共産党から強い批判を受け、今でも謝罪や説明責任を果たすよう求められている。
都は1月の素案公表後、約1カ月、一般のパブリックコメント(意見公募)を募った。その結果、個人、法人を含めて202通の意見が寄せられ、「『築地は守る』という基本方針を守ってほしい」「築地市場を再整備してほしい」など、原点回帰を促す声のほか、「食文化を明記してほしい」と、築地と食の関連性の明記を求める意見も寄せられた。都側は、これらの声を踏まえて、「食文化」の記載を充実したとしている。
小池氏は会議後の取材に「パブコメも、いろんな意見をいただいた。それを踏まえて今回、記載をした食文化という点を含め、地域のポテンシャルを生かした開発にするという方向性を、より明確にした」と述べた。都議会での審議も含めて検討したとしている。
基本方針に「食のテーマパーク機能」が盛り込まれなかったことについて、あらためて問われると「最初の出発点から時系列も踏まえ、大きな方向性は何ら変わっていない」と、従来の主張を繰り返した。その上で「言葉の問題はあるかもしれないが、(17年6月の自らの発言に)流れている底流は、築地が培ってきた食文化は大切にするということ。あらためてその点を書き込んだ」と話した。
再開発の具体的な案については「今後民間のみなさまからさまざまなアイデアをいただく」と述べた。都は、跡地整備に向けて、来年ごろから事業者を募集する準備を進めるとしている。
日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・東京都】 2019年03月29日 13:29:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。