路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:安倍氏に聴取要請 逃げ切りは許されない

2020-12-05 06:01:50 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【社説】:安倍氏に聴取要請 逃げ切りは許されない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:安倍氏に聴取要請 逃げ切りは許されない

 政治資金規正法違反、公職選挙法違反、そして背任。「桜を見る会」を巡り安倍晋三前首相の疑惑が渦巻いている。

 東京地検特捜部は「桜を見る会」前夜の夕食会費補填(ほてん)について、政治資金規正法違反(不記載)容疑で公設第1秘書を立件する方針を固めた。安倍氏の任意聴取も要請した。
 報道にあるように、特捜部が秘書を略式起訴の罰金刑で済まそうとしているのであれば、国民は納得しない。もし夕食会費の一部を事務所側が負担していれば、公職選挙法違反(寄付行為)の疑いが出てくる。
 首相を務めた人物が政治を「私物化」し、逃げ切ることは許されない。特捜部に真相の徹底究明を求めたい。
 夕食会は公設第1秘書が代表の「安倍晋三後援会」が主催し、2019年までの5年間でホテル側への支払総額は約2300万円に上る。参加者の会費だけで賄えない分は、安倍氏側が毎年100万円以上、多い年で約250万円を負担していた。しかし、政治資金収支報告書に収支を記載しなかった。
 特捜部は実質的に会計処理を担当していた公設第1秘書については、刑事責任を問えると判断しているとみられる。ただ安倍氏本人を立件するには、議員が秘書らに不記載を指示したとする明確な証拠が必要だという。
 忘れてならないのは安倍氏の国会答弁である。国会で「補填はなかった」と重ねて答弁した。報告書への記載について「収支がとんとんであれば(政治資金収支報告書に)載せる必要はない」と述べた。だが収支がイコールでも記載が必要である。これは虚偽答弁である。
 安倍氏は国会で説明する責任がある。前政権で官房長官だった菅義偉首相も、国会で安倍氏と同じ答弁を繰り返した。結果として菅氏にも倫理上の責任が問われよう。
 安倍氏は桜を見る会に、招待範囲に含まれない後援会関係者を招待し「私物化」した。後援会関係者を多数招いた結果、予算を大幅に超える支出をして国に損害を与えた疑いもある。
 専門家によると、背任罪(刑法第247条)に該当する可能性があるという。今年1月、東京地検に刑事告発されたが受理されなかった。
 政治とカネの問題で思い起こされるのは、金丸信・元自民党副総裁の5億円ヤミ献金事件である。1992年、東京地検は金丸氏を政治資金規正法違反で略式起訴し、東京簡裁は金丸氏に罰金20万円の略式命令を出した。5億円を受け取りながら、公判は行われず罰金20万円で決着したことに批判が沸騰した。
 今回、略式起訴となれば、国民の政治不信はますます深まることになろう。検察審査会が強制起訴する可能性も残されている。司法と国会で、真相を明らかにできなければ、政治の信頼は取り戻せないだろう。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年12月05日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:コロナ禍とハウジングプア

2020-12-05 06:01:20 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【金口木舌】:コロナ禍とハウジングプア

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:コロナ禍とハウジングプア

 数年前、貧困問題の取材で出会ったある女性の言葉が忘れられない。「家賃が抑えられたら生活が成り立つのに」。女性はフルタイムで働いていた。給与は少なく、子ども2人を育てながら生計を立てるのは厳しいと話していた

 ▼公営住宅への入居を望んでいたが、希望者が多く倍率も高い。過去10年は毎年申し込んだが「当選しない」と話した。社会保障として住居支援の拡充の必要性を感じた
 ▼コロナ禍で住まいを失いそうな人が増えている。経済的に困窮している人に家賃を補助する公的制度に「住居確保給付金」がある。那覇市によると2月から10月に支給決定した世帯は751件で、昨年の同時期(17件)の約44倍に達した
 ▼新型コロナウイルス感染拡大に伴う要件緩和が背景にある。気掛かりなのは最長9カ月の支給期間だ。厚労省は期限を延ばす方針だが、それを過ぎたらどうなるだろうか。受給者は求職活動をしているが、すぐに就職できるとは限らない
 ▼家計の固定費に占める家賃の割合は大きい。民間賃貸住宅への家賃補助や民間の空き室を公的な家賃補助対象の部屋に転用、保証人制度の撤廃など打てる住宅施策はある
 ▼住宅政策の貧しさがコロナ禍で顕在化した。家賃が軽減できたら生活が安定する人もいるだろう。「ハウジングプア」の防止策は、生活保護の一歩手前のセーフティーネットになる。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2020年12月05日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:臨時国会閉会へ 立法府軽視も継承された

2020-12-05 02:01:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

《社説①》:臨時国会閉会へ 立法府軽視も継承された

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:臨時国会閉会へ 立法府軽視も継承された

 国会での首相や閣僚の答弁は、広く国民に対する説明である。それを忘れているのではないか。

 臨時国会はきのうで実質審議が終了し、5日閉会する。野党は会期延長を再三求めたが、与党は拒否する方針を崩さなかった。

 新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、国民に不安が広がっている。日本学術会議が推薦した会員候補のうち6人を菅義偉首相が任命しなかった問題をはじめ、多くの課題も残されたままだ。

 そんな中で早々と国会を閉じるのは到底理解できない。

 特に学術会議問題は、人事を盾に異論を封じようとする政権の基本姿勢が問われている。にもかかわらず、疑問の核心である「なぜ6人を任命しなかったのか」について、首相は「人事に関することで答えを差し控える」とかわし続けた。これでは議論にならない。

 首相はきのうの記者会見でも同じ発言を繰り返す一方、「国会でも丁寧に説明をしてきた」と語った。本当にそう考えているとすれば、その認識は間違っている。

 「答弁を控える」は、安倍晋三前首相時代に行われた「桜を見る会」の前夜祭をめぐる問題などでも多用された。

 野党の質問に直接答えず、自分に都合のいい話ばかりを並べ立てて、問題点をはぐらかした安倍氏とスタイルは違う。とはいうものの、「議論封じ」という点では菅首相も同じだろう。

 首相が強調する「自助、共助、公助」に関しても、自らの言葉をなぞるだけで議論を深めようとしなかった。元々「答弁力」が不安視されていた首相だが、早くもそれを露呈した国会でもあった。

 コロナ対策では、ワクチン接種に備えた改正予防接種法が全会一致で成立したが、それだけでよかったのか。評価が分かれる観光支援策「GoToトラベル」については国会議論が乏しいまま、政府は期限を来年6月まで延長する方針だという。

 政府を厳しく監視するのが国会の役割だ。安倍氏がないがしろにしてきた立法府の立て直しも菅政権には期待されていたはずだ。

 「国民から見て当たり前のことをする」と首相は言う。ならば当たり前の国会に戻すため、前政権からの姿勢を改めるべきである。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年12月05日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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《社説②》:大飯原発許可取り消し 指弾された規制委の姿勢

2020-12-05 02:01:40 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

《社説②》:大飯原発許可取り消し 指弾された規制委の姿勢

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:大飯原発許可取り消し 指弾された規制委の姿勢 

 福井県の関西電力大飯原発3、4号機について、設置許可を取り消す判決を大阪地裁が出した。東京電力福島第1原発事故以降、国の設置許可が取り消されたのは初めてだ。

 耐震設計の目安になる「基準地震動」の妥当性が焦点だった。原発で想定される最大の揺れだ。過去の地震データの平均値に基づいて算定されている。

 原子力規制委員会が定めた審査ガイドは平均値だけでなく、データの「ばらつき」も考慮するよう求めている。

 しかし、関西電力は、3、4号機について、平均値を超える可能性を算定に反映させる「上乗せ」をしていなかった。平均値では過小評価になると原告側は主張していた。

 判決は、規制委が上乗せの必要性について検討していなかったことを「看過しがたい過誤や欠落」と指弾した。2017年5月に出した設置許可は不合理であり違法であると結論付けた。

 福島原発事故を経験し、規制委は原発の再稼働を認めるための新規制基準を策定した。当時の田中俊一委員長は「世界最高レベルの厳しさ」と自負した。

 だが大阪地裁は、規制委が自ら作ったルールを守っていないと厳しく批判した。

 大飯3、4号機は現在、定期検査中で稼働していない。国側は控訴するとみられ、直ちに判決が確定するわけではない。

 しかし、国内の原発の大半は大飯原発と同様の方式で基準地震動が算定されている。判決が確定すれば、規制委は審査のやり直しを求められるのは必至だ。

 規制委は、福島原発事故の教訓から原発の安全性や信頼を回復する責任を負ってきた。今回の判決は、安全審査にあたっての取り組みが不十分であることを明らかにした。規制委は重く受け止めるべきだ。

 福島事故後、原発の運転を差し止める司法判断が相次いでいる。ただ、運転停止が確定したケースはない。

 規制委は教訓を忘れず、安全性の向上を絶えず追求しなければならない。そうしなければ、原発に対する国民の信頼を取り戻すことはできない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年12月05日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【余禄】:「玉手箱」を辞書で調べると…

2020-12-05 02:01:30 | 【科学・物理・理工学・先端、応用科学・理化学・その他の学術】:

【余禄】:「玉手箱」を辞書で調べると…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【余禄】:「玉手箱」を辞書で調べると…

 「玉手箱」を辞書で調べると、身の回りの物を入れる手箱に美称の玉をつけた言葉と説明されている。だが、その語源の欄を見ると、「タマデバコ(魂出匣)の意か」という古い辞書の説を紹介していた▲昔、魂を身の外に出して保存すると不死身になるとの信仰があった。「外魂(がいこん)」信仰というそうだ。浦島太郎が玉手箱を開けて老人になったのも、自分の魂の入った箱を知らずに開けた話と解釈することができる。つまり魂出箱である▲こちらの小惑星リュウグウから持ち帰る玉手箱からは何が出てくるか。探査機「はやぶさ2」が6年ぶりに地球に戻ってきて、リュウグウで採取した物質が入ったカプセルを地上に届ける。カプセルの着地はあすの未明3時前の予定だ▲思い出すのは、10年前に感動のミッション達成の末に燃え尽きた初代「はやぶさ」の帰還劇である。だが2代目はさしたる故障もなく、精度60センチの小惑星着陸はじめ世界初の難任務をそつなくこなしてきた。ゆうゆうたる帰還である▲そのうえ今回は、カプセル分離後にまた別の小惑星探査にむけて帰らぬ旅に立つかっこよさだ。初代の教訓も生かしてのみごとな飛行を成功させてきた技術陣に敬意を払いつつ、きょう午後からあす未明のミッション完遂を祈りたい▲リュウグウは予想以上に炭素を多く含む小惑星で、カプセル内の物質からは地球の生命誕生の謎解明につながる有機物が見つかる可能性が大きいという。私たちのルーツが秘められた魂出箱の無事到着を待とう。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2020年12月05日  02:03:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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