麻生太郎財務相と萩生田光一文部科学相は17日、公立小学校の少人数学級化に向け、1学級当たりの上限人数を2021年度から学年ごとに引き下げ、5年かけて全学年を35人学級にすることで正式に合意した。中学校では40人を当面維持し、今後の検討課題とする。文科省は来年の通常国会に上限人数を定めた義務教育標準法の改正案を提出する。

2021年度予算編成のため、麻生財務相との折衝に臨む萩生田文科相=17日午前、財務省(共同)   2021年度予算編成のため、麻生財務相との折衝に臨む萩生田文科相=17日午前、財務省(共同)

 現在の上限は小1のみ35人で、小2~中3は40人。21年度に小2を35人とし、その後学年ごとに順次引き下げ、25年度に小1~小6の35人学級化を実現する。

 閣僚折衝後に記者会見した萩生田氏は「まずは35人学級を充実したものにして、さらなる改善を進めたい」と述べ、目標とする30人学級化への今後の意欲を示した。

 きめ細かな指導が可能になるとして、教育現場では少人数学級を求める声が強かった。新型コロナウイルスの流行によって、感染防止策として教室での3密(密閉、密集、密接)を避ける必要性も生じ、与野党や全国知事会などが後押しした。

 文科省は21年度予算の概算要求で、公立小中学校の少人数学級化は金額を示さない「事項要求」としていた。

 上限人数は1980年度に45人から40人になり、民主党政権下の2011年度からは小1のみ35人に引き下げられたが、財政難のため他の学年は据え置かれていた。文科省は12年度以降、加配定数を使って小2を35人学級としていた。(共同)