路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:コロナ拡大続く 医療従事者ケアに予算を

2020-12-06 06:01:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説】:コロナ拡大続く 医療従事者ケアに予算を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:コロナ拡大続く 医療従事者ケアに予算を 

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、沖縄県内の医療供給体制が悪化している。県内の病床占有率は5日時点で73.3%で、8日連続70%を超えた。これは警戒レベル第4段階の「感染蔓延(まんえん)期」に相当する状況だ。コロナ患者以外が対象の非コロナ病床の利用状況も4日時点で92.1%と厳しい状況に陥っている。

 コロナ感染者の急増で病床や医療従事者の数がひっ迫し、別の病気の患者に影響が及ぶ悪循環が起きている。医療崩壊を防ぐための対策が急務だ。
 医療関係者の危機感は強い。冬は例年、インフルエンザが増加するのに加え、心筋梗塞や脳卒中などの発症も増える。非コロナ病床は特に那覇や本島中南部で利用率が上がっており、県も「感染拡大が続くようであれば強い措置が必要になる」と警鐘を鳴らす。医療機関の負担を減らすには何よりも感染者を減少させなければならない。
 県によると、コロナ感染拡大の要因は職場、親族間のゴルフやボウリング大会後の打ち上げ、模合など飲み会で、複数の感染者が出て家族に広げている。医療崩壊を防ぐために一人一人が行動を制御する必要がある。
 問題は「Go To 事業」をどうするかだ。旅行代金を補助するGo To トラベルを巡っては「ブレーキとアクセルを同時に踏むようなもの」と批判されてきた。
 政府は「Go To トラベルが感染を広げたというエビデンス(証拠)はない」と言い続けてきたが、札幌市や大阪市を対象外にしたのに続き、東京都は高齢者や持病のある人に限って利用自粛を呼び掛ける措置を取った。
 しかし、効果については疑問符が残る。あくまで自粛で、高齢者以外に旅行を推奨していることには変わりがない。感染症対策の基本は人の接触を最小限にすることだ。
 飲食店支援の「Go To イート」でも政府は都道府県にプレミアム付き食事券の販売停止を要請したが、一方では事業の期間延長を検討している。ここでもアクセルとブレーキだ。事業者をはじめ国民の混乱を招きかねない。
 新規感染者が急増し、医療崩壊が迫っているとして独自の「赤信号」を出した大阪府では重症者が療養する臨時施設を稼働させる予定だが、看護師不足が深刻だという。
 さらに府がコロナに対応する医療従事者1200人に5~7月に実施した調査では13%が「中等度以上のうつ症状」とされた。人手が足りずに休みも取れず、対応が長期化する中で、現場は疲弊感が積もり積もっているという。
 大阪府の事例は人ごとではない。ましてや離島県沖縄では他府県との広域で人材を確保することは難しい。また、医療関係者に対する心ない仕打ちも報告されている。政府は医療崩壊を防ぐためにも医療従事者のケアを手厚くするために予算を使うべきだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年12月06日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:師走、立ち止まる

2020-12-06 06:01:20 | 【障害者を取り巻く諸問題・差別・虐待・雇用・バリアフリー・支援の輪】

【金口木舌】:師走、立ち止まる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:師走、立ち止まる 

 以前ベビーカーを押している人とすれ違う際、ぶつからないように方向を変えた。近づいたところでベビーカーが急に進路を変え、再び向かい合う状態になった。こちらの動きは見えていただろうと思い、不思議だった

 ▼先日、新調したベビーカーを押した。道路の状態によってはハンドルがとられ、思うようにまっすぐ押せなかった。「もしかしたら、あの時の人も」と思い出した
 ▼当方の妻は脳腫瘍と闘病中。2度の手術で腫瘍を取り除いた後、片方の聴力を失い気圧の変化に敏感な体質になった。天候次第でふらつきがあり、まっすぐ歩けない。無意識に行き交う車の方向へ近づくこともあり、声を掛けて気付かせる
 ▼先月29日、東京都内で視覚障がいのある60代男性がホームから転落し、電車にはねられて亡くなった。転落防止のホームドアは設置されていたが、運用開始前でドアは開いたままだった。男性は白杖(はくじょう)を持って1人で歩いていた
 ▼翌30日、沖縄県内の観光業者向けのバリアフリーセミナーが国際通りなどであった。参加者はアイマスク姿で点字ブロックが途絶える道や、車いすが1台しか乗れないエレベーターに直面し、困りごとを実感した
 ▼当事者以外には気付きにくい困難が、足元のあちこちにある。師走の今、何かとせわしいが、立ち止まり声を掛けてみよう。困っている人にできることがある。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2020年12月06日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:携帯大手3社が値下げ 消費者本位なお見極めを

2020-12-06 02:01:50 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

《社説①》:携帯大手3社が値下げ 消費者本位なお見極めを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:携帯大手3社が値下げ 消費者本位なお見極めを 

 携帯電話大手3社が通信料金の引き下げを相次いで打ち出した。菅義偉政権の強い意向に対応したものだ。

 NTTドコモは高画質の動画を1日1時間程度視聴できるデータ容量20ギガバイトで、月額2980円の新プラン「ahamo(アハモ)」を来年3月から導入する。

 競合する大手2社が先に発表した格安ブランドの値下げプランより1000円以上安い。2社はさらなる値下げで対抗する構えだ。

 携帯が1人1台の生活必需品となる中、料金高止まりが家計の大きな負担となっている。このため、値下げの動きは消費者からおおむね歓迎されているようだ。

 ただし、政治圧力による「官製値下げ」の色彩が濃い。この取り組みが定着するかどうかは、なお見極める必要がある。

 国内シェア約9割を握る大手3社は大企業平均を大きく上回る2割前後の高い営業利益率を享受してきた。にもかかわらず、これまでは本格的な消費者還元に背を向けてきた。

 ドコモが大幅な値下げに踏み切った背景には、親会社のNTTによる完全子会社化も影響している。経営一体化で原資を捻出する余力が高まった。「NTT巨大化への批判がくすぶる中、再編を容認した政府に恩を返す必要があった」との指摘もある。

 菅首相にとって、携帯値下げは官房長官時代からの肝いりの政策だ。なかなか思惑通りに進まなかっただけに、「ドコモが大きな一歩を踏み出してくれて、ありがたい」と歓迎しているという。

 だが、携帯料金は公定価格ではない。値下げは本来、民間の競争を促して実現するのが筋だ。電波割り当ての見直しを道具に圧力をかけた武田良太総務相のような手法は好ましくない。

 消費者の不満を解消するにはなお課題が残っている。料金メニューが複雑で自分に最適なプランが探しにくい。各社独自の手数料や違約金なども問題だ。

 携帯の使い方は消費者ごとにさまざまだ。幅広いニーズに応える良質で低廉なサービスが持続的に提供されることが肝要だ。一過性の値下げに終わらせないように、政府は競争環境の整備に力を注ぐべきだ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年12月06日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②》:ホーム転落事故 後絶たぬ原因の分析必要

2020-12-06 02:01:40 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

《社説②》:ホーム転落事故 後絶たぬ原因の分析必要

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:ホーム転落事故 後絶たぬ原因の分析必要 

 またも痛ましいホーム転落事故が起きた。視覚に障害のある60代の男性が東京メトロ東西線の東陽町駅で線路に転落し、電車にはねられて亡くなった。

 ホームドア工事は終わっていたが、来年2月の稼働に向けた調整のためにドアは開いたままだった。駅員は、改札を通る男性が持つ白杖(はくじょう)が見えなかったという。

 駅には工事中であることを知らせる張り紙はあったが、視覚障害者に知らせる対応は取られていなかった。

 事故の翌日、東京メトロは、設置工事を音声で知らせる装置を取り付けた。改札での見守り要員を増員し、ホームドアの稼働も2週間以上前倒しする。東京メトロの全180駅中でホームドアがあるのは143駅で、2025年度末までの全駅設置を目指している。

 大阪メトロも、25年度までに全133駅へのホームドア設置を予定している。東京と同様の音声装置はすでにあるが、今回の事故を受け、自動音声による構内放送もすることにした。

 昨年度に起きた駅ホームからの転落事故は2888件で、このうち視覚障害者は61件に上る。今年に入って4人の視覚障害者が命を落とした。

 全国の約9500駅のうち、ホームドアがあるのは、今年3月時点で858駅で1割に満たない。

 政府は、ホームドアの整備を加速させていく方針だ。しかし、ホームドア設置工事にあたっての配慮を示したガイドラインはない。

 国土交通省は、ホームドアに加え、新技術を活用した転落防止対策の検討会を始めている。無人駅を安全で快適に利用するための指針作りに向けた意見交換も行っている。無人駅では、一層の安全対策とスムーズなサポート体制が必要だ。

 転落事故の原因を解明し、総合的に分析して対策にいかす仕組みはまだない。転落事例をデータベース化している大学の研究成果や、白杖による視覚障害者の一人歩きに詳しい専門家の助言を基にした原因分析は欠かせない。

 コロナ禍で人出が減り、接触へのためらいもあり、乗客などの声かけが少なくなったという視覚障害者もいる。あらゆる手段を尽くして安全な駅を実現してほしい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年12月06日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【余禄】:井原西鶴の「世間胸算用」は…

2020-12-06 02:01:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【余禄】:井原西鶴の「世間胸算用」は…

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【余禄】:井原西鶴の「世間胸算用」は…

 井原西鶴(いはら・さいかく)の「世間(せけん)胸算用(むねさんよう)」は、大みそかに借金返済に追われる江戸時代の庶民の悲哀を描いている。ある男は「自害する」と叫んで包丁を振り回し、借金取りを退散させた。後で芝居とばれるが、年越しも命がけだったようだ▲当時はツケで買い物をして、代金は盆と暮れ、特に大みそかにまとめて払う習慣があった。今のボーナス払いに近いが、用立てられない人もたくさんいた▲コロナ禍に襲われた今年の年末も国民の懐は厳しい。打撃の大きかった航空、百貨店、レジャー業界などは冬のボーナス5割減や8割減が相次ぎ、ゼロの会社すらある。中小企業はもっと深刻で、大阪では中小の半数が払えないという調査結果も出ている▲住宅ローンや奨学金の返済に困るといった悲鳴が上がっている。「景気回復」のかけ声ばかり大きく、毎月の給料がなかなか増えないアベノミクスが長く続いた。ボーナスを頼りにしてきた人は少なくない▲西鶴の生きた時代は、お金が多く出回る貨幣経済が発達し、それに伴って貧富の差も拡大した。西鶴も生活は苦しかったらしい。大みそかの借金取りに居留守を使う姿が、朝井まかてさんの「阿蘭陀(おらんだ)西鶴」に描かれている▲今もコロナ対策として、日銀が大量のお金を世の中に出回らせている。最近の株高も金余りのためという。それだけあふれているのに、なぜ人々に行き渡らないのか。政府は近く新たな経済対策を決める。地道に働いてきた人を借金で命がけにさせてはならぬ現代の年の瀬である。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2020年12月06日  02:04:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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