【事故】:知床半島沖で不明となった26人乗船の観光船遭難か、航空自衛隊に災害派遣を要請
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【事故】:知床半島沖で不明となった26人乗船の観光船遭難か、航空自衛隊に災害派遣を要請
23日午後1時15分ごろ、北海道斜里町の知床半島西側を航行中の観光船「KAZU I(カズワン)=19トン」(定員65人)から「浸水している」と第1管区海上保安本部(小樽)に通報があった。26人が乗船しており、同保安本部のヘリコプターや巡視船が現場海域で捜索しているが、26人と船は見つかっていない。船は今シーズン初出船だった。斜里町では朝から強風が吹き、波が高い状況だった。
音信が途絶えた観光船「KAZU Ⅰ」を保有する会社(共同)
航行中に浸水しているとの通報があった観光船「KAZU I(カズワン)」(知床遊覧船ホームページより)
カズワンは同町ウトロの港を出た後、約27キロ北東の「カシュニの滝」付近から救助 要請。午後2時ごろ、運航会社に「30度ほど傾いている」と連絡して以降、音信が途絶えた。国土交通省北海道運輸局によると、カズワンを運航しているのは斜里町の会社「知床遊覧船」から「船のエンジンが停止したもよう」と連絡が入っていた。
遭難したとみて、1管のヘリコプターや巡視船が現場海域を捜索しているが、午後10時現在、見つかっていない。乗客は大人22人、子ども2人で、他に船長と甲板員が1人ずつ乗っている。1管は網走海上保安署に「現地対策本部」を設置したと発表。航空自衛隊に災害派遣を要請。航空自衛隊のU125A救難捜索機が現場で活動を始めた。1管によると、乗客乗員に救命胴衣を着けさせていたとの説明が船の運航会社からあったという。斉藤鉄夫国交相によると、カズワンからの通報は「船首部が浸水し、沈みかかっている」との内容だったという。
知床遊覧船によると、家族から安否を確認する電話が続いているという。船はウトロ港を午前10時に出航し、知床岬で折り返し3時間で帰港する予定だった。札幌管区気象台によると、斜里町では23日未明に強風注意報が、同日朝から波浪注意報が発令されており、ウトロ漁協によると、所属漁船は同日昼前に帰港していたという。付近の海水温はここ数日、5度を下回っていた。
知床の観光船を巡っては事故が相次いでいた。国土交通省によると、カズワンは21年5月、浮遊物にぶつかって乗客3人が軽傷を負う事故を起こしていた。またカズワンは同年6月11日にも、ウトロ漁港近くの浅瀬に乗り上げる座礁事故を起こしていた。このときは自力で離礁して漁港に戻り、当時の乗船していた22人にけがはなかった。05年には別の観光船会社の運行する船が座礁し、他社の観光船が手分けして乗船客を乗せウトロ港に戻った。事故を起こした船は船底に2、3カ所の穴があき、へさきの部分が削れるなどしていた。
知床半島は野生のヒグマ、周辺海域でシャチが見られる人気の観光スポット。国内外から多くの観光客が訪れ、複数の会社が遊覧船を運航している。
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事故・災害・北海道斜里町の知床半島西側を航行中の観光船「KAZU I(カズワン)=19トン」(定員65人)から「浸水している」と第1管区海上保安本部(小樽)に通報】 2022年04月23日 22:15:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。