路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【知床・観光船事故】:佐賀の男性3人乗船か 息子「連絡待つしか」

2022-04-24 23:56:30 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【知床・観光船事故】:佐賀の男性3人乗船か 息子「連絡待つしか」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【知床・観光船事故】:佐賀の男性3人乗船か 息子「連絡待つしか」

 北海道・知床半島沖の観光船浸水事故で、佐賀県在住の男性3人が乗船していた可能性のあることが24日、関係者への取材で分かった。このうち有田町に住む一人の男性(75)の40代息子によると、父親の名前と年齢が乗船名簿に載っているのを網走海上保安署の現地対策本部に確認したという。息子は「現地から連絡が来るのを待つしかない」と重い口調で話した。

 息子によると、父親は20~27日の日程で、佐賀県内の友人2人と共に北海道旅行に出かけた。事故をニュースで知り、23日夜に海保に電話した。

 息子は「(状況は)全然分からない。心配だ」と不安げな表情を浮かべた。

 元稿:北海道新聞社 北海道のニュース 社会 【話題・オホーツク管内斜里町の知床半島沖で小型観光船「KAZU 1(カズワン)」が遭難した事故】  2022年04月24日  23:56:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【知床・観光船事故】:「運航会社に不信感」憤る不明船の乗船経験者

2022-04-24 23:28:30 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【知床・観光船事故】:「運航会社に不信感」憤る不明船の乗船経験者

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【知床・観光船事故】:「運航会社に不信感」憤る不明船の乗船経験者

 【斜里】知床で行方不明となった小型観光船「KAZUⅠ(カズワン)」は、「知床遊覧船」(オホーツク管内斜里町)が同町ウトロから知床半島の先端までを運航し、世界自然遺産・知床の景観や野生動物を売りにしていた。今回の海難事故を受け、同社の船に乗ったことのある人からは、「人ごとではない」との驚きや、安全性への懸念の声が上がった。

 「間近で景色、野生動物が見たいというお客さまにおすすめ」。知床遊覧船のホームページには、そんなうたい文句が並ぶ。残り:548文字 全文:859文字

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 元稿:北海道新聞社 北海道のニュース 社会 【話題・オホーツク管内斜里町の知床半島沖で小型観光船「KAZU 1(カズワン)」が遭難した事故】  2022年04月24日  23:28:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【知床・観光船事故】:不明観光船の運航会社 3コースで事業

2022-04-24 22:46:30 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【知床・観光船事故】:不明観光船の運航会社 3コースで事業

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【知床・観光船事故】:不明観光船の運航会社 3コースで事業

 【斜里】乗客乗員26人が乗っていた観光船「KAZU I(カズワン)」(19トン)を運航する知床遊覧船(オホーツク管内斜里町)は2001年に設立された。知床岬沿岸などを巡る1~3時間の3コースで観光船事業を行っていた。

 国土交通省によると、同社は同年に海上運送法に基づく「旅客不定期航路事業」の許可を受けた。従業員は8人程度で、2隻の小型観光船を保有する。行方不明となっている豊田徳幸船長(54)について、地元の観光関係者は「船長の離職が相次ぎ、豊田船長が1人で2隻を任されてかなり参っていた」と明かす。残り:138文字 全文:390文字

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 元稿:北海道新聞社 北海道のニュース 社会 【話題・オホーツク管内斜里町の知床半島沖で小型観光船「KAZU 1(カズワン)」が遭難した事故】  2022年04月24日  22:46:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【参院選2022】:蓮舫氏×辻元清美氏 初のコラボ街頭演説「批判されても戦ってきた」「危ないですよ維新は」

2022-04-24 15:04:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選2022】:蓮舫氏×辻元清美氏 初のコラボ街頭演説「批判されても戦ってきた」「危ないですよ維新は」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選2022】:蓮舫氏×辻元清美氏 初のコラボ街頭演説「批判されても戦ってきた」「危ないですよ維新は」

 立憲民主党の蓮舫前代表代行、辻元清美前衆院議員が24日、東京・目黒区内で夏の参院選へ向けてコラボ街頭演説を行った。東京都連によると2人の街頭そろい踏みは初めて。東京選挙区(改選数6)で4選を目指す蓮舫氏は「2人して苦労してきた。何をやってもたたかれて、批判されて、きついと言われて。でも戦ってきた。そうじゃなきゃ、確かな野党、確かな政治がなければ、まっとうな政治は行われない」と訴えた。

立憲民主党の蓮舫氏(右)、辻元清美氏はJR目黒駅前で初のコラボ街頭演説を行った(撮影・大上悟)立憲民主党の蓮舫氏(右)、辻元清美氏はJR目黒駅前で初のコラボ街頭演説を行った(撮影・大上悟)

 昨年10月の衆院選で落選した辻元氏は参院に鞍替えして比例代表で国政復帰を目指す。全国行脚を続けている辻元氏は「えらそうなことを言っておりますが私は落選をしております」と自虐ネタで聴衆を笑わせた上で「私は大阪で維新という勢力にやられた。危ないですよ、維新は。核シェアリングとか核武装とか、敵基地攻撃とか自民党の一部の人たち、特に安倍元首相たちの言い出していますがそのお尻をたたいて引っ張っていってるのが維新」など日本維新の会を批判した。そして「もう一遍、頑張ってみようと思ったのは参院選で自民、公明、維新に3分の2議席以上を絶対、取らせてはならないと思った」とした。参院選は6月22日公示、7月10日投開票が有力とみられている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・立憲民主党・参院選2022】  2022年04月24日  15:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【事故】:知床半島沖の観光船事故 岩場などで9人救助も8人意識なし、1人は容体不明

2022-04-24 13:37:30 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【事故】:知床半島沖の観光船事故 岩場などで9人救助も8人意識なし、1人は容体不明

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【事故】:知床半島沖の観光船事故 岩場などで9人救助も8人意識なし、1人は容体不明  

 北海道・知床半島沖のオホーツク海で観光船「KAZU 1(カズワン)=19トン」が浸水し、乗客乗員26人が安否不明となった事故で、現場周辺で捜索していた第1管区海上保安本部(小樽)の航空機などが24日、計9人を発見した。1管によると、いずれも知床岬先端付近の岩場などで救助されたが、うち8人は意識がなく、1人は容体が不明という。

北海道・知床半島沖のオホーツク海で行われる安否不明者の捜索活動(共同通信社ヘリから)北海道・知床半島沖のオホーツク海で行われる安否不明者の捜索活動(共同通信社ヘリから)

北海道斜里町のウトロの港から捜索に向かう漁船(左)と観光船(共同)北海道斜里町のウトロの港から捜索に向かう漁船(左)と観光船(共同)

観光船「KAZU Ⅰ」捜索のため、ウトロの港で準備する漁船の乗組員ら(共同)観光船「KAZU Ⅰ」捜索のため、ウトロの港で準備する漁船の乗組員ら(共同)

北海道・知床半島沖のオホーツク海で行われる安否不明者の捜索活動(共同通信社ヘリから)北海道・知床半島沖のオホーツク海で行われる安否不明者の捜索活動(共同通信社ヘリから)

 また1管は、カズワンの乗組員を、船長豊田徳幸さん(54)=斜里町=と、甲板員曽山聖さん(27)=東京都調布市=と明らかにした。

 1管や道警などは、航空機や巡視船による現場海域の捜索を続行。地元の漁船も協力したほか、陸海空自衛隊がそれぞれ航空機を出した。海自は護衛艦を派遣した。

 運輸安全委員会は、船舶事故調査官3人を現地に派遣すると発表した。

 9人は海上や岩場で見つかり、ヘリコプターにつり上げられ救助。その後、斜里町内のグラウンドに運ばれ、待機していた救急車が医療機関などに搬送した。

 カズワンには大人22人、子ども2人の客計24人のほか、船長と甲板員が1人ずつ乗っていた。

 カズワンは23日午前10時ごろ、斜里町ウトロの港を出た。午後1時15分ごろ、港から北東約27キロの「カシュニの滝」付近から「船首が浸水している」と1管に救助要請があり、運航会社「知床遊覧船」(同町)に午後2時ごろ「30度ほど傾いている」と連絡した後、音信が途絶えた。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事故・災害・北海道斜里町の知床半島西側を航行中の観光船「KAZU I(カズワン)=19トン」(定員65人)から「浸水している」と第1管区海上保安本部(小樽)に通報】  2022年04月24日  13:37:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・04.10】:15年前には「番狂わせ」発生 自民党、生稲晃子氏の参院選東京選挙区擁立戦略は成功するか

2022-04-24 11:01:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・04.10】:15年前には「番狂わせ」発生 自民党、生稲晃子氏の参院選東京選挙区擁立戦略は成功するか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・04.10】:15年前には「番狂わせ」発生 自民党、生稲晃子氏の参院選東京選挙区擁立戦略は成功するか 

 今夏の参院選が近づき、各党で候補者擁立の動きが活発になってきた。自民党は4月6日、毎回激戦になる東京選挙区(改選6)に、かつて芸能界でブームを巻き起こした「おニャン子クラブ」の元メンバー生稲晃子氏(53)を擁立すると発表した。自民党が東京選挙区に名が知れた著名人の新人候補を投入するのは、女性では2007年の丸川珠代氏(元テレビ朝日アナウンサー)以来15年ぶり、男性も入れたら、2016年に初当選し、今回改選を迎える朝日健太郎氏(元ビーチバレー選手)以来だ。

自民党から参院選東京選挙区への出馬を表明する生稲晃子氏(22年4月6日撮影)

 自民党から参院選東京選挙区への出馬を表明する生稲晃子氏(22年4月6日撮影)

 東京選挙区は都市部でもあり、無党派層の動向が投票行動を左右するというのは、よくある話。東京で2人擁立体制が続く自民党が、新人を擁立する際に無党派層を意識した人選(2010年には元キャスターの女性も擁立、落選)にするのも、現職と新人で支援体制をすみ分けることも、念頭にあるといわれる。

 ただ、丸川氏が初めて出馬した際は、ちょっとした波乱が起きた。当時3期目を目指していたベテランの保坂三蔵氏と丸川氏の2人を擁立したが、新人の丸川氏との間で支援体制のバランスが大きく崩れ、盤石とみられた保坂氏がまさかの落選を喫した。当時は第1次安倍政権で、自民党に大きな逆風が吹いたさなかでもあったが、党にとっては、手痛い「番狂わせ」。当時、自民党関係者が「選挙は何が起きるか分からない…」と話していたのを覚えている。

2007年参院選で、自民党の支持団体の会合に出席する保坂三蔵氏(左)と丸川珠代氏(2007年6月2日撮影)
2007年参院選で、自民党の支持団体の会合に出席する保坂三蔵氏(左)と丸川珠代氏(2007年6月2日撮影)

 今回、改選で2期目を目指す朝日氏と新人の生稲氏は、言ってみればともに「著名人候補枠」。朝日氏も現職とはいえまだ1期目で経験は浅く、地盤も必ずしも盤石ではない。そのため、生稲氏の擁立論が出た際には、もっと組織の支援体制が整う候補の方がいいのではないかという慎重論も出たと聞く。新人擁立の際の定番だった「ベテランと新人」というすみ分け体制がどこまで機能するのか、関係者を取材すると、自民党内には懸念や不安は完全には消えていないようだ。

 ところで、生稲氏。36年間芸能界で活動し人前は慣れているはずだが、4月6日の出馬会見では緊張した様子で、「自分で書いてきたメモを持たせていただきます」と断り、時折、紙に目を落としながら言葉をつないだ。今期で引退する現職の中川雅治氏の後継をめぐっては、生稲氏以外にも、男性、女性さまざまな著名人の名前が浮上したが、中川氏が党内最大派閥・清和政策研究会(清和会=安倍派)に属するため、「清和会枠」での擁立論が押し通され、世耕弘成参院幹事長が生稲氏に声をかけた。別の派閥でも、候補擁立を模索した動きはあったようだ。

 生稲氏は会見で、乳がんを乗り越え、病気と仕事、日々の生活を両立する必要性を訴え、自身の経験を通じた活動の実現に意欲を示す一方、具体的な公約の公表は後日に延期した。「分かっていないことはたくさんあると思うが、分かっていないとは言えない」「これから学んでいかなければならない」と、本音も漏らした。選挙まで3カ月という中での出馬表明。しかも選挙区では、有権者に浸透するまでの時間が必要なことを考えると、むしろタイミングは遅い部類で、ドタバタ感も否めなかった。

 過去の著名人候補の出馬会見では、これまで続けてきた活動を、当選して議員になっても続けるかどうかという点も注目されてきた。2016年に出馬し、今回改選を迎える今井絵理子氏(比例代表)は、芸能活動との両立を表明。一方、2010年に出馬した三原じゅん子氏(当時比例、現在神奈川選挙区)は「私は二足のわらじをはくつもりはない。女優は辞める」と退路を断って臨み、当選を勝ち取った。

 生稲氏は「(もし当選して議員を)やらせていただく以上は全身全霊で国民のために働きたい」とだけ語った。生稲氏自身が、そう呼ばれることをかなり気にしていた「タレント議員」。以前は、選挙では名前や顔が知れていれば有利な状況もあったが、最近は著名人だから当選すると、必ずしもいえないのが実情だ。

 生稲氏が戦う東京選挙区には、ともに現職の立憲民主党の蓮舫氏や公明党の竹谷とし子氏、小池百合子都知事の応援を受けるファーストの会の新人荒木千陽氏ら、主な女性候補だけをみても強力なメンバーが並ぶ。政府の委員としての活動に加え、「元おニャン子」の知名度も見込んだ上で生稲氏を擁立した自民党(というより清和会)の戦略は、成功するのか。参院選は6月22日公示、7月10日投開票の見通しだ。【中山知子】

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2022年04月10日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・04.03】:堀内詔子氏「全力で取り組んだ」ワクチン相お役御免 第6波再拡大のさなかに間の悪い交代劇

2022-04-24 11:01:20 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【中山知子の取材備忘録・04.03】:堀内詔子氏「全力で取り組んだ」ワクチン相お役御免 第6波再拡大のさなかに間の悪い交代劇

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・04.03】:堀内詔子氏「全力で取り組んだ」ワクチン相お役御免 第6波再拡大のさなかに間の悪い交代劇 

 昨年10月4日の岸田政権発足に伴い、五輪相&ワクチン相として初入閣した堀内詔子氏が、3月31日をもって、その任を終えた。閣僚20人(当時)中13人が初入閣というフレッシュさが強調された岸田内閣で、当選3回(当時)での抜てき。3人しかいない女性閣僚の一角だった。所属は岸田派。自民党総裁選を勝利した岸田文雄首相を支援し、論功行賞的な意味合いも含めて身内から起用された側面もあったが、半年あまりでお役御免となった。

 任期最終日の3月31日、内閣府で離任式が行われた。官僚からは「東京大会レガシーの国内外への発信にご尽力いただいた」「ワクチン接種体制の構築を後押しいただいた」などの言葉が送られ、堀内氏は「過分なお言葉をいただいた」と応じた。国会答弁でのいっぱいいっぱいだった表情とは対照的な笑顔で応じた。

 その後の記者会見では「この仕事をいただいた時は身の引き締まる思いだった。全力で取り組んできたつもりではあります」と振り返り、岸田首相の自身への評価について「『よくやりきった』と思ってくださっているという風には感じた」などと語った。

 オミクロン株による新型コロナ第6波がぶり返しつつある中という、間の悪いタイミングでの退任となったが、職への未練などに関する言葉はなかった。今後ワクチン相兼任となり、兼務する担務が4つに増える松野博一官房長官について問われると「総理が決めることでコメントは差し控えたい」と述べるにとどまった。

大臣離任式でスタッフにあいさつする堀内詔子氏(2022年3月31日)
大臣離任式でスタッフにあいさつする堀内詔子氏(2022年3月31日)

 閣僚が退任する際、スキャンダルなどで辞任する場合もあるが、堅実な布陣で船出した岸田内閣ではまだ、そうした動きはない。そんな岸田内閣で堀内氏の「退場」の仕方は、なんとなく微妙だった。そもそも五輪相は今年3月末で設置期限が終わることは分かっていた中で、ワクチン相兼任に。ワクチン相としても活躍して欲しいとの思いはあったはずだが、国会答弁で行き詰まることもしばしばだった。結果的に、ワクチン相兼任とした岸田首相の判断は正しかったのか、疑問が出ていることは確かだ。

 岸田内閣が発足した昨年10月は、ワクチン接種も進んでコロナ第5波は収束気味だった。ワクチン相の正式名称は「ワクチン接種推進担当相」で、接種推進の旗振り役。ただ、発足後に第6波が発生し、必ずしも専門分野ではない堀内氏は、当初サポート体制も完全ではなく「荷が重かったのではないか」(政界関係者)。抜てき人事とはいえ、手腕も未知数だった。「他の職務との兼務となる堀内氏を据えたということは、ワクチン接種に腰を据えて取り組む体制とはいえなかった」と、首相の起用判断に疑問を呈する関係者もいる。首相にとっては誤算だったはずだ。

 そして今、第6波での感染者増が再び懸念されつつある中、首相は自身が深く信頼する松野氏に、ワクチン相を引き継がせた。今のタイミングでワクチン相が交代する「間の抜けたような事態」(自民党関係者)も、「官房長官が引き継ぐ」という流れをつくることで、なんとなくうやむやになってしまった感がある。

 前の菅内閣でワクチン接種を担当した河野太郎氏は、菅義偉前首相による官邸主導力が良くも悪くも色濃くにじんだワクチン政策で、接種促進や感染拡大収束という結果を残した。そんな河野氏からバトンを引き継いだ堀内氏だったが、4度目のワクチン接種が必要との声も出る中で、感染再拡大傾向時に退任することに。若手ながら大臣経験者という箔(はく)はついた格好だが、自身の態勢を立て直す流れには、最後まで持ち込めなかったのではないだろうか。ちなみに今後は、1議員として衆院厚生労働委員会に所属する予定で、その立場からワクチン行政を「応援する」(堀内氏)そうだ。【中山知子】 

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2022年04月03日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・03.27】:小泉進次郎氏 神奈川県連会長としての“ぞうきんがけ”から再び始まる「次」への一歩

2022-04-24 11:01:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【中山知子の取材備忘録・03.27】:小泉進次郎氏 神奈川県連会長としての“ぞうきんがけ”から再び始まる「次」への一歩

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・03.27】:小泉進次郎氏 神奈川県連会長としての“ぞうきんがけ”から再び始まる「次」への一歩 

 昨年秋、菅内閣から岸田内閣に政権が変わった際に環境相を退いて以来、表舞台での活躍の機会が減っていた自民党の小泉進次郎衆院議員(40)。4月から新たな肩書が加わることになった。

自民党神奈川県連会長として就任のあいさつに臨む小泉進次郎衆院議員=22年3月26日撮影

 自民党神奈川県連会長として就任のあいさつに臨む小泉進次郎衆院議員=22年3月26日撮影

 自民党神奈川県連会長。進次郎氏は神奈川県選出(神奈川11区)の国会議員だが、県連会長は自身の選挙区だけでなく県全体の党組織や人、さまざまな課題をとりまとめていく役どころだ。前任の小此木八郎氏が昨年、横浜市長選出馬に伴い辞任後、事実上「空席」になっていた。県連会長選は2月に告示され、進次郎氏のほかに立候補者はおらず、無投票で選ばれた。

 40歳での就任は、同県連で最年少という。ちなみに進次郎氏の父、純一郎元首相は県連会長に就いたことはない。県連と折り合いが悪い時期もあり、首相就任前には他党議員のパーティーに出席したとして、役職停止処分を受けたこともあった。純一郎氏の代から小泉家を支え、3月末で県連幹事長を退く土井隆典県議は、3月26日に行われた新会長決定の県連会合で「親父さんは県連といつも侃々諤々(かんかんがくがく)やっていたような気がする。時が流れて(息子の)小泉代議士が県連会長としてチーム神奈川を引っ張るリーダーになった」と、感慨深そうに語っていた。

 ただ、県連会長というと、ベテランの国会議員や地元の有力議員が務めることが多いポストでもある。進次郎氏はこれまで環境相をはじめ、党の青年局長や農林部会長、厚労部会長など省庁や自民党本部で、組織を率いる立場にいた期間が長かった。今回関わる地方政治は、自分の知識だけでは対応できないことも多いはずで、就任のあいさつでも「分からないことだらけ。分からないことは教えてください」と打ち明けた。調整や根回し、折衝など、表に見えない部分でこれまでとはまた違った立ち回り術が必要になる。

 環境相退任後、福田達夫総務会長のもとで党の総務会長代理に就いたが、メインのポ ストからは外れ、「冷や飯」とやゆされることもある。その進次郎氏が、地元組織を束ねる県連会長職に就く。今夏の参院選に向けた「地元の顔」という側面もあるが、永田町で働く政界関係者は「実際は、地道な作業が必要になる『ぞうきんがけ』だ。自分より年長の議員も多いだろうし、これまで以上にリーダーシップが問われる局面も増えるだろう」と話す。

 進次郎氏自身「(会長職を)受けるとは思わなかったという方が多かった。『面倒くさいのによくやるね』ということではないか」と語った。その上で「県政界で長く活躍された方からも背中を押していただいた。自分が求められるのなら、少しでもお返ししたい」とも口にした。

 2009年の初当選から13年。中央政界の目立つポストでの活動が多かった進次郎氏にとっては、「地力」をつけるためのタイミングがあらためて訪れたといえるかもしれない。

 進次郎氏の「リーダー像」は一貫している。初めて「長」のポストに就いた自民党青年局長時代、自身の「リーダー論」について聞くと「リーダーには、おれについて来いタイプと、皆に支えられるタイプがある。私はどちらかといえば後者」と言っていた。県連会長就任のあいさつでも同じことを語っていた。自身の野球経験を引き合いに「ポジションはセカンドだったが、とにかくカバーする役回りだった」と振り返り、新しい立場でもチーム内でカバーし合う、チームプレーが大切だと訴えた。

自民党神奈川県連会長として記者会見する小泉進次郎衆院議員=22年3月26日撮影
自民党神奈川県連会長として記者会見する小泉進次郎衆院議員=22年3月26日撮影

 初仕事は、今夏の参院選に向けた支持拡大だが、今回の神奈川選挙区は、超異例のシステム。通常の改選議席は4だが、前回19年参院選の当選者が任期途中で横浜市長選に出馬して生じた欠員1を補う補欠選挙が加わったため、5人が争う戦いに。しかも上位4人の任期は6年だが、欠員1人に関しては半分の3年というややこしさ。4位までと5位では任期も違い、3年後の参院選での戦略も変わる。自民党は神奈川で24年ぶりに2人を公認したが、与党の公明党や立憲民主党な他の政党も候補を擁立するため、激戦必至の選挙区なのだ。

 県連会長就任の記者会見で「1人1人が自分の持ち場で全力を尽くさないと、参院選は勝てない。『選挙の顔』は県連すべてのメンバーだ」と危機感をみせた進次郎氏。将来の自民党総裁選出馬に関する質問も出たが「今、私の頭の中は、県連会長としての課題でいっぱい」とかわした。政策はプロセスも重要だが、選挙は結果がすべてというのが政治の世界の常。地元組織を率いる県連会長として臨む異例ずくめの「初陣」で思い描いた結果を出してこそ、次に向けた1歩を踏み出すことになる。【中山知子】 

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2022年03月27日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・03.20】:ゼレンスキー大統領の国会演説はきっと教えてくれる 外国首脳と日本トップの言葉力の差

2022-04-24 11:01:00 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【中山知子の取材備忘録・03.20】:ゼレンスキー大統領の国会演説はきっと教えてくれる 外国首脳と日本トップの言葉力の差

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・03.20】:ゼレンスキー大統領の国会演説はきっと教えてくれる 外国首脳と日本トップの言葉力の差 

 ゼレンスキー大統領の日本の国会でのオンライン演説が、二転三転の末、実現することになった。ウクライナ側の要請に当初は、慎重論もあったと聞いた。理由をたどれば、日本の国会でのデジタル環境のお粗末さが、ひとつの背景だった。今、世界中が注視する「超・時の人」の演説オファーに、もし乗っからない(乗っかれない)ことになっていたら、日本の国会のIT力の弱さを世界に露呈してしまうことにもなりかねなかった。 

ゼレンスキー大統領の国会議事堂内での演オンライン説は、デジタル環境の都合で、別の会場で行われる見通しだ

 ゼレンスキー大統領の国会議事堂内での演オンライン説は、デジタル環境の都合で、別の会場で行われる見通しだ

 海外要人の国会演説はこれまで、国賓で来日したケースで行われてきた。演説の場所は衆議院の本会議場が通例だが、今回は本会議場ではなく、一定の設備が整った衆院議員会館に議員が集まる形で行われる見通しだ。

 コロナ禍以前の海外要人の国会演説は、メディアも本会議場に入って聞くことができた。何度かその機会を持ったが、個人的に今も心に残るのは、2011年11月に来日したブータンのワンチュク国王だ。日本の政治家の「言葉力」との差に、ちょっとびっくりした。

 ワンチュク国王がおさめるブータンは小さな国ではあるが、国の経済成長力より「国民幸福度」に重きが置かれているとしてあのころ大きな話題になり、関心を集めていた。

 当時は、東日本大震災から半年あまりが過ぎたばかりの時期。被災地のインフラも、日本人の心も、まだ本格的な復興には遠い段階だった。そんな中、演壇に立った国王は「私たちの日本への支援はつつましいが、友情や思いやりの気持ちは心からの真実」「日本と国民は、この不幸から力強く立ち上がることができる」などと呼びかけ、励ましてくれた。日本語ではなく英語だったが、言葉に自信がみなぎっていた。

 当時は民主党の野田内閣だったが、本会議場で取材しながら聞く総理大臣の演説といえば、原稿を見たり、へたをしたら原稿棒読みということも珍しくない。そんなこともあって、日本と世界のトップには「言葉力の差があるんじゃないかな」と感じたことを覚えている。

 翻って、ゼレンスキー大統領。ロシアのウクライナ侵攻以降、日々発信をしているが、顔にも声にもすごみが出てきたと感じる人は、私だけではないはずだ。トップの言葉が不安なら国民も不安になる。私たちは、首相の原稿棒読みに慣れてしまった感があるが、棒読みでは伝わらないことがあるはずだ。これはある意味、ゼレンスキー大統領とは反対の立場でもあるロシアのプーチン大統領の演説にも、言えることかもしれない。

 ゼレンスキー大統領は就任後、1度来日している。2019年10月、天皇陛下の即位を祝う祝賀行事で、こちらも夫同様の発信力を駆使しているオレナ夫人とともに日本を訪れた。政府関係者によると、その際はあくまで「来日した各国首脳の1人」という立場。その際、安倍晋三首相(当時)が会った50カ国の要人との「マラソン会談」の流れで、10月21日午後に迎賓館で会談が行われたが、当然時間も短く、当時は話題にもならなかった。今回はロシアによる侵攻がまもなく1カ月を迎えようとする中、世界中の議会に向けてオンライン演説戦略を仕掛ける流れの一環だ。注目されないはずがない。

 日本の国会でオンラインでの演説が行われるのは初めてだが、国会議員の間ではかねて「国会改革」が叫ばれてきた。ペーパーレス化やタブレット端末の解禁などIT化への動きは出ているものの、今回のようなオンライン演説は「想定外だった」(国会関係者)そうだ。コロナ禍で本会議では出席する人を減らし、事務所などでオンラインで見るスタイルも定着したが、肝心の国会側のIT化が進んでいないことの裏返しにもなった。

 ゼレンスキー大統領のオンライン演説は23日午後6時から予定される。生中継も行われるはずだ。実物を生で見るわけではないオンラインであっても、日本以外の国のトップの「言葉力」というものに接する、貴重な機会になるかもしれない。【中山知子】

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2022年03月20日  11:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【事故】:知床半島沖で観光船不明、子供ら乗船26人安否不明 現場海域の海水温2~4度、低体温症の恐れ

2022-04-24 07:42:30 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【事故】:知床半島沖で観光船不明、子供ら乗船26人安否不明 現場海域の海水温2~4度、低体温症の恐れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【事故】:知床半島沖で観光船不明、子供ら乗船26人安否不明 現場海域の海水温2~4度、低体温症の恐れ 

 23日午後1時15分ごろ、北海道斜里町の知床半島西側を航行中の観光船「KAZU I(カズワン)=19トン」(定員65人)から「浸水している」と第1管区海上保安本部(小樽)に通報があった。26人が乗船しており、同保安本部のヘリコプターや巡視船が現場海域で捜索しているが、26人と船は見つかっていない。船は今シーズン初出船だった。斜里町では朝から強風が吹き、波が高い状況だった。

観光船「KAZU I」(知床遊覧船のホームページから=共同)観光船「KAZU I」(知床遊覧船のホームページから=共同)

音信が途絶えた観光船「KAZU I」を運航する知床遊覧船(共同)音信が途絶えた観光船「KAZU I」を運航する知床遊覧船(共同)

 カズワンは同町ウトロの港を出た後、約27キロ北東の「カシュニの滝」付近から救助要請。午後3時ごろ、運航会社に「30度ほど傾いている」と連絡して以降、音信が途絶えた。国土交通省北海道運輸局によると、カズワンを運航している斜里町の会社「知床遊覧船」から「船のエンジンが停止したもよう」と連絡が入っていた。

 遭難したとみて、1管のヘリコプターや巡視船が現場海域を捜索しているが、午後10時現在、見つかっていない。乗客は大人22人、子ども2人で、他に船長と甲板員が1人ずつ乗っている。

    ◇    ◇    ◇  

 岸田文雄首相は23日夜、観光船遭難とみられる事案への対応に当たるため、24日まで予定していた熊本県訪問日程を切り上げ、自衛隊機で東京へ帰京の途に就いた。首相は、あらゆる手段を尽くして人命救助に当たるよう関係省庁に指示した。政府関係者が明らかにした。斉藤鉄夫国土交通相は観光船浸水の対策本部会議で、国交省海事局に対し、運航会社の監査をするよう指示した。

     ◇     ◇     

 知床半島沖で23日に起きた観光船の事故で、現場の映像を見た水難学会の斎藤秀俊会長は「かなり白波が立っていて、付近を航行していた巡視船の船首も波をかぶるほど荒れた状況だった」と語る。気象庁のデータによると、ここ数日の現場付近の海水温は2~4度程度。23日の最低気温は3度を下回り、海に投げ出された場合、低体温症の恐れがあるという。

 寒さなどで体温を失い、体の中心部が35度以下になると、低体温症とされる。32度以下では意識障害や脈拍の低下などの症状が出て、放置すれば死亡の恐れがある。斎藤会長は「海水温から言えば、一般的な生存可能時間は1時間前後だ」と指摘。「陸上も気温も低く風が吹いている。いったん体がぬれてしまえば、海から上がっても、かなり厳しい」とする一方「船が沈没を免れて、乗客らがぬれずに船内にいてくれれば、生存の可能性は高い」と望みをつないだ。

     ◇     ◇     

 強風で波も高い中、出航したのは1社だけだった。地元では「なぜ出たのか」といぶかる声も聞こえる。ヘリコプターが飛び交うなど普段静かな漁師町は騒然とし、住民は「とにかく無事を祈るのみ」と動揺した様子で話した。地元観光業界の関係者は「次第に波が高くなる予報だった。私なら今日の状況では出航しなかった」と話した。観光船が発着する斜里町ウトロで民宿を営む男性(55)は4月末からの大型連休を控える大事な時期の事故に「『まさか』という思いだ」と言葉少なだった。

 <最近の主な遊覧船事故>

 ◆2005年6月23日 北海道斜里町の知床岬付近のオホーツク海で、観光クルーザーが座礁。乗客20人超が重軽傷を負った

 ◆07年8月14日 鹿児島市の鹿児島湾の浅瀬に帆船型の遊覧船が乗り上げ、乗客14人を救助

 ◆10年7月5日 兵庫県豊岡市の「城崎マリンワールド」で、遊覧船が岸壁のパイプに衝突。乗客1人が軽傷

 ◆11年6月14日 島根県隠岐の島町の観光名所「ローソク岩」を巡る遊覧船が浅瀬に乗り上げ、乗客ら51人を救助

 ◆15年8月12日 徳島市で観光クルーズ中の遊覧船と、阿波おどりの警戒に当たる消防艇が衝突し、乗客ら3人が軽傷

 ◆18年3月9日 長崎県佐世保市の大型リゾート施設「ハウステンボス」の沖合で、遊覧船のエンジンが故障。乗客ら21人を救助

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事故・災害・北海道斜里町の知床半島西側を航行中の観光船「KAZU I(カズワン)=19トン」(定員65人)から「浸水している」と第1管区海上保安本部(小樽)に通報】  2022年04月24日  07:42:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【維新戦記】:第一回「後編」◆約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて

2022-04-24 06:30:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【維新戦記】:第一回「後編」◆約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【維新戦記】:第一回「後編」◆約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて

 かつて維新に籍をおいていた元新潟県知事の米山隆一代議士が見た「維新」の実像とは何か? それは改革を掲げる政党のそれとはとても思えないものだった。前編に引き続き、ありのままの実態を明かす。

(この記事は前後編記事の後編です/前編はこちらから)

◆私の名前をひと言も言わなかった橋下氏

 12月4日の公示をまであと3日と迫った12月1日土曜日、長岡駅前に橋下代表代行を迎えての演説会が決まりました。それ自体は大変嬉しく感謝の至りでしたがしかし、本部から示された演説会の条件は、私は信じられないものでした。

 演説会は11時00分開始で、橋下代表代行の演説は11時45分からだというのです。応援弁士が、自分の演説開始時間を指定するのは当然ですが、演説会自体は候補者の陣営が開催するもので、応援弁士側が演説会全体の開始時間を指定するは、自民党時代からも一度もなかったからです。

 これが自民党であれば地元の県議・市議に応援演説をしてもらえばその場を持たせることは容易だろうと思いますが、当時の日本維新の会は、当然のことながら新潟には一人も地方議員はいませんでした。

 私の後援会組織も十分ではなく、ボランティアの応援団はいましたが、橋下氏見たさで多人数の参集が見込まれる中で「前座」で演説ができる度胸のある、経験豊富な政治家はいません。やむを得ず私は、45分間を一人の長演説で繋ぎ、橋下代表代行を迎える事にしました。

 心配された私の演説も何とか終わり、橋下氏が現れて演説をしたとき、私はさらに驚きました。橋下氏は私の名前をただの一言も言うことなく、維新の宣伝だけに徹底して演説を終えたのです。

Photo by GettyImages

 ◆納得して寄付?

 それだけではありません。橋下氏は演説の中で、誇らしげに

 「相手は350億円もかけて選挙をやっているのに、僕ら日本維新の会はお金をかけずにやっているんです。しかもね、立候補者、皆自費で選挙をやっているんです。これが本当の政治家ですよ。

 見て下さい、民主党のあの最後のドタバタ劇。民主党は候補者に300万円渡しているんです。これ全部皆さんの税金。300万円だけもらって、逃げちゃった候補者もいたらしいけれども。後で返したらしいですが。日本維新の会は、金を渡すどころか、立候補者から100万円頂いているんです!」

 とドヤ顔で話したのです。候補者から100万円を徴収していることが週刊誌で報道されて問題視された故に、「候補者も納得して最初から寄付して貰った」という事にしたのでしょうが、その余りの実態との乖離に、私は眩暈を覚えました(ただしこの部分は動画の記録が残っていなかったので、記憶と千葉における演説を参考に再現しました)。

 ◆私を門前払いにした橋下氏

 自民党で応援弁士が応援している立候補者について一言も触れないなどということは一度もありませんでしたし、このような明らさまな欺瞞もありませんでした。もちろん私は一候補者に過ぎませんから、演説の内容に口を出す立場にはありません。私は無事演説会を終えた安堵を感じながらも、失望を禁じえませんでした。橋下氏が応援演説に来た際のポスター

 橋下氏が応援演説に来た際のポスター

 そのあと党本部から「地元の名店を予約するように」と言われていたので、私は名物である枌そばの名店「小嶋屋」を予約しました。

 特段会食は設定されていませんでしたが、自民党の応援弁士の方は、大臣クラスでも、時間があれば候補者・後援会スタッフと食事をするなり少なくとも挨拶ぐらいはかわすなりするのが常だったので、私は落選中を含めもう7年間も支えてくれている、地元の名士でもある後援会長と共に、小嶋屋に向かいました。

 小嶋屋に入ると橋下氏はすでに個室で食事をしているとの事で、その部屋に後援会長とともに挨拶に行くと、入り口は文字通り黒服のSPが控え、

 「現在休憩中だから誰とも会えない」

 とのことで私と後援会長は、話をするどころか顔を見る事すらない門前払いといっていい対応を受けました。

◆候補者もスタッフもただの「駒」

 勿論全国の候補者を応援して回っていた橋下氏が多忙を極めていたのは分かります。又当時の日本維新の会は、橋下氏の人気と知名度に大きく依存しており、氏からは全ての候補者が、自分と党を利用している存在にしか見えなかったのだろうとも思います。

 しかし、いかに橋下氏でも、一人で選挙はできません。政党として国政選挙を戦うには多くの候補者やスタッフが必要で、だからこそ当時の維新は、碌に選挙をしたこともない若者達に自腹で1000万円近くを負担させて、172名もの候補者を擁立していたのです。その候補者やスタッフをまるでごみのように扱うという事は、結局のところその地域もごみのように扱うという事でしょう。

 私は、その場で後援会長と共に席を取り、全く味のしないそばを、胸に湧き上がる苦い思いとともに飲み下しました。

 ◆次点で落選

 公示前からそんな事があったとはいえ、その後私の選挙戦は、自民党時代からの支持者・ボランティアと、数は少ないながら新たに得たスタッフに支えられて、それ相応に順調に進みました。12月16日の投開票日昼頃には、私の陣営のもとには「恐らく比例復活で当選」との報がマスコミから伝えられました。

 私は特段、飾りもない選挙事務所で吉報を待とうと考えていましたが、マスコミから「万歳をするのに必要」と言われて即席のひな壇を作り、万歳撮影の際の位置まで、マスコミ各社と打ち合わせました。当然、マスコミ予想の通り当選できるものだと考えていました。

 午後8時を迎え、私と支持者は期待を持ち開票速報を見ていました。しかし、北信越ブロックの維新の獲得議席は3議席。私は惜敗率44.38%で維新4位、次点で落選という残念な物でした。

 ◆「え? そんなこと言ったの?」

 選挙から1ヵ月ほどたった12月末、「選挙の総括」という事で、落選した候補者が大阪の維新本部に呼ばれました。実質的な代表でありながら、太陽の党との合流で代表代行となっていた橋下氏が総括を述べた後、質疑となり、落選した候補者の多くが、手を挙げて質問し、意見を述べました。維新の選挙サポートのなさを指摘するものも多かったのですが、そういった意見でも全体としてのトーンは今後に生かし、さらに前向きに努力するというものでした。

 そんな中、私はどうしても釈然としない思いで、手を上げ、発言の機会を得ました。

 私は目の前の橋下氏を見据えて尋ねました。

 「このような機会を与えて頂き、大変ありがとうございます。今ほど、多くの皆様らか非常に有益な指摘や、前向きな決意が表明されました。私も今回は落選してしまいましたが、挫けることなく頑張りたいと思います。ただそれに当たって、一つ申し上げたいことがあります。

 私は面接のとき、『小選挙区候補者は同列一位ですか』と面接官に聞き、『同列一位だ』と明言されました。私だけではありません。何人かに聞いたところ、複数の候補者が、同じように確認し、同じ回答を得ています。ところが、蓋を開けたら、全てのブロックで、単独比例1位、2位の候補が擁立されました。

 私は、維新は、閉塞した自民党政治を打破し、『合理的な正しい政治』を実現する政党だと思っています。その政党が、内部のことであってもこういう不合理な事をしてはいけないと思います。なぜこのようなことになったのかその理由を伺うとともに、次回以降は、比例順位についての党の方針も、きちんと説明していただきたいと思います」

 橋下氏は、私の質問が終わるか終わらないかのうちに、いつもの大きな早口で答えました。

 「え? そんな事を言ったの? それ誰? 分からない? ああ、でもそういったなら、それは僕のミスです。すみません。しかし候補者の擁立は、高度な政治判断で党執行部が行います。皆さんは自分の力で選挙をするんじゃない、党の力で選挙をするんだから、それは当然です。ただ、今回の事は説明が悪かった。次回からそれは改めます」

 私は、太陽の党との合流を聞いた時から、心の中に澱のように積み重なっていた橋下氏と日本維新の党への失望と違和感が、はっきりと目に見える形を成していくのを感じながら、

 「分かりました。ご回答ありがとうございます」

 と答えて質問を終えました。

 ■この記事は前後編記事の後編です。前編はこちらから
(近日公開の第二回につづく)

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 政治・政策 【政局・選挙・連載「維新戦記」・担当:米山隆一 衆議院議員 前新潟県知事】  2022年04月23日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【維新戦記】:第一回「前編」◆独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について

2022-04-24 06:30:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【維新戦記】:第一回「前編」◆独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【維新戦記】:第一回「前編」◆独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について

 ◆今だから明かすべきだと私が考えた理由

 2012年~2015年の2年間、私・米山隆一は衆議院議員・参議院議員の候補者として日本維新の会(維新の党)に所属していました。

 この連載で、私が維新で経験し、感じたことを、可能な限り客観的に書いていきたいと思います。

 日本維新の会は、伸長と停滞を繰り返しながら、2021年の選挙で41議席を獲得し、ブームを起こした2012年の結党時の議席に迫りつつあります。

 その中で、維新はことあるごとに「身を切る改革」と叫んで自らはお金に対してクリーンであることを喧伝していますが、私は第1回目の衆議院選挙では使いもしないのに100万円の経費を徴収されましたし、2015年の分裂騒動では橋下氏らの大阪組は「政党交付金の国庫返納!」を叫びながら、ひたすらお金に執着し、刑事事件すれすれの事さえして資金を収奪していました。

 彼らが見せている姿とその実像は、余りに食い違っています。

 今、できるだけ多くの日本の未来に関心を持つ方々に、「維新の実態とはどのようなものか」を事実に基づいて理解してもらうことは、日本の岐路を選択する上で、極めて重要な事だと考え、筆を執ることとしました。

Photo by GettyImagesPhoto by GettyImages

 ◆候補者面接と「内定」

 「なかなかな経歴だけど、自民党で2回選挙に落ちているんだね。何が足りなかったと思う?」

 2012年10月、大阪市中之島の日本維新の会本部ビルの12階で、関西弁の強い、顔色が悪く皴の多い男性の面接官から尋ねられました。

 私は、

 「選挙自体は私は、いずれも惜敗だったと思います。ただ地域のキーマンへの配慮や対策が足りない部分があったと思います」

 と答えました。自民党時代旧知の間柄であった、松浪健太衆議院議員(当時・現大阪府議)からの立候補の勧誘を受けてものだったこともあって面接は和やかな雰囲気のまま進みました。

 「分かりました。私からは以上ですが、米山さんから質問はありますか?」

 この男性からそう問われ、私は答えました。

 「はい、一つだけ質問があります。比例重複立候補の順位は、小選挙区の候補者全員同列の一位という事で宜しいでしょうか? 候補者にとっては極めて重要なことですから」

 「もちろんだよ」

 面接官はそう答え、私はそれを聞いて安心して部屋を後にしました。その面接官は、後に当時大阪維新の会府議団長であった、弁護士の坂井良和氏であることが分かりました。その数日後に新潟5区からの立候補者として内定する旨の通知を得て、私は日本維新の会に入党しました。

 ◆国政進出前の熱気

 この日を遡ること半年、2012年の5月、私は自民党時代に同じ二階派で親しかった松浪氏に声をかけられ、麻布のバーに向かっていました。

 瀟洒なビルの3階のドアを開けると、そこには手にグラスを持った多くの男性がおり、ある人は立ち、ある人はソファーに腰かけて、話していました。この中には、衆議院議員で官房副長官まで務めた松野頼久氏、桜内文城氏、小熊慎司氏などがいました。

 会では、3年前に政権交代を成し遂げた民主党政権が震災復興と消費増税で迷走するなかで、近く予想される総選挙に向けて橋下徹大阪市長(当時)が率いる地域政党・大阪維新の会の国政進出が話し合われていました。

Photo by GettyImages

 その会話の中では、第1次安倍内閣崩壊後、谷垣禎一氏が総裁を務める自民党で失意の身だった安倍晋三元首相が自民党の総裁選挙で勝てなかった場合、側近の菅義偉議員と共に「維新」に参加する可能性があることも取りざたされていました。

 声をかけられて赴いたとはいえ、並みいる議員たちの中で、浪々の身である私は小さくなっていました。それでも、閉塞する日本の政治を変えようという熱気をひしひしと感じました。

 ◆一期生が持っていた星雲の志

 同年9月12日、大阪維新の会の代表である橋下氏が「維新八策」を発表し、世の中を覆う閉塞感を打開する新政党への期待が高まり、同年9月28日、日本維新の会が設立されました。

 11月には大阪のコンベンションセンターで開かれていた「維新政治塾」の最終講義に呼ばれ、「塾生」達と初めて顔を合わせました。麻布のバーでたむろしていたスーツの男性たちとは違い塾生たちの多くは若くフレッシュで、女性の姿も目立ちました。

 この時同席していた仲間に、後に参議院議員となる塩村彩夏氏(立憲民主党)、2017年に衆議院比例近畿ブロックで当選した森夏枝氏、昨年10月の衆議院選挙で初当選した青柳仁士氏(日本維新の会)などがいます。

 その後立候補する大阪の市議・府議を含め参加者は一様に講師たちの講義を熱心に聞き、様々な質疑を行いました。休憩時間には連絡先をお互いに交換し、政治にかける思いを語る光景がここかしこで繰り広げられました。

 この時集まった一期生の間には確かに、日本の政治を刷新していこうという純粋な、そして燃えるような青雲の志が確かにあったと思います。私はこの時の同期の何人かとは、今でも友人付き合いを続けています。

 ◆石原新党との合流

 11月16日に衆議院が解散された翌17日、観測が流れていたとはいえ、私を含む多くの人にとっては「突如」、日本維新の会と、石原慎太郎氏率いる太陽の党の合流が発表されました。塾で会った候補者の考え方は多種多様でしたし、そこまで深く意見を聞いたわけでもないのですが、恐らく6~7割方はリベラル寄りであったと思います。

 自民党時代、私は党内では最もリベラルな立ち位置でしたから、とても驚きました。私は困惑を感じながらも、維新の主流派はリベラルのままであり、太陽の党の出身議員の発言権はそれほどにはならないだろうと考えて、自らを納得させたことを昨日の事のように覚えています。

 ◆「100万円徴収」で感じた懸念

 その後、候補内定者は直ちに大阪中之島の日本維新の会本部のビルに呼ばれ、記者会見と、選挙手続きの説明、橋下氏との写真撮影などが行われました。

 ここで驚いたのは、小選挙区と比例区の供託金600万円と合わせて、ポスター作製などの発注業者が指定され、製作費として100万円を振り込むこととされていたことでした。

 私は自民党で政治活動をしていた時からなじみの深い業者さんがおり、ポスター作りのコンセプトやコンテンツを共有していました。選挙まで1か月しかない中で、勝手を知らない業者さんと一から話をする時間が惜しいと感じた私は、軽い気持ちで事務局に

 「ポスター等は自分で発注して自分で作るので100万円はいいですよね?」

 と聞いたところ、その答えは

 「いえ、自分で作るのは自由ですが、100万円は振り込んでください」

 というものでした。私はその回答に非常に驚きましたが、党本部と喧嘩するのも得策でないと考え、

 「分かりました」

 と答え本部を後にしました。

 後に、同様の申し出をした候補が複数いたことを聞きましたが、いずれも、「ポスター作製代100万円は必須」でした。

 そもそもポスター作製は、選挙対策的意味も込めて地元の業者を使うのが通常なのに、全国の候補に大阪の一業者を指定すること自体が異例な上、発注しなくても100万円を徴収するというのは、ポスター作製に名を借りて、候補者から政治資金を徴収していたと疑われても仕方ありません。

 作ったばかりの政党ですから資金不足で候補者にカンパを募ることはありうるとして、それならそうと明示すべきで、このような形で資金を徴収すべきではありません。私は早くもこの時、後に痛いほど知ることになる、彼らのお金への執着と、掲げる看板と実態に大きな懸隔の一端を、垣間見たのです。

 ◆他の候補者から漏れ聞こえてきた実情

 新潟に帰り、100万円と供託金300万円(当初は比例の300万円も自腹との事でしたが、流石に軌道修正され、比例の供託金は党が負担する事になりました。)を支払い、私は大急ぎで選挙準備を進めました。

 私はすでに自民党で2回選挙を戦っていた経験から、選挙運動の勝手がわかっていました。全ての人員をボランティアでそろえるのには苦労しましたが、日々何とか体制が整ってきました。

 その中で私は、塾で連絡先を交換した候補者たちと、準備状況をお互いに相談するMLを作りました。私自身選挙準備に追われていたので、他の選挙区での様子を具体的に把握できたわけではないのですが、どの選挙区でも、党本部からのケアはほぼ皆無という状況でした。

 今まで一度も選挙活動をしたことがない若者から、最低で供託金300万円とポスター代100万円併せて400万円、そのほか事務所代を含めれば1000万円近くのお金を自腹で払い込ませ、その後はほったらかし。

 少なからぬ人が小選挙区では勝負にもならず落選し、供託金も没収となるのは、目に見えていました。政治家は使い捨てとはいえ、随分なものだと、私は思っていました。

Photo by GettyImagesPhoto by GettyImages

◆「中田宏=比例1位」の困惑

 私自身の選挙の勝算は、候補者が多くいる関西、関東と異なり、新潟5区の属する北信越ブロックでは、解散の時点では富山に1人、長野に2人、新潟に私を含めて2人の合計5人の候補者がいるだけ。しかし、世論調査などの維新への支持率から、2~3人の当選が予想され、十分勝機が見込めるというものでした。

 ところが私のこの計算は、同年11月30日、前横浜市長中田宏氏を、北信越ブロックの維新比例単独1位で擁立する事を発表したことで早くも崩れました。

 「小選挙区の候補者全員を比例同列1位で処遇する」という坂井氏の言が、何の説明もなく反故にされたことを知った私は、声をかけてくれた松浪氏を始め、知遇のあった複数の維新の国会議員に「あまりにひどいではないか。中田宏氏をどうしても比例1位で処遇するなら、せめて中田氏も富山1区など小選挙区で立候補すべきだ」と抗議しましたが、聞き入れられることはありませんでした。

 12月4日の公示をまであと3日と迫った12月1日土曜日、長岡駅前に橋下代表代行を迎えての演説会が決まりました。それ自体は大変嬉しく感謝の至りでしたがしかし、本部から示された演説会の条件は、私は信じられないものでした。

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 政治・政策 【政局・選挙・連載「維新戦記」・担当:米山隆一 衆議院議員 前新潟県知事】  2022年04月23日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【話題】:長期休館決めた「土方歳三資料館」愛された故に子孫館長だけで対応できず「運営方法見直したい」

2022-04-24 05:00:20 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】

【話題】:長期休館決めた「土方歳三資料館」愛された故に子孫館長だけで対応できず「運営方法見直したい」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【話題】:長期休館決めた「土方歳三資料館」愛された故に子孫館長だけで対応できず「運営方法見直したい」 

 幕末の新選組で副長を務めた土方歳三の生家跡で、東京都日野市にある「土方歳三資料館」が10月末をもって長期休館する。94年に開館して約28年、遺品や資料など約70点を公開してきた。

休館への思いを語った「土方歳三資料館」の館長土方愛さん(撮影・沢田直人)休館への思いを語った「土方歳三資料館」の館長土方愛さん(撮影・沢田直人)

土方歳三が使用していた刀の「和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)」(撮影・沢田直人)土方歳三が使用していた刀の「和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)」(撮影・沢田直人)

土方歳三が使用していた防具の「鎖かたびら」(撮影・沢田直人)土方歳三が使用していた防具の「鎖かたびら」(撮影・沢田直人)

 土方歳三の兄から数えて6代目の土方愛さん(50)が館長を務める。建て替え前の生家で育った最後の世代だ。土方さんは休館の理由について「遺品を長く残すために、いったん運営方法を見直したい」と話した。遺品の管理などは個人で行っていた。開館当初は十数人だった来客者。ゲームやドラマなどで注目を集め、ネットの普及とともに増え始めた。海外からもファンが訪れ、新型コロナ禍前では1日に1000人近くの人が訪れる日もあった。緊急事態宣言時には一時休館し、その間はオンラインで講座を開いた。宣言の解除後の客足も戻りつつあった。多くの人に愛されたが故に「個人では対応しきれない状況になった」。休館後の遺品の管理方法は模索中だという。

 資料館の開館日は大型連休を除き原則月2回。ホームページで確認ができる。庭には土方歳三が17、18歳のころに「将来我武人となりて名を天下に揚げん」と宣言して手植えした矢竹が生えている。資料館の中に入ると、新選組が倒幕派の志士らを襲撃した「池田屋事件」で、土方歳三が実際に身に着けていた防具の「鎖かたびら」が展示されている。愛刀の「和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)」は5月15日までの期間限定で公開している。

 長年遠方から通っていたファンを思い「(休館に)納得して、予定を立てられるように」と、8カ月前の2月に公表した。土方さんは全国のファンに向けて「休みは前向きなお休みです。楽しみにお待ちください」と呼び掛けた。「歳三の生家 土方歳三資料館」(https://www.hijikata-toshizo.jp/)【沢田直人】

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・幕末の新選組で副長を務めた土方歳三の生家跡で、東京都日野市にある「土方歳三資料館」】  2022年04月24日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田政権・04.23】:消費増税もありうる…政府が進める防衛費「倍増計画」の恐ろしい中身 ■「専守防衛」を逸脱しかねない

2022-04-24 00:15:50 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【岸田政権・04.23】:消費増税もありうる…政府が進める防衛費「倍増計画」の恐ろしい中身 ■「専守防衛」を逸脱しかねない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権・04.23】:消費増税もありうる…政府が進める防衛費「倍増計画」の恐ろしい中身 ■「専守防衛」を逸脱しかねない

 ◆防衛政策が激変する

 自民党安全保障調査会(会長・小野寺五典元防衛相)は、岸田文雄首相が今年12月に改定を目指す国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の安全保障3文書に盛り込むべき提言案をまとめた。

 3文書のあり方について、「防衛計画の大綱」を米国と同名の「国家防衛戦略」とするべきと提言、また「中期防衛力整備計画」は防衛力強化を目的とした「防衛力整備計画」と改称するよう求めた。

  自民党安全保障調査会の会長を務めている小野寺五典元防衛相[Photo by gettyimages]
 
 「敵基地攻撃」は「反撃能力」と名称を変えて保有を求め、ミサイル基地ばかりでなく、指揮統制機能への攻撃も含むと主張。防衛費は対GDP2%以上、つまり現行の5兆円台から10兆円台に倍増させることを要求した。

 これまで政府が堅持するとしてきた「専守防衛」を逸脱しかねず、自衛隊を「必要最小限度の実力組織」としてきた政府見解をかなぐり捨てる提言内容といえる。

 岸田政権はこの提言を3文書に反映させる可能性が高い。安倍晋三政権下で施行された海外における武力行使を可能にした安全保障関連法と相まって、自衛隊の役割は国防を踏み越え、外征軍の米軍と共同行動する「米軍の二軍化」が現実味を帯びてきた。

 ◆日本の周辺は「脅威」だらけ

 国家防衛戦略と改称するのは「脅威対抗型の防衛戦略に焦点を置いた文書」とすべきだとの理由からだが、他国の軍事力に合わせて日本の防衛力を拡大する「脅威対抗」の概念は、憲法から導き出された日本の基本戦略である「専守防衛」の対極に位置する。

 提言は「専守防衛」の項目を設け、その中で「専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢をいう」と政府見解を紹介。

 続けて「ここで言う必要最小限度の自衛力の具体的な限度は、その時々の国際情勢や科学技術等の諸条件を考慮し、決せられるものである」と主張し、専守防衛を踏み越えないための歯止めとされた「必要最小限」は延びも縮みもする脅威対抗の概念であるとの解釈を示し、事実上、これまでの専守防衛の考え方を放棄した。

 提言は脅威として順に中国、北朝鮮、ロシアを挙げ、中国について「わが国を含む地域と国際社会の安全保障上の重大な脅威」、北朝鮮は「わが国の安全保障との関連で、より重大かつ差し迫った脅威」、ロシアはウクライナ侵攻を例に「わが国を含む地域と国際社会にとって安全保障上の現実的な脅威」と日本周辺は脅威だらけだと強調。

 その上で「ミサイル技術の急速な変化・進化により迎撃は困難となってきており、迎撃のみではわが国を防衛しきれない」と主張、対処法として「弾道ミサイル攻撃を含むわが国への武力攻撃に対する反撃能力を保有し、これらの攻撃を抑止し、対処する」と提言した。

 これは地対空迎撃システム「イージス・アショア」の秋田市と山口県萩市への配備断念と引き換えに安倍晋三元首相が示した安倍談話にもとづく、「抑止力の強化」(=敵基地攻撃能力の保有)のうち、「敵基地攻撃」を「反撃能力」に改称して保有を求めたものだ。

 反撃という用語はソフトな印象を与えるが、実態は攻撃対象をミサイル基地だけでなく、「指揮統制機能等」にまで広げている。何が指揮統制機能かは明らかにしていないが、日本でいうところの首相官邸や防衛省が該当するとみられる。

開発が進む地対地ミサイル「島嶼防衛用高速滑空弾」(防衛省の資料より)
 
 ◆「敵基地攻撃」の深刻な問題点

 敵基地攻撃を合憲とし、歴代内閣も引き継いできた1956年の政府見解は「他に手段がないと認められる限り」「誘導弾などの基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能である」(1956年2月29日衆院内閣委員会、船田中防衛庁長官が鳩山一郎首相答弁を代読)との内容で、緊急避難としてのミサイル基地攻撃を「自衛」と認めている。

 鳩山答弁には後段があり、「防御上便宜であるというだけの場合」「そういう場合に安易にその基地を攻撃するのは、自衛の範囲には入らない」と拡大解釈を厳に戒めている。

 指揮統制機能への攻撃は、まさに鳩山答弁が禁じた「防御上便宜であるというだけの場合」に該当しかねず、憲法との整合性が問われることになる。

 自民党内の議論では、今年になって北朝鮮が発射を続ける弾道ミサイルがいずれも移動式の発射機や列車から打ち出されたことから「敵基地攻撃」との表現が適さないとの指摘があった。

 その結果、ミサイル発射の命令を出す指揮統制機能が追加されたわけだが、そもそも専守防衛の枠内で武器を保有し、訓練してきた自衛隊に敵基地攻撃の発想は乏しく、どこにどのようなミサイルがあるのか知るための情報収集能力が決定的に不足している。

 現行の防衛大綱によって保有や開発が始まった敵基地攻撃に転用可能な長射程のミサイル群や護衛艦「いずも」型の空母化は、情報がなければ何の役にも立たない。その意味では、圧倒的な情報力を誇る米軍の全面的な協力がなければ使いようがなく、まさに米軍との共同作戦行動でこそ生きることになる。

空母化の改修が進む護衛艦「いずも」(海上自衛隊のホームページより)
長射程化が閣議決定された12式地対艦誘導弾(陸上自衛隊のホームページより)  
 
 提言は「同盟能力の相乗効果を最大化し、日米同盟の抑止力・対処力の更なる強化を図っていく」とこれまで以上に日米連携の強化を求めている。

 台湾をめぐって緊張が高まる南シナ海において、米軍とともに中国に対する抑止力として、また抑止が破れた場合には対処力として自衛隊を機能させることが敵基地攻撃能力を保有する真の狙いではないのか。

 そのためには安倍政権が「爆買い」した米国製武器に対する巨額のツケ払いが始まり、防衛費を圧迫する事態の解消策として、防衛費の増加は欠かせないのだろう。

 ◆防衛費倍増の先に待つ「ジレンマ」

 自民党提言は北大西洋条約機構(NATO)が国防費を対GDP比2%以上を目標としているのを念頭に置いたうえで「5年以内に防衛力の抜本的な強化を目指す」とした。

 防衛費は10年連続して増加し、2022年度は5兆4000億円だ。GDPの2%は10兆8000億円となり、まさに倍増。ストックホルム平和研究所によると、日本の防衛費は現在第9位だが、10兆円台になれば米国、中国に次いで世界第3位に躍り出ることになる。「軍隊の不保持」を定めた憲法下で軍事大国化するのだ。

 提言は倍増する防衛費の財源を示していない。本年度当初予算107兆円の中から防衛費に5兆円を上乗せするとすれば、弾力的な運用が可能な社会保障費や教育費からの付け替えが予想される。消費税の増税もあり得るだろう。

 いずれにしても国民に重い負担を求めることになるが、果たしてわたしたちにその覚悟があるだろうか。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、漠然とした不安を覚える国民の思いを利用した面はないだろうか。

 「反撃能力」という実態と異なる看板を掲げ、防衛費を倍増すれば、周辺国は日本の意図を疑い、こぞって軍拡に向かうのは想像に難くない。安全になろうとしてかえって危険を呼び込む「安全保障のジレンマ」である。

 導入が始まった戦闘機発射型の長射程ミサイル「JSM」(KONGSBERG社のホームページより) 

 自民党は防衛大綱、中期防の改定に合わせて、毎回、提言をまとめてきた。その時点の安全保障政策を踏まえ、軍事力強化を求める内容だったが、防衛省は参考にする程度にとどめ、大綱、中期防に反映してこなかった。

 しかし、安倍政権下で国家安全保障会議が設置された後の大綱、中期防は防衛省の手を離れ、同会議の事務局である国家安全保障局が策定した。2018年に改定された大綱、中期防は自民党提言をほぼ丸飲みした内容となり、自民党防衛族を驚かせた。

 今回も同様の段取りとなれば、自民党提言が丸ごと日本の政策に置き換わる可能性は高い。憲法との整合性が問われ、限られた財源から巨額の防衛費が支出される安全保障政策とは何か、日本の国柄が根底から覆される事態を迎えようとしている。



半田 滋
HANDA SHIGERU

 1955年(昭和30)年生まれ。防衛ジャーナリスト。元東京新聞論説兼編集委員。獨協大学非常勤講師。法政大学兼任講師。防衛省・自衛隊、在日米軍について多くの論考を発表している。2007年、東京新聞・中日新聞連載の「新防人考」で第13回平 和・協同ジャーナリスト基金賞(大賞)を受賞。著書に、「零戦パイロットからの遺言-原田要が空から見た戦争」(講談社)、「日本は戦争をするのか-集団的自衛権と自衛隊」(岩波新書)、「僕たちの国の自衛隊に21の質問」(講談社)などがある。

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 政治 【政策・岸田政権・防衛費・担当:半田 滋】  2022年04月23日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【為替・04.23】:1ドル=129円の衝撃…「円=安全通貨」神話の崩壊が招く重大事態 ■これから日本が直面すること

2022-04-24 00:15:40 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【為替・04.23】:1ドル=129円の衝撃…「円=安全通貨」神話の崩壊が招く重大事態 ■これから日本が直面すること

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【為替・04.23】:1ドル=129円の衝撃…「円=安全通貨」神話の崩壊が招く重大事態 ■これから日本が直面すること

 ◆今や円は「安全通貨」と見なされない

 4月20日、東京外国為替市場で終に対ドル円レートは1ドル=129円台となった。2002年5月以来、約20年ぶりの円安・ドル高の水準である。メディア各社はこぞって「円の実力低下」を報じた。

 この間、外国為替市場関係者の間では「リスクオフは円買い」が常識であった。ところが、2月24日のロシアによるウクライナ軍事侵攻以降、取り分け3月に入ってから対ドルで円買いが鳴りを潜め、中国人民元や資源国通貨に資金を移す動きが顕著となった。もちろん、その背景にはエネルギー価格の高騰があった。

 平たく言えば、かつては紛争など地政学リスクが高まると円は対ドルで上昇し、運用リスクを回避する世界の投資マネーが円に集中したということだ。それが「リスクオフの円買い」ということである。

 だが、その通説はあっけなく終焉を迎え、今や円は「安全通貨」と見なされない。4月に入ると、主要通貨の中で円の下落率は5.7%まで落ち込み、ロシア中央銀行が米欧主導の金融・経済対象となったことで急落したルーブルの11.7%に次ぐ下落となった。そのルーブルは現在、ウクライナ危機前の水準に戻している。

 こうした中で今、日本が直面する厳しい経済状況をチェックする。

 ◆「悪い円安」論の行方

 もちろん、急速な円安を許容できない岸田文雄政権はそれまでに反応していた。鈴木俊一財務相は15日、閣議後の記者会見で価格転換や賃上げが不十分な状況での円安進行について「悪い円安と言えるのではないか」と発言したのだ。

 通貨当局の責任者が為替水準の善し悪しに言及するのは異例なことである。一方、金融政策の責任者である黒田東彦日本銀行総裁は、為替に関する管轄は日銀ではなく財務省にあるとして「悪い円安」を認めることはなかった。

 だが、背に腹はかえられないのであろうか、黒田総裁は18日の衆院決算行政監視委員会で「大きな円安や急速な円安はマイナスが大きくなる」と発言し、これまでの「円安は日本経済にプラス」との見解を事実上修正したのだ。

 そして財務省は20日、2021年度の貿易統計速報を発表した。貿易収支は5兆3749億円の赤字となったことが明らかになったのだ。要するに、過度の円安と輸入コスト(原油価格の急騰などエネルギー高)増大のダブルパンチとなって「経常赤字・円安同時進行」の泥沼化が起こりつつあるということである。

 ◆「負の円安スパイラル」

 それだけではない。日米の実質金利差の拡大である。米国の中央銀行である米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は既に金融引き締めを迅速に行うために政策金利を0.25%引き上げて0.5%にする意向を明らかにしている。

 FRBは金融政策を量的緩和から量的引き締めへ急旋回しつつある。言うまでもなく、実質金利の急上昇はドル高を招来する。換言すると、さらなる円安を誘発する「負の円安スパイラル」ということだ。

岸田総理/photo by gettyimages

 日本経済新聞(21日付朝刊)で金融政策・市場エディターの大塚節雄氏は、次のように指摘している。「……だが、ウクライナ危機で輸入インフレは日銀の想定を超えて進む。円安は実質マイナス金利が持つ効果の一つだが、現状では輸入インフレに拍車をかけ、経済を痛めつけかねない。かといって経済のもろさが目立つ現状では、円安への批判が強まっても軽々に金融政策の正常化に動くわけにもいかない」。

 まさに黒田=日銀は飽くまでも緩和政策を続ける方針である。ここで問題視すべきは、財務省と日銀は思考回路が異なるということである。物価安定という明確な組織命題を持つ日銀に対し、財務省は時の政権とそれを選択した有権者全体の利害を念頭に置く必要があるのだ。より政治的な判断をするということである。

 7月10日の参院選を控えて政府・与党は円安対策よりも財政出動により熱心となっているのが現状だ。それは22年度補正予算案編成の必要を声高に主張する公明党や財政積極派の国会議員をみるまでもなく分かる。そして岸田首相は21日午後、2.5兆円規模の補正予算案編成に応じたのである。

by Gettyimages

 最後に、果たして財務省は日銀がこれ以上の円安を阻止するために政策を調整すべきだと黒田総裁を説得する意思を持っているのだろうか。容易ではない。与党政治家はよく「緊急経済対策の実行には政府と日銀一体の総力戦でやるべきです」と口にする。

 岸田首相は総力戦の先頭に立つつもりがあるのかどうか。今なお「新しい資本主義」の中身を提示できていない現状からすると、甚だ疑問である。

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