路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.04】:岸田政権の少子化対策は的外れ! まずは未婚の増加を直視すべき

2023-02-05 07:05:40 | 【少子化問題・異次元対策・子供の居場所・不妊治療・無痛分娩・少母化・婚姻の激減・

【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.04】:岸田政権の少子化対策は的外れ! まずは未婚の増加を直視すべき

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.04】:岸田政権の少子化対策は的外れ! まずは未婚の増加を直視すべき

 ■長妻昭(立憲民主党政調会長・元厚労相)

 岸田内閣は、異次元の少子化対策を実施するというが、抜け落ちている視点がある。

 結婚したカップルから生まれる子どもの平均は、約50年前は2.2人だったが、2021年は1.9人である。確かに減少しているが激減ではない。結婚後、望めば子どもを持つことができる環境整備は急務であるが、少子化のより大きな原因である、未婚の増加を直視すべきである。

<picture>自民党政権10年の少子化対策はどれも小粒で的外れ(C)日刊ゲンダイ</picture>

 自民党政権10年の少子化対策はどれも小粒で的外れ(C)日刊ゲンダイ

 50歳時未婚率を見ると男性で28%、女性で18%(2020年)と、50年前に比べて男性16倍、女性5倍と急増している。

 では、独身者はどのような状態にあるのか。日本は先進国の中でも親との同居率がトップクラス。独身者は男女ともに30代も40代も6割以上が親と同居している(2020年の国勢調査)。

 一方、米国では独身者の親との同居率は男18%、女12%と低く、欧米では成人すれば独立するのが通例だ。

 日本は独立しようとしても住宅費が非常に高いうえ、非正規雇用が4割を占め、金銭的な不安が常につきまとう。

 親と同居していれば、家賃や家事の負担も少なくて済む。結婚して、新たに住まいを探し、生活を始めると確実に生活レベルが下がるケースが多い。結婚を阻む壁のうち、政治の力で取り除けるものは待ったなしで手を打つべきである。

<picture>立憲民主党政調会長、元厚労相の長妻昭氏(C)日刊ゲンダイ</picture>

 立憲民主党政調会長、元厚労相の長妻昭氏(C)日刊ゲンダイ

 ◆まずは非正規雇用者への対応と住宅支援

 まずは自民党と経済界が増加をさせた非正規雇用者への対応だ。同じ仕事であれば正規社員と同じ処遇にする同一価値労働同一賃金を欧州並みに導入する。

 さらに、日本に大きく欠けているのが住宅支援政策。どれも小粒で、先進国に比べればないに等しい。例えば、フランスでは国民の2割が住宅給付を受けている(2017年末時点)。いま日本には空き家が約350万戸(2018年)ある。住宅支援を“異次元”のレベルで進めるべきである。

 日本の子育て予算は、GDP比1.79%で先進国平均2.34%を大きく下回る。子育て予算が増えないと5年後には防衛費が子育て予算を上回る。現在、防衛費の方が大きな国はG7で米国しかない。

 自民党政権が続いたこの10年の少子化対策は小粒で的外れと言わざるを得ない。

 民主党政権では、小学生までだった手当を、“所得制限なし”で中学生まで給付する子ども手当を創設したが、自民党はそれを後退させ、“所得制限付き”の児童手当とした。

 欧州では当たり前の高校生までの児童手当の延長や、大学までの授業料無償などを導入し、あまりにも子育てに冷たい現状を大転換しなければならない。

 ■「子どもを社会で育てる」発想がない

 かつて、民主党政権の子ども手当に所得制限をかけ、名称を児童手当に戻した当時の石破茂自民党政調会長は、「子ども手当の撤回は、家庭を基礎とする我が国の自助自立の精神に真っ向から反した『子どもは社会で育てる』との民主党政策の誤りを国民に広く示すこととなり、大きな成果」との談話を発表している。

 当時、民主党の子ども手当の理念は、「社会全体で子育てをする」「子どもの育ちを社会全体で応援する」というものだった。

 いまだに岸田政権や自民党が、この理念を否定しているのであれば本気度が疑われる。

 ▽長妻昭(ながつま・あきら) 

 1960年、東京生まれ。慶大法卒。NEC、日経BP社を経て00年6月、衆院議員初当選(東京7区)。09年の政権交代後、鳩山政権、菅政権で厚生労働大臣を務めた。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・話題・連載「リレー特別寄稿 岸田政権の歴史的転換にモノ申す」】  2023年02月04日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.03】:「戦前」を思考停止のことばにしないことが「新しい戦前」を防ぐ最良の道

2023-02-05 07:05:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.03】:「戦前」を思考停止のことばにしないことが「新しい戦前」を防ぐ最良の道

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.03】:「戦前」を思考停止のことばにしないことが「新しい戦前」を防ぐ最良の道

 ■辻田真佐憲(評論家・近現代史研究家)

 「戦前」にあらためて注目が集まっている。
 
 昨年末、タモリが「徹子の部屋」で2023年がどのような年になるかと問われて、「新しい戦前になるんじゃないでしょうかね」と答えたことも話題になった。

 近年、戦前回帰は政治を語るキーワードのひとつだった。安倍政権下における教育基本法の改正、集団的自衛権の行使容認、メディアへの政治介入、首相官邸への権限集中、森友学園の愛国教育などが一体的に、戦前的な軍国主義・愛国主義の復活であるかのように論評されることが多かった。

<picture>「戦前」のレッテル張りに踊らされず、類似と差異にも配慮しながらバランス良く「歴史」と付き合う(C)日刊ゲンダイ</picture>

 「戦前」のレッテル張りに踊らされず、類似と差異にも配慮しながらバランス良く「歴史」と付き合う(C)日刊ゲンダイ

 昨年が戦後77年にあたり、明治維新から太平洋戦争の敗戦までの77年に並んだことも、この傾向に拍車をかけた。今後はまったく新しい時代に突入するかもしれない──というわけだ。

 だが戦前をめぐる論評は、いささかずさんなレッテル貼りにもなってはいなかっただろうか。

「安倍は東条英機のような独裁者だ」という批判を考えてみよう。よく耳にした比較だが、昨今の研究に照らして適切とはいいがたい。

 明治憲法のもとでは首相に権限が集中しにくく、かえって軍部の暴走を招いた面があった。根っからの軍事官僚であった東条もこれに苦慮しており、陸相や参謀総長などを兼任することで、なんとか自らのもとに権限を集めようとした。それでも彼は、戦争中の1944年に首相の地位を追われてしまった。

 戦後、首相に権限を集中させたのは、このような戦時下の反省も踏まえている。それゆえ、この傾向を戦前回帰と呼ぶのはあまりに倒錯している。

 安倍元首相はかつて「美しい国」「日本を取り戻す」というスローガンを掲げた。そのため、ここでも戦前回帰の野望があったように語られた。

 だがその実態は、日本史上の使えそうなものを戦前・戦後を問わず適当にかき集めた、一種のキメラだった。だからこそ、「ALWAYS 三丁目の夕日」が称えられ、東京五輪や大阪万博が亡霊のごとく再度招致されたのだ。

 戦前回帰という論評にも似た構造があった。ここでいう戦前は、日本の暗部らしきものをごった煮にしたものにすぎなかったのではないか。保守のいう「美しい国」とリベラルのいう「戦前」は、合わせ鏡だったのである。

 もちろん、戦前は敗戦という悲惨な末路を迎えたのであり、歴史の教訓として生かさなければならない。歴史を役立たないと切り捨てるのは、それはそれで極端だ。であれば戦前の歴史をしっかり見なければならない。

 そもそも戦前も77年続いており、どこを切り取るかによってまったく印象が異なってくる。明治初期の日本は、植民地化される危機にさらされた弱小国家だった。それでも、独立の気概を誇り高くもっていたのであり、この点ひとつ取っても、アメリカに強く出られない今日の日本とは大きく異なっている。

<picture>評論家・近現代史研究家の辻田真佐憲氏(C)日刊ゲンダイ</picture>

  評論家・近現代史研究家の辻田真佐憲氏(C)日刊ゲンダイ

 ◆紋切り型は歴史の冒涜

 戦後77年をすぎ、われわれの戦前イメージも紋切り型に陥っている。それにもとづき、あれもこれも戦前というのは歴史の冒涜になりかねない。

 ではどうすればよいか。レッテル貼りに踊らされず、類似のみならず差異にも配慮しながら、バランスよく歴史と付き合うこと。この基本に立ち返るしかあるまい。戦前を思考停止のことばにしないことが、戦前回帰を防ぐ最良の道である。

 ▽辻田真佐憲(つじた・まさのり) 

 1984年、大阪府生まれ。慶応大文学部卒、同大学院文学研究科中退。政治と文化芸術の関係を主なテーマに著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを手がける。著書に「超空気支配社会」(文春新書)、「防衛省の研究 歴代幹部でたどる戦後日本の国防史」(朝日新書)などがある。監修に「文藝春秋が見た戦争と日本人」など多数。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・話題・連載「リレー特別寄稿 岸田政権の歴史的転換にモノ申す」】  2023年02月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.02】:未来の世代と地球の声を「聞く力」が発揮されなければ、日本はこのまま没落する

2023-02-05 07:05:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.02】:未来の世代と地球の声を「聞く力」が発揮されなければ、日本はこのまま没落する

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.02】:未来の世代と地球の声を「聞く力」が発揮されなければ、日本はこのまま没落する

 ■斎藤幸平(経済思想家・東大准教授)

 岸田政権は歴史の流れを読み違えている。現在、世界が直面しているのは未曽有の「人新世」の危機だが、その深刻さが分かっていない。

 「人新世」とは、人類の経済活動が地球全体の姿を根本から変えてしまう時代を表す地質学の用語だ。行き過ぎたグローバル資本主義が文明社会の土台を瓦解させる時代と言ってもいい。

<picture>これのどこが「新しい資本主義」なのか(C)日刊ゲンダイ</picture>

  これのどこが「新しい資本主義」なのか(C)日刊ゲンダイ

 これからの時代、コロナや気候変動のような自然の脅威と、戦争やインフレのような社会の混乱が弱者を容赦なく襲う。終わりのない慢性的緊急事態を前に、ごまかし程度の「成長と分配」では足りない。原因である強欲資本主義を抜本から変革すべきなのだ。

 これが、拙著「人新世の『資本論』」(集英社新書)で示した時代の見取り図である。当初の岸田政権は、少なくとも新自由主義からの決別を謳ったかのように見えた。しかし、「新しい資本主義実現会議」での議論が進むにつれ、自社持ち株制限や金融所得課税強化などの再分配政策への期待はしぼんでいった。

 最終的に「分配」という文字は消え、目先の数字を優先する「成長教」が復権したのだ。富裕層や大企業に課税する代わりに、つみたてNISAを拡大・恒久化することで、経済成長の恩恵を受けろというわけだ。これではトリクルダウンの発想と変わらないし、そもそも投資する余裕のない国民は置き去りになる。

 さらに、政権の成長戦略にも問題がある。エネルギー不足を理由に持ち上がっているのは、原発の稼働期間の延長や現実味のない新設。また、日本の技術を使って、高性能の石炭火力発電を開発するのだという。

 ところが、世界の流れは再エネだ。気候変動が深刻化するなかで、G7で日本だけが、いまだに国内で石炭火力発電所を建設し、国外の石炭火力に資金提供している。気候変動対策に消極的な国に贈られる「化石賞」を日本は3回連続で受賞するなど、国際的な批判の的だ。原発と石炭火力、これのどこが、「新しい」資本主義なのか。

<picture>経済思想家、東大准教授の斎藤幸平氏(C)日刊ゲンダイ</picture>

  経済思想家、東大准教授の斎藤幸平氏(C)日刊ゲンダイ

 ◆若い世代のトレンドは反資本主義

 だが、そもそも、「新しい資本主義」なるものは可能なのか。世界の若い世代は、もはや資本主義になんら幻想を抱いていない。事実、Z世代のトレンドは、反資本主義なのである。

 若者たちはゴッホの絵にトマトスープをかけ、「気候変動で失われる何百万人もの命より芸術が大事なのか」と大人たちに訴えた。グレタ・トゥーンベリは経済成長よりも、脱炭素の必要性を訴え、ドイツ炭鉱での抗議活動で警察に拘束された。地球を守るために、暴走する資本主義を止めることに必死である。

 若者の仕事は低賃金で不安定、家賃は高く、学生ローンの返済も重くのしかかる。そこに加わるインフレで、電気代も払えなくなった若者たちが「社会主義」を支持するのは偶然ではない。これが真の歴史の流れである。ところが、そのことを認識せずに古い思考法とやり方に固執する「老害」が、経済を停滞させ、地球を破壊し子どもたちの未来を奪う。

 だからといって、エール大の経済学者・成田悠輔氏のように「高齢者は集団自決」と言いたいわけではない。だが、「人新世」を生き延びるためには資本主義を終わらせる必要がある。未来の世代と地球からの声を「聞く力」が発揮されなければ、日本はこのまま没落するに違いない。

 ▽斎藤幸平(さいとう・こうへい)

 1987年東京都生まれ。独フンボルト大哲学科博士課程修了。博士(哲学)。大阪市立大学大学院准教授を経て、22年から東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻准教授。専門は経済思想・社会思想。マルクス研究界最高峰の賞であるドイッチャー記念賞を日本人初、歴代最年少で受賞。ベストセラーとなった「人新世の『資本論』」(集英社新書)で「新書大賞2021」を受賞。編著に「未来への大分岐」(集英社新書)など。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・話題・連載「リレー特別寄稿 岸田政権の歴史的転換にモノ申す」】  2023年02月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.01】:「宏池会」結成の裏の目的を初めて明かす 岸田政権は安倍政権よりも「岸政治」の色が濃い

2023-02-05 07:05:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.01】:「宏池会」結成の裏の目的を初めて明かす 岸田政権は安倍政権よりも「岸政治」の色が濃い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権の歴史的転換にモノ申す・02.01】:「宏池会」結成の裏の目的を初めて明かす 岸田政権は安倍政権よりも「岸政治」の色が濃い

 ■平野貞夫(元参議院議員)

 「宏池会は消滅した」と喝破したのは、前川喜平元文科次官だった。

 昨年の暮れ、ネット番組「3ジジ放談」で、私が「西山太吉 最後の告白」(集英社新書)のなかで、西山氏が「岸田首相が宏池会ということ自体腹が立つ」と記していることについて尋ねた時の感想だった。前川氏の鋭さに、私は87年の人生に空洞を感じた。

 毎日新聞の政治部記者だった西山氏は、かつて宏池会を担当していた。宏池会に対する思い入れもあるはずである。その彼が「岸田首相が宏池会ということ自体腹が立つ」と、岸田首相を批判している。

<picture>宏池会の政治理念は…(C)日刊ゲンダイ</picture>

   宏池会の政治理念は…(C)日刊ゲンダイ

 私と宏池会との関係も深い。初めて初代宏池会会長の池田勇人に会ったのは、昭和35年4月5日の早朝、慶応大学病院の病室で逝去した林譲治元衆院議長の遺体の前だった。池田会長にとって林譲治氏は、吉田茂元首相と共に、宏池会結成で次期政権を狙うポジションにつけてくれた大恩人だった。

 私自身にとって吉田・林両先生は、それぞれ先祖が土佐で「国会開設運動」を共にしていた関係だった。その縁もあって私は、衆院事務局に就職したばかりの頃だった。

 その時、池田会長が発した「宏池会の政治理念がつづいて発展する限り、日本の議会政治は健全だ」という言葉が耳に残っている。

 それから13年たった昭和48年5月、第58代の衆院議長に就任したのが、第2代宏池会会長として活躍した前尾繁三郎先生だった。前尾衆院議長の秘書に任命されたのが、私だった。昭和51年12月の任期満了まで3年8カ月の任務だった。前尾先生には子どもがなく、昭和56年7月に逝去するまで薫陶を受けた。

 宏池会の第2代会長だった前尾先生は、総理総裁を目指し、佐藤政権に挑戦したが、過度な金権政治に嫌気が差して健康状態が悪化する。宏池会の会長を譲る準備中に、「角福戦争」に関連して、大平グループがクーデターを起こし、前尾会長を追い出してしまった。

<picture>元参院議員の平野貞夫氏(C)日刊ゲンダイ</picture>

  元参院議員の平野貞夫氏(C)日刊ゲンダイ

 ◆理念や基本政策は「人間の尊厳を大事にし発展させる」

 失意の前尾先生を衆院議長の表舞台に上げたのは、国会への政治不信を持つ世論だった。宏池会は大平クーデターで、この時期、金権政治派閥に変質していた。

 前尾議長の私への指示は2つあった。①「政の心」(毎日新聞社)の執筆手伝い②自分の生きざまを話すから政治理念を継承してくれ──ということで時間があれば、昔話や持論を聞かされた。

 ひとつだけ、私が聞いた「宏池会」を結成した裏の目的を初めて公表しておきたい。宏池会の理念や基本政策は「人間の尊厳を大事にし発展させる」とした。裏の政治的目標は「岸信介の政治野望を生かす政治をやらせない」ことにあった。

 宏池会の政権といえば、池田・大平・鈴木・宮沢があり、さまざまな問題があった。しかし、少なくとも岸政治への同調はなかった。

 問題の岸田政権はどうか。安倍政権より岸的色合いが濃い。池田・前尾時代の宏池会を知る西山太吉氏の論も、文部行政を熟知する前川氏の論も、日本政治への警鐘である。

 ▽平野貞夫(ひらの・さだお) 

 1935年高知県生まれ。法政大学大学院政治学修士課程修了。衆議院事務局に入り、副議長(園田直)秘書、議長(前尾繁三郞)秘書などを経て、委員部長となる。92年から参院議員。一貫して小沢一郎と行動を共にし、04年政界引退。以降、政治評論・執筆活動を続けている。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・話題・連載「リレー特別寄稿 岸田政権の歴史的転換にモノ申す」】  2023年02月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【それでもバカとは戦え・01.21】:欧米歴訪で日本の「最大の脅威」を知らしめた“夜郎自大”岸田首相の猿芝居

2023-02-05 07:04:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【それでもバカとは戦え・01.21】:欧米歴訪で日本の「最大の脅威」を知らしめた“夜郎自大”岸田首相の猿芝居

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【それでもバカとは戦え・01.21】:欧米歴訪で日本の「最大の脅威」を知らしめた“夜郎自大”岸田首相の猿芝居

 岸田文雄の欧米5カ国歴訪が示したものは、わが国が悲惨でぶざまで奴隷根性丸出しの属国であることだった。

 宗主国アメリカで行われた猿芝居に声援を送る連中も登場。自民党の佐藤正久はテレビ番組で「中国、ロシア、北朝鮮という強権国家に3正面で対するときに、日本が通常なら10年かかる安保3文書を1年でまとめ反撃能力を含め役割を増すのは地域の安定にとりありがたい。(米政府は)岸田首相はここまでやるのかと非常に歓迎している」と発言。

<picture>アメリカと心中なんて…(日米首脳会談)/(C)共同通信社</picture>

 アメリカと心中なんて…(日米首脳会談)/(C)共同通信社

 また、同番組で橋下徹は「経済と安全保障を分けて考えて、安全保障面では米国と心中する気持ちがなければ、米国も心中してくれないのではないか。距離をとりながら、いざという時には命をかけて守ってくれなんて、米軍や自衛隊としてそれはないのではないか」と発言。

 アホにも限度がある。なぜ日本がアメリカと心中しなければならないのか。アメリカだって日本と心中する気はさらさらないだろう。当たり前の話だ。

 「決断力がない」と言われ続けてきた岸田が敵基地攻撃能力保有や防衛費増額をフルスロットルで決めた理由は、単にアメリカの要求だからである。

 岸田は「日本は反撃能力を保有する一方、これを保障するために国防予算を増額するなど、我々の防衛能力を根本的に強化することを決心した」などと胸を張っていたが、「決心させられた」だけ。武器購入などの「お土産」をもらったバイデンは、卑屈な笑顔をつくる岸田の肩に手を置いた。茶番もいいところだ。

 安全保障は重要な問題だが、閣議決定だけで国家の存亡に関わる方針を変更し、国会で議論をする前に外国で約束してくるのは手続きの破壊としか言いようがない。これは安保法制のときの安倍晋三と同じ売国奴の所業。安倍もまた集団的自衛権の行使に関し、閣議決定を先行させ、アメリカで勝手に約束し、最後に国会に諮り、強行採決した。

 岸田は「国際社会を主導していく責任の重さと日本に対する期待の大きさを改めて強く感じる歴訪となった」とも発言。国際社会を主導? 何を高揚しているのかはわからないが、夜郎自大とはこのこと。

 しまいには「私の大切な友人のジョー」「ジョーの協力に感謝を申し上げたい」だって。わが国の安全保障上の最大の脅威はこうした恥知らずの存在である。

◆本コラム待望の書籍化!重版決定!kindle版も発売中です。
それでもバカとは戦え」(日刊現代・講談社 1430円)

 適菜収

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 ■適菜収 作家

 近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。

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【それでもバカとは戦え・01.14】:「増税に理解」致命的に恥ずかしい麻生太郎の“確信犯的デマゴーグ”

2023-02-05 07:04:20 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【それでもバカとは戦え・01.14】:「増税に理解」致命的に恥ずかしい麻生太郎の“確信犯的デマゴーグ”

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【それでもバカとは戦え・01.14】:「増税に理解」致命的に恥ずかしい麻生太郎の“確信犯的デマゴーグ”

 麻生太郎が福岡県直方市内の講演で、岸田内閣が打ち出した防衛力強化に伴う増税について、「もっと反対の反応が出てくる可能性もあると覚悟して臨んだが、多くの国民の方々の理解を得た。真剣に取り組んでいる(政府の)姿勢を評価していただいている」と発言。どこのパラレルワールドに住んでいるのかは知らないが、直近の全国世論調査(JNN=1月7、8日実施)では、防衛費増額の財源を確保するための増税に、賛成は22%、反対は71%である。

<picture>どこのパラレルワールドに住んでいるのか…(自民党の麻生太郎副総裁)/(C)日刊ゲンダイ</picture>

 どこのパラレルワールドに住んでいるのか…(自民党の麻生太郎副総裁)/(C)日刊ゲンダイ

 「多くの国民」は増税に「理解」など示していない。読売新聞オンラインは「増税に対して世論に一定の理解が広がっているとの認識を示したものだ」などと書いていたが、政治家の嘘やデマをそのまま垂れ流すのではなく、たしなめるのがメディアの役割だろう。講演前日に発表された世論調査の結果を知らずに言ったなら無責任極まりないボンクラだし、知っていて言ったなら確信犯的なデマゴーグである。麻生の場合、後者の可能性が高い。

 2013年、麻生は講演で「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうかね」と発言。その後、麻生は発言を撤回したが、おそらく本音だろう。

 18年、自衛隊の日報隠蔽に関し「10年以上前の話でどうだったかと言われると、防衛省も困るのかもしれない」と発言。同年、財務省の公文書改ざんに関し、「少なくとも、バツをマルにしたとか、白を黒にしたというような、いわゆる改ざんとかいった悪質のものではないのではないか」と発言。

 要するに、国民を騙すために事実を歪めることは当然だと思っているのだ。麻生は簡単な漢字を読むことができない人物としても有名だが、「言葉」の扱いは信じられないほど軽い。

 「冷戦は終わり、新しく米中冷戦が始まるかも知れないというなか、防衛費をGDP比2%にするという案を自民党、公明党の連立内閣で考えた」とも言っていたが、これはもともとトランプ政権が安倍晋三に押し付けたもの。それをあたかも自発的な選択であるかのように胸を張る根性が致命的に恥ずかしい。先制攻撃となるリスクが大きい敵基地攻撃能力を「反撃能力」とごまかし、国民に増税を押し付ける連中こそが、安全保障上の最大の脅威なのだ。

 

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それでもバカとは戦え」(日刊現代・講談社 1430円)

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 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース マネー 【トピックスニュース・連載「それでもバカとは戦え」】  2023年01月14日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【それでもバカとは戦え・01.07】:バカも積もれば山となる「ゴミ処理能力」を上げなければ、社会は荒み滅びる

2023-02-05 07:04:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【それでもバカとは戦え・01.07】:バカも積もれば山となる「ゴミ処理能力」を上げなければ、社会は荒み滅びる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【それでもバカとは戦え・01.07】:バカも積もれば山となる「ゴミ処理能力」を上げなければ、社会は荒み滅びる

 私が中学生の頃の話。紙くずを教室の床に放り投げた生徒に対し、教師が「ゴミはゴミ箱に捨てろ。おまえは自分の部屋でも同じことをするのか!」と声を荒らげた。当時の私は「教室と自分の部屋は別だろ」と思ったが、もちろん教師のほうが正しい。要するに公という概念がまだ身にしみていなかったのだ。誰もが教室の床にゴミを捨てれば、教室はゴミであふれかえる。これは国や社会に置き換えても同じだ。

 たとえば昨年、自称国際政治学者の三浦瑠麗が統一教会(現・世界平和統一家庭連合)による霊感商法の被害について「あるいはそれを競馬でスったって同じじゃないですか」と言い放った。「1匹の瑠麗を見つけたら100匹の瑠麗がいると思え」という格言をつくったほうがいい。これに同調するゴミが社会に紛れ込んでいるのである。バカも積もれば山となる。腐臭を放つので社会は荒んでいく。

<picture>競馬でスッたって同じじゃないですか(三浦瑠璃氏)/(C)日刊ゲンダイ</picture>

 競馬でスッたって同じじゃないですか(三浦瑠璃氏)/(C)日刊ゲンダイ

 近代大衆社会が末期症状を見せるわが国では、ゴミの処理能力が追いつかなくなっている。だからわれわれ一人一人が、他人に任せるのではなく、身近なところにあるゴミを片付けていかなければならない。

 岸田文雄は年頭所感を発表。戦後日本が積み残してきた「先送りできない問題」に、正面から立ち向かうという。

 〈昨年決定した国家安全保障戦略も踏まえ、わが国自身の外交的努力をさらに強化し、さらには、その裏付けとなる防衛力の強化などにも全力で取り組みます〉

 〈歴史上、日本は何度も国難とも呼ぶべき大きな困難に直面してきましたが、その都度、国民が一致団結し、自らの国を変化させることで、あらゆるピンチを乗り越えてきました〉

 〈今、わが国が直面する困難も皆が力を合わせることで必ず乗り越えられると確信しています〉

 正月早々、悪い冗談だ。統一教会とのつながりを含め一連安倍晋三事件解明など「先送りできない問題」を先送りにしてきたのが岸田政権ではないか。

 岸田は2027年度に防衛費と関連経費を国内総生産(GDP)比2%とするよう指示したが、これはもともとトランプ政権が安倍に押し付けたもの。敵基地攻撃能力を「反撃能力」とごまかし、軍拡のための増税を行うことが「国難」なのだ。これを我が事のように考えることができなければ国は滅びる。

 

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それでもバカとは戦え」(日刊現代・講談社 1430円)

 適菜収

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 ■適菜収 作家

 近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載「それでもバカとは戦え」】  2023年01月07日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界徒然草】:ガーシー氏一発退場?懲罰委仕切るは鈴木宗男氏

2023-02-05 01:00:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【政界徒然草】:ガーシー氏一発退場?懲罰委仕切るは鈴木宗男氏

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界徒然草】:ガーシー氏一発退場?懲罰委仕切るは鈴木宗男氏

 今週の国会は、NHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員への懲罰が大きな焦点となりそうだ。尾辻秀久参院議長は先月30日、ガーシー氏が昨夏に初当選以降登院しないことを受け、原則7日以内に出席を求める招状を出した。ガーシー氏は欠席を続ける意向で、議長は国会法に基づき、処分の有無や内容を懲罰委員会に付すことになる。懲罰委の委員長は、数々の修羅場をくぐった日本維新の会の鈴木宗男氏だ。ガーシー氏に一発レッドカード(除名)は出るか。

尾辻秀久参院議長から受け取った招状を手に記者団の取材に応じるNHK党の浜田聡政調会長=1月30日午後、国会内(矢島康弘撮影)

 「第211回国会(常会)の召集に正当な理由なく応じないと認めるので、国会法第124条の規定により出席を求めます」

 尾辻氏が参院の歴史として74年ぶりに出した招状には、横書きで短くこう記されていた。同法124条は、議員が正当な理由なく、召集日から7日以内に召集に応じない場合に、議長権限で招状を出すことができると定めている。

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 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・政界徒然草】  2023年02月05日  01:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2023年02月03日 今日は?】:明治の代表的思想家で慶応義塾の創設者、福沢諭吉が死去

2023-02-05 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2023年02月03日 今日は?】:明治の代表的思想家で慶応義塾の創設者、福沢諭吉が死去

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2023年02月03日 今日は?】:明治の代表的思想家で慶応義塾の創設者、福沢諭吉が死去

 ◆2月3日=今日はどんな日

  札幌でアジア初となる冬季五輪開幕。35カ国・地域が参加(1972)

1972年札幌オリンピック
第11回オリンピック冬季競技大会
XI Olympic Winter Games
Makomanai Open Stadium.jpg

1972 Winter Olympics.svg

陶芸家の八木一夫とグラフィックデザイナーの田中一光によりデザインされた札幌オリンピックのメダル、造幣さいたま博物館にて展示。

 ◆出来事

  ▼明治の代表的思想家で慶応義塾の創設者、福沢諭吉が死去(1901)▼ケネディ米大統領が対キューバ全面禁輸を指令(1962)

 ◆誕生日

  ▼烏丸せつこ(55年=女優)▼有田哲平(71年=くりぃむしちゅー)▼川島明(79年=麒麟)▼吉岡美穂(80年=タレント)▼柳原可奈子(86年=タレント)▼土屋太鳳(95年=女優)▼橋本環奈(99年=女優)▼吉田羊(非公表=女優)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2023年02月03日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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