【政界地獄耳・02.15】:野党の自民党に抱きつく戦法
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・02.15】:野党の自民党に抱きつく戦法
★自民党の支持率36%、岸田内閣の支持率は33・6%(2月13日NHK世論調査)。政権の評価はこの程度のものだが、今の野党はこの自民党政治を批判するどころか、しがみつきたがる。在野精神のかけらもなく世論の保守志向に政党が変節することをいとわない。リベラルの旗を掲げて自らを保守だと言い張った政治家もいた。いずれも55年体制の右か左かの価値観から脱却できない、新たな知恵を出して国民に提示する気概も感じられない。現状の政治への対処が仕事だと思っている。
★13日、日本維新の会代表・馬場伸幸は講演で、自公政権への維新の連立参加について「自民党が守旧派と改革マインドの強い方に割れ、改革保守政党ができれば、そこへ参画する可能性はないとは言えない」と述べた。おかしな話だ。維新は大阪の自民党から分裂した人たちで作られた党。いつの間にか野党内でも距離があると思われる立憲民主党と会派を組みながら自民党とも握り合ういわゆる“ゆ党”といわれる存在だ。
★同日、元首相で立憲民主党の野田佳彦は共同通信加盟社政治部長会議で講演し、「中道の国民政党を目指すならば、維新ともちゃんとお付き合いできる、国民(民主党)ともよりを戻す、さらに先の穏健な自民党の支持層を取っていくという動きがあって初めて無党派が注目する立憲民主党になると思います」「コアな支持層をリベラルしかいないと思っている人は共産党、れいわ新選組、社民党との連携しか頭の中になくなってしまう」「これでは政権からどんどん遠ざかる」と馬場と通ずる発言をした。この時期の発言としては何らかの意味があるのだろう。想定できるのは立憲の一部と維新の一部の合流だろう。その過程で自民党が分裂するとは思えないので、自民党に抱きつく戦法があることを2人は同じ日に示唆したか。割れるなら早く割れてくれ。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2023年02月15日 07:24:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。