【HUNTER・01.28】：北海道猟友会がヒグマ出動対応通知｜「会員の安全」最優先に

【HUNTER・01.28】：北海道猟友会がヒグマ出動対応通知｜「会員の安全」最優先に

　『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【HUNTER・01.28】：北海道猟友会がヒグマ出動対応通知｜「会員の安全」最優先に　

　狩猟免許を持つハンター約5400人が参加する北海道猟友会（札幌市北区、堀江篤会長）は23日、道内71支部へ一斉に通知（＊下の画像）を出し、ヒグマ駆除出動の判断について「会員の安全確保を最優先に」と呼びかけた。

　駆除をめぐって猟銃所持許可を取り消されたハンターの裁判を受け、駆除従事者が不利益を蒙らない環境づくりを話し合った結果（ 既報）、現場で適切な対応を判断するチェック項目などの目安を示すことになった。

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　通知によると猟友会は、ヒグマなど有害鳥獣の駆除依頼に対し今後も引き続き市町村に協力していくとし、その上で市街地にクマが出没した際の出動の判断について、事前に関係機関と充分に協議することが必要と呼びかけている。鳥獣保護法では市街地での発砲が認められておらず、駆除にあたっては警察官職務執行法に基づく対応となるが、本サイトなどで何度も報じている通り、猟友会砂川支部では警察官立ち会いの下で行なわれた駆除行為が違法とされ、ハンターが銃を取り上げられる事態が起きている。

　今回の通知では、こうした問題の再発を防ぐため「会員の安全確保」を最優先事項とし、旭川支部が作成したというチェックリスト（＊下の画像。クリックで拡大）を添えて出動時の安全確認を促した。全32項目のリストでは、根拠法を示しながら「警察官の指示があるまで鉄砲の覆いを外さない（銃刀法10条４）」「警察官の指示により実包を装填する（警職法４条）」といった具体的な行動手順を示している。

　猟友会の堀江篤会長（77）は、「会員は出動のたびに必ず各機関と協議して欲しい」と呼びかける。

　「とにかくハンターの身を守ることが第一です。駆除に協力した人が不利益を蒙ることはあってはならない。そのためには日ごろから自治体や警察と適切な連携体制が築けていなければならず、また何か起きた時にハンターが責任を負うことになりかねないリスクも理解した上で出動の可否を判断する必要があります」

　場合によっては出動拒否もあり得ることになり、今回の通知を知った会員の中には「むしろ、いっそう慎重な判断が必要になった」と受け止めるハンターもいる。「各機関の責任の範囲が明確化されていないので、何か事故が起きた時にまた砂川のようなことになるのでは」と危ぶむ声も聴かれる。

　砂川の一件で駆除をためらうハンターが増える中、北海道の担当課は昨年11月から12月にかけて各地の猟友会と意見交換会を開いた。警察もまじえた話し合いの場では一律に出動を拒否する意見こそ出なかったものの、議論はすべて報道陣をシャットアウトした密室で行なわれたため、具体的な成果はあきらかでない。担当課は現在、意見の取りまとめを進めているところだが、上がった声をどこまで公表することになるかは未定という。

　砂川でヒグマ駆除に協力して銃を取り上げられた同支部長・池上治男さん（75）が公安委員会を訴えた裁判は現在、最高裁判所に上告中。口頭弁論の期日などは現時点で伝わっていない。（小笠原淳）

【小笠原 淳 （おがさわら・じゅん）】 ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』（リーダーズノート出版）がある。札幌市在住。

　元稿：ＨＵＮＴＥＲ　主要ニュース　社会　【社会ニュース・狩猟免許を持つハンター約5400人が参加する北海道猟友会（札幌市北区、堀江篤会長）は23日、道内71支部へ一斉に通知（＊下の画像）を出し、ヒグマ駆除出動の判断について「会員の安全確保を最優先に」と呼びかけた。】　 ２０２５年０１月２８日 　０７：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。