【金口木舌・11.10】:平和のための音楽を
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・11.10】:平和のための音楽を
先週末、県内に住む外国人の祭りが那覇市の牧志公園であり、多様な国の人々が歌い踊った。アオザイ姿の女性たち、メキシコの女性はフレアスカートをなびかせ、台湾の鮮やかな民族衣装の人々は竹を鳴らして舞った
▼ミャンマー出身のトウヤソウさんは唄三線を披露した。八重山の愛しい女性を歌う安里屋ユンタには観客から合いの手。最後の一曲は「ふるさと」を日本語、ウチナーグチ、母語で歌った
▼軍政支配が続く故郷に帰ることができない。「大好きな故郷の状況を沖縄の人に知ってもらいたい。私も沖縄の人が大好きな三線を大切にしたい」。音楽は思いをつなぐ
▼同じ日、石垣市でも沖縄の曲が奏でられた。迷彩服姿の自衛隊の祭りパレードに合わせて。沿道に配られた日の丸の小旗が揺れる。駐屯地を理解してもらうためというが、地域への配慮を欠く行進は理解の強要ではないか。沖縄のメロディーに不気味さも漂う
▼戦時下に若者を戦場へ送り出した曲があれば、沖縄戦で全てを失った人々を支えた唄もある。今必要なのは、沖縄に根付く多彩な文化を糧に、国を越え手をつなぐ音楽だろう。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年11月10日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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