【金口木舌・11.21】:来年は昭和100年
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・11.21】:来年は昭和100年
世の中の潮流は変わっているのに、年長者は考え方を改めない。あきれた学生が教授へ問う。「来年は昭和100年。いつまで昭和なんですか」。古くさい思考を昭和に例えた。都内の大学での話
▼学生の中には変わった論文の書き方があるそう。文章は書けているが「タイトルがない。聞けば全部書いた後でつけるという」。課題を設定しないまま書き始めるらしい。そんな「逆方向」スタイルに教授は面食らう
▼課題を最初に設け、追究の末に一定の考えを導き出す。それが「昭和」的ならば、最近は課題を設けないまま思考を重ね、タイトルも後回し。そんな「逆方向」も面白い、という話を一つ
▼本年度のトヨタ財団の助成先に宮古島市の「ぱーんとぅ笑楽校準備チーム」が選ばれた。廃校を舞台に、宿泊施設や老人ホームなどの事業を走らせて、福祉や産業など縦割り化した社会の仕組みを再統合し、地域の底力とする。事業を審査した選考委員長は件の教授
▼人を支え、モノをつくる。かつて地域に根付いていた営みを元に戻す形で今の地域に再生させる。「逆方向」にも見えるが、地域づくりの王道でもあろう。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年11月21日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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