【金口木舌・10.09】:自らの生き方を選ぶ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・10.05】:【金口木舌・10.09】:自らの生き方を選ぶ
忌野清志郎さんが高校生の頃、母親が息子についての相談を新聞に投稿した。「高校卒業後は大学には行かず、勤めもせず、ギターのプロになると言う。プロは簡単になれるのか。学校にまじめに行かせるにはどうしたらいいか」といった内容だ
▼母親の心配は分からなくはないが、希代のロックスターとなる清志郎さんの活躍までは想像できなかったようだ。回答者の羽仁進さん(映画監督)は「しばらく努力させてみては」と返している
▼最近、高校生を対象とした読書コンクールの審査に携わっている。いずれも「感動した」だけで終わらない。応募作品に目を通す度に新鮮な驚きを受ける
▼本の中の一節や登場人物のせりふから自身の経験を振り返り、深く内省する様子がうかがえる。ときに身の回りだけでなく、社会に対する気づきを得て「自分はどうすべきか」と今後の生き方にも思いを巡らせている
▼若者の行動や発言は危なっかしく思えることもあるが、彼や彼女は自身に最適な道を選ぶことも、新しい道を切り開くこともできる。大人が考えるよりも、はるかに深く広い思考の海を泳いでいるようだ。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年10月09日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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