今朝のNHKのニュースを見て、また書かなくてはならなくなりました。
実は、教育委員会制度の改悪、一票の格差是正と選挙制度の抜本改革、フクシマの放射能垂れ流し、96条改悪、沖縄屈辱の日、増税の土台づくりに躍起になっているアベノミクス、TPP参加など、書かねばならないっことはたくさんありますが、これらの記事の奥深いところに日米軍事同盟があることを思うと、今、日米両政府が、北朝鮮の脅威を最大限利用して、自らの利益を貫徹するために、国民の支持を取り付けるためのイデオロギーを日々垂れ流しているデタラメさを記録しておかなければなりません。
それもこれも、ウソとでデタラメのイラク戦争について、何ら反省も教訓も導きだそうとしない政府とマスコミを断罪すること。
さらに言えば、トンキン湾事件を演出・捏造してベトナム戦争の拡大を図り、日米軍事同盟を変質させていったことの戦争責任問題を曖昧にしたまま、今日があること。
さらに言えば、砂川判決を覆し、米軍と自衛隊の合憲化を図って、アメリカの世界戦略の枠内に日本を押し込め、それが、原子力の平和利用の名の下に、ゲンパツ政策を推進させ、今日の「繁栄」を創出してきたことの総括を曖昧にしていること。
さらに言えば、沖縄を人身御供にすることを提案したヒロヒト天皇の戦争責任を曖昧にし、免罪する4.28屈辱の日にアキヒト天皇を参加させるという暴挙に国民的批判の渦が巻き起こらない日本のイデオロギー状況を思うと、
その奥深いところに、発信源として日米軍事同盟深化論があります。従って、今、日米両政府は、この日米軍事同盟の強化と深化こそが、自らの体制を維持強化する唯一の道であることを自覚しているがゆえに、これを系統的に演出していると思われます。そうした思惑を踏まえて、対応しながら、日米軍事同盟を廃棄し、日米平和友好条約の調印に向けた国民世論形成に、少しでも参加できればと思います。
では、記事から・・・。
米韓軍事演習にオスプレイ初投入へ 4月18日 4時12分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130418/k10013997041000.html
NHKは、「韓国で行われているアメリカ軍と韓国軍の合同軍事演習に、沖縄県の普天間基地に配備されているアメリカ軍の新型輸送機『オスプレイ』が初めて投入されることになり、挑発的な言動を繰り返す北朝鮮への備えを強化するねらいもあるものとみられます…この訓練には、アメリカからは、沖縄に駐留する海兵隊員が参加しており、…北朝鮮は、米韓の合同軍事演習に反発して、日本海側に中距離弾道ミサイルの発射準備を整えるなど、挑発的な言動を繰り返しており、アメリカ軍は、今回の訓練に『オスプレイ』を投入することで、北朝鮮への備えを強化するねらいもあるものとみられます」と報道しました。
地元も配備に反対している問題のあるオスプレイを「挑発的な言動を繰り返す北朝鮮への備えを強化するねらいもある」として正当化するのです。
「沖縄県の普天間基地に配備されている新型輸送機『オスプレイ』も初めて投入されるということです。『オスプレイ』は、従来のヘリコプターに比べ、より速く、より遠くまで飛ぶことができ、高い輸送能力を持っています」と、問題のあることをいっさい語っていません。このネライは、NHKは沖縄県民と本土の各地の住民の不満を「北朝鮮への備え」から、文句を言うなという、アメリカ政府を代弁し、沖縄県民や各地の住民の声を無視する安倍政権の応援団と化しているのです。
同時に、「韓国で行われているアメリカ軍と韓国軍の合同軍事演習に…反発して、日本海側に中距離弾道ミサイルの発射準備を整えるなど、挑発的な言動を繰り返しており」として、挑発的言動の一つの源になっている合同軍事演習については、「備え」「強化」として免罪しているのです。
こうした報道はNHKばかりではありません。日本のメディアはどうでしょうか?ここに、最大のゴマカシがあります。
この間、愛国者の邪論が言っていることは、北朝鮮から見たら、「脅威」は日米韓の軍事力=核兵器の「抑止力」です。この問題を抜きに、語ることはできないことは「常識中の常識」です。このことは銃規制強化をまとめきれないアメリカの歴史と社会、銃業界の圧力に政治家が侵されているアメリカ政治の腐敗と行き詰まりの実態があります。
非人道兵器である核兵器の保有を「抑止力」として保持している国が、やはり「抑止力」として、核兵器を保有しようとする国に、「持つな」ということを「正当だ」と認めるとしたら、子どもの「しつけ」と教育は成り立つでしょうか?ヒロシマ・ナガサキを体験した日本が、このことを曖昧にしていることが、最大の問題です。
以下をご覧ください。http://www.recna.nagasaki-u.ac.jp/about/
核兵器の廃絶は、地球的な環境問題、貧困、財政危機などとともに国際社会が直面している重要な緊急課題の一つです。歴代の国連事務総長は等しくそのような危機意識を述べています。核兵器は文明を滅ぼし人類の生存を危うくする唯一の兵器であり、誰の手にあっても危険な兵器です。北朝鮮の核もアメリカの核も等しく違法化されなければなりません。誰かが核兵器を有用だとして保有するならば、必ず新しくそれを持とうとする者が現れるでしょう。(「長崎大学核兵器廃絶研究センターセンター長梅林 宏道氏のご挨拶」)より
http://www.recna.nagasaki-u.ac.jp/category/c-ntpblog/
この視点で言えば、もう一つあります。
森田俊男編『増補版 人類の良心 平和の思想』(平和文化刊94年12月)の第三章「平和と人道の法思想」の最初にある「セント・ペテルスブルク宣言」以来の人類の幾多の試練と叡智を、現時点において、さらに深化させていなければならないことは人類的責務と思います。日本国憲法の平和主義をこそ、北朝鮮問題に活かしていくべきです。
こうした歴史を踏まえて、以下の二つの意見陳述を、今こそ深化させていかねばなりません。この二つの意見陳述については、機会を設けて別途記事にしてみたいと思います。
ヒロシマの記録1995 11月 ①(中国新聞 ヒロシマ平和メディアセンター)
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/article.php?story=20100415144636174_ja
1995/11/1 核兵器の使用と威嚇を審理するオランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)での口頭陳述に臨む平岡敬広島市長が、「核兵器の使用は国際法違反」と証言する考えを固める。「国際法違反とは言えない」とする外務省との食い違いが表面化へ
1995/11/2 国際司法裁判所で証言する長崎市の伊藤一長市長が、「核兵器の使用は国際法違反」との陳述原案を、外務省によって「削除、修正された」と述べる。野坂浩賢官房長官は記者会見で外務省に不快感を表明(引用ここまで)
人道に反する核兵器を「持つな」とする核兵器保有大国の思想と論理、核兵器転用可能なゲンパツを経済との秤にかけて惑う国民、核兵器実験の放射能汚染によって苦しむ南太平洋や旧ソ連国民、その他放射能汚染に苦しむ諸国民とフクシマの連帯などを視野に入れて論じていくことにもなります。
その点、最近発刊された中原聖乃・竹峰誠一郎『核時代のマーシャル諸島 社会・文化・歴史、そしてヒバクシャ』(凱風社2013年1月刊)と山下正寿『核の海の証言 ビキニ事件は終わらない』(新日本出版12年9月刊)は示唆に富んでいます。ご参考までに。
さて、話をすすめます。このNHKなどの常套句を示す論理は、日本のメディア自身の報道する事実と、韓国やアメリカの報道とも、実は大きく異なるということを、声を大にして告発していかねばなりません。
アメリカのネライに対して、対米従属脳に侵された日本政府とマスコミの独自性の欠如が浮き彫りになってきます。以下お読みください。
米国が韓半島で武力示威、北への警告と韓国なだめる狙い(1) 2013年04月03日08時46分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/037/170037.html?servcode=A00§code=A20
米国が韓半島上空に続き海上でも強力な武力示威を継続している。…米FOXニュースは1日、米国防総省関係者の話として、米海軍第7艦隊所属で横須賀を母港とする駆逐艦「マケイン」が北朝鮮のミサイル挑発の可能性に備え、日本に帰港する代わりに韓半島南西海上に移動中だと報道…核とミサイルなどを前面に出した北朝鮮の戦争威嚇に対応するため米軍が先端戦力を韓半島周辺に次から次へと送り、韓半島周辺は米軍の先端武器展示場を思わせる。
米国が韓半島で武力示威、北への警告と韓国なだめる狙い(2) 2013年04月03日08時47分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/038/170038.html
軍関係者―「ハワイにあったSBX-1レーダーが西太平洋を越え東海(トンヘ、日本名日本海)周辺に来ているならばこれは咸鏡北道舞水端里(ハムギョンブクド・ムスダンリ)から発射される可能性のある弾道ミサイルに備えた次元とみることができる」と話し
ホワイトハウス―米国が韓半島上空と海上に戦略兵器を相次いで送っているのは、北朝鮮の威嚇阻止だけでなく…同盟を強化するということを再確信させ、北朝鮮に対するわれわれの意志を見せるためのものと説明。
カーニー報道官―「(北朝鮮の挑発威嚇に対抗し)独自行動を取れという韓国内部の圧迫を軽減させるのに重要な措置だった…その結果、この地域で起きかねない計算錯誤と挑発の可能性を減らしたと信じる…(北朝鮮に対する先制攻撃が必要なのではないかという問いには)真剣な質問とは思わない…われわれは北朝鮮の威嚇を深刻に受け止め、韓半島状況を着実に監視している…最近の険悪な言葉にもかかわらず、北朝鮮軍の大規模移動や配置のような動向変化は感知されていない。このような言行不一致は注目するべきもので、専門家の分析が必要だ」(引用ここまで)
「先端武器展示場」となっている「韓半島周辺」に対して北朝鮮が異常な反応―「挑発的な言動」をするのは、ある意味理解できるのではないでしょうか?それと対峙している当事国の一つである韓国のマスコミの冷静さと日本のマスコミの違いが浮き彫りになったのではないでしょうか?
このようなアメリカの「脅威演出」は、この間のニュースでも明らかです。以下主なものを掲載しておきます。
米 弾道ミサイル発射実験を延期 4月7日 13時19分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130407/k10013737611000.html
アメリカ国防総省の高官は6日「今回のミサイル発射実験は、北朝鮮を対象にしたものではなく、もともと以前から計画されていたものだが、実験を行えば北朝鮮を刺激し、挑発的な行動をエスカレートさせかねないことから、急きょ延期を決めた」と話しています。
北朝鮮は、中距離弾道ミサイルの発射に向けた準備ともみられる動きを北朝鮮東部で見せるなど、挑発的な言動を続けています。アメリカ国防総省はこれまで、先月から朝鮮半島周辺で行っている米韓合同軍事演習に高性能の爆撃機や戦闘機を投入したことを公表するなど、北朝鮮への圧力を強めてきましたが、朝鮮半島情勢が緊迫の度合いを増すなかで、これ以上、北朝鮮を刺激しないよう配慮したものとみられます。
韓国 北朝鮮の核兵器小型化に否定的 4月12日 14時0分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130412/k10013868481000.html
アメリカ国防総省傘下の情報機関が、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な核兵器を保有している可能性が高いと分析していることについて、韓国国防省は否定的な見方を示しました。韓国国防省のキム・ミンソク報道官は、12日の記者会見で、「多くの専門家がさまざまな評価をしているが、私たちは、北朝鮮がまだ核兵器を小型化することができず、その途上にあるとみている」として、北朝鮮の技術は開発の段階にあり、弾道ミサイルに搭載可能な核兵器の保有には至っていないとの見方を示しました。
米機関「弾道ミサイルに搭載可能な核兵器」 4月12日 11時10分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130412/k10013864781000.html
挑発的な言動を続ける北朝鮮について、アメリカ国防総省傘下の情報機関が「性能は低いものの、弾道ミサイルに搭載可能な核兵器を保有している可能性が高い」という分析を報告書にまとめていたことが明らかになりました。この報告書は、国防総省傘下の国防情報局がまとめたもので、11日に開かれたアメリカ議会下院の軍事委員会の公聴会で、共和党の議員がその一部を公表しました。この中で、共和党の議員は「報告書には、『北朝鮮が、性能は低いものの弾道ミサイルに搭載可能な核兵器を保有しているという一定の確信を持っている』と書かれている」などと述べ、国防総省に事実関係をただしました。公聴会のあと、国防総省は報告書に書かれた内容だと認めた一方で、「引用した部分だけをもって北朝鮮が実用可能な開発に成功したと解釈するのは不正確だ」として、核兵器を弾道ミサイルに搭載する北朝鮮の技術はあくまでも開発段階だと強調しました。ミサイルでアメリカを攻撃すると威嚇を続ける北朝鮮に対して、アメリカでは警戒感が広がっており、中でも弾道ミサイルに核兵器を搭載する技術がどこまで進んでいるかに関心が集まっています。
米当局、ミサイル搭載可能と分析 北朝鮮核兵器 2013/04/12 11:02【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013041201001297.html
2012年4月、平壌で行われた北朝鮮の軍事パレードに登場した、中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられるミサイル(共同)
【ワシントン共同】米国防総省傘下の国防情報局(DIA)が3月にまとめた報告書で、北朝鮮が完成度は低いものの、弾道ミサイルに搭載可能な小型化された核兵器を保有している可能性が高いと分析していることが11日分かった。共和党のランボーン議員が同日、下院軍事委員会公聴会で報告書の一部を明らかにした。 米情報機関によるこうした分析が公になるのは初めて。 オバマ米大統領は同日、日本や韓国の防衛に全力を挙げる決意を記者団に表明。新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」発射の動きを見せる北朝鮮に対し、発射しないよう要求した。
「赤旗」 核搭載ミサイル一「配備能力ない」 米報道官 (2013年4月14日)
【ワシントン=山崎伸治】米ホワイトハウスのカーニー報道官は12日の定例会見で、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な核兵器を保有している可能性があるとする米国防情報局(DIA)の分析に関し、「北朝鮮は核搭載ミサイルを配備する能力を見せてはいない」と強調しました。カーニー氏は「米国は引き続き北朝鮮の核開発計画を注意深く監視し、北朝鮮に対して(朝鮮半島非核化という)国際的な義務を尊重するよう呼び掛ける」と表明。「北朝鮮は核搭載ミサイルを配備する能力を見せてはいないというのがわれわれの分析だ」と繰り返しました。(引用ここまで)
12日の記事について、韓国・共同・NHK・赤旗の記事を読み比べれば、事実とそれを報道する側の意図が明確になります。一致しているのは、北朝鮮の実情について、疑心暗鬼、正確な情報を得ていないこと、そうしたなかで、危機を演出して、北朝鮮を挑発しているのです。北朝鮮も、北朝鮮です。その挑発に条件つきとは言え、「挑発的言動を繰り返す」との口実を与えているのです。
さて、こうした日本の情報操作について、どうしても言っておかねばならないことがあります。
それは。昨日も記事の中に掲載した「北朝鮮第3回目核実験の歴史的背景 —『核抑止力』再考の必要性 —田中利幸(広島平和研究所)」の以下の部分です。
2010年3月26日に起きた、韓国海軍哨戒艦「天安」の沈没事件を、米韓両国は、ひじょうに疑惑の多い「証拠」で北朝鮮による軍事挑発と決めつけ、この「北の挑発」に警告するとして米韓合同軍事演習を日本海で行った。動員された兵員は8千人、航空機は最新鋭ステルス戦闘機F22を含む200機、そのうえ、米空母ジョージ・ワシントンやイージス艦など20隻という大規模なものであり、この米韓の動きこそ「軍事挑発」であり「平和に対する脅威」と呼ぶべき超圧的なものであった。これに対する北朝鮮の反応は、予期されたごとく、「核抑止力」を使っての対抗であり、オバマの核抑止力政策には核抑止力で応酬するという、悪循環をまたしても強めてしまった。ちなみに、最終的に、2012年8月27日、韓国地雷研究所は、沈没は、韓国海軍が1970年代に配置してそのまま放置しておいた機雷が爆発の原因である可能性が高いと発表したが、韓国のメディア以外、アメリカでも日本でもほとんどこの発表については報道しなかった。(引用ここまで)
もう一つあります。それは以下の記事です。この事実は、ほとんどのメディアが無視をしたのではないでしょうか?
北朝鮮の核実験以降、放射性物質は検知されず=監視機関 2013年3月13日1時23分
http://www.asahi.com/international/reuters/RTR201303120148.html
[ウィーン 12日 ロイター] 放射性物質の監視などを行う包括的核実験禁止条約(CTBT)機関は12日、北朝鮮による2月の核実験以降、放射性物質は検知されておらず、今後も検知される可能性は非常に低いとの見解を示した。これにより北朝鮮が利用した核物質の科学的な特定は困難とみられている。同機関のトゥンボルク報道官は「現時点において何かが検知される可能性は非常に低い」と語った。その他の詳細には触れていない。(引用ここまで)
「3度目の地下核実験に成功」 朝鮮中央通信が発表 2013年2月12日15時2分
http://www.asahi.com/international/update/0212/TKY201302120073.html?ref=reca
この二つの朝日の記事を比べると、どうでしょうか?確かに国際的合意に反して核実験を強行した北朝鮮の側に問題があるのは当然です。しかし、ニュースの扱い方としては、問題ありと言わねばなりません。
愛国者の邪論が提起しているのは、北朝鮮のメッセージが変化しているのではないかということです。これまでの「挑発的言動」の際には、必ずと言っていいほど、「条件」が付されているのです。そのことは、以下の記事を見ても明らかです。しかし、こうしたメッセージを、無視するか、意図的に捻じ曲げて報道しているのが、日本政府とマスコミです。対話と平和に向けた絶好のチャンスを日米軍事同盟深化論が逃しているのです。
北朝鮮、米国との対話条件として国連制裁決議の撤回を主張 2013年 04月 18日 14:40 JST
http://jp.reuters.com/article/JPNKorea/idJPTYE93H01V20130418
[ソウル 18日 ロイター] 北朝鮮は18日、米国および韓国との対話の条件として、国連安全保障理事会による対北朝鮮制裁決議の撤回などを挙げた。数週間におよぶ朝鮮半島の緊張状態に打開の可能性が出てきた。国防委員会の声明を朝鮮中央通信社(KCNA)が報じた。北朝鮮の唯一の支援国である中国に配慮した動きとの見方もある。「対話と戦争は共存できない。米国とその手先である韓国がわが軍と人民の攻撃を回避したいと少しでも思うなら、そして対話と交渉を望むなら、断固たる決断を下さなければならない」としている。米国は核放棄を北朝鮮との対話の前提条件としているが、北朝鮮は核兵器を「宝刀」として放棄するつもりはないと強調している。韓国も対話を呼びかけているが、北朝鮮に応じる姿勢は見られない。北朝鮮は、2月に実施した核実験に対する国連安保理の制裁は「不当な理由ででっち上げられたもの」であり、撤回されるべきと主張。「朝鮮半島の非核化は、米国が持ち込んだ核戦争の道具を取り除くことから始まり、これが世界の核軍縮につながる」としている。さらに北朝鮮は、米韓の合同軍事演習も批判。緊張が増すだけで対話の道を閉ざすものとして中止を求めた。(引用ここまで)
北朝鮮「関係改善、絶対にない」 対話提案の韓国揺さぶり 2013.4.18 13:46 [北朝鮮] http://sankei.jp.msn.com/world/news/130418/kor13041813470001-n1.htm
朝鮮中央通信によると、北朝鮮の対韓国窓口機関、祖国平和統一委員会は18日、「(北朝鮮への)敵対行為と侵略策動が続く限り、北南対話や関係改善は絶対にない」との報道官談話を発表した。 北朝鮮は17日、稼働が中断した南北協力事業、開城工業団地への韓国側関係者の訪問申請を拒否したばかり。南北対話に簡単には応じないことを重ねて示し、対話を提案した韓国の朴槿恵政権を揺さぶる狙いがあるとみられる。 談話は核・ミサイル開発について「交渉で使う駆け引きの道具ではない。そうした問題を論ずる対話は永遠にない」とあらためて主張。「こうした原則的な立場は不変だ」と結論づけた。(共同)
北朝鮮は何言っているのか」=菅官房長官 (2013/04/18-17:37)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013041800742
菅義偉官房長官は18日午後の記者会見で、北朝鮮が米韓両国との対話の条件として国連安全保障理事会決議の撤回などを求めたことについて「何を言っているのだろうという感じだ。国連(安保理)決議は極めて重い。挑発的な言動は慎むべきだ」と批判した。(引用ここまで)
こうした北朝鮮の対応は、以下の日本政府の対応にも関係していることを考慮していく必要があるでしょう。戦争は、情報戦でもあるのですから、どのような情報を流していくのか、その情報をどのように評価していくのか、そのことも非常に大切になっていると思います。まさに平和のための生きた教材と言えます。
事態長期化に懸念=対北朝鮮、厳戒続く-政府 (2013/04/16-18:28)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201304/2013041600794&rel=j&g=pol
北朝鮮が弾道ミサイル発射の構えを崩さない中、政府は16日も厳戒態勢を継続した。破壊措置命令の発令から10日目を迎え、事態が長期化するとの見方も強まってきた。北朝鮮の意図が読み切れないこともあり、政権内からは焦燥感が出始めた。 「現状が変わらなければ、緊張感を持っての対応は続けていかなければならない」。菅義偉官房長官は16日の記者会見でこう述べ、厳戒態勢を維持する方針を強調した。 北朝鮮への対応では、杉田和博官房副長官が9日夜から首相官邸に泊まり込んでいる。北朝鮮が平壌に大使館を置く各国に「10日以降、紛争の際には安全を保証できない」と警告したためだ。 15日は故金日成主席の生誕記念日に当たることもあって緊張感が高まったが、異変はなく、発射時期は一段と不透明になってきた。北朝鮮の挑発行為の契機となった米韓両軍の合同訓練は月末まで続くことから、「大型連休中の発射が濃厚ではないか」(首相官邸筋)との見立てもあるが、臆測の域を出ないのが実態だ。 自衛隊は、ミサイル迎撃に備え24時間態勢で監視を継続。小野寺五典防衛相は16日の会見で「他の警戒監視に支障がないように部隊の配置その他に配慮している」と語ったが、防衛省幹部は「通常の訓練ができない」と指摘、しわ寄せが生じていることを認めた。 危機をあおる北朝鮮の狙いは、米国を交渉の場に引き出すこととされ、政府内には「北朝鮮ペース」に巻き込まれることへの警戒感も強い。ケリー米国務長官が15日の東京都内での講演で北朝鮮との対話の可能性をにじませたことについて、安倍晋三首相周辺は「北朝鮮には何度も裏切られてきた」と語り、強い懸念を示した。(引用ここまで)
以下の中国の「脅威」に晒されている日本と国民は、日米韓の「核兵器抑止力」論に怯えて、「核兵器核抑止力」の呪縛にはめられている北朝鮮の思いを理解する必要があるのではないでしょうか?そのことに理解を示し、日本自身が憲法の平和主義と非核三原則の具体化、「核兵器抑止力」論から脱却していくことをせずして、北朝鮮を批判・非難することはできないと思います。
同時に、こうした状況を変えずして、朝鮮半島の平和的統一は難しいと思います。ということは、戦争責任を果たしたとはいえないということになります。このことは、歴史に対する極めて不道徳な国として国際社会から信頼を得ることはできないのではないでしょうか?
中国軍艦2隻が宮古島沖通過=尖閣周辺航行を警戒-防衛省 (2013/04/17-12:51)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201304/2013041700443&rel=j&g=pol
16日午後、沖縄県の宮古島北東約110キロの公海上を航行した中国海軍のルーヤンII級ミサイル駆逐艦(防衛省統合幕僚監部提供)
防衛省統合幕僚監部は17日、中国海軍艦艇2隻が16日午後、宮古島の北東約110キロの公海上を北西に進むのを確認したと発表した。2隻は太平洋から東シナ海に進んだとみられる。
2隻はミサイル駆逐艦1隻とフリゲート艦1隻で、16日午後9時ごろ、海上自衛隊のP3C哨戒機と護衛艦「はるゆき」(第13護衛隊・長崎県佐世保市)が確認した。 中国国営新華社通信は、遠洋訓練編隊の2隻が16日夜に宮古海峡を通過し、尖閣周辺海域に入ったと伝えていた。(引用ここまで)
最後に北朝鮮に対して、です。北朝鮮が国際的合意を無視しているとされている最大の論拠は、ロイター伝の最後の以下の部分です。
「朝鮮半島の非核化は、米国が持ち込んだ核戦争の道具を取り除くことから始まり、これが世界の核軍縮につながる」としている。さらに北朝鮮は、米韓の合同軍事演習も批判。緊張が増すだけで対話の道を閉ざすものとして中止を求めた。(引用ここまで)
この主張を国際社会に認めさせるためには、何が必要か、それは、あの「3.1独立宣言」の思想を、今こそ、その根拠にすることです。こうして世界の世論、歴史の大道を我が物にすることではないかと、思うのです。
山辺健太郎『日本統治下の朝鮮』(岩波新書1971年2月刊)より抜粋します。
朝鮮独立宣言書
われらは、ここにわが朝鮮の独立と、朝鮮人民の自由民たることを宣言する。これを応って世界万邦につげ、人類平等の大義を明かにし、且つこれを子孫におしえ、民族独立を天賦の権利として水遠に保持させるるのである。われわれの背後にある五千年の歴史の権威によってこれを宣言し、二千万民衆の忠誠を介してこれを宣明し、恒久にかわることなき民族の白山な発展のためにこれを主張し人類良心の発露にもとづく、世界改造の一大機運に順応し、これとともにすすまんがためにこれをなすものである。これすなわち天の明命、時代の大勢、仝人類の共同共存同生の権利が、正当に発動したものであって、天下のなにものといえども、これを阻止し、抑圧することはできない。…
今日吾人の朝鮮独立は、朝鮮人をして正当なる生活の繁栄の追求をなさしむると同時に、日本をして、その邪道から脱出せしめ、東洋の支持者たる重責を全うせしめ、中国が夢寐にもわすれえない不安、恐怖からこれを脱出せしめ、東洋平和の、またその重要なる一部をなす世界の平和、人類の幸福に必要なる段階たらしめんとするぬのである。区々たる感情の問題ではない。
ああ新しい天地は眼前に展開せられた。威力の時代はさって道義の時代はきた。過去全世紀にわたり錬磨長養されきたった人道の精神は、まさに新しい文明の曙光を人類の歴史に投じはしめた。新しい春は世界にめぐりきたり、万物の蘇生を催進しつつある。…
公約三章
一、今口われわれのおこなうこの事業は、正義、人道、生命尊厳のための民族的要求、すなから白山の精神を発揮するものであって、けっして排他的感情に逸走してはならない。
二、最後の一人まで、最後の一刻まで、民族の正当なる意志を欣然として発表せよ。
三、いっさいの行動は、もっとも秩序を尊重し、吾人の主張と態度とを、あくまで光明正大にせよ。
朝鮮建国四二五二年三月一目
(引用ここまで)