愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

安倍首相も安倍自民党も有権者の多数を得ていない「幻の多数派」!憲法96条改悪の根拠なし!

2013-04-29 | 日記

山口県の参議院補欠選挙の結果が出ました。安倍首相は、以下のようなコメントを発表したと言います。そこで調べてみました。

 ポイントは、以下のとおりです。

1.自民党は、議席獲得の上では「勝利」しましたが、有権者との関係では「幻の議席」であることがハッキリしたことです。

 2.その最大の問題は、自民党と公明党の獲得票の問題の分析と低投票率の意味についての分析が弱いことです。有権者の政治離れは、保守王国、首相のお膝元でも、また大物政治家を投入しても、着実に進行していることが判ります。

 3.争点化の問題で言えば、この選挙期間中に流されていたことは何であったか、マスコミは何を垂れ流していたか、その点での総括を抜きに、野党の責任を説くことは問題です。マスコミ自身が争点の鮮明化のために、どのような情報を国民に流したか、そこが、最大の問題であり、課題と言えます。しかし、そうした視点で、社説は書かれていません。

 4.むしろ、選挙後の国会運営と夏の選挙に話題を向けているのです。これでは、先の総選挙の時に振りまかれた「世論調査」と「偽りの政権枠組み」論と同じ過ちを繰り返すことになります。

 5.この「幻の勝利」を意味づける点で、読売・毎日・東京の見解は、分かれていますが、読売は論外にしても、毎日も、東京も安倍政権の手法に対する批判眼はイマイチポイントがぼけているように思います。

 6.その最大の問題は、先の総選挙の時に、安倍総裁と自民党の獲得した票が、山口県の有権者を代表していないこと、今回も同様であることを、数字を示して、分析していないことです。

 7.それは「例えば国民の70%が憲法を変えたいと思っても、3分の1を少し超える国会議員が反対すれば指一本触れられないのはおかしい」(安倍首相)という屁理屈との関係で、徹底して批判すべきですが、曖昧です。

 (1)「例えば」という「仮定」で、自分の土俵をつくり、そこで、相撲を取らせようとする手法は、「例えば北朝鮮(中国)が攻めてきたら」という「仮定」にもとづいて、敵基地攻撃論を展開する手法と同じものです。

 (2)「3分の1を少し」ということでハードルを提げる手法も同様です。ネライは3分の2を下げ、自分のワガママを通そうとするものですが、このことは、安倍首相と自民党に跳ね返ってくることを気づかねばなりません。しかし、マスコミの突っ込みの弱さは、そうした視点に立っていないため、事実上、安倍首相の好き勝手を許しているのです。

 そこで、この「安倍デタラメ」論を論破する材料を作ってみました。今回の選挙の獲得票と昨年の総選挙における自民党と安倍氏の獲得票を調べてみました。

 参議院補欠選挙結果

江島きよし

ふじい直子

かわい美和子

平岡秀夫

有権者

投票者

投票率

287,604

25,944

10,096

129,784

1,189,665

460,131

38.68

24.18

2.19

0.85

10.91

自民党候補は、山口県の有権者の24%の支持しか得ていないこと、逆に言えば、76%は支持していないことが判ります。同時に、これが国会では1議席、一票になるのです。国民世論を反映していない1票ということになります。

 昨年の総選挙の結果から (少数第三位を四捨五入)

第一区

高村正彦

魚永智行

冨村さとし

飯田てつなり

合計

当日有権者

投票者

投票率

133,776

9,753

23,813

35,622

202,964

357,488

207,405

58.02

37.42

第二区

赤松義生

ハイオカ香奈

岸信夫

平岡秀夫

合計

当日有権者

投票者

投票率

7,894

23,861

105,760

53,493

191,008

299,363

194,129

64.85

35.33

第三区

なかや大介

五十嵐ひとみ

河村建夫

合計

当日有権者

投票者

投票率

28,663

15,709

107,833

152,205

272,343

157,918

57.98

39.60

第四区

あべ晋三

財満慎太郎

ひがき徳雄

合計

当日有権者

投票者

投票率

118,696

19,336

13,815

151,847

263,255

156,446

59.43

45.09

自民党の候補者、とりわけ、自民党総裁、首相になることが予想されている候補である安倍氏の獲得票が、保守王国にしては、極めて少ないことが判ります。過半数に達していない!ここに山口県人の安倍氏に対する「評価」が浮き彫りになっています。これは安倍氏の最大の弱点でしょう。安倍氏の選挙区の有権者数の少なさも、一票の格差という点からみれば、その重さ、逆に言えば、軽さが浮き彫りになってきます。

同時に、山口県の全選挙区における自民党への「期待度」、公明党の支持を得たとしても、「極めて少ないことが判ります。いずれも過半数を超えていないのです。

 因みに、野田首相はどうだったでしょうか?163,334票、千葉4区有権者495,212人、投票者294,453人、投票率59.46%、対有権者比は32.98でした!

 安倍氏と野田氏の選挙区の一票の価値は、263,255対495,212です。1.88倍ということになります。安倍氏の選挙区の有権者の、ということは、安倍氏の有利さが、浮き彫りになります。

 山口県小選挙区における自民党の得票率(少数第三位を四捨五入)

当日有権者

投票者

投票率

当選者の獲得票数

1,192,449

715,898

60.04

346,065

投票者比 48.34

 

対有権者比 29.02

公明党支持者票を加えても自民党の対有権者比は、30パーセントにも達していません。

更に言えば、投票者数に対しても、50パーセントにも達していないのです。

 ここに、小選挙区制度のトリック、偽りの議席の実態があります。これが、自民党の圧倒的多数派の根拠なのです。「野党」票は「切り捨て御免」「死に票」で、国会の採決の一票には、絶対に反映されません。

 比例区獲得票と対有権者獲得票率(少数第三位を四捨五入)

幸福実

共産党

民主党

自民党

みんな

日本維新

公明党

社民党

未来の党

2,892

33,527

90,845

290,758

37,975

105,114

95,182

13,235

29,738

2.43

2.81

7.62

24.38

3.19

8.82

7.98

1.11

2.49

 比例区においても、この傾向は同じです。自民党は対有権者比で言えば、24.4パーセント、75.6パーセントは自民党を支持していないのです。公明党をいても30パーセントを少し超えるだけです。これで政権運営ができてしまうのです。

安倍氏の憲法改悪手続きの論法が、そのお膝元から崩れていることを自覚すべきです。安倍氏が、この事実を承知していないとすれば、ホントに「お坊ちゃま」ですし、こうしたものの見えないお人が、一国の総理大臣というのも、国民にしてみれば、不幸な話です。

いや、判ってやっているとすれば、確信犯です。直ちに退場すべきです。ウソを承知の上での発言をしているのですから。しかも国会という場において、です。

 ところが、今回の参議院補欠選挙の獲得票24.1752は、先の総選挙の自民党と公明党の獲得票385,940票と比べてみても、大きく後退していることが判ります。

 こうした事実に対して、マスコミの分析は、どうでしょうか?デタラメであることが判ります。これでは、国民は、自民党は強い!ということになりませんか?「誘導報道」であることは歴然としています。

 これが、戦後の自民党を長期にわたって政権の座に座らせてきた要因のひとつであると思います。

 こうしたデタラメを何としても改善していかなければなりません!そのためにも、全国各地の議席「占拠」の実態を分析していく必要があると思います。逐次行ってみたいと思います。

 それでは、以下の記事をご覧ください。

 安倍首相「さらに力強く政権運営」  4月28日 23時13分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130428/k10014253131000.html

参議院山口選挙区の補欠選挙で、自民党の新人で公明党が推薦する江島潔氏が初めての当選を果たしました。安倍総理大臣は、「安倍政権発足後初めての国政選挙であり、日本の将来に関わる極めて重要な選挙だった。今回の勝利は、経済、外交・安全保障、教育など、山積する国家的な課題に対する安倍政権の姿勢と4か月の結果について、国民から評価を頂いたものだと理解している。『日本を取り戻す』戦いはまだまだ道半ばであり、今回の選挙で頂いた国民の声を弾みにして、さらに身を引き締めて力強く政権運営に当たっていきたい」というコメントを発表しました。

山口補選、自民が圧勝=参院で民主に1議席差-安倍首相、政権運営に自信 (2013/04/29-00:49)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013042900007

第2次安倍内閣発足後初の国政選挙となった参院山口補欠選挙は28日、投開票され、自民党公認で公明党が推薦した江島潔氏(56)が、民主党とみどりの風の推薦を受けた無所属の平岡秀夫元法相(59)らを大差で破って初当選した。これにより自民党の参院会派勢力は84議席となり、参院第1党の民主党に1議席差まで迫った。安倍晋三首相は政権運営に自信を深めそうだ。
 自民党は首相の地元で2倍を超える大差で勝利したことで、衆参の「ねじれ」解消が懸かる夏の参院選へ弾みをつけた。民主党は惨敗した昨年の衆院選からの党勢衰退が浮き彫りとなり、執行部の一段の求心力低下は避けられそうにない。離党届を提出した室井邦彦参院議員を会派離脱させれば、両党が同数で並び、後半国会の与野党攻防にも影響しそうだ。  自民党の石破茂幹事長は同日夜、補選勝利を受けて党本部で記者会見し、「非常に大きな意味を持つ。夏の参院選で与党が過半数を得るため最大限努力していく」と表明。民主党の加藤敏幸選対委員長は東京都内で記者団に「期待に応えられず残念だ。党として責任を感じている」と語った。 補選は、自民党の岸信夫氏が昨年の衆院選に参院からくら替えしたことに伴い実施された。共産党公認の藤井直子氏(60)、諸派の河井美和子氏(50)も立候補したが、選挙戦は江島、平岡両氏による事実上の一騎打ちの展開となった。 自民党は、首相自身が選挙区に入り、経済政策「アベノミクス」の成果を訴えたほか、石破氏ら幹部もてこ入れを図る総力戦で臨んだ。平岡氏は脱原発や憲法9条維持を訴え、民主党も海江田万里代表らが応援に駆け付けたが、当初模索した日本維新の会やみんなの党との共闘も実現せず、支持が広がらなかった。 確定投票率は38.68%で、2010年参院選の61.91%を23.23ポイント下回った。

その他、以下の社説が発表されました。

参院山口補選 安倍政権の勢い映した前哨戦(4月29日付・読売社説)http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130428-OYT1T00942.htm

山口県は、安倍首相の地元で、衆院全選挙区を自民党が独占する「保守王国」だ。江島氏は公明党の推薦も取り付けて、選挙戦を終始優位に展開した。…北朝鮮の核・ミサイルの脅威が高まり、中国が領海侵入などを繰り返す中、安倍政権の日米同盟の立て直しを急ぐ姿勢も、江島氏への追い風になったといえよう。一方、平岡氏は「自民党に対抗する政治勢力の結集」を掲げ、安倍政権の経済政策「アベノミクス」や、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加、憲法改正の方針をことごとく批判した。だが、支持は広がらずに終わった。…平岡氏は、民主党の菅元首相らの支援を受け、山口県内で中国電力が進める上関原発の建設計画を争点に据えようと、「脱原発」を主張した。社民党やみどりの風との共闘を図ったものの、主要な争点にならなかったといえる。 代替エネルギー確保の見通しもなく、原発を否定するだけでは説得力を持たなかったのだろう。 民主党の海江田代表は、山口補選を都議選や参院選への前哨戦と位置づけ、「山口の地から『安倍政治ノー』という声をあげたい」と訴えたが、浸透しなかった。 民主党は、参院選戦略の練り直しが迫られよう。

毎日社説:補選自民勝利 「1強」許す野党の甘さ 毎日新聞 2013年04月29日 02時32分

http://mainichi.jp/opinion/news/20130429k0000m070103000c.html

地力、勢いの差が出た。…民主党など野党勢にとって、参院選で何を安倍政権との対立軸とするか、真剣な点検を迫られる状況だ。一方で補選の低投票率や最近の地方選結果が物語るように、自民党の勢いが本物かどうかもなお疑問がある。勝利を冷静に受け止めるべきだ。…安倍晋三首相、民主党の海江田万里代表がてこ入れするなど総力戦だったが、経済政策などで攻勢に出る自民党に勢いがあった。もともと山口は党の厚い地盤があり、しかも首相のおひざ元だ。各種世論調査で自民党の支持率は極めて高い水準にある。与党・公明党の推薦も得て「圧勝」が義務づけられていたといっても過言ではあるまい。 退潮に歯止めがかからぬ状況を浮き彫りにしたのが民主党だ。推薦候補は中国電力上関原発建設計画の争点化を目指したが論戦はかみあわず、さきの党首討論で海江田氏はエネルギー問題を取り上げなかった。…民主党に限らず、野党全体がこのところ埋没気味で、自民党の「1強」構図を加速している。たとえば日本維新の会は直近の地方選で公認候補が惨敗、勢いにかげりがみえる。政策の優先順位が有権者の目から見て、ぼやけているのではないか。 一方で自民党も勝利で浮つくのは禁物だ。比較的順調な政権運営を反映したことは事実だが、4月の地方選では福島県郡山市長選、青森市長選で与党系候補が敗北するなど取りこぼしも目立つ。「『国政と地方選は別』と割り切らない」と石破茂幹事長が語るように、足元を再点検すべきだ。…今補選は前回衆院選や10年参院選の山口の投票率を大きく下回った。4月の多くの地方選も投票率低下が目立った。夏の政治決戦を前に政治への無関心が有権者に広がりつつあるのではないか、と危ぶむ。

自民補選勝利 政権に緩みはないか 2013年4月29日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013042902000122.html

参院山口補選を制した自民党。夏の参院選勝利に向けた弾みにしたいのだろうが、閣僚の靖国神社参拝を機に周辺国との関係が緊張するなど、政権運営に揺らぎも見える。政権に緩みはないのか。…首相の地元、山口県は首相の祖父、岸信介氏や大叔父の佐藤栄作氏ら多くの首相を輩出した自民党王国でもある。安倍内閣の支持率も70%台の高水準で推移するなど、もともと自民候補が戦いを優位に進め得る状況だった。…ただ、補選の結果だけで、安倍内閣や自民党への「追い風」が引き続き吹いていると受け止めるのは早計だろう。名古屋や青森、郡山など政令指定都市や県庁所在地、経済県都と呼ばれる大都市の首長選で、それぞれの事情があるとはいえ、自民系候補が軒並み敗北を喫しているからだ。…憲法改正の発議要件を緩和する九六条改正を参院選の公約に掲げる決意を強調するようにもなった。 高い支持率に自信を深め、政権運営のタガが緩んでいるのなら看過できない。自民党への政権交代は民主党に嫌気が差した有権者が消去法で選んだことを忘れてはならない。 衆院選に続き、今回の補選も低投票率だったことは、政治不信が解消されていない現実を突き付けていると受け止めるべきだろう。(引用ここまで

今日は、本来は、4.29とは、どんな日か?4.28主権回復のお祝いの日について、記事にする予定でしたが、山口県の補欠選挙の勝利を受けて、「憲法改悪を参議院選挙の争点にする」とした石破幹事長発言がありましたので、急遽変えてみました。

 国防軍創設、参院選公約に=自民幹事長  (2013/04/29-18:39)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013042900267

 自民党の石破茂幹事長は29日、熊本市内で記者会見し、自衛隊を「国防軍」と位置付ける憲法改正の実現を夏の参院選公約に掲げる考えを示した。 石破氏は「自衛隊の究極の任務は、国の独立を守ることだ。これは軍だということをどうしても訴えていかなければならない」と指摘。「どうすればご理解いただけるか、最大限に努力して実現を期したい」と語った。(引用ここまで)

コメント (1)
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