愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

北朝鮮の「挑発的言動」の「やらせ」にみる印象操作の本質とその弱点を国民との共同の力で打ち破る道を

2013-04-19 | 日記

昨日は、HNHニュースの意図的な印象操作について記事を書きました。そこで、今日は、このことを踏まえて、マスコミの印象操作の犯罪性について、さらに書いておくことにしました。

 それは、以下の記事を読んだからです。

 まずくて吸えない北朝鮮のタバコ… 非常識・正恩氏の姿に見る北の〝喫煙文化 2013.3.20 12:00

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130320/waf13032012000011-n1.htm

 この種の書き方は産経の常套手段です。この種の印象操作は、骨の髄まで沁み込んだ産経の思想によるものです。本来は、「鬼畜米英」と同じもので、生きている化石として博物館で見る程度のものですが、現在進行形であること、産経は自民党の政治家たちのプロパガンダに、また朝日産経化など、大東亜戦争正当化論と日米軍事同盟深化論に立つ産経の思想を解明しておく必要があるというのが、記事にする根拠のひとつでもあります。

 この記事のポイントは、以下のとおりです。

1.タバコを渡す文化は、北朝鮮ではなく、日本です!金日成よりもっと古い!!

恩賜のたばこ」です。戦争と密接に関連していることが判ります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%A9%E8%B3%9C%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%81%B0%E3%81%93

http://www7a.biglobe.ne.jp/~rising-sun-ken1/onsi.html

 因みに、日本における「恩賜」の事例はたくさんあります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%A9%E8%B3%9C

 この事実をみると、産経は北朝鮮のことは言えません。或いは、もしかすると、北朝鮮の模範は、産経の思想的淵源である戦前の天皇制かも知れません。北朝鮮のやり方を見ていると、実に、戦前の日本を彷彿とさせるからです。

 2.さらに言えば、この記事から読み取れることは、戦前の「鬼畜米英」式の、「北朝鮮憎けりゃ、タバコまで憎い!」式の姑息な印操操作ということです。以下見てみます。

 (1)産経は、自らの思想的淵源である大日本帝国憲法と「恩賜のたばこ」「恩賜」の意味と事実を知らないはずはありません。

(2)そのような事実を承知したうえで、

「若い金第1書記が年長の軍幹部らの前で喫煙したり、病院のベッドに腰掛けて吸ったりと、その非常識ぶりをいぶかる声もあがっている

「タブーの年長者の前でも、病院内でも…どこでも吸う“民度”」

「いくら喫煙文化があるとはいえ、年長者の前でたばこを吸ったりするのは儒教の教えが色濃く残る朝鮮民族にとってはもってのほかのはず。しかも場所は病院…。それでも絶対的権力者には喫煙の場所は無関係というのだろうか

 と、書くのです。「声あがっている」とは、どこの「声も」か、第三者を装いながらウソを書くのです。

「儒教の教えが色濃く残る朝鮮民族」の「建国の父、金日成主席」はそのまま臣民に恩賜のタバコを配る天皇に結びつかない、いや結び付けない、或いは、「恩賜のたばこ」をありがたくいただき(下賜という)、名誉と思う臣民と、戦後の日本国民の「民度」は問題にしない産経の姑息が透けて見えてきます。

 (3)産経の姑息は、以下のとおりです。

「絶対権力者」である金日成、金正日、金正恩は、まともな「民度」からすれば「もってのほか」で、「儒教の教え」に反する。

 と、その独裁ぶり、独裁を許している「民度」のない、「民度」の低い北朝鮮の体制と言いたいのです。

 「建国の父、金日成主席は、農場などの現地指導の際、農民にたばこを渡す映像が多く、『慈愛深い人民の父』を演出したとされる。金主席のこうしたシーンがたばこを渡すといった文化を生んだという説もある」などと、戦前・戦後の「恩賜のたばこ」を配った歴史を黙殺して、平気でウソをつくのです。

 (4)産経には「嘘つきは泥棒の始まり」ということわざの意味が理解できない学力しかないのか、それとも、意図的に情報操作を行っている、としか言いようがありません。以下をご覧ください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%93%8D%E4%BD%9C

『ゲッベルスは「嘘も100回言えば本当になる」と言った』というのは嘘

http://techpr.cocolog-nifty.com/nakamura/2011/06/post-5fef.html

 3.それでは産経のウソを検証してみます。北朝鮮のことを言う前にやることあるだろう!日本を正せ!ということです。

(1)「恩賜のたばこ」は逆賊西郷隆盛を討つ西南戦争時が始まりと言われています。

ピークの1944(昭和19年)には2800万本強の特製たばこ(そのほとんどは「恩賜のたばこ」)が作られたのは、何故か。手柄を立てた臣民・天皇の赤子に対して「慈愛深い臣民の父」ということを意味するのです。

戦後も叙勲者や園遊会の出席者[13]、皇室の来賓、宮内庁奉仕団、皇室関連ボランティア活動、警視庁警備部警衛課(セキュリティポリス)や各道府県警察本部警備課などへのおみやげや謝礼品として使用され、近年まで皇室の恩賜及び宮内庁の贈品目として存在していたが、健康増進法の制定など、健康にとって有害なものを嫌う風潮の高まりを受け、06年(H18年)末で廃止されたのは、日本国の「民度」もありますが、それにしても、政府の判断であることは間違いありません。では、このことを産経はどのように考えるでしょうか?

(2)日本でタバコが普及したのは日清・日露戦争時です。戦費調達のためです。

日清戦争時も出兵兵士に政府が配ったということです。喫煙の習慣をつけさせ、税徴収効果をあげるためです。当然「恩賜のたばこ」も、です。こうして天皇制政府によってつくられた「喫煙文化」が、実は子どもに大きな影響を与えていくのです。あの学習院の訓令禁煙令(1893年12月)は、このことを物語っています。

(3)戦後も同じです。日本の専売公社制度は、産経に言わせれば憲法を押し付けたマッカーサーの指示によるものです。その後の改革で「世界でも有数の販売実績を誇るほど成長を遂げてきた」のです。

(4)その最大のねらいは、安定的税収の確保です。その最大の被害者は、子どもと学校教育です。未成年者喫煙禁止法ができたのは、1900年2月のことです。未成年者の喫煙が蔓延していったことが最大の理由です。しかし、日露戦争のためには、臣民にたばこを吸わせないと戦費調達ができません。シブシブ制定したものの、ザル法でした。それが戦後もずっと続いてきたことは周知の事実です。産経は、このような「喫煙文化」をどのように考えるのでしょうか?とても北朝鮮のことなど、言っていられない歴史と実態があること、子どもを食い物にする日本の「喫煙文化」を覆い隠すのは、恥ずべきことです。

(5)日本において、嫌煙権運動が始まったのは、1978年2月、東京四谷にある日本写真館文化会館で、嫌煙権の確立をめざす市民運動の発足会。全国から60人が参加。非喫煙者の権利擁護の市民運動は、1977年6月、「非喫煙者を守る会」(北海道)、77年8月「タバコの害を追放する女たちの会」(名古屋)があったと言います。

(6)「恩師のたばこ」廃止が2006年、実に29年もかかっているのです。昨今の「喫煙文化」については、触れませんが、こうした歴史を無視して、ことさら北朝鮮の「喫煙文化」を「独裁」と結びつけ、北朝鮮に対する印象操作を繰り返す産経や日本のマスコミの恥ずべき実態が明らかになるのではないでしょうか?

4.この間の北朝鮮報道の経過を見ると、産経をはじめとした日本のマスコミの印象操作は、日本国民の生活・政治に対する不安・不満・行き詰まりを外に向けさせることで、すなわち中国や北朝鮮に逸らし、日米軍事同盟深化派の政権維持と継続・強化をめざす役割を意図的に担っている!と言えます。

それでは、昨日から今日にかけて、印象操作がどのように行われたか、視てみたいと思います。 

(1)全国紙とNHKは北朝鮮の対話3条件をどのように報道したか

北朝鮮「関係改善、絶対にない」 対話提案の韓国揺さぶり 2013.4.18 13:46 [北朝鮮http://sankei.jp.msn.com/world/news/130418/kor13041813470001-n1.htm

北ミサイル 対話探る米韓 首相は強硬圧力重視 2013年4月19日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013041902000110.html

北の対話条件、当然受け入れられぬ米国務長官 (2013年4月19日11時05分  読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130419-OYT1T00456.htm

北朝鮮、米韓との対話に条件 制裁決議撤回・米韓演習を中止 2013年4月19日

http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201304180679.html

北朝鮮、対話へ譲歩迫る 3条件提示し5月以降に照準  2013/4/19 1:13

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1807R_Y3A410C1FF1000/

北朝鮮制裁決議撤回が対話の条件  4月18日 12時16

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130418/k10014004221000.html

 (2)北朝鮮の発言に対する反応をどのように報道したか

北朝鮮の対話条件応じず 日米高官「再開、非核化が前提」 2013/4/19 11:30

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1902B_Z10C13A4EB1000/

米韓両軍が北朝鮮けん制 共同声明を発表  2013/4/19 12:54

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM19034_Z10C13A4EB1000/

6カ国協議議長が訪米へ 北朝鮮情勢巡り協議  2013/4/19 20:03

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1905K_Z10C13A4FF1000/

首相が北朝鮮外交を熱弁 「私はずっと関わっている」 2013年4月18日21時21分

http://www.asahi.com/politics/update/0418/TKY201304180342.html

金正恩氏に「父にないカリスマ」 米情報機関が分析 2013年4月19日17時25分

http://www.asahi.com/international/update/0419/TKY201304190138.html

北朝鮮:挑発に断固とした対処確認 米韓両軍  2013年04月19日 20時25分(最終更新 04月19日 20時34分)

http://mainichi.jp/select/news/20130420k0000m030063000c.html

 (3)「挑発的言動を繰り返し」危機を煽っているのは、産経!北朝鮮と同じことを自ら証明!

平壌を米ステルス戦闘機が急襲 金正恩氏が震え上がる「秘密訓練」とは 2013.4.6 12:00

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130406/kor13040612010006-n1.htm

 上記の記事のポイントは以下のとおりです。

1.朝日は、北朝鮮の条件提示を12面、国際版に「ソウル=中野晃」レポートとして記事を書きました。ここに朝日の評価が浮き彫りになっています。

今日の朝日の社説は、「日中韓会談 成熟した3国関係を」と題して、「北朝鮮の挑発行為をやめさせるためには、3国の結束が欠かせない。(日中韓3国の首脳会談を日本との同席を渋った)中国の姿勢には首をかしげざるを得ない」「大国らしいふるまいとは言えまい」として「中国の大人の対応」を求める内容です。日頃中国の国内危機と尖閣や軍拡など、日本への脅威・対立を煽って、日米軍事同盟容認・深化論の記事を書いてきたことを脇においているのですから、呆れます。

2.その他の新聞も、北朝鮮の変化を見逃しています。アメリカ情報をそのまま是として報道しているのです。産経などは、共同の記事を配信しているだけです。

3.しかも産経は、北朝鮮なみの「脅しの言動」記事を書いているのですから、呆れます。

4.毎日が北朝鮮の主張を掲載しているのは、評価できますが、見解はありません。社説もありません。因みに今日の全国紙の社説で、北朝鮮問題をとりあげたのは、朝日だけです。

6.東京は、北朝鮮不信感を強調する安倍・菅両氏の言葉を紹介しながら、「米韓が北朝鮮の暴走を懸念し対話を優先すれば、日本が孤立気味になる可能性もある」との懸念を表明する程度です。

7.読売は、「(一連の挑発が)始まってから、初めて対話という言葉が出た。最初の一歩として見てみる用意はある」(ケリー長官)を紹介し「北朝鮮側の歩み寄りに期待感を示した」と評価しましたが、それだけです。

 8.そういう中で、注目すべき声が紹介されていました。今日付けの朝日の「」です。朝日に届けられる「」を反映していると思います。こうした世論が出てきていることに注目していかなければなりません。朝日は、こうした国民世論を踏まえた主張をどれだけで書けているか、検証すべきです。

 日本、核兵器廃絶の世論牽引を 無職 古賀牧人(東京都小平市83)

 北朝鮮がミサイル発射をたてに挑発や威嚇を繰り返すことは、絶対に許されるものではない。しかし、膨大な核兵器を保有している米国が「核兵器を持つな」と強要している姿もまた、納得しづらいものがある。 

国家は平等なはずである。他国に非核を求めるならば、自らがまず核兵器を廃絶してからでなければならない。これでは、大酒飲みの酔っぱらいが他人をつかまえて断酒の説教をしているようなものだ。 

問題の根源は、米口英仏中の核保有5ヵ国が核不拡散条約(NPT)をもとに、新たな核保有国の出現を防止することには積極的でも、自らの規制についてはあまり進展を見せていないことにある。 

核廃絶を前進させるには、核兵器にしがみついている勢力を世界の世論で包囲する以外にない。米国の核戦略を容認し続けている日本政府は、被爆国であることを自覚し、廃絶の牽引国となるべきである。(引用ここまで

9.因みに赤旗は2面に、「ソウル=時事」の配信記事として「北が対話の条件示す」と「北朝鮮の国防委員会政策局」の「声明」を紹介し、「対話自体を否定しない立場を示す一方、米韓が北朝鮮の挑発的言動の中止、非核化やミサイル発射中断の意志表明といった前提条件を付けていると批判しました。その上で、対話の条件=「核戦争手段を全面的に撤収させ、再投入を断念を下すべき」と要求したと掲載、それは「米韓合同軍事演習に参加した核搭載可能な戦略爆撃機などを指したものです」と解説しています。

当初、3月11日付けの赤旗では、「ソウル=時事」として、「きょうから米韓合同軍事演習」と題して

「米韓両軍は、11日から定例の合同軍事演習「キー・リゾルブ」を実施します。北朝鮮はこれに反発し、同日から朝鮮戦争の休戦協定を白紙化すると表明。大規模訓練で対抗する構えで、朝鮮半島の緊張が高まりそうです」と、第三者的に述べていました。

この記事の軽さと、その後の「大騒ぎ」と赤旗の対応をみると、「問題あり」と言わなければなりません。沖縄の米軍基地撤去の口実となっている「脅威」を取り除いていくために、共産党は北朝鮮問題や中国問題と、どのように向き合うか、国民の不安、マスコミが意図的に浸透させていることですが、それにしても、この操作を解明し、国民との間に楔を打ち込むたたかいをどのように発展させるか、原則的かつ柔軟に対応していくことが、求められているのではないでしょうか?

さもなければ、共産党の存在感は、ますます希薄になっていくと思います。その結果がどのような事実を産むか、自覚すべきでしょう。自覚はされているとは思いますが、それにしても、しかし、しかし、です。日米軍事同盟廃棄を掲げている唯一の政党としての役割は、ますます大きく高くなってきているということです。

 (4)最後に、日本のマスコミの情報操作、印象操作の本家本元がどうなっているか、掲載しておきます。

ブルース・カミングス『北朝鮮とアメリカ 確執の半世紀』(明石書店2004年7月刊)より

序文

 メディアでの報道をみる限り、北朝鮮はすべての米国人が「好んで嫌う」国であるようだ。その筆頭は、北朝鮮を「悪の枢軸」の一員に加え、「転覆させたい」との願いを口にしたジョージ・W・ブッシュ大統領だ。CNNでは北朝鮮関係のニュースが流れるたびに、ナチス式に足を高々と上げて平壌市街を行進する朝鮮人民軍兵士の映像が挿入される。北朝鮮を統率しているのは金正日である。著名な専門家のグレターヅアンーサステレン(Greta van Susteren)は、「正気を失っているのでなければ、よほどの極悪」と金正日を診断した。米国中央情報局(CIA)によると、北朝鮮は一ないし二基の核兵器を保有しており、そのほかにも生物兵器や化学兵器から構成される大量破壊兵器(WMD)や、米国西海岸まで到達可能で原子爆弾から天然痘ウイルスまであらゆる種類の弾頭を装着できる長距離ミサイルももっている。「われわれが知らないだけでさらに恐ろしい兵器を隠しているだろう」とも、まことしやかにささやかれている。他人の言葉を繰り返すしか能がない米国メディアは、北朝鮮に関するさまざまな論議を、一つの共通項でくくってしまう。すなわち、北朝鮮はならず者・テロリスト・共産主義・スターリン主義・全体主義国家であり、東洋の悪夢であり、米国が最も嫌悪し、恐れている「他者」だということにしてしまう。だが実際には、北朝鮮をめぐる本当の危機は、こうした見方に対する反論がまったく聞こえてこない、その静けさの中にこそ存在するのである。世界に唯一残存する、反ネオリベラリズム、反グローバリゼーションを貫徹した国家だとうそぶく北朝鮮を、米国人は皆嫌っている。進歩的な人々でさえ例外ではない。米国人は、金正日の一族独占型社会主義が、とにもかくにも、一刻も早く地球上から消滅することを願っている。…

…一般向けの定期刊行物にも、北朝鮮関連の記事が掲載されるようになった。…しかしごく少数の例外を除いては、ほとんどの記事にあまり価値はなく、不正確で、煽情的で、読者を啓蒙するというよりもあざむく役割しか果たしていない。自己模倣が大好きな米国メディアの特性からいって、同じ話が際限もなく循環することになるのだが、多くの場合、北朝鮮が米国の敵となった六〇年前に語られていたようなことが、現代風の衣をまとって再登場してきているにすぎない。いわく、北朝鮮は、明日にも韓国を攻撃しようとしており、指導者は頭がおかしく、国民は皆洗脳されて、政権は自滅するか、他国に戦争を仕掛けようとしている―つまり韓国の諜報機関は、北からの亡命者(中にはニセ者もいる)を見せびらかしたり、「平壌筋の情報」を活用したり、資料の揃った図書館で少し調べればすぐに分かるようなウッをばらまいたり、といったようなことで、文字通り半世紀にもわたり、一人、また一人と米国人記者を編してきたというわけだ。

 そうしたいかがわしい情報の中で私か一番気に入っているのが、金日成の脳腫瘍説だ。金日成の首筋によく目立つ腫瘤があったことから出た説だが、初めはゴルフボール大であったものが、後には野球のボールほどにも肥大して、北朝鮮が「国家の最高頭脳」と呼ぶ金日成の脳の灰白質をどんどん侵蝕しつつあるという話たった。三〇年前、韓国の遊園地には、等身大に描かれた全日成の絵に向かって野球のボールを投げ、当たると賞品がもらえるという遊びがあったが、最高点となるのはその腫瘤に命中したときだった。漫画では、しばしばその周囲にハエが飛んでいるように描かれていた。ある年にはブカレストで脳外科手術を受け、次の年にはブダペストで放射線治療を受ける、といった具合に噂されていたが、残念なことに、どのような治療法をもってしても、腫瘍が全日成の腐った精神をむしばんでいくのを止めることはできなかった。だが、これも俗説にすぎなかった。その腫瘤は韓国人が「ホク」と呼ぶカルシウムが沈着してできるもので、通常は幼少時の栄養不足が原因だといわれている。「偉大な指導者」にはあまり似つかわしくなかったので、北朝鮮のカメラマンは腫瘤が写らないように常に左側から全日成を撮影したが、他の共産主義諸国のカメラマンは右側に陣取って、なんとかそれをフィルムに収めようとした。全日成は八十二歳で、老衰により死亡した。…

 人権尊重を旗印に掲げる国々の間では、一つの方向だけをみて、とりあえず共産主義諸国を糾弾しておくというのが最も手軽な政策とされてきた。その一方で同盟国の非難すべき行為は看過されてきた。つまり、米国政府は、比較すれば金正日でさえ賢明な指導者にみえるような、性質の悪い独裁者(例えば、サウジアラビアの独裁者)を支持している最終的には米国の善意をはねつけ、何かあっても米国が望むような方向に進もうとしない国々からなる多様で複雑な世界を理解し、その一員となり、そうした国々と共存する術を身に付けることは非常に難しい。しかし、やらねばならないことなのである。引用ここまで

 アメリカの学者の書いた上記「序文」を読んで、最後に。

イラクのフセイン、アル・カーイダのウサーマ・ビン・ラーディンビン・ラディン、、アフガニスタンのタリバンを育成したのは誰か。そうした歴史を無視して憲法をないがしろにしてきた日米軍事同盟深化派は、今度は北朝鮮問題を最大限利用して、安倍政権に憲法改悪の突破口を切り開かせようとしている。だがしかし、大東亜戦争肯定・正当化論者の塊である安倍政権も、アメリカも枠内においてのみ、政権が維持されるという矛盾の中にいる。出過ぎれば、撃たれることは確実だろう。日米両政府とその支援者・多国籍企業の一致点と矛盾の中に、今がありますが、それもこれも、国民との要求が最大の矛盾点であることは、変革の歴史の経過を見れば明瞭です。

 ウソとデマは、必ず打ち破られるものです。「喫煙文化」を利用した産経のウソとデマは、別項に掲載します。

 因みに、そもそも、「愛国者の邪論」は、実は、産経の「正論」からヒントをいただいた名前であることを付しておきます。

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