今日の朝日の1面は
「与党、過半数は確実」「自民、改選議席倍増の勢い」「民主、20議席割れも」の記事が躍っていました。予想通りです。しかし、この世論調査をよく読むと、マスコミの戦略どおりの結果になったいることが判ります。若干外れているのは、共産党の「健闘」でしょう。これこそ、草の根の奮闘が浮き彫りになったと言えます。何故ならば、マスコミから無視され続けながらの「健闘」ですから、独自の運動以外にこの「健闘」はつくれません。
その点で、マスコミのつくりだす「風頼み」の政党とは違うことが、ますますハッキリしてきたと言えます。しかし、最後の最後まで、結果は判りません。それが選挙でしょう。国民の意識と行動をどのように具体化するか、それは、各党とマスコミ、マスコミを操作する「影の参謀本部」の動き方によって決まるでしょう。
以下ポイントをまとめてみます。
1.「国民の関心がない」という記事を読み、新聞やテレビなど、マスコミとしては、これほど選挙報道を特集しているのに、何故関心がないのか!?です。政党の責任、マスコミの責任、国民の民度の低さなどなど、その責任は大きく別けて、3つでしょう。それにしても、マスコミ報道の弱点、関心が高まらない理由を分析する必要があります。国民に忌避されているからです。
2.しかし、そうであっても選挙制度によって今回は、自民党が勝利することは確実?のようです。その自民党圧勝の最大の保障は、31の1人区の「勝利」でしょう。これは規定の事実です。自民か民主か、という枠内での争いからすると、今回は自民になることは必然的です。この1人区における自民か、民主か、という枠組みを変えていくためには、自民か、共産か、或いは自民か、反自民連合か、しかないでしょう!。このことは2人区においても同様です。
3.比例区です。これが主戦場ですが、この1人区とリンクし、「毒矢」ではなく「期待」感にスリカエたアベノミクス礼賛報道のなかで、また「ねじれ解消」論の席巻のなかでは、ある意味当然でしょう。
4.安倍自公政権の原発・消費税・TPPなどの個別政策に対する反対が多いのにもかかわらず、また政権支持率が低下してきているにもかかわらず、依然として自民支持率が高いのは、自民か、民主か、という枠組み、或いは第三極の枠内での国民的判断があるからでしょう。これは、これまでの枠組み論の残滓が未だ強いことを示しています。
5.この枠組みを崩すのは、真っ向対決している共産党が対抗軸として登場できない装置が働いているからでしょう。共産隠しが徹底して機能している限り、この事態は続くでしょう。
そこに共産党の健闘ぶりがあるのですが、安倍自公政権を本当に打破していくためには、「野党各党は自民党との違いを鮮明にし、政権構想を探求すべきだ」(毎日・松田氏)マスコミの論調の路線の中に飛び込む理論的発展・解明が必要でしょう。政権交代を体験した国民の関心を高めていくためには、この政権構想論でしょう。マスコミも無視できなくなるはずです。
6.維新やみんなの「統治機構の改革」を反面教師とするならば、共産党こそ、真の統治機構の改革を主張している政党です。日米安保条約廃棄こそ、大変革です。財界の大儲けを保障する「ルール破り」=「規制緩和」論に対して、多国籍企業を応援するために税制・財政・金融優遇制度=ルールによってつくりだされてきた内部留保などを国民に回すルールの徹底化」として主張しているのですから、これこそ、真の統治機構の大改革と言えます。
7.こうした改革案を提示しているにもかかわず、維新やみんなには注目させ、共産党は排除して、議論の俎上に載せることしないのです。こうした状況のなかで、浮き彫りになったのが、今回の世論調査に見られる「国民意識」と言えます。
8.そもそも、2000万人の非正規労働者が大半の若者が自民に期待を寄せる、その非正規労者の首切りを当然とする、正規路労働者の首切りを当然とする限定社員化を推進する安倍自公政権を支持するというのは、あり得ない話です。自分で自分の首を絞めている、まさに自殺行為です。しかし、何故、こうした「ねじれ」が起こるか、その要因を分析する必要があります。
9.人間の心理として、「判っちゃいるけど、止められない」を超えた、事実を知らされていないことからくる判断ミスが、根本原因と思われます。ここに、文字通りのメスを入れていく作業です。そうした大手術をしなければ、患部は治療できないと思われます。今や内視鏡で、患部を見ることはできるようになりましたし、その内視鏡を使って患部を切り取ることも可能になりました。それを政治に当てはめていくことです。
この愛国者の邪論が、内視鏡の一つになれば、と思います。それでは、以下の朝日の記事をご覧ください。世論誘導記事ですが、そこに弱点が見えています。
参院選「大いに関心」31% 朝日新聞世論調査 2013年7月18日10時9分
http://www.asahi.com/politics/update/0718/TKY201307170782.html
最近の参院選の投票率(選挙区)は… |
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終盤情勢調査と同時に実施した世論調査によると、今度の参院選に「大いに関心がある」という人は31%にとどまった。07年、10年の終盤調査でそれぞれ45%、40%だったのに比べると、有権者の関心は低い。
「必ず投票に行く」と答えた人も72%で、ともに75%だった07年、10年より少し低くなっている。「必ず投票に行く」という回答は実際の投票率より多めに出る傾向があるが、投票率の目安にはなっており、今回の投票率(選挙区)は07年の58・64%、10年の57・92%より低くなる可能性がある。 (引用ここまで)
自民、若壮年層にも浸透 参院選、朝日新聞終盤情勢調査 2013年7月18日5時53分
http://www.asahi.com/politics/update/0718/TKY201307170781.html
安倍首相の経済政策に期待できない人は比例区でどこに投票する? |
選挙区で自民に投票すると答えた人 |
注目区の情勢 |
3~5人区の過去の選挙結果 |
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序盤の勢いそのままに、小泉ブームが起きた2001年参院選以来の「圧勝」を見すえる自民党。野党は都市部の複数区で下位争いをするのがやっとだ。朝日新聞社の終盤情勢調査をみると、自民党が若・壮年層にも広く浸透していることがうかがえる。
■経済政策、高い期待
自民は公示日(4日)とその翌日に行った序盤調査時の勢いを保ち、選挙区に立てた49人の候補のうち、45人が優位かやや優位に立っている。
選挙区で44人が当選した01年参院選と並ぶ大勝になりそうだが、今回の特徴は、自民に投票する人の構成が01年に比べて大きく変わっていることだ。
投票態度を明らかにした人のうち、選挙区で自民に投票すると答えた人を年代別に見てみると、01年の情勢調査に比べて若・壮年層の割合が伸びている。
もともと自民は高齢層の支持が厚めで、01年調査でも、自民に投票するという人は60代以上で5割を超え、20~50代は4割台と少なめだった。
ところが今回は、自民に投票するという人が20代で54%、30代で55%に上り、70歳以上の52%を上回った。40代でも52%だ。
都市規模別にみても、01年と今とでは政令指定都市の増加や市町村合併があり単純に比較できないが、自民に投票するという人は、町村部より都市部の伸びの方が大きい。
こうした変化は、安倍晋三首相の経済政策への見方と関連しているようだ。
情勢調査と合わせて実施した世論調査で、安倍首相の経済政策について尋ねると、「期待できる」が40%、「期待できない」が36%だった。
「期待できる」は年代が若くなるほど高くなる傾向があり、若・壮年層が自民に投票するという傾向と重なる。地域別では、近畿と関東が高めとなり、北海道や東北でやや低かった。
一方、世論調査では自民党に対する「好き嫌い」を5段階で尋ねた。
最も多かったのは「好きでも嫌いでもない」だが、これを除くと、「好き」「どちらかといえば好き」の合計29%が、「嫌い」「どちらかといえば嫌い」の合計18%を上回った。
「好き」は九州や中国・四国などのほか、今回の参院選で自民の強さが目立つ地方の1人区を中心に高めとなった。
若・壮年層や都市部でのアベノミクス期待と地方で根強い自民人気が好調自民を支えているようだ。
■普天間・復興・TPP…重点区は激戦
強い自民にあって、優勢な展開に持ち込めていないのが1人区の沖縄、岩手、山形などだ。自民はこれらの選挙区を重点選挙区としているが、安倍政権の抱える「アキレス腱(けん)」ともいえる政策課題が争点になり、他の1人区とは情勢が異なっている。
沖縄では米軍普天間飛行場移設問題を巡り、安倍首相が16日、日米で合意した名護市辺野古を念頭に「普天間の一日も早い移設を実現していきたい」と発言。党公約でも「辺野古移設推進」を明記している。
だが、今回の調査をみると自民新顔は、「県外移設」を掲げる沖縄社会大衆党委員長の現職・糸数慶子氏に引き離されつつある。自民党沖縄県連も「県外移設」を主張するが、党本部との「ねじれ」に対して県民の理解は十分得られていないようだ。
岩手は東日本大震災からの復興をめぐり、民主党政権時の復興相で党を離れた無所属の現職・平野達男氏が実績を訴える。自民は93年の小沢一郎氏の離党後、95年参院選から推薦を含め6連敗してきたが、今回も平野氏に対して優位に立つことができていない。なお、小沢氏が党代表として率いる生活の新顔の元県議は苦しい。
安倍首相は政権交代後に環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加を表明したが、各地の農業団体の反発は根強い。
その一つ、山形ではJA(農協)の政治団体・全国農政連の地方拠点である山形県農政連が、みどりの現職舟山康江氏を推薦している。元農水官僚の舟山氏は07年に民主から立候補し、自民候補を破って初当選。TPPには反対姿勢で、昨年民主を離党した。舟山氏は、吉村美栄子知事の後援会の支援も受けている。 もともと山形は自民王国だが、今回は自民が安定した戦いには至らず、つばぜり合いが続いている。
■複数区残る議席、目立つ民・共対決
野党は序盤と変わらず苦しい展開だ。選挙区の1人区だけでなく、複数区でも自公候補にリードを許し、残る議席をめぐって激しく争っている。
13~14日に実施した参院選連続調査(3回目)で比例区投票先を聞くと、民主、維新、みんな、共産の4党が6%で並んだ。複数区の下位争いをしているのは主にこの4党だ。
2人区の京都や兵庫、福岡、3人区の埼玉、愛知、4人区の神奈川、大阪、5人区の東京などでぶつかり合っている。
中でも目立つのが「民・共」対決で、京都、神奈川、大阪などが焦点となっている。序盤調査では激しい競り合いを続ける選挙区が多かったが、引き続き予断を許さない情勢だ。
民主は10年の参院選で、すべての2人区を自民と分け合った。ところが今回は、大惨敗を喫した昨年末の衆院選のころに10%台だった支持率がさらに低下。有利な戦いを進めている2人区は北海道や長野、静岡などにとどまる。
3人区で比較的安定しているのは、前回2人を当選させながら、今回は現職で党政調副会長の大塚耕平氏に絞った愛知ぐらいだ。
2人を擁立していた5人区の東京でも公示直前に1人の公認を取り消したが、功を奏しているとは言えない状況だ。
一方、都議選で躍進を果たした共産は、安倍首相の経済政策や原発再稼働への批判票などを取り込み、今年春ごろから急速に支持を広げてきた。 こうした民主の弱体化と共産の伸長が「民・共」対決の背景にある。 維新は衆院選で野党第2党となったが、橋下徹・共同代表の旧日本軍の慰安婦をめぐる一連の発言などもあり、序盤に続いて有力なのは大阪の東徹・党総務会長ぐらい。 みんなも、序盤と同様に堅調なのは神奈川の元知事の松沢成文氏にとどまる。10年参院選の終盤情勢調査時に比べて無党派層を十分取り込めておらず、苦しい戦いが続いている。
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(引用ここまで)
与党、過半数は確実 参院選、朝日新聞終盤情勢調査2013年7月18日5時2分
http://www.asahi.com/senkyo/senkyo2013/news/TKY201307170778.html
与党で過半数は… |
各党獲得議席の推計(改選数121) |
21日投開票の参院選の終盤情勢について朝日新聞社は16、17日、電話による全国調査を実施、取材による情報も合わせて分析した。それによると、(1)自民党は序盤の勢いを維持、改選34議席を倍増させ、堅調な公明党と合わせ、与党として参院全体の過半数(122)を占めるのは確実(2)民主党は大都市部の候補も当落線上におり、結党以来最低の20議席割れもありうる(3)日本維新の会、みんなの党は一時の勢いは見られない(4)共産党は選挙区で議席を獲得する可能性が強まってきた――などがわかった。
■民主、20議席割れも
投票態度を明らかにしない人は選挙区で5割、比例区で4割にのぼった。前回2010年の参院選の終盤調査と比べてそれぞれ1割近く多くなっており、投票日に向けて情勢が変わる可能性もある。
自民の非改選議席は50で、公明は9。与党は今回、合わせて63議席を獲得すれば、参院全体で過半数を占め、衆参の「ねじれ国会」は解消される。自民は72議席を得れば、単独過半数を達成する。
31ある1人区では、自民は岩手と沖縄でリードを許し、山形で競り合っている以外は、ほとんどが優勢。2人区以上では全員当選の可能性もある。比例区も好調を維持。小泉ブームの01年に獲得した20議席を上回る勢いだ。選挙区、比例区を合わせると自民だけで70議席に迫っており、与党で過半数を確保しそうだが、自民単独過半数は微妙だ。
公明は選挙区に立てた4人全員が当選圏をうかがう。比例区と合わせて改選10議席は確保しそうだ。
民主は改選44議席から半減し、1998年の結党以来最低の01年の26議席を下回りそうだ。10ある2人区のうち新潟や広島では序盤より持ち直したが、愛知を除く埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪の3~5人区では接戦を強いられている。埼玉、東京、神奈川で議席を失うようなことがあれば、結党以来初めてになる。
維新は大阪で優位なほか、兵庫でも競り合う。しかし、比例区では4議席程度で、昨年の衆院選の時に比べると、伸び悩んでいる。みんなは神奈川で議席獲得が有望。接戦を繰り広げている埼玉、愛知などで上積みをめざすものの、比例区は7議席を獲得した10年ほどの勢いは見られず、4議席程度になりそうだ。
共産は東京、大阪など都市部の5選挙区で議席を競り合っており、複数の選挙区で議席を獲得する可能性も出てきた。比例区と合わせ、改選3議席を倍増させる見通しだ。
生活の党と社民党は比例区での議席獲得が視野に入る。みどりの風は山形で1議席を得られるかどうか。(引用ここまで)