安倍政権を甘やかす日本の情報伝達手段は堕落している!
自衛隊員の命をどう見るか!
中日/東京新聞 PKO日報開示/「戦闘」認め、撤収検討を 2017/2/10
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017021002000139.html
「戦闘」を「武力衝突」と言い換えても、南スーダンの首都ジュバが、緊迫した状況であることは隠しようがない。PKO五原則に基づいて、派遣されている陸上自衛隊の撤収を検討すべきである。
自衛隊部隊が国連平和維持活動(PKO)のために派遣された南スーダンの緊迫した治安状況が伝わってくる。防衛省が昨年七月十一、十二両日の部隊の日報などを開示した。ジュバでは当時、大規模衝突が発生し、二百七十人以上の死者が出ていた。
日報には、大統領派と反政府勢力の「戦闘が生起した」ことや自衛隊宿営地近くでの「激しい銃撃戦」などが記されている。
紛争当事者間で停戦合意が成立していることを自衛隊派遣の前提とするPKO五原則の要件を満たしているとは言い難い状況だ。
にもかかわらず、稲田朋美防衛相は「法的な意味における戦闘行為ではない」と答弁した。自衛隊派遣継続のための詭弁(きべん)ではないか。
日報の開示に至る経緯も不可解だ。日報は昨年九月に情報公開請求され、当初、廃棄済みを理由に不開示とされていた。その後、範囲を広げて再調査したところ、電子データが見つかったとして、一部を黒塗りした状態で開示した。
この間、政府は十月、自衛隊部隊の派遣期間延長を閣議決定し、十一月以降は派遣部隊に、安全保障関連法に基づいて「駆け付け警護」と「宿営地の共同防衛」の任務が追加された。
当時、国会ではPKO部隊の派遣延長や駆け付け警護任務などの付与の是非が議論になっていた。
この日報が遅滞なく開示され、南スーダンの厳しい状況が明らかになっていたら、撤収を求める意見は強まっていただろう。自衛隊派遣の延長を認め、安保法に基づく新任務を付与できただろうか。
稲田氏は「隠蔽(いんぺい)ではない」とするが、派遣継続のために意図的に隠したと疑われても仕方がない。
加えて、防衛省・自衛隊が日報の存在を把握した後、稲田氏に一カ月間報告しなかったことも明らかになった。シビリアンコントロール(文民統制)を脅かす深刻な事態である。徹底的に調査し、国会に報告すべきだ。
安倍晋三首相は自衛隊員に死傷者などの犠牲が出た場合、首相辞任の覚悟を持たなければいけないと語ったが、より重要なことは死傷者を出さないために何をすべきかである。南スーダンはPKO五原則を満たしていない。直ちに撤収を検討すべきである。(引用ここまで)