ゲンパツがなくても電力不足にはならない日本は実証されたが
核兵器に転用可能なプルトニウムを「合法的」に活用したい!
核兵器のプルトニウムを使えるようにしたい!
そのためにも
新しい高速炉の開発・高速増殖炉シンもんじゅ構想は残したい!
産經新聞 高速増殖炉/「シンもんじゅ」を目指せ/核燃サイクルは国の生命線だ 2016/9/18 6:00
http://www.sankei.com/column/news/160918/clm1609180002-n1.html
このままでは、国民からの税金を将来も100億円単位でどぶに捨て続けることになる。既に1兆円以上が投入されているにもかかわらず、稼働できないまま機器の点検漏れなど不手際のみが続く日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)である。
廃炉を視野に入れた検討が進むのは当然だ。遅きに失したといえる。ただし廃炉の議論では、もんじゅに代わる新たな高速増殖炉のビジョンが欠かせない。核燃料サイクルの前進につながるもんじゅの幕引きを、政府全体で検討すべきである。
≪前進のためにも廃炉を≫
もんじゅの廃炉を促す意見が政府内で強くなっている。原子力機構を所管する文部科学省は昨年、原子力規制委員会からもんじゅの運営を同機構以外の別組織に変更するよう求められていたが、未対応だ。このことも廃炉論の高まりの一因になっている。
もんじゅの存続を疑問視する声は以前からあった。平成7(1995)年のナトリウム漏れ事故とビデオ隠し以来、信用を失う事故や不手際が相次ぎ、ほとんど運転できていないためである。にもかかわらず、約20年間にわたって毎年、100億~200億円を空費しつつ、今日に至っている。民間企業ならとっくに倒産していたところだ。
それでも存続し得たのは、もんじゅが高速増殖炉の実用化を目指すための原子炉であるからだ。エネルギー資源に乏しい日本にとって、燃やした以上のプルトニウムを生み出す高速増殖炉は「夢の原子炉」とされ、そのための燃料生産に関わる再処理工場などとともに、核燃料サイクルの中核施設に位置づけられている。国の長期のエネルギー安全保障に不可欠の存在として、無為徒食のまま温存されてきた。
もんじゅを開発した旧動力炉・核燃料開発事業団と後身の原子力機構に、甘えと傲慢の構造があったことは否めない。これを放置した旧科学技術庁と文科省の責任も厳しく問われるべきである。原因の解明を怠れば、同根の失敗の繰り返しにつながろう。
もんじゅの存続を求める声もあるが、それには規制委の新規制基準をクリアすることが必要だ。大改修にはおそらく数千億円の巨費を要する。ようやく再稼働にこぎつけても運転の40年制限が目の前では意味がない。核燃料サイクルを軌道に乗せるためにも、もんじゅの廃炉は避けられない。
問題は「ポストもんじゅ」をどうするかだ。もんじゅは不要でも高速増殖炉と核燃料サイクルは必要不可欠である。
≪海外と地元に目配りを≫
今はウラン価格が安定し、油価も下がっているが、この状態が将来も続くと見るのは早計だ。核燃料サイクルによるウランの長期利用の実現が賢明な策である。
もんじゅより一段高い実証炉レベルの高速増殖炉建設を目指す道がある。それに応える技術者はいないのか。もんじゅが建設された80年代に比べ、素材もシミュレーション技術も隔世の進歩を遂げている。高速増殖炉の真価を発揮する新たな「シンもんじゅ」の開発を期待したい。
フランスが2030年ごろの稼働を目指す高速炉・ASTRIDの共同開発も選択肢の一つであろう。ナトリウムを使う高速増殖炉の開発は難しいという批判があるが、それは当たらない。ロシアでは高い稼働率で運転している。
もんじゅの今後についての議論には、国際的課題としての視点が必要だ。2年後に日米原子力協定の更新時期が迫っている。非核保有国の日本が、原発の使用済み燃料を再処理し、高速増殖炉などで使うプルトニウムを取り出せるのは、この協定があるためだ。
もんじゅの廃止を、核燃料サイクルからの撤退準備と米国が受け止めれば、日本のエネルギー政策の将来は根底から揺らぐ。廃炉だけが前面に出がちな議論は、極めて無防備で稚拙である。国内での議論の進め方にも問題が多く、気になるところだ。
もんじゅの地元の福井県や敦賀市は、蚊帳の外に近い状況に置かれている。建設時点から、多大な協力を惜しまなかった地元の人々を軽視するような対応では、真の原子力文化は育たない。(引用ここまで)
読売新聞 もんじゅ「廃炉」/核燃料サイクルを揺るがすな 2016/9/22 8:00
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20160921-OYT1T50093.html
核燃料サイクルは日本の原子力政策の要だ。頓挫させてはならない。
政府が、高速炉開発の方針を抜本的に見直すことを決めた。高速増殖炉「もんじゅ」については廃炉を含めて検討する。
電力会社やメーカーと「高速炉開発会議」を設けて議論し、年内に最終決定するという。
もんじゅが廃炉になれば、重大な政策変更である。原子力利用への影響を最小限に抑えるべきだ。
もんじゅが立地する福井県をはじめ関係自治体の意見も、十分に踏まえる必要がある。
見直しのきっかけは、もんじゅでトラブルが相次いだことだ。多数の機器で点検漏れなどが見つかった。所管の文部科学省に対し、原子力規制委員会は昨年11月、日本原子力研究開発機構とは別の運営組織を探すよう勧告した。文科省は、新法人設立を提案したが、首相官邸や経済産業省が、もんじゅの廃炉と新たな高速炉開発への移行を主張したため、調整が難航していた。
高速炉が実用化されれば、ウラン資源を有効活用できる。放射性廃棄物の減量にもつながる。新たな高速炉開発により、その歩みが確かになることが、もんじゅを廃炉にするための条件だろう。
経産省は、フランスが計画中の高速炉「ASTRID」に参画する案を提唱している。だが、まだ基本的な設計段階であり、実現性には不透明な面が多い。詳細設計や建設に課題はないのか。日本はどの程度の費用を分担するのか。独自の技術は取得できるのか。開発会議で注意深く検討することが肝要である。
これ以上、高速炉の開発が滞れば、日本の核燃料サイクル事業全体が、しぼみかねない。
原子力発電所の使用済み核燃料から、既に取り出したプルトニウム約48トンの消費が危うくなる。電力会社は、通常の原発で燃やすプルサーマルを進める方針だが、原発の再稼働は遅れている。
核兵器に転用可能なプルトニウムの保有量が減らないと、国際社会の視線は厳しくなろう。日本は非核兵器保有国では例外的に、日米原子力協定でプルトニウム利用を認められている。高速炉を実現する能力がないと判断されれば、協定維持は難しい。青森県にある日本原燃の再処理工場も稼働は不可能になる。各原発で、使用済み核燃料の行き場がなくなり、新たな燃料を入れられずに、運転が止まる。こうした事態は回避せねばならない。(引用ここまで)
本当に?ロシア、新型「高速増殖炉」で送電を開始―あの「もんじゅ」と同じ原理
インターネットコム編集部 2015/12/15 06:00
http://internetcom.jp/webtech/20151215/russian-nuclear-news.html
【追記 2015/12/15 10:00】
JAEAの広報課よりコメントが寄せられた。高速増殖炉開発関連部署に確認したところ、今回の送電網接続については、海外のニュースサイトを通じて認識しているのみで、ロシアの関連機関などからの情報は受けていない。このため信憑性、真実性について判断はできず、現時点で何らかのコメントをする立場にはないとのこと。JAEAも、BN-800の動向を見てはいるものの、目下は評価を差し控えるということらしい。(引用ここまで)
ロシア、「BN-800型」高速増殖炉の商用発電を開始・高速増殖炉の商用運転は世界初
Posted 9 months ago, by Oscar Stanley
http://business.newsln.jp/news/201512111255150000.html
核燃料技術 高速炉「BN-800」と日本のバイパック核燃料技術
http://spacenuclear.jp/nuclear/fuel2.html
核兵器用のプルトニウムと高濃縮ウランの原子炉への転用 07-02-01-08
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=07-02-01-08
揺れる高速増殖炉もんじゅの行方について
「超優秀な核兵器材料が手に入るということで、どうしても動かさなければいけないのです」
~第64回小出裕章ジャーナル 2013年3月28日〜4月4日
http://www.rafjp.org/koidejournal/no64/
22年で250日間しか稼働せず、1兆2千億円。廃炉される「もんじゅ」驚きの数字たち
核燃料サイクルを担う「夢の原子炉」の行方は。
posted on 2016/09/21 12:15
https://www.buzzfeed.com/kotahatachi/shin-monju?utm_term=.qkBQlyJgR3#.pfeM7LbmxQ
放射性廃棄物を地中に埋める期間:10万年
原発で出た核のごみ(放射性廃棄物)は、地下深くに埋める「地層処分」をする必要がある。政府は先月末、原発を廃炉した場合に出た廃棄物のうち、制御棒などの処分方針を決めた。地下70メートルより深いところに埋め、最初の3〜400年間は電力会社が管理をする。その後は国が10万年間、掘削を制限するという。使用済み燃料を再処理した時に出る高レベルの廃棄物も、地下300メートルより深いところに、やはり10万年間埋めることになっている。候補先は、まだ決まっていない。(引用ここまで)