迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

小説「入学式」

2008-10-10 15:42:36 | 戯作
近江章彦(おうみ あきひこ)先輩に初めて逢ったのは四月十二日の入学式―そう、高校生活初日のこと。 校舎の玄関前に設けられた“新入生受付”で自分の名前を告げて名簿にチェックしてもらうと、その周りに立っている先輩の生徒たちが、新入生の一人一人の胸に、「祝 入学」と刷られた紅白のリボンの花を付けてくれる。 「はい、いいかな?」 そう言いながら傍にやって来た生徒に、 え…? と、自分の目を疑った。 . . . 本文を読む
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