迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

盤渉を凌ぎ味はふ三つの味。

2024-07-16 21:44:00 | 浮世見聞記
昼から雨は本降りとなり、散歩に出ることも叶はず。

雨とその音にはなんら風情を感じぬ我なれば、せめてあの音くらゐは消さんと、かなり久しぶりに三味線を引っ張り出して、しばし時刻(とき)を忘るる。



大昔に、誰かがおのれを棚に上げて「ヘタの橫好き」などと評したままの技量(うで)なれど、今では好きでやってゐることゆゑ、誰憚ることもありゃしねェ。


かつて人に頼んで手に入れた、いまは亡き人間國寶自筆の譜が、そのまま私の寶物。



糸を彈いてそのこゑを、偲びて仰がん盆の月。








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