「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            関心のない北京五輪

2008-08-05 05:17:48 | Weblog
3日後に迫った北京五輪だが、馬齢を重ねたせいか、あまり関心がわかない。1964年
の東京五輪は無論だが、戦後日本が初めて参加した1952年のロンドン大会から前回の
アテネ大会までこんな経験はない、576人もの大代表団を送り込み隣国での開催だとい
うのにおかしい。どうしたことなのだろうかー。

物事に関心が薄くなった老人だけの特異現象かと思ったら、若い人も意外に覚めている。
五輪を前にウイグル新疆自治区で暴動が起きたりすると、果たして無事に開催できるのか
ーその方面への関心はあるが、スポーツそのもへの関心は薄いようだ。

もう一つ無関心な原因は、日本人の中国嫌いが影響しているかもしれない。新華社通信
発行の「瞭望東方週刊」が7月に日中関係の評価について面接調査したところ"好い”と
答えた日本人は36%、逆に"悪い”と答えたのが半分以上、57%もあった。この5月に胡錦
涛主席が来日し、福田総理との間に「戦略的関係の包括的推進」を両国間で謳いあげた
のにもかかわらずである。

国民の反応は正直だ。いくら首脳が友好を言っても、毒入りギョーザが未解決、チベット暴
動に続く長野の聖火リレーの無礼さ、また大気汚染のすさまじさを知っては、あえて”火中
に栗を拾い”に旅行はしないだろう。旅行各社の調査では、この夏休みの中国各地への
旅行は前年比36%減だという。普通なら五輪があれば、人気が上がるものなのだが。