「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          戦争 宗教心の喪失

2008-08-14 05:10:31 | Weblog
昨日の僕の日記の備考欄に”月おくれのお盆、迎え火”と書いてあった。が
"月おくれ”といっても今、新暦の7月にお盆の行事をするのは東京の区部と
札幌ぐらいではないだろうかー。全国ほとんどの地では、旧暦でお盆をしてい
る。迎え火の習慣はどうなのだろうかー。東京でも昔は迎え火をしていたが、
最近はもうほとんどみられなくなった。

「8月15日」は"月おくれ”のお盆の最中だったが、東京の人間にはお盆と結
びつける思考はない。でもこの季節は戦争でなくなった戦没者の霊に想いを
はす。昨日のNHKラジオ「深夜便」の早朝番組(午前4時)”心の時代”で西部
ニューギニア(インドネシア)の激戦地マノクワりから九死に一生をえて生還した
93歳の方の戦争体験が語られていた。

敵との戦闘というよりも飢餓との戦いで,戦友たちがバタバタ倒れる中でこの方
は"神も仏もあるものか"と思ったそうだ。子供だった僕もそう思った。この戦争
は最後には「神風」が吹いて勝利すると固く信じていたからだ。従軍世代から僕ら
の世代の中には戦後もこの影響で無神論者が多い。多分、昔からの仏事や神
事が戦後消えたり、失われてきているのは多少この影響かも知れない。

最後に僕がこの生還者に共鳴したのはこの言葉だ。"神や仏は依存するものでは
ない。最後に頼れるのは自分だけだ。しかし、神仏への尊崇心を失ってはいけない。
今の世の乱れは、この尊崇心の喪失からきている”人生の先達として理解できる。