「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       シーファー駐日米大使の原爆暴言

2008-08-06 05:09:17 | Weblog
シーファー駐日米大使が先日、九州の宗像市で開かれた「日本の次世代リーダー
養成塾」(日本経団連主催)の席上、原爆投下について”戦争終結を早めるために
必要だった」と発言した(西日本新聞社)。発言の背景その他はっきりしない点もあ
るが、かって大使は慰安婦問題について”強制売春”だと批判したこともあり、日本
の近代史について勉強不足で偏見の持主だ。

欧米の雑誌新聞を読んでいると、シーファー大使と同じような原爆観が最近めだつ
ようになってきた。オランダの国立戦争資料館が発行している文書にも、在米の日
系学者(女性)が”日本人は原爆被害者意識だけで、原爆投下によって数千万人の
人命が救われた事実を認識していない」という暴言を書いている。どうも欧米の教育
では、このような原爆観が主流なのかもしれない。シーファー大使は、これを日本の
若者にも広めようとしている伝道師だ。

きょう6日は63年目の広島原爆忌である。被爆者の平均年齢は75歳と高齢化してき
ている。原爆体験者が少なくなってきている。数日前NHKラジオの「深夜便」で被爆の
語り部の方の話を聞いた。改めてなまなましい体験を聞き、核兵器絶滅を目標とする
わが国の平和運動の必要性を認識した。今年の記念忌には世界の55か国の代表が
参席、中国らも在神戸総領事が、五輪を意識してか初めて顔を出した。顔を出すだけ
まだ好い。26万人の無辜の市民を一瞬にして殺害した,当の米国は式に参席するど
ころか謝罪も反省もなく。逆に国際法に反する自己の行為を正当化しようとしている。

10数年前のことだ。社会党の村山富市首相と土井たか子衆議院議長がそれぞれ現職
時にシンガポールの華僑慰霊塔に参拝、献花した。歴代の米国の大統領が広島、長崎
を訪れた記憶はない。訪問できないのには彼らにまだ罪の一片があるのかもしれない。