「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       "心と心の外交”を! 福田総理

2008-08-18 04:55:56 | Weblog
東京タワーに近い古刹、青松寺の境内にインドネシア独立の父、スカルノ(初代
大統領)が二人の日本人に当て揮毫した顕彰碑がある。碑には「市来辰夫と吉
住留五郎君へ。独立は一民族のものならず全人類のものなり」と書かれてある。

きのう17日はインドネシア共和国の63回目の独立記念日である。招かれて僕は
早朝8時から東京五反田の駐日大使公邸の庭で開かれた式典に列席した。式典
は昭和20年8月17日午前10時(日本軍政時間=当時)ジャカルタのスカルノ邸で
行われた独立宣言当日を模して毎年行われている。

ASEAN諸国を対象に実施される世論調査では、いつもインドネシアが一番の親日
国である。わが国のODA援助の総額もインドネシアがトップである。ところが、ここ
数年、両国関係に”かげり”が出てきている。日本の対インドネシア投資額は、世
界で五指に入っていない。在留日本人の数も1万人を割り込んだ。

きのうの式典でも日本人の列席者も、かってに比べてその数は減ってきている。福
田総理が会長の日本インドネシア協会からは一人も参加がない。福田総理の厳父,
赳夫氏がASEAN外交の基軸としてインドネシアとの"心と心の”外交を説いていた頃
は、数十人の日本人が式に列席していた。

インドネシア側は、きのう列席した日本人の従軍体験者に対して、真っ先に”ナシ・クニ
ン”(サフランの黄色のご飯のご馳走)を大使自身の手で遇した。これこそが”心と心”
の外交だ。”他人の嫌がることは”-と気を配るのもよいが、アジアで最大の親日国の
独立式典に自ら会長を務める協会から一人も列席しないのはどんなものかー。とくに
今年は両国の国交樹立50周年の節目の年なのである。