「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       ロシア軍の猛攻 歴史は繰り返す

2008-08-10 05:42:16 | Weblog
「露、グルジアに猛攻」と新聞が大きな活字で伝えている。これを見て63年前の、
昭和20年8月9日、ソ連(当時)軍が突如、日ソ中立条約をホゴにしてわが国に
宣戦布告をしてきたのを想い出した人が多いに違いない。僕もその一人だ。ソ
連は、この”火事場泥棒”的な開戦で、いまなおわが国固有の領土である、北
方四島を占領したまま返さない。

昭和20年8月9日の亡父の日記は次のように書いている。「午前10時半、大東亜
省に寄って出勤、昼食そこそこに帝国ホテルでの岡崎勝男氏(外務省調査局長
戦後外相)の講演会に行き、席上、日ソの開戦を知る。容易ならざる事態の発生
に憂鬱の気に閉ざされる」 ソ連の布告は日本時間8日午後11時だから、岡崎氏
の講演は布告から半日ぐらいだ。そして、ちょうどこの講演の頃、長崎に原爆が投
下されていた。(9日午前11時2分)

それから二日後の亡父の日記(11日)には「けふも昨日に引続き不快な情報を聞
く」と書いてある。不快な情報とは敗戦であろう。広島に続き長崎に原爆が投下さ
れれば日本はポツダム宣言を受諾するだろうというソ連の巧妙な判断だ。事実
その通り、大本営は10日、ポツダム宣言受諾を決めた。ソ連は長崎原爆投下の10
数時間前を狙って宣戦を布告して”火事場泥棒”を働いた。

昨年も小ブログ(8月9日)は、ソ連の”火事場泥棒”的な行動に触れた。しかし、平和
ボケして、さきのサミットでも「領土問題」にも触れられない政治家への警告として
再度ブログした次第。