「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        "加油”! 都会の子供たち

2008-08-11 05:21:29 | Weblog
昨日の朝、家の周りで初めて油蝉の鳴声を聞いた。猛暑続きで地上へ出るのを
ためらっていたのだろうか。普段の年より10日は遅い。昔、僕らが子供だった戦前
の東京では、7月夏休みが始まる頃には、もうにいにい蝉が鳴いていた気がする
がー。ここ数年来、にいにい蝉の鳴声など聞いたことがない。初鳴きの油蝉の声は
かぼそく未熟だ。老妻がカラスと聞きまちがうほど元気がない。

早朝のラジオ体操の会場にはまだ多少緑が残っている。が、ここでも例年に比較す
ると、蝉の合唱はおとなしい。蝉だけでなく夏休みの子供たちの参加者も少ない。そ
れも7割から8割は女の子だ。男の子はどうしたのか?中には親に連れられて仕方な
さそうに来る子もいる。僕ら元気な戦争中の小国民からみると、今の子供たちの体操
は、まるで手足がぐにゃぐにゃしていて蛸踊りだ。

会場に来ている犬まで元気がない。老犬なのかもしれないが、座ったまま舌を出して
あえいでいる。早く家に帰りたいのか、体操の音楽が終わと同時に飼主のほうへ駆け
よってゆく。元気なのはお年寄りと会場の土の上を働きまわる蟻たちだけだ。

北京五輪の日本人選手の活躍も今のところ、あまり元気がない。"頑張れ”というのを
中国語で”加油”というのだそうだ。都会のラジオ体操会場の子供たちをみて、思わず
”加油”と叫びたくなる。塾通いもよいが、せめて夏休みぐらい,想い出づくりに自由に
遊ばさせてやろう。