昨日の朝、家の周りで初めて油蝉の鳴声を聞いた。猛暑続きで地上へ出るのを
ためらっていたのだろうか。普段の年より10日は遅い。昔、僕らが子供だった戦前
の東京では、7月夏休みが始まる頃には、もうにいにい蝉が鳴いていた気がする
がー。ここ数年来、にいにい蝉の鳴声など聞いたことがない。初鳴きの油蝉の声は
かぼそく未熟だ。老妻がカラスと聞きまちがうほど元気がない。
早朝のラジオ体操の会場にはまだ多少緑が残っている。が、ここでも例年に比較す
ると、蝉の合唱はおとなしい。蝉だけでなく夏休みの子供たちの参加者も少ない。そ
れも7割から8割は女の子だ。男の子はどうしたのか?中には親に連れられて仕方な
さそうに来る子もいる。僕ら元気な戦争中の小国民からみると、今の子供たちの体操
は、まるで手足がぐにゃぐにゃしていて蛸踊りだ。
会場に来ている犬まで元気がない。老犬なのかもしれないが、座ったまま舌を出して
あえいでいる。早く家に帰りたいのか、体操の音楽が終わと同時に飼主のほうへ駆け
よってゆく。元気なのはお年寄りと会場の土の上を働きまわる蟻たちだけだ。
北京五輪の日本人選手の活躍も今のところ、あまり元気がない。"頑張れ”というのを
中国語で”加油”というのだそうだ。都会のラジオ体操会場の子供たちをみて、思わず
”加油”と叫びたくなる。塾通いもよいが、せめて夏休みぐらい,想い出づくりに自由に
遊ばさせてやろう。
ためらっていたのだろうか。普段の年より10日は遅い。昔、僕らが子供だった戦前
の東京では、7月夏休みが始まる頃には、もうにいにい蝉が鳴いていた気がする
がー。ここ数年来、にいにい蝉の鳴声など聞いたことがない。初鳴きの油蝉の声は
かぼそく未熟だ。老妻がカラスと聞きまちがうほど元気がない。
早朝のラジオ体操の会場にはまだ多少緑が残っている。が、ここでも例年に比較す
ると、蝉の合唱はおとなしい。蝉だけでなく夏休みの子供たちの参加者も少ない。そ
れも7割から8割は女の子だ。男の子はどうしたのか?中には親に連れられて仕方な
さそうに来る子もいる。僕ら元気な戦争中の小国民からみると、今の子供たちの体操
は、まるで手足がぐにゃぐにゃしていて蛸踊りだ。
会場に来ている犬まで元気がない。老犬なのかもしれないが、座ったまま舌を出して
あえいでいる。早く家に帰りたいのか、体操の音楽が終わと同時に飼主のほうへ駆け
よってゆく。元気なのはお年寄りと会場の土の上を働きまわる蟻たちだけだ。
北京五輪の日本人選手の活躍も今のところ、あまり元気がない。"頑張れ”というのを
中国語で”加油”というのだそうだ。都会のラジオ体操会場の子供たちをみて、思わず
”加油”と叫びたくなる。塾通いもよいが、せめて夏休みぐらい,想い出づくりに自由に
遊ばさせてやろう。