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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

              若年層失業率の高どまり

2013-03-22 06:17:17 | Weblog
文科省と厚労省の発表によると、今春大学卒業の就職内定率(2月1日)は81.7%で前年同期に比べて1.2%ポイント上回り、2年連続改善されている。再来春大学卒業予定の孫を持つ僕にとっては歓迎できる傾向だ。これもアベノミクスの余恵なのだろうか。しかし、気になるのは依然として若年層の失業率が10%と高止まりしていることだ。

先日スペイン協会の集まり「ドンキホーテ」の会で頂いた最近のスペインの経済統計によると、スペインの完全失業率(1月)は26.2%と高く、中でも25歳以下の若年層の失業率は55.5%とずば抜けて高い。スペインでは若者の半分以上が仕事がなく遊んでいるわけだ。これに比べれば、わが国は10%前後と低い。しかし、会に出席していた会員の一人によれば、統計の取り方の違いによるもので、日本でもニートで時々アルバイトで仕事をしたり、非正規就労者を”失業者”に入れれば、スペインと同じような状況だそうだ。

専門家でないのでよく解らないが、たまに地方の町に行くと、シャッターの閉じている駅前商店街とブラブラしている若者の姿が目立つ。定職についている若者も福祉関係の介護や看護の仕事である。産業構造の変化で地方では昔のように仕事がなくなってきた。しかし、小規模ながら親が農業をやっているので、食べるだけは食べられるのだ。スペインでも仕事のない若者の多くは親と同居しているとのことだ。

TPP参加で最大の問題の一つは農業問題である。安倍総理は”攻めの農業”を主張しているが、具体的に何をしようとしているのか。全国に職業訓練校があるが、同じような農業訓練校を設置し、遊んでいる若者を無料で一定期間訓練させたらどうだろうか。いずれにせよ、安倍総理が描いている”美しい昔の農村”的な経営ではTPPの荒波には対抗できない。