「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

             「3月30日の日曜日」の時代

2013-03-31 06:25:08 | Weblog
44年前の1969年(昭和44年)3月30日の日曜日、パリのベトナム和平会議の会場から200m離れた路上で、フランシーヌ.コンテさんというフランス人女子学生がベトナム戦争とビアフラ(ナイジェリア)内戦に抗議してシンナーにガソリンをかけ焼身自殺した。

この焼身自殺は当時世界中に大きな衝撃を与えた。日本でもセンセーショナルに報道され、事件から僅か2か月後の6月、べ平連(ベトナム反戦平和市民運動)に共鳴していた、いずみたくが作詞し、郷伍郎が作曲した「フランシーヌの場合」が発表され、反戦歌手の新谷のりこが歌い大ヒットした。

1969年という年は1月、東大安田講堂を占拠していた学生たちが排除されるなど大学紛争が激化し、同時にベトナム反戦運動が全国的に燃え上がりをみせていた。東京では毎週週末の土曜日になると、数千人規模の学生を中心にした若者たちが新宿駅西口広場に集まって反戦フォークを歌うなど気勢をあげた。

最大の盛り上がりをみせたのは4月28日の「沖縄デー」であった。70年安保改定を前に沖縄の全面返還を求めて社会党などの左翼勢力が全国的なデモを呼びかけた。東京でも各地でデモ隊と機動隊が衝突、一時的だが電車が止まるなど、この日だけで千人に近い逮捕者を出す大騒ぎになった。

今年の4月28日、政府は1952年サンフランシスコ条約が発効し主権が回復した日を祝って政府主催の式典を行う。「3月30日の日曜日」の時代、「沖縄デー」の騒ぎを知っている世代の一人としては感無量である。