バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

PWSだけ じゃなく

2017年06月13日 | 小さなPWS児のパパ&ママのために
もうだいぶ日にちが過ぎてしまったけど、先日ある講演会に出かけた。
テーマは「PWSに特化したグループホームについて」ってことなので、意気込んで参加したんだけど
蓋を開けてみたら...
”まずは地域の、普通のグループホームを考えてみたらいいんじゃないでしょうか?”って話だったので
正直ビックリ。

講師の方は、福祉のプロでグループホームの経営には詳しくていらっしゃるようだったけど
PWSについては 特別詳しいわけでもない というか、むしろあまりご存知ないようにも見受けられた。

だから ”なぜPWSの保護者がPWS専用のグループホームを望んでいるのか。”
それは ”PWSならではの食の管理が不可欠だから。”ということも理解されていなかったのだろう と思えた。

うーん、主催者の考えとは明らかに違うはず。
どこでどう行き違ったのだろう...。(すり合わせとかしないのだろか?


でも、そこには 元々お医者さんで、しかも長年PWS患者を診察されてきたという方で
今は国会議員 という先生も見えていていたのだけど
その方もご挨拶された時に「普通のグループホームでいいのでは。」とおっしゃっていた。
PWSをよくご存知のはず なのにね。
講師の方を慮っての発言なのかな? と思ったり。


で、まぁ 期待していた”PWSに特化したグループホームの話”が まったく聞けることなく終わり
それはとても残念に感じていたのだけど。



でも、その後ベテラン先輩ママさんとメールでやり取りしていて、その話になった時

「PWS用のGHができたら、確かにいいと思う。
 でも、日本ではなかなか(認可の問題や 経営的なことも含めて)難しそう。
 状態の良いお子さんは、普通のGHでもやっていけてると聞いているから
 まずは自分の子どもをそういう風に育てることを目指すべきでしょうね。」

と言われて、それはそれで納得してした私がいたのだった。


PWSだけのグループホームがいいのか、どうなのか。
正直言うと 今の私にはわからない。

たぶん、今のバンビなら 普通のグループホームでもやっていけそうな気がするんだよね。
食に関してはもちろん管理が必要だけど、私がやっているのと同じように支援者さんがフォローしてくれるなら
なんとかなりそうに思える。

むしろ、冷蔵庫に鍵を掛けたりして、必要以上に(あくまでバンビにとってだけど)食を管理して
食べてはいけないと逆に意識させたり、食欲を刺激させてしまうことの方が
ストレスを生じさせてトラブルになりそうなんだよなー。


まぁ、もちろん 実際にグループホームに入る時点でどうなっているかは 今はわかならいのだけど。



思うに、学校を考えたらどうだろう?
もし PWS児だけのクラスがあったとしたら...。

確かに給食の量や、運動や居眠りや勉強のこと。みんな似たようなカンジだから 楽かもしれないけど
うーん、私としては それはイヤかもなぁ~。

今の支援学級には、ダウン症、自閉症、軽度発達障害、場面緘黙 etc. いろんな子がいて
太っている、食が細い、偏食で食べられない。喋りすぎ、話せない。
運動が得意、でもじっとしているのは苦手。数学が得意、でも読み書きは苦手。 とか、これまたいろんな子がいて。


そういう中で、自己認識を深め、自己を受容していけるようになるし
それができて他人を受け入れることもできるようになるんじゃないかな。

いろんな人がいる。それが社会 だからねぇ。

バンビも 今 運動ができる先輩に憧れたり、口うるさい下級生に負けたくなくて頑張ってたり
いろんな子がいるから、毎日楽しく学校に通って、そして彼なりに日々成長しているわけで。 



うーん、まだ子どもが小さいうちは、PWSの子しか見てないけど
これが療育に行き出し、他の障害児とその親達と出会い
幼稚園や保育園に通うようになって、健常児とその親たちとの関りもできる。
PWSは障害としては中度くらいの人が多いけど
学校や地域の福祉を通じて 重度や軽度の障害児の保護者との関りも増えてくる。

そうやって社会が広がって初めて 見えてくること、わかるようになること ってたくさんあると思うんだよね。
私自身がそうだったもん。

で、そうなってくると、PWSのバンビ という意識は薄れてきて
”PWSなんだから!”じゃなくて、”PWSだけど(それが何か?)”みたいな?

 
そして ”地域でどう生きるか。この子をどう活かすか。”
それを考えるようになってくるんじゃないかな。


同年代のPWS児のママ達で話すと 割とそんなカンジなんだよね~。
(時が経つと、親もそれなりにタフになり、いろいろ緩くもなってきちゃう っていうのかなー。)


まぁ、そうは言っても この先もし過食や盗食で悩まされるようになったら
やっぱり専用グループホームが必要 って思うようになるかもしれないし
こればっかりは 私もわからないけど。

でも、私がこの子を見守っていてやれる間は、そうならないように育ててやるぞ! っていう
意気込みだけは忘れないでおこう と今は思ってるんだよね。

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親として意識していること(食について)

2017年03月23日 | 小さなPWS児のパパ&ママのために
先日、”小さなころから気を付けていたことがあったら教えてください。”というコメントをいただいて
いろいろ考えていたのだけど...。
なかなか この14年をまとめるのは難しい。


ただ、私自身は PWSに対して本当に気をつけるべきことは「食の管理」よりも
むしろ「心の満足」なんじゃないか と、ずーっと思ってきていて
もちろん、エビデンス(医学的根拠)は何もないですが。

PWSだから 直に食の問題に陥るというより(もちろんそれもあるんだろうけど)
それより ストレスとかメンタルに不安定さをもたらす要素があると
それが食の問題に結びつきやすい と言ったらいいのかなぁ。

だから、我が家はあんまりガチガチに カロリーコントロールはやってないです。
もちろん、糖質・脂質は控えめにしてるつもりだし、量にも気をつけてはいるけどね。
(何もしてないわけではないです。)

でも、「あなたは食べられない。」とか「食べてはいけない。」と言うことは
むしろ しないようにしている。
「太っちゃったらカッコ悪いもんね。シュッっとした素敵なお兄さん 目指そうね。」という流れで
「食べ過ぎると 太るんじゃない?」とは言うけどね。

だから ”食べたら運動しよー!!” これに尽きる。
小さい頃から 運動するのが好きな子に育てようと そこは機会をたくさん与えてきたつもり。
スイミング、ゴルフ、バスケ、フロアホッケー... いろいろやらせるのは親も大変だけど
でも大変なのは子供のうちだけで、今は一人で通えるようになってきてるし
支援してくださる方もいるし。

ちなみに、余暇に楽しめることがあるのは 精神的安定のためにも非常に大事だと 私は思ってる。


しつこいようですが、私の方針としては
食を否定しない。
食べることは楽しいこと、おいしいものを食べるのは幸せなこと。
そういう気持ちで 日々を生きている。

ほんのちょっとの量でも、「わぁ、たくさんあるねぇ。いいねぇ。おいしいねぇ。」って言ってると
バンビもなんだか満足するようで。

「今日 給食で〇〇が出て、おかわりしちゃった。」(実際は 先生にお願いしてほんの少しだけなんだけど)
「へぇ、おいしそうだね、いいねぇ。お母さんも食べたいなぁ。」
そんな会話を毎日のようにしています。


普通に食べることを大事にしているのは
いつまでも 親が彼の食を管理することはできないから でもある。

家での食事はともかく、外食する時
最初はもちろん私とシェアして食べてたけど
そのうち バンビが食べるものを親が決める → 相談して決める → 本人の決定を見守る(ダメ出しはする) に
徐々に移行してきてるかな。

マックに行ったら、ポテトじゃなくてサラダのセットにして、先にサラダから食べる。
ファミレスに行ったら、ドリンクバーは 好きなもの1杯だけ、後はお茶のみお代わりOK。
料理は 好きなものを食べてもいいけど、太りそうなものはやめよう。
おやつにコンビニで買って食べていいのは、大体これくらい。

こういうのを何度も何度も経験して、自分にとっての許容範囲はこれくらい っていうのを身につけさせて
少しずつ 自分でやらせていく。

自分で自分の食べたいものを選んで食べる って、誰にとってもすごい嬉しいことだよね。
逆にそれができないのはすごいストレスじゃない?

それに、常に食を気にしてるのって 親にとってもすごいストレスだと思う。
私は 自分自身が楽に、おおらかにいられる状態こそが、子どもにとってもいいのではと思ってる。
(単に ゆるい食生活の言い訳にすぎないけど。)


もちろん カロリーコントロールをして、太らないものを食べさせて ってことに頑張るのを否定するつもりはないです。
その家庭、家庭での方針があって、何を選ぶかは自由だし。
だから、これはあくまでも、バンビの親である私の方針。


ただ、PWSにとって 食のコントロールは一生の課題だから。
子どもが小さいうちにしかできない とか、親が生きているうちにしかできない とかいうやり方じゃなくて
本人が 自分の生き方として無理なく受容できるやり方を 長い目で見て考えて取り入れていくのがいいのでは と思うんだよね。

もちろん、うちも今は まぁなんとかいいカンジで来てるけど
ある日突然状態が変わるかもしれないし、それがPWSだ と覚悟もしています。


参考になるかどうかは わからないけど、とりあえず食についてはこんなところで。

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オランダへようこそ(再掲)

2016年09月21日 | 小さなPWS児のパパ&ママのために
まだバンビが小さくて、発語がないことに悩んでいた頃
ネットでマカトンとか絵カードについて調べていて、ダリママさんという方の「絵カードのおうち」というサイトにたどり着いたんだよね...。

そのサイトに載っていた「オランダへようこそ」という詩を読んで、涙が止まらなかった。

元は ダウン症児のお母さん、エミリー・パール・キングスレーさんが1987年に書いた文章なんだそうで
最近は いろんな英訳がアップされているのを見るけど
私はこのダリママさんの超訳と追記が好きで(勝手にリンクも貼ってるけど)改めて紹介したいと思います。

→ オランダへようこそ!

原文を読みたい方はこちらのななめさんのブログをご参照 → ゆっくり・のんびり ~ダウン症児の子育て日記~


我が子の障害を受容する。
それは 親にとって最初の、そして最大のハードルなんじゃないかと思う。

なんで私が... なんでこの子が...
何がいけなかったの? どうしたらいいの?

答えのない問いを繰り返し そのループからなかなか抜け出せない。みんなそうだよね。

オランダの良さに気付いても
イタリアへ行くはずだったのに。 あぁ、ここがイタリアだったら。
その気持ちは なかなか消せない...。

それでも、まぁ時が経てば 親も強く、たくましくなって
最終的には「住めば都」に落ち着くものですが。


新しいママ・パパに伝わればいいな と思ってます。

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情報は武器にも檻にもなる という話

2016年06月07日 | 小さなPWS児のパパ&ママのために
私は今 親の会の役員をしていて、一応オフィシャルな立場があり
このブログはプライベートなもので、だから今はあえて会の活動については書かないつもりでいるのだけど。

ただ最近、生まれて間もないPWSの親御さんとの接点がいくつかあったり
先日 なんと40以上(赤ちゃんも入れたら90人以上)のPWSの当事者&家族が一堂に介する機会もあり
そんな中で感じたことなんかをちょっと書いてみたいと思います。



バンビが生まれて、私が会に入った頃 先輩ママさんに
「今のお母さん達は情報がいっぱいあってうらやましい面もあるけど、逆に振り回されて気の毒にも思う。」と言われたことが
一度ならず(一人ならずかな) あった。

まぁ、当時は情報がいっぱいと言っても、やっとホームページが医療関係・個人でちらほらできてたくらいで
親の会も協会もまだホームページはなかったと思う。

でも、それを聞いた時 私は正直言って「そりゃ時代が違うしなー。」と思っていた。
何もわからない暗闇の中にいきなり突き落とされたような親にとって、情報は道の先を照らす灯だもんね。
あるに越したことがない そう信じてた。
もちろん、その気持ちは今も変わってはいない。


で、それから10数年の時が流れて、今やPWSに関するブログはたくさん見受けられるし
保護者同士がSNSで簡単につながれるようになった。

もちろん、それはそれでいいこともたくさんあるだろうね。
でも 今、私は思うんだよねー。
「今のママ達は(自分も含めてだけど)情報に振り回されて大変だなぁ。」って。



最初は誰でも情報がほしい。
情報は我が子を守る武器になるから。
でも、それは我が子や親である自分を縛る足かせにもなりうるんだよね。
時には情報が刃となって、傷つけられることだってある...。

我が子のために良かれと思われることは何でもトライしてみたい。それが親心。
でも 特に医療関係の情報は 日々進化していく。
昨日正しいと言われていたことが、今日もそうだとは限らない。
今 良さそうだと言われていることも、本当に結果が出るには長い時間がかかることもあるし。

それと、そもそもブログやFacebookに書いてあることは、ここもそうだけど 個人の私見でしかないんだよね。
あくまで1サンプルとして の話。

何かの本に書いてあった とか、どこそこ病院のDr.が言ってた とか、講演会で聴いた etc
そんな一見オフィシャルっぽい内容だって、個人のバイアスがかかることもある。

それに例えDr.の言うことだって、人によって考えが違って治療方針ってそれぞれで
もちろん 患者も状態はそれぞれだから、Aさんに合うことが 必ずしもBさんにも当てはまるとは限らないと思う。

発信はいくらでもやってもらいたいし、私自身も今後も続けていくつもりだけど
受け取る側は そういう前提踏まえた上でにしないとね。
何もかも頭から鵜呑みにしないで、情報を吟味してもらえたらいいんじゃないかな。



例えば、成長ホルモンについては 早期に投与した方が有効であるとされて今はどんどん低年齢化しているようだけど
私自身は 慎重派。

バンビはずっと身長が高かったから始めたのは9歳とかなり遅かったけど、今13歳で150cm近いし肥満もしてない。
GH始めると身体つきが変わるって話も聞いたけど、うちは既に身体できあがってたせいか特にそんな実感もないままにいる。


それより、成長ホルモンは薬だから当然副作用の可能性は0じゃないんだよね。
よく「成長ホルモンは本来身体の中で作られるものだから心配ない。」って話を聞かされると思うけど
GH自体はそうでも、それを溶かしている薬剤(メーカーによって多少違うらしい)も体内に入るわけで。
バンビは一度肝臓の数値が上がって、一時期注射をするのを控えていたことがあるんだけど
その時初めて私は GHの副作用で肝臓に影響することがあるのを知ったんだよね。
始める時聞いたのは 側弯のことと、あと糖尿病や睡眠時無呼吸症候群だとできない くらいの説明だったのに。

さらにバンビが心臓手術の後、GHを再開したら蕁麻疹が出て、紅斑みたいになったことは前に書いたけど
これもその時初めて担当医に”一時的に抵抗力が落ちてる時にそういう溶剤に反応して副作用として出ることは考えられる。”って言われて
薬剤についてる説明書の副作用の欄を改めてじっくり読んだんだけど、過敏症として紅斑のことも書いてあってびっくり。

もちろん、今投与している子達の担当医は そういうことも踏まえた上でちゃんと検査して数値を見ながら処方しているんだろうから
いたずらに副作用を恐れる必要はぜんぜんないと思うけど
ただ、親としてはそういう副作用があることも知っておいた方がいいんじゃないかと”私自身の体験から私は思う。”という話。


だから正直言うと、今は0歳のうちから0.1mlスタートで投与 って話を聞くと 私的には ???
いや、もちろん私は素人だからわからないけどね。

さらに 小児慢性疾患の制度を利用するには-2HDという身長の制限があるから
栄養の量を一時的に制限して身長の伸びを抑えてGHを始める というケースがあると聞いてびっくり。
何とも言えない気持ちになる...。

でも、月齢の近い子が始めたらうちも って思っちゃうのが人情だろうし
今はみんながつながってるから そういう情報ってすぐ入ってくるんだろうし。

わかるんだけどねー。
良いと言われたら やらせたいと思うよね、誰だって。

でも、何が正解なんて誰にもわからない。答えが出るのはもっと後の話かもしれないんだもん。
1つの情報だけで判断しないで、よく調べてじっくり考えることが必要かも。



先輩ママさん達は GHはおろか、まだプラダーウィリー症候群という病名さえ知らされることなく子育てをして
何だろう? 何かおかしい。 そう思いながら不安や心配を抱えて過ごされてきたんだろうと思う。
でも、知らないからこそその時は平和だったかもしれない。
ただ目の前の我が子と向き合って かわいい、愛おしいと思って夢中で育ててきた という話をよく耳にする。

”他の子と比べて”はあったかもしれないけど、”他のPWSの子と比べて”はきっとないままにいただろう。
だから、うちもあれをしなきゃ、これをやらなきゃ って煽られるような気持ちになることはなかったのかも。


そういう私も KUM@Nやってる子がいると聞けば、バンビにもやらせた方がいいだろうか と悩み
ポニーがいいと聞けばやらせようかと思い
いちいち 焦って右往左往してきた過去がある。(いや、いまだに かもしれない。)

他の子には良くてもバンビに合うとは限らないし、環境が揃わない場合もあるし
無理して疲れる必要なんてどこにもないのにね。

知らなければ逆に平和なのに、耳に入るから気になってくる。
もちろん良い情報は共有できればありがたいけど
取捨選択ができないのに膨大な情報が流れ込んでくることはリスクも伴う。


この前も先輩ママさんに
今の子ども達はみんな肥満する病気なんて嘘みたいに細いけど、ちゃんと食べてるのかな。
親が過食を気にするあまり、食事を制限しすぎてないか心配になる。
身体を作り、脳が発達する大切な時期に栄養を制限することのリスクもわかってるならいいんだけど...。
と言われた。

PWS児をたくさん見てきてる先輩ママさんによると
小さいうちからGHを打ってるのに、結構年齢が進んでも独歩ができないお子さんが昔より増えているような気がする という話だった。
まぁそれはあくまでその方の印象だから、医学的裏付けはない話だけどね。



あと、今はネットで検索すれば情報はすぐ手に入るし、知恵袋じゃないけど聞けば見ず知らずの他人が親切に教えてくれる。

もちろん、それはすごく良いことでもあるし、だからどんどん聞いてもらって構わないし
私も聞かれたら わかることはいくらでも答えるけど
ただ、何度も言うけど、バンビに合うことが他の子にも当てはまるとは限らないんだよね。
私は何の専門家でもないから 答えることはあくまでも”うちの場合は”の話だし。

あとね、我が子と向き合って、自分の子に合うことを親が自分で考えて探して見つけ出す。
その経験って 後で活きる気がするんだけど。
少なくとも私はそうだったんだよなー。

聞いてなるほどと思って、それですぐ身につく人も多いかもしれないけど
私はそういうのって大抵その場限りですぐ忘れてしまう。
自分で悩んで考えてひねり出した答の方が 身について、次に応用が効く。

そうやって親も経験値を上げていくことで、我が子を守る術(すべ)が身に着いてきたと思う。
だからその手間は惜しまない方がいいんじゃないかな。

うちはこうだった、私はこうした そういう経験談を参考にしてもらうのは大いに結構。
だけど、どうか 目の前の我が子とじっくり向き合ってみてね。
この子に何が合うか、この子にどうしてあげたらいいか、今のこの状況の中でできる最大のことは何か。
子どもをよく見てるとわかることがたくさんある。
それを自分の頭で考えて、自分の手でつかみ取るようにしていったらいいと思う。


しつこいようだけど
情報は我が子を守るための盾にもなるし、道を切り開く剣にもなる。
だけど、その刃で逆に傷つけられることもあるし、自分を縛る檻になることもある。
情報って便利だけど、難しいし怖い面もある。
みんなでうまく付き合っていけたらいいな と思うんだよね。


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親にできること

2016年05月08日 | 小さなPWS児のパパ&ママのために
このところ、親の会の年少さんの集まりに出られなかったので、先日の総会で久しぶりに小さなPWSの子ども達に接して
バンビが赤ちゃんだった頃のことを懐かしく思い出した。


当時はまだブログはやってなかったけど、振り返って何度か書いてはいるかな。→「バンビの生い立ち」カテゴリ

PWSは色素が薄いから、肌が白くて、髪も金色みたいな赤ちゃんが多いけど
バンビは 肌は白かったものの、髪は黒くてぼーぼーで
その辺はPWSというよりバンビのおばあちゃん(私の母)譲りの遺伝子が強かったのかもしれない。
身長もずっとPWSにしては大きめなんだけど、それもオット・私双方が長身家系なのでその影響もあるかも。

同じPWSと言っても、共通するところ違うところそれぞれあって
やっぱり個性っていうのは1人ひとりあるんだよね。
先天的なものの他に、後天的に培われていくものだってあるしね。


総会では、年長の親御さんの「もう、うちの子どうしたらいいんですか?」っていうカンジの話を聞いて
小さいお子さんのパパママにはショックも大きかったのではないか と心配もしてるんだけど...。

もちろんPWSである限りそういう要素を持ち合わせているのは事実なんだと思う。
バンビだって、今日大丈夫でも明日もそうだという保証はないし。


ただね。
講演会での先生のお話にもあったけど、”行動の問題は、育て方のせいではない。”
そうなんだと思う。
でも、私は敢えて言ってしまおう。
”行動の問題は接し方によるところもある。(但し、それは親だけのせいではない。)”


大切なのは PWSの特性と、その子の個性と 両方を理解してあげること。
そして、必要な支援を適切な接し方で してあげること。
そのためには 親も周りの人も学ぶ必要があるし、育て方や接し方の工夫をすることが大事だと思う。

講演会の内容はとても有意義なものだった と誰もが感じたと思うけど
あとはそれを実践するかしないか なんじゃないのかな。

そういうこと言うと「みんながみんなそんな風にできるわけじゃない。できない人もいるんだよ。」って言う人もいるかもしれないけど...。
でも、そこに希望や可能性があるなら、できる人はやったらいいと思うな。
できるかできないかは やってみないとわからないし。


あとね、これはネットで読んだんだけど
子どもが小さいうちに親がしておいた方が良いのは ”愛されている実感を与えてあげること”なんだって。
愛されている実感っていうのは、自分が大切にされているっていう絶対的な安心感 とも言えるのかな。

バンビも よく言うんだよね。
ご飯もらえない? おやつナシ? 

いや、別に私 罰としてご飯やおやつを与えなかったことは一度もないんだけど。
ただ、「△△しないとおやつ出ないよ。」という言い方はやっぱりしちゃうことがあって
それが何より食への執着の強いPWSのバンビには 不安要素になるわけで...。
この辺は ペアレントトレーニングを実践して肯定的なアプローチ(ex.「△△したらおやつ食べよう。」)を心がけていくべきなんだよね。

そして
きみはいい子。とか、あなたはママの大切な宝物。とか、かわいいね。大好きよ。 って 
そういうのをいつも伝えてあげるといいと思う。

うまくできないこと、苦手なことが多いPWSだから、注意されたり叱られたりすることも多いはずだから
頑張ってるね。偉いね。できるようになったね。すごいね。さすがだね。
そういう声かけをしてあげることも大事。

言葉で伝えるのはなんだか... って思うでしょ?
でもね、やっぱり言葉がいちばんわかりやすいし、確実に伝わるよね。
最初は 言いづらくても、こういうのって習慣化すると 結構普通に言えるようになるものだと思う。

大きくなったね。お兄さんになったね。かっこいいね。素敵だね。 そんな風に誉めるだけじゃなくて
○○したのは偉かったね、○○できたなんて頑張ったね。(いつも見てるよ、見守ってるよ。)って伝えてあげる。
一緒に○○して楽しかったね、○○に行けて良かったね、○○食べておいしかったね。
いいね、最高だね! happyだねー!

そんな風にポジティブな言葉のシャワーをたくさん浴びせて、本人が自分の人生を肯定的に生きられるようになること。
そして、良好な親子関係を築いておくこと。
これが後々効いてくるような気がするので、私はそれを実践しているつもり。

もちろん、親だけが頑張っても 先生とか支援員さんとか職場の上司や同僚とか
環境の問題でうまくいかない場合もあるとは思うし
うまくいってないからって、それを非難するわけでも責めるわけでもない。

ただ、何度も言うけど そこに希望や可能性が感じられるなら やらないよりやった方が
できるならした方が いいんじゃないかな という話。


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親の工夫 ~ペア・トレの薦め~

2015年06月30日 | 小さなPWS児のパパ&ママのために
子どもって親の育て方がすべて ではないと思う。
持って生まれたもの とか、生育環境とかいろんな要素が絡むだろうし。

でも、その反面 ”育てたように子は育つ”もある意味真実ではないかと思う。


支部総会のあと、みんなでお茶をしに行った時のこと。
お店に入れるか見に行ってもらってる間、他のメンバーでエレベーターホールで待っていたら
ある未就学児が何度も何度もエレベーターを呼ぶボタンを押していたんだよね。
ママは少し離れたところにいてそれに気づいていなかった。

そりゃ、ボタンを押したいお年頃だもんね。
ダメよ って言われてやめるわけはない。

なのでそばにいた私が
「○○ちゃんが何度も押すと他の人が困るからやめてね。
 ○○ちゃんが押してもいい時、おばちゃん言うからそしたら押してくれる?」と声をかける。
その子はちゃんとうんと言ったので、すかさず「おっ、がまんできるの? 偉いねぇ。」とほめておく。
実際その子は押すのをやめた。

で、いざ乗るよとなった時に「じゃ、○○ちゃん お願いねー。」と声をかけたら
もう嬉々として押してくれたので、これまたすかさず「ありがとう!」を伝える。
子どもって、大人にありがとうを言われるのは嬉しいものらしいから、誉めてるのと同じこと。


これ、ペアレント・トレーニングの実践ですね。
”ダメって言うと癇癪起こして大変”なら、ダメって言わないように親が工夫すればいい。
(まぁ、いつもいつもできるものでもないけど。)

でも、こういう風にいちいち考えて言うのが面倒 という声があるのもわかる。
私も最初はそう思ったから。
でも、やってくうちにそれが習慣になって 何も考えなくても自然とできるようになるから不思議。

それに今ちょっとの手間を惜しむと、後で痛い目にあうと思うんだよね。
将来自分が苦労しなくてすむための工夫なら 今いくらでもしたらいいんじゃないかな。
だって、子どもが小さいうちの苦労なんて 後の苦労を思えばぜんぜん大したことないと思うよ。


ペアレント・トレーニングは 是非ぜひお勧めです。
講習会とかに行ければそれがよいのかもしれないけど、本を読んだりするだけでも
know-howを知ってるか知らないかでぜんぜん違うと思うし。

今、すごーくたくさん本が出ていてびっくりするくらいだけど
それだけニーズがあり、注目もされているメソッドなんだろうね。
私も久々に検索したら、思春期編が出ていることを知ったので買っちゃおうかな。

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12歳

2015年05月03日 | 小さなPWS児のパパ&ママのために
バンビは先日、12歳になりました。

ちなみに誕生日プレゼントは コス@コで売ってたジュニア用のゴルフクラブセット。
子どもの誕プレにしては結構高価なアイテムだけど、オット曰くちゃんとしたメーカーのもので品質的にはお買い得らしく
ジュニア用とは言え、私でも使えそうでオットまで羨ましがってるくらい。
なので、思い切って買っちまいました。

今はこれを使ってプレーする日を楽しみにしているバンビ。
例によって ”いい子じゃないと”作戦が有効で助かるわぁ。


思えば、待ちわびた我が子の誕生の喜びも束の間、障害があると宣告されて奈落の底に突き落とされたような
あの激動の日々から早12年...。
本当にいろんなことがあったなぁ というのと、取り合えずここまで来たんだなぁ というのとで
何だかとても感慨深いものがある。

バンビはほんとに大きくなった。
今 身長140cmくらい。もう私の肩を越えてきたもんね。
NICUの保育器の中にだらんと横たわっていた小さな赤ちゃんの姿を思い出すと、今のこの姿が信じられないような...。
そして親子で12年歩いてきた道のりを想うと、ほんとに涙が出てくるくらい。


あぁ、あの12年前の毎日毎日泣き暮らしていた自分に今なら言ってあげられるよね。
「大丈夫だよ、何とかなるよ。」って。

子どもは育つのよ。その子なりのペースで、少しずつでも確実に。
そして、親も変われる。子どものために、子どものおかげで、ずっとずっと強くなれる。

そりゃ、大変なことがないとは言わない。
でもそもそも大変じゃない子育てなんてないと思う。

最初はみんな受け入れられなくて苦しむけど。
でも、そうは言っても毎日この子のお世話をしなくちゃならないし
そうやって育児に追われているうちに、子どもが少しずつその子なりの成長を見せてくれて
健常児ならスルーしそうなくらい何気ないことが とっても貴重に思えて嬉しくて
もうその頃には わが子はかけがえのない、愛しい存在になっていたっけ。


この先の日々はどんな風になっていくんだろう。バンビはどんな大人になるんだろう。
親の私はまだまだ変わるのだろうか?
今のバンビは私にとっては 夢であり、希望でもあり、彼の成長が最大の楽しみ。

バンビ、生まれてきてくれてありがとう。私をママにしてくれてありがとう。
この先もずっと見守っているよ。応援していくよ。

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プラダーウィリー症候群を知ってください

2014年10月07日 | 小さなPWS児のパパ&ママのために
テレビで、女優さんが ”わが子がダウン症であることを公表する”という番組をやっていた。

”私に障害のある子を育てることができるとは思えない。”
これ、私も思ったなぁ...。たぶん、障害児の親になった人 ほとんどが一度はそう思うんじゃないかという気がする。

この番組の中で、紹介されていた イタリアのダウン症児を支援している団体の作った動画が良かった。
おなかの中の子供がダウン症だと診断されて、恐いと感じている妊婦さんからのメールに返事として送られた...。

「ダウン症の人達もきっと幸せな人生を送れます。」
You Tube で見られるそうなので → Dear future mom(日本語訳付)


まぁ、実際 ダウン症の人も症状はいろいろで、あの番組に出演されていた方のように就職したり結婚したりしてる人もいれば
もっと重くて、ケアも大変 という方がいるのも事実だと思う。(そこはあの番組では言ってなかったように思うけど)
みんながみんな天使ってわけでもない。先天的・後天的 いろんな要素が絡むんだろうし。

でも確かに、ダウン症 = 不幸 ではない。


最初は知らないから怖い、希望が見えないからつらいんだよね。
だからこそ 知ってもらいたい。
そして、伝えたい。
”障害があっても、みんなちゃんと自分の人生を生きていけるんだよ。”ってことを。



このブログのページ別検索数のランキングに、よく”バンビの生い立ち”のページが入ってくることがあるんだけど
そういう時、生まれて間もない子がPWSだと言われ
情報がほしくてネットで探しまくっていた あの11年前の自分と同じ状況の誰かが
そこにいるのかなぁ と思ってしまう。

私は ただ先に生まれてきたPWSの バンビの親であるというだけで
医学の専門的な知識はないし、福祉や教育のことも 自分が経験した範囲でしかわからない。
それに ブログなんて、そもそも個人的見解を吐露するだけのものに過ぎない。
それでも、その画面の向こうにいる誰かに声をかけられたらなぁって思う。


最初の、親の心のケアがすごく大切だなぁ って。
誰に聞いても 最初の3ケ月(人によっては半年くらい)が精神的にも肉体的にも辛かった って声を聞くから。

もう成人されてるPWSの場合、ある程度の年齢までPWSだとわからなかった人が多いみたいだけど
今はもうほとんどの子が 生まれてすぐ診断がつくもんね。

それが、2人目・3人目ならまだしも初めての子どもとなると
赤ちゃんを迎えた新しい生活を夢に描いていたのに 突然無残にも打ち砕かれ
ただでさえ初めての子育てなんて不安なものなのに、ましてや障害児となれば将来が心配だし
ほんとに絶望のどん底に突き落とされたようなもの。


1人目だとまだママ友もいなし、親もまだ若いから経験も少なく人としても未熟だし
家族のサポートがあればまだしも
私の場合は、オット以外は誰も何もなかったから孤立無援&孤軍奮闘で
あの頃を振り返るといまでも涙が出てくるくらい...。

それに、経管哺乳で毎日毎日授乳の準備に追われ
泣くこともなくひたすら寝ているだけのミルクのみ人形みたいなクタクタの赤ちゃんと
1日ずっと家の中にいると 自分が壊れてしまいそうな気がした。


そこから 這い上がれたのは、子どもの成長と親の会のサポートのおかげ。

バンビが少しずつ手足を動かしたり、あーと声を出したり、笑ったりするようになったことに救われた。
この子がかわいいと思った。 この子のために私はできることを全部しようと思った。

そして、これは何度も書いているけど 親の会の先輩ママさんに「あなたは一人で頑張らなくていいのよ。」と言ってもらえたこと。
同じPWSの子ども達が元気に走ったり、おしゃべりしたりする姿を見て、うちの子もこうなれるんだ と思えたこと。

長い長いトンネルの向こうに、小さな灯りが見えて、それで自分が歩く線路が確かに前へ続いていることがわかった。
そんなカンジだった。



今もきっとそういうママやパパはどこかにいると思う。
もちろん親の会に入ってもらえれば良いと思うのだけど、いきなり親の会にコンタクト取るのは
まだ気持ちが揺れていたりでハードルが高かったりすることもあるかもしれない。

だからそういう人に、取りあえずバンビのことを伝えて
こんな風に迷ったり悩んだりしながらも、そこそこhappyに生きていけるよ ってことを
声を大にして伝えたい。

そりゃー 大変なことがないわけじゃない。
でも、そもそも子育てなんて そんな簡単なものじゃないよね。
健常児だって いろんなことやらかすし、心配の種はあるわけで
周りの人見ててもみんなそれなりに悩んだり、何かと戦ったりしてる。

障害児は 成長がゆっくりだったりするから、手をかけてあげなくちゃいけないことも多いし
健常児ならしなくていい 苦労や悩みもあるかもしれない。先が見えない不安も大きい。

でも、世の中は少しずつ 障害のある人にとっても良い方向に進んでいる と思う。
もちろん これからも努力は必要だけど、きっと未来に希望はあると信じたい。


先に紹介したイタリアのビデオ、最後のセリフは 「私達と一緒に実現しましょう。」
そう、”あなたも”一緒に ってことだよね。


バンビ3歳半の頃の写真。いちばん愛らしかった幼児の頃の... (^_^)
 私は今、この子の親で幸せ。たぶん、バンビ自身も幸せに生きてる と思うけどね。

メールはこちらまで → yakkoxhs@gmail.com
コメント (6)
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