バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

食事を制限することで得られることと、損なう(かもしれない)こと について

2016年07月31日 | プラダー・ウィリー症候群
以前の記事→情報は武器にも檻にもなるという話 に

先輩ママさんに
今の子ども達はみんな肥満する病気なんて嘘みたいに細いけど、ちゃんと食べてるのかな。
親が過食を気にするあまり、食事を制限しすぎてないか心配になる。
身体を作り、脳が発達する大切な時期に栄養を制限することのリスクもわかってるならいいんだけど...。
と言われた。

PWS児をたくさん見てきてる先輩ママさんによると
小さいうちからGHを打ってるのに、結構年齢が進んでも独歩ができないお子さんが昔より増えているような気がする という話だった。
まぁそれはあくまでその方の印象だから、医学的裏付けはない話だけどね。


という話を書いたんだけど。


それを読んで、私にメールをくれたプラダっこのママさんが

最近痩せている息子を見ていて自分の中の無意識の気持ちに気付きました。
「太らせないことで、プラダーを克服できるかのような錯覚」を得ていたんだなと思います。
きちんと管理すれば、問題なんて障害なんてないのだと、そう納得することで育児をしてきた面が少なからずあると気づかされました。


と書いてくれていて、あぁ、私の中にあるモヤモヤはこれだったんだ... と気づかされたんだよね。

 ※ちなみに ”いつかこのことをブログに書かせて”とお願いして、ご本人の承諾は得ています。
  快く許してくれたその方に感謝♡

それでこの「食事を制限することで得られることと、損なう(かもしれない)こと」について書こうと思いつつ
でもなかなかデリケートな問題なので言葉を選んでいて時間がかかってしまった
というのが正直なところなんだけど。


まず私達親は、子どもがPWSとわかった日から 過食と肥満に気を付けろって散々言われ続けて
だからついつい過剰に意識してしまって、ひょっとして食べさせなさすぎなんじゃないか? って不安になることもあったりして。

そのことは、もう10年も前に書いているんだよね、私。→「食べさせなさ過ぎ?」


そんな不安を抱えながらも、子どもを太らせてないことで
「私 頑張ってるから。」って、自分を納得させたり、満足させたり
あるいは
「この子はひょっとしたら、PWSの中でも状態がいい方なのかも?」って、根拠のない信念?を持っちゃったり...。

そうやって子どもを太らせてなければ、PWSのその他の症状も(主に行動の問題)も克服できているような錯覚を
親は自分に与えているのかもしれない。
そういう私自身も、恐いことから目をそらしたい気持ちで無意識にそういうことをして
かわりに安心を得てきたのかもしれない。


でも、糖質(糖分だけじゃなく炭水化物もね)って脳には必要なエネルギーらしいんだよね。
身体と脳をちゃんと育てるためには やっぱりちゃんと食べさせるべきだし
それに 食べたい盛りに食を制限することでメンタルに与える影響はどうなんだろうか? と心配になる。

 

それと、私が引っかかったのは、身長が高いために成長ホルモン(GH)治療が始められない赤ちゃんに対して
一時的に食事を制限することで身長の伸びを抑えるケースがある(で、GHを始める) という話を聞いた時。

医師の指導で という話も聞いたけれど、ほんとにそんなことしていいの? と不安を覚えたんだよね。
だって、いくら小児科医って言ったって、栄養についてはどこまでプロなんだろう? って思うし。

いや、同じ医者でも まるで反対のこと言って本出してる人って世の中いっぱいいるじゃない?
何が真実なのかって、人によって言うこと違うし、時の流れによっても変わったりして(新しい学説が発表されたりするもんね)

だから、今 糖質制限がどうの、ケトン体がどうの と巷で盛んに言われているけど、本当に正しいのが何かなんてわからないし
極端なことすると身体に変調を来したりすることもあるわけで
きちんとした栄養指導を受けた上でじゃないと、これから脳や身体が発達していく子どもに対しては恐くてできない
と 私なら思うけどなぁ。



そして、これも私の素人考えだけど
PWS(本人と言うよりPWSを抱える子の家族)にとっては肥満よりも気を付けていかないといけないことがある と思うんだよね。

PWSはストレス耐性が弱くて(これはDr.が言ってるんだけど、私もそう思う)
でも きちんとやりたい性格なのに人よりうまくできないことが多くて何かとストレスフルで
そこにさらに”食の制限”という彼らにとって最大のストレスが加わった時
積もった鬱憤が行動の問題に出がち なんじゃなかろうか。

肥満への対処は まずは食の制限で可能かもしれないけど
行動の問題への対処は、それほど方法が明快じゃないし、結果もすぐには出にくい。

他のストレスは 本人が克服していけるように訓練を積んでいけばいいと思うけど
食に関するストレスは、それが本人の努力ではどうしようもないだけに
ストレス自体を避ける という方がいいのではないか というのが私の考え。


まぁ、それも各家庭によっていろいろ事情はあるだろうし、子どもの特性も同じ障害でも一人ひとり違うところがあるものだし
だから闇雲に”食を制限しない方がいい”というのではないのだけど。

うちではバンビに対しては、糖分や脂質を取りすぎないように気を付けているし、量も加減してはいるけれど
それは ”制限している”というのとはちょっと違うかな。

”おいしかったね、たくさん食べたね、良かったね。”という気持ちをバンビが持てるように、それをこそいちばん心がけてもいる。
”たくさん食べたら運動頑張ろう”ということを習慣にしている。
”食べちゃダメ”というストレスを与えないことを大事にしてきて
そのおかげだからなのか 根拠は何もないけど、でも13歳のいままで過食も盗食もなく平穏に過ごせているのは事実。 

ただ「太るから食べちゃダメ」と言うのと、「太らないようにこれは食べていいけど、あれは少しにしておこう」というのでは
本人の受けるストレスが違ってくるんじゃないかな という話。
そこの加減が難しいんだけどね。

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事件に寄せて

2016年07月28日 | 日々の出来事
痛ましい事件が起きた。
障害を持つ子の親として 本当に胸が痛む。


全国手をつなぐ親の会が出した声明文の一部をここに転載しておく。

事件の容疑者は、障害のある人の命や尊厳を否定するような供述をしていると伝えられています。
しかし、私たちの子どもは、どのような障害があっても一人ひとりの命を大切に、懸命に生きています。
そして私たち家族は、その一つひとつの歩みを支え、見守っています。
事件で無残にも奪われた一つひとつの命は、そうしたかけがえない存在でした。
犯行に及んだ者は、自らの行為に正面から向きあい、犯した罪の重大さを認識しなければなりません。

また、国民の皆様には、今回の事件を機に、障害のある人一人ひとりの命の重さに思いを馳せてほしいのです。
そして、障害の有る無しで特別視されることなく、お互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会づくりに向けて
共に歩んでいただきますよう心よりお願い申し上げます。



障害があるから不幸だとか、障害者に生きる価値はないとか
そんなことは少なくとも第三者が判断できることではないのにね。
勝手な思い込みと思い上がりで 無抵抗の弱者の命を奪うなんて。

悔しい...。

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夏休みの宿題

2016年07月25日 | 日々の出来事
支援級といえども中学生ともなると夏休みの宿題の量が多い。

国語・数学・英語は プリント集。毎日1枚ずつやるんだって。
それに 毎日日記を書き、暑中見舞いをクラスの誰かに出し
理科はひまわりの苗を持ち帰り観察記録。
社会は偉人を3人選んで、情報をカードにまとめる&世界の国調べ(バンビはシンガポール)の清書。

それから毎日トレーニング(腹筋とか腕立てとか)回数を決めてやったかどうかチェック。

最初の1週間は 午前中夏期学習&水泳教室があって登校し
私が仕事の日は 午後からデイサービスに行くので
デイでやれることはやって帰ってくるけど...
日曜日はバスケだしね。

バンビひとりで全部できる内容ならいいんだけど
一応見て確認しないととんちんかんなこと書いてたり、間違ってたりするから
付き合う私も忙しくて、結構大変。

まぁ、夏休みとはいえ生活リズムを崩すことなく、決められた日課をきちんとこなす というのが
将来に向けた訓練でもあるので これも必要なんだろうなとは思うけど。

ただ、日頃できない長い休みならではの体験をして、経験値を上げておく というのも
大事なことだしね。
少しずつ将来的な自立を見据えて行動させたいと思ってる。

40日間の長い夏休み、さてどうなることやら。


もう既にこの週末、宿題が終わってないのに”明日やる。約束する。”と言ってテレビを見てしまい
日曜日 バスケに行って疲れて寝ちゃって、約束を守れず...夜になって大泣き。
私の怒りのボルテージMAX!という状況に陥ってるんだけどね。

うちは原則「やりたいことは、やらなきゃならないことをやってから。」っていうルールで
大体はバンビもそれに従ってるんだけど
たまに ”まぁ、お休みの日だし。”って お互いに甘くなるとこうなったりして...。

そして、ヘンなところで PWSの”きちんとやりたい病”が出てくるから
「宿題だから、やらなきゃダメなんだ~。」って大騒ぎ。
まぁ、真面目なのはいいことだけど、だったら土曜日の時点でやっとけば良かったじゃん!
「あぁ、そうだった。ダメだった。反省します。ごめんなさい。」
って言っても、後の祭りだよね。

”先生に怒られる~。”(涙)って言いながら今朝登校していったけど。
ま、これも経験。

どんな成長が見られるかな。
暖かく、でも甘やかさず見守っていかないとね。

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1学期を終えて

2016年07月24日 | 成長記録
バンビも先週から夏休みに入りました。
遅くなったけど、1学期終わっての総括。

まず通知表は... 3段階評価でAが1つしかなくて、Cが多かったー。
まぁ、それは元々想定内なんだけど、でもやっぱりこうやって形になって目にすると、わかってても多少凹む。
やれやれ~。

うちの区の場合、支援学校判定なのに支援学級に入れてる子に対しては 学期ごとに経過確認の面談をすることになっていて
それを夏休みに入る前に 校長室でやったんだけど。
ちなみに、さすがにこの時期(就学相談スタートしてるもんね)学務課は忙しいらしくて来なかったけど
来たら5対1の面談だよん。
親も強くならないとやっていけないわー。
クセの強い校長の、良かれと思っての失礼な発言も笑ってかわせるくらいじゃないと。(怒)


で、バンビの場合、とにかく何をするにも時間がかかる。
それもヘンなこだわりがあって、それで余計時間食ってるカンジ。
まぁ、その辺は慣れもあったり、先生の指導もあったりで多少改善しているみたいなんだけど...。
これは本当に彼の課題なんだよなぁ。


あと問題は 居眠り。
これはPWSの症状の1つとして睡眠障害的な部分があるから、本人の努力だけではどうにもならないことではあるんだけど。

心理のDr.に言わせると、PWSは疲れやすい。すぐ寝てしまうのは睡眠が足りてない。
眠いなら寝かせるしかない って話なんだけどねぇ...。

でも、6時起きで10時間睡眠取らせようと思ったら、夜8時に寝ないといけない。
デイサービス行ったら帰宅は6時だから、実質それは無理でせめて9時だよなぁ。

疲れるとトラブルが増える傾向にあるから、本当は疲れさせずに十分な睡眠を取らせたいのはやまやまなんだけど
でも、中学生の運動って 疲れさせるためにやってるようなところあるしねぇ。
(性的な欲求を運動することで解消してる面だってあるし。)


それと、特定の人への依存。
バンビの場合は 補助の先生が割とバンビにつきっきりにならざるをえない状況で
2人いる先生のうち、優しい方の先生に依存していると思われる面が出てきているみたい。

で、その先生のことを「おばさん」と呼んだりしている と聞いてびっくり。
明らかに悪いとわかっていて甘えているんだよね。


まぁ、そんなこんなでいろいろありますが、とりあえず何とか無事に1学期終わった。
先生にも周りのお友達にも いろいろ迷惑かけてる部分もあるかもしれないけど
本人的には 成長が見られるし、何より毎日楽しく学校に通えていることがいちばん。

楽しい夏休みを過ごして、また2学期に向けて頑張っていきまっしょい!

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将来を考える

2016年07月21日 | 社会的自立に向けて
だいぶ日にちが空いてしまった。
最近、理由あって区内の福祉施設を見学したりしていて、何かと忙しく...。

いわゆる作業所(就労継続支援施設、生活介護施設)、最近少しずつ増えている就労移行支援施設、通勤寮、特例子会社 etc。
そのうち機会があると思うので、グループホームも行ってこようと思ってるけど。

バンビが高等部を卒業を前に取りあえず進路を考える時までは あと5年半余り。
もちろんそれまでに社会情勢は変わるだろうし、法律も変わる可能性あるし。
だから、今見たことがそのまますべて当てはまるわけでもないんだろうけど
それでも 実際に行ってみて、直接見て聞いて初めてわかることってあるよね。

情報に振り回されたり、頭でっかちになる必要はないと思うけど
必要な情報をその時までに得ておくのって やっぱり大事な気がする。


で、バンビみたいに 中度の知的障害者にとって
まず、一般就労を目指すのか(企業の障害者枠とか、特例子会社とか)、福祉就労でのんびり過ごすのか
そこが運命の分かれ道。

そりゃできたら一般就労してほしいな と思う。
10万円以上お給料もらって、それで支援を受けながら自分の生活を営んで、余暇も楽しんで...
そういうのが理想の姿。(あくまで親としての私の理想ね。)

でも、一般就労はそれなりに厳しい面あると思うし。
PWSはストレス耐性弱いからなー。
ストレス溜めこんでそれが食欲や問題行動になって爆発! っていうのは避けたいよね。

それに、一般就労って言っても、正社員になれるのはほんのひと握りで
あとは契約社員とかアルバイトとかの非正規雇用。
不安定な身分だもんなぁ...。

 
それじゃ福祉就労して
毎日作業所に通って、単純作業で月に1~2万円くらいの工賃もらって
レクを楽しんで、のんびり楽しく過ごす?

いやそれも悪くないけど、最初からそれでいいのか、ちょっと物足りなくないのかなぁ。
大体 親が死んだら生活成り立つのか... それも心配。

てなわけで、すごく悩む。


これ書いちゃうと、小さい子のパパママはショックかもしれないけど
染色体異常って 退行が早いって聞いてる。
つまり早く老化してしまって、いままでできていたこともできなくなってしまうらしい。

訂正:早期退行は、ダウン症ではよく言われていることなのだけど、そういう症例が多く見られるということであって
 必ずしも全員に当てはまることではなないかもしれないし
 同じ染色体でもPWSの場合でも当てはまるのか、医学的なウラを取らずに「染色体異常って」と書いてしまいました。
 (そもそも、私は医学的に素人だから 論文のデータとか医学的根拠なるものをきちんと示すことは難しいですが。)
 書き方については 以後気を付けます。


だから、ずっと一般就労でやってく ってできるのかなぁ? と思ったり。

ある程度若いうちは 一般就労して、生き生きと自分の生活楽しんで
年齢がいってキツくなってきたら、福祉就労でのんびり でいいのかな なんて思うのだけど
どうなんだろう...。


それに、PWSは常に食の問題がついて回る。

作業所の昼食も、厨房があって自前で作ってるところもあれば仕出しのお弁当のところもあって
例えば 量やカロリーの調節って 仕出しのお弁当だとなかなか対応できないみたい。

そうなると、通所できるところが限られてしまう。
ある程度自分で、ご飯を半分にするとか、野菜から先に食べる とか習慣をつけておけたらいいなぁ と思ったり。

それとか、グループホームって、大体週末は調理してくれる人がいなくて
自分で調達ということろが多いらしく
”週末の食糧事情が悪いと、月曜日に利用者さんの機嫌がよくなくてモチベーションが上がらない。”
と 話してくれた施設長さんがいたなぁ...。

PWSにとっては 食の管理は常に誰かに見てもらわないと厳しいだろうから
共用の冷蔵庫とかがあって中身は自主管理 ってなると無理だよね。

グループホームに入るなら、PWS専門のところじゃないとつらそう。
今、日本にはそういうのないみたいなんだけどね。


あと いろいろ見て思ったんだけど
18歳で世の中に出て、働いて、生活自立して って、定型発達の子でもなかなか厳しいのに
それを 障害ある子にやらせようっていうんだから そりゃ大変じゃないわけよね。

やってみてうまくいかなかった って人も多くて
そうすると 元々自尊感情が低い人が多いから、ダメージが大きくて
立ち直るのが大変だったり時間がかかったりするみたいで
なかなか次に進めない。

だから、やっぱり準備期間というか、事前訓練みたいなことって必要だなー って思う。
就労に関しては ある程度学校(高等部)でやってもらうんだろうけど
卒業してからすぐ就労じゃなくても、移行支援施設みたいなところに通って
必要なことを身に着け、自分に自信持ってからでもいいのかな。

生活の方は これはもう小さい頃からの積み重ねで習慣づけることと経験値を上げること。
これに尽きると思う。

そして、早くに自立に向かって親離れ子離れすること。
ずっと自宅で親にいろんな面で支えられて生活してたら
親が年老いて、本人が中年になってから 生活変えさせようとしたって無理だと思う。
通勤寮の支援員さんも 本人がまだ柔軟でいられる早いうちに、楽な生活にどっぷり浸かる前に来てください
って言ってた。そりゃそうだろうな。


勉強すればするほど、もっともっと知っておいた方がいいことってたくさんあるな と思う。
あと5年半...そんなのすぐだもんね。
バンビのためにできることはできるだけしておいてあげたいな。

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過食知らず

2016年07月05日 | 日々の出来事
ケガのせいもあるのか、このところのハードワークの疲れからか
夕方横になりたくて、一度なったら起き上がれなくなってしまったある日のこと。

遠くでバンビの「お母さん、おやつは~?」という声がする。
「もう、自分でやって。中学生なんだから。」と言って、私はまた寝てしまったらしい。

で、目が覚めてから見てみたら
キッチンに下げてあったお皿の上に、小さな(ひと口サイズの)お饅頭と
個包装のプルーンと、個包装のじゃり豆(かぼちゃの種のお菓子)の包み紙が1つずつ残っていた。

それは 昨日のおやつとまったく同じ内容。
おやつ入れの缶の中には 他にもクッキーなんかが入っていたし
プルーンやじゃり豆は 袋の中にまだたくさん入っていたけど、バンビはそれ以上取ることはしなかった。

こういうところが ”君はほんとにPWSなの?” と思うところなんだよね。
”自分の分”っていうのがあって、それがきちんと確保されれば、それ以上は欲しないみたいで不思議。


先日も居酒屋さんで、他のPWSのお友達やボラさんと一緒に食事したんだけど
みんなでシェアしていろいろ食べていて
「まだ食べたりない気がする。もう少しなんか食べたい。」と言っていたバンビ。

でも 「もう、かなり食べたよ。食べ終わったんなら、iPadしてもいいよ。ボラのお兄さんに見せてあげたら?」と話を向けると
気持ちの切り替えができてたのか、嬉しそうにiPadを取り出していたんだよね。
そうしたらもう食べ物が目の前に残っていても、一切言わなくなった。

ちょろいと言えば、非常にちょろい。
でも こんなことくらいで食への執着から引きはがせるなら、親の私はとても助かる。


何なんだろうなー?
もう何度も書いているけど、バンビを見ていると
PWS=食べたくて食べたくて止まらない、食欲モンスター っていうのとはぜんぜん違うんだよね。

持ってうまれたもの(先天的)なのか、13年育ててきた中に培われた要素(後天的)なのか、その両方なのか...。
もちろん、しつこいようだけど 今は大丈夫でも明日もそうだという保証もないのだけど。

もし、後天的要因があるとしたら
1つは 心を満たしてあげること。
胃袋より、脳や心が感じる飢餓感を埋めてあげる こと。

もう1つは気持ちの切り替えの訓練。
これは食以外も含めて。
いちばんいいのは その場から引きはがすこと。
身体を だけじゃなく、気持ちを他に向けるのが大事なような気がする。


バンビは食べそこなったものや、乗り損なった乗り物があったりすると
前に食べたことあるよね? 乗ったことあるよね? とよく確認することがあって
何でそんなこと聞くんだろう? って常々思っていたんだけど
だから 今 食べられなかったけど大丈夫、乗れなかったけどいいんだ って
自分で自分を納得させようとしているんだな と思ったら、なんか健気だなぁ と思ったりして。 
彼なりの工夫なんだろうね。

そういうのが社会に出る前に身についてきたことは 彼にとっても私にとっても大きな安心。
このまま行ってもらいたいもんだなぁ~ と思っているんだけどね。

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