バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

余暇の過ごし方 ”好き”を増やしていく

2022年04月30日 | 日々の出来事
 先日、支援者の方とお話ししていて
「バンビくんは何が好きですか?」と聞かれた。

バンビが好きなのは、バスケ・ゴルフ・音楽・映画、電車やバス等乗り物系
それにテレビやゲーム。

好きなものがある というのは大事なことらしい。

●そのために頑張ることができる。
好きなことをするのにお金が必要なら、それのために仕事を頑張る
つまり、勤労意欲に繋がる。

●心の支えになる。
ちょっとイヤなことや失敗があっても、気分転換になるもんね。

●社会に繋がる機会になる。
好きなものがテレビやYouTube、ゲームだけだと、それ自体は悪くないけど
社会と関わる機会にならない。
(まぁ、オンラインゲームとかはあるけどね。)
だからそれ以外に好きなものがあることは とても良いことだと言われた。

特にPWSにとっては 食べること以外の楽しみ、食以外への関心があることって
大切なのかもしれない。


バンビは バスケやゴルフは好きだけど
運動神経が鈍いから上手にできるわけではない。(特にゲーム形式)

バスケは ゴールのある公園に午前中(混まないうちに)出かけて
一人でシュートの練習をする。

ミニバスケのインクルーシブのクラブには小学校の時から参加しているけど
最近はフロアホッケーやダンスなんかもしていて
バスケをするのは月に1回くらい。
隣の区の障害者バスケのクラブが月1回、夜2時間活動しているので
そこに参加させてもらうようになった。

ゴルフは旅行の時にショートコースに出たりはするけど
日頃は たまに家族や親戚も交えてパークゴルフをしたりする程度。
お金もかかるから将来に渡って楽しめるとは思えないけど
女子プロの試合をテレビで見たり、ゴルフのゲームをしたり。
これはあんまり社会と関わる機会にはなってないかな。
バスケみたいに 障害者のクラブがあると良いのだけどね...。

映画は 私が事前にネットでチケットを購入してやれば
本人が一人で行って QRコードで発券して観てきたりはしている。
たまに 席がわからなくて人に聞いたり
間違って座っていて指摘されたりはしたことあるらしいけど。
これも 一緒に観に行く友達ができるといいんだけどね。

あともう1つ 
地元でディスコ(クラブじゃなくてディスコ)を運営しているところがあって
月1で障害者向けのイベントをやっていて
その時間帯は 未成年でも入れるらしく
先日初めて行ってみたのだけど
(もちろん新型コロナの感染予防対策はされていて、ドリンク類の提供もナシ)
めちゃめちゃなステップでもぜんぜんOKで
身体の動きが常にぎこちないバンビも それなりに楽しかった様子。
 写真ブレブレだけど

他にも 区が設けている障害者の余暇活動のサークルでも
ボッチャなんかをやるみたいで
そこにも参加登録をしたところ。

もっと先に 例えば親なきあとにも
バンビが自分の人生を楽しめるように、バンビ自身を支えてくれるように
”好き”の種はたくさん撒いておいてやりたい。
あんまりお金がかかる趣味だと 将来継続することが難しくなってしまうから
できるだけ安上がりで楽しめるものを。
地域の人と関われるものを。

私はあちこちアンテナを張って探しているんだよね。

バンビ、19歳

2022年04月30日 | 成長記録
 バンビは4月生まれで 先日19歳になりました。
うーん、よくここまで育ったものだなぁ。
19年前、こんな日々が来ること まったく予想もできなかったけど... 


 この前も書いたとおり カレッジに入ってからは
やっぱり緊張やら不安やらあったのだろう
何となくふわっふわした様子だったけど
それもこのところやっとペースがつかめてきたのか落ち着いてきて
あの暴飲暴食も収まった。
やれやれ、良かった...

 カレッジには事前にPWSの過食→肥満の特性は面談で伝えてあったけど
改めて竹の子の会(親の会)のリーフレットを渡して
昼休みには買い物に出ないよう声掛けしてもらったりの支援をお願いした。

PASMO(ICカード)での買い物にも慣れたようで
週末に使用履歴を印字して、家計簿アプリでお金の管理をするという流れも
滞りなくできるようになってきた。

学校でもそれなりに支援はしてもらえたし、報告もあって相談もできたけど
いまのところカレッジの方がより密に対応してもらえてる感がある。
学校では(特に小・中の支援級では)
「バンビくんにだけ特別対応できません。」的なことを何度か言われたけど
一人ひとりにきちんと対応してもらえるって ほんとありがたいこと。


そして、休日の朝は スマホのアラームで起きてきて
(バンビはPWSあるあるの”日の出とともに起床”ということがないので)
家族の分も朝食の用意。
パンを焼いてカフェオレとベーコンエッグを作り
付け合わせの野菜やヨーグルトを用意する と言う流れも
見ていなくても 一人でできるようになった。

食後はお皿を洗い(たまに洗い残しがあることはあるけど)
自分で水筒やら着替えやらを用意して
バスケットゴールのある公園に電車やバスを利用して出かけ
(スマホで時間を調べ)
シュート練習で汗を流し
お昼をファストフードで食べて、帰宅したらレシートを出して報告。

順調に行けば(たまにこじれることもあるけど)何も手がかからない。
お母さん 楽で助かる~

いやいや、ここまで来るのに
何十回も何百回も練習を重ねてきたんだけどね。
それはこれまでブログに書いてきたとおり。

この子はやらせてないことはできない。てか、そもそもやりたがらない。
でも 親がやって見せて、本人にやらせてみせて
できたら誉めて、失敗しても叱らず励まし、対処の仕方を教えて
諦めずに 何度もやらせて自分もできるって自信を持たせて
それを繰り返し繰り返し、時間も手間もかけてー。
でも、一度できるようになったことはルーチンになって
何も言わなくても 本人が繰り返すようになる。

そこに至るまでには本当に面倒だけど
でもそうやって先に苦労しておけば、後は楽になる。

この前も先輩ママさんと話したのだけど
”結局 親はどこで苦労するか”だよね と...。

自分でやってしまった方が楽だし
保育園とか、放課後デイとか 他人に任せた方が楽だし
(もちろん利用すること自体は大いに結構なことなのだけど)
だけど親が時間をかけ、手間をかけ
”自分でできる”ように仕込む苦労を先にしておけば
いつか楽になる日が来る。

いつまでも自分でできない、人に頼る生活をしていると
頼れる人がいなくなった時
困るのは親だし、何より本人。

そう言う私だって ほんとはそんな偉そうなことは言えなくて
やらせておくべきだったのに、目をつむってきたこともたくさんある。

親が若いうちの方が体力あるし、根気も続くし
子ども自身も柔軟だから吸収しやすいし
ほんと小さいうちが勝負なんだけど
まぁ、わかっていてできないことも そりゃあるよね...。

うちはこれからそれを取り返していかなくては。
近い将来の バンビの自立のために。
いつか来る”親なきあと”にも続いていく彼の人生のために。

カレッジは自立訓練2年+就労移行2年。
その後 行先が決まって、少し落ち着いたら
20代半ばくらいでグループホームに入れるように
バンビのライフプランを設計して、必要なお金を用意する算段をして...

定型児は ある程度の年齢になったら自分で人生を考えて親離れしていくけど
障害のある子は、そこが自分では難しい。
だから親が長期的視野で子どもの人生を整えてやらないといけないんだと思う。

そう、これからの私の親としての仕事は
もう”教える”じゃなくて、”整える”なんだと思っている。

いままでつないできた手を離して、誰かに委ねることができるように。

バンビ、19歳。
シフトチェンジの時ー。

これぞプラダーウィリー!

2022年04月13日 | プラダー・ウィリー症候群
カレッジは給食はないけれど
仕出しのお弁当を注文することはできるので まぁ親としては助かる。

1ヶ月分をまとめてオーダーするんだけど
バンビは買い弁(コンビニ等でお弁当を買う)もすごくやりたがっていて
まぁ買い物練習にそれも良いかと思うところもあったので
それじゃ 最初の1週間は毎日仕出し弁当。
2週目からは 月・水・金は仕出し、火・木は買い弁で ということに決めた。

ところが、スタートしてみたら どうも実習の時と業者さんが変わったのか
「量が足りない。」と言い出した。(料金は値上がりしたのに...)
でも献立表に書かれているカロリーを見たら
それ以上増やすわけにもいかないカンジ。

「みんなも食べてるんだから我慢しようね。」と言い聞かせ
それで納まると思っていた私が甘かった。

買い弁はいままでも 私がお昼いない時に時々チャレンジしていて
その時は千円札を渡して、おつりとレシートを返す ということで問題なく
やってきていたのだけど
毎回それをやるのは面倒なのと、それだと小銭が溜まるので
PASMO(交通系ICカード)を使って買い物し
週末にチャージ&アプリで家計簿管理 という運用にしようと試みていた。

1週目の金曜日の朝
帰りにPASMOに利用履歴を印字してくるように言ったら異様に抵抗する。
これは何かある...

結局 渋々印字したレシートを出して来たのだけど
見てびっくり! 口あんぐり...
物販で買い物をしていて 残高が想定以上に少ない。

しかも バンビの部屋に転がっていたレシートを見て愕然とした...

お弁当があった日にも関わらず、おにぎり2個を買い足し
さらに菓子パン2つを... OMG
(ちなみに帰宅してからおやつも食べてる)

翌日は お弁当に+かつカレーとポテサラ。

こんなことしてたら 糖尿病になるよ、なったら大変なんだよ! と
懇々と諭して 「わかりました。もうやりません。」と約束したはずが
翌週 朝、生姜焼き弁当とポテサラ買って持っていったのに
同じ日の昼 また生姜焼き弁当を買っているのって 何なのー⁉
まったく意味がわからない。
(どんだけ生姜焼きとポテサラ好きなのか...)
しかもコロッケパンまで...

考えただけで こっちが胸焼けする...
いや、ほんと これがプラダーウィリーなんだね...

これまでの19年間 私なりに(そんなにガッチリはやってないにしても)
食事に気を付け、運動をさせ 頑張って何とかかんとか体型維持してきたのに
この1年であっという間に 肥満体型。
思春期恐るべし... 
何だかもうがっくりきてしまって、完全に虚脱状態の私...

そりゃ食べたいんだろうな
この年頃ならおなかすくよね...
私だって ご飯モリモリ食べてたし
高校生男子とかなら 早弁してまた食べて、帰りもなんか食べて とか
あたり前のようにしてるんだろう。
でも、バンビは代謝が悪いから それやると太るんだよね。
確実に二重顎、おなかも相撲部屋入門か ってカンジ。

自分でもまずい と思う気持ちはあるみたいで
PASMOで買いまくると残高なくなるよ と言われてからは
自分のお小遣いで買ったりもしてた。
そういう知恵は回るんだよね...

うーん...
毎回現金を扱うよりPASMOで買い物する方が
手先が不器用でお財布から小銭を出すのにもたついたり
その場で計算ができないからとりあえずお札で払って小銭でおつりをもらう
っていうのをしなくてすむからいいかと考えていて
このやり方を軌道に乗せたいと思っているのだけど...

今は お金を使うこと自体が楽しい っていうのもあるだろうし
親の監視の目から解放された気持ちもあるのかもしれない。
少ししたら落ち着くのか、ずっとこうなのか(なんてったってPWSだからね)
悩みどころ。

あぁ、今度の定期検診 怖いなぁ...

カレッジに入学しました

2022年04月13日 | 成長記録
 さて、4月1日はバンビが新しく通うことになった福祉型カレッジの入学式。

福祉型カレッジー
ここの場合は 福祉サービスの自立訓練2年と就労移行支援2年を組み合わせて
それを”知的障害者のためのカレッジ”と称しているわけだけど...
(自立訓練と就労継続支援B型を組み合わせているところもあるみたい)
これ、最近のはやりというか
一時 放課後等デイサービスが雨後の筍のごとく増えたように
いろんなところが参入してきているみたいで たぶん今後増えていくであろう
事業形態なんだよね。

まぁ、成長ゆっくりな子が高校卒業してすぐ就労 ってなかなか厳しくて
こういう子ほど社会に出るまでにもっと学びの機会を与えてやれたら 
というのが そもそもの考え方みたいです。
バンビが通うことになったのは そのいわゆる「元祖」
(創立者が自分の障害のあるお嬢さんに学びの場を と考えて始めたそう)

カレッジと言っても、バンビの通うキャンパスは
ビルの2フロア(フロア全部でもないかも)を小さな教室に分けてるだけだけど...

それでも 4年間(特に自立訓練の2年の間に)
生活全般や、金銭管理、SST、文化芸術やスポーツの時間なんかもある。

高等部の3年間が、入学してすぐ”進路はどうする?” がお題になって
実習を繰り返すみたいな生活だったので
こういう形で社会に出るまでのモラトリアム期間を
学生気分で楽しんだって悪くない。

そう思って バンビの進路をカレッジに決めた。
まぁ、何よりすぐに就労というのは 
バンビの高校3年時点の実力では厳しかったしね。


同じキャンパスの新入生は11人。
入学式では 何故かバンビが代表として「誓いの言葉」を読み上げることに...

吃音もあるから大丈夫かな? とは思ったけど
何とか無事終えることができて良かった。
なかなか個性強めな(保護者も含めて)面々のようだったけど
4年間一緒に楽しく過ごせるといいな。

 初めてのスーツ姿

ベストもあるので 肥満スレスレ体型には見えないかもしれないけど
実際には ボトムスはもうXLサイズでないとキツくなっているので
(特にお尻が)
スーツの体系はBB体(ややゆったりめ)
おなか周りに合わせると腕が長すぎたりとか 
スーツ選びはなかなか苦労した。

ちなみに、フレッシャーズのスーツ選びは 2月中旬くらいには行かないと
3月に入るとどんどんハケて、数が少なくなってくるし
何より店舗が混んできて お店や時間帯によっては
店員さんが一人のお客さんにじっくり対応できなくなるんだとか。
下見だけでも先手先手で動いた方が良さそう。
こういうのもやってみないとわからないよねー。経験って大事。

スーツが決まったら、ネクタイやら靴やらの小物も買って
バンビは眼鏡も眼科を替えてから初めての買い替え。
いろんなもの新調したので、お金もだけど 時間と体力もかなり消費した。


そうやってバンビのカレッジライフは無事スタートしたのだけど
早速いろいろ頭を悩まされることが...
長くなるので また別の記事に書きたいと思います。

さよなら 放課後デイ

2022年04月13日 | 日々の出来事
 あっという間に4月も中旬...
いやぁ、この2週間 いろいろなことがあって書きたいこと山盛りなのだけど
順番に行こう。

まずは3月31日
長年通った放課後等デイサービスの利用最終日となった。

思えば この放デイとは小学校の時からのお付き合い。
運動療育中心のデイサービスだけど
季節の行事とかも大事にしてくれてたし
コロナ前はいろいろな所にお出かけもあって
ねぎやらお芋やらの収穫とか
なかなか日常ではできない体験もさせてもらってきた。

一人で留守番ができるようになってからも
主に三期の休みの余暇活動のために、普段も週1~2ペースで通所してきた。

高校になってからは 週1利用で
それも部活と重なるとお休みすることもあったけど
それでも 小さな子達に交じって、活動を続けさせてもらった。

学校と家庭以外のサードスペースとして
放課後デイがあったことは、バンビにとってはとてもありがたいことだったと思う。
デイがあったからこそ、私も夏休みとかも安心して仕事ができたし
”今日は何しよう?”って頭を悩ませる心理的負担も軽減することができた。

本当にお世話になりました。ありがとうございました。

かわいいブーケをいただきました。


放課後等デイサービスー
これがあるからこそ 障害のある子の親も外で働けるようになったし
レスパイトもできるようになった。

でも、18歳の3月31日で利用は終わる。
成人の日中一時支援事業は
自治体によってやっているところとやっていないところがあって
うちの区はやっていないようだ。

つまり、4月1日からは預け先が原則ない ということになる。

今はコロナの関係もあって
作業所とか生活介護事業所って3時くらいに終わってしまうこともあり
ヘタしたら小学生より早く帰宅することになる。

一人で過ごせる人はいいけど、見守りが必要な人は
誰かが付いていないといけなくなる。

同じ学年のママ友が そのためにこの春
正社員からパートに切り替えることにしたそう。

学齢期のうちは 他人の手を頼ることができても
卒業した途端に親が何とかしなくちゃならない
これが現実...
(もちろん 移動支援サービスとかはあって
 それで全部まかなえればいいんだけど...)

だったら どうしたらいいか
親は考えておかないといけない と思う。

今は小さな子どもでも、かならずその時は来るから。
先を見据えて行動しておくことはとても大切。

ほんと、小学校の高学年くらいからは
加速度的に時間の過ぎるのが早くなるからねー。
高校卒業なんてあっという間だったもん。

一人で時間を過ごせるかどうか
これはその子の生活を大きく左右すると思う。
”うちの子には無理”なら それは仕方ないけど
こういう子って、やらせないことはできない(ことが多い)
でも、やらせ続けたら 時間はかかってもできるようになることも多い。

やらせるのは面倒だよね。
親にもそれなりの負担や覚悟が必要になることもある。
でも結局は 「親はどこで頑張るか・いつ楽をするか」それに尽きる。

子どもが小さいうちの方が 親も若くて体力もあるし
頑張るなら今だよ って、小さい子のママ・パパには言いたいんだよねー。
でも昨今は ”親を追い込むな”って言われちゃうから それ言えないけど...
子育てに楽して成果は出ないんじゃないかな~ って常々思うんだよね。