バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

お役所にもの申す

2021年09月30日 | 社会的自立に向けて
 バンビの卒業後の進路が内定したことは先日記事にして
そこに「あとは入学申込書を提出すれば、晴れて入学決定。 」と書いたんだけど
それは正確ではなかった...。

その事業所は、自立訓練(生活訓練)と就労移行支援の福祉サービスを2年ずつ組み合わせたスタイルで
「福祉型カレッジ」としているわけだけど
利用するには受給者証が必要になる。
つまり、まずは最初の2年 自立訓練の受給者証を取って初めてスタートになるわけ。

放課後等デイサービスや移動支援を利用している人はわかると思うけど
福祉のサービスを利用するには自治体が発行する受給者証が必要。
で、それをもらうにあたっては
この子にはどういう障害があって、どういう生活を目指してどのサービスを
量(時間)的にどれくらい必要としているか を明示して
計画を立てて申請する必要があるわけね。
それが「サービス等利用計画案・障害児支援利用計画案」ってヤツ。

で、例えばその放課後デイをやっている事業所が相談支援事業もやっていたら
事業所が保護者からヒアリングをして案を作ってくれる場合も多いみたい。

だけど うちの場合はそれはなかったのでセルフプランで
つまり保護者の私が自分で計画案を書いて申請をする というのを
もう毎年繰り返しやっていたわけです。

まぁ、一度書いちゃえば あとはほぼコピペで
年齢に合わせて 多少言い回しとか内容を変えたり
時間数増やしたりするくらいだけど...。

ところが、今回卒業後の進路となる事業所にも相談支援事業はなく
受給者証を申請するにあたって どこか(の相談支援事業)につながってください という指令が出たんだよね。

まぁ、セルフプランでも取れないわけではないらしいけど
将来的なことを考えたら
このタイミングでどこかにお世話になるのもいいかなと思って
早速区役所に相談に行った。

そしたら、ぴら~んと1枚コピーを渡され
それには計画相談支援をやっている区内の法人名がずらっと40件近く載っていて
「いっぱいで受けられないところもあるかもしれませんので
 ご自分で電話して聞いてみてください。」と言われたわけ。

はい、は~い と
まずは区内で通勤寮やたくさんグループホームを運営している実績めいっぱいの法人に電話してみる。
そしたらなんと...
”今抱えている相談件数でいっぱいで申し訳ないけど新規は受けられません。”
って... 嘘でしょ⁉

とっても残念だけど、でもまぁ できないもんは仕方ないので、はい次。
育成会系の法人で いちばん近いところに電話。
私「〇〇と申しますが、計画相談の件でお尋ねしたくてお電話しました。」
先方「えーっと、どちらの〇〇様ですか?」 えっ⁉ どちらのって...

よくよく話をしてわかったのだけど
そこの事業所の利用者以外、計画相談支援は受けてない ってことなのだそうだ。
全部に電話したわけじゃないけど、少なくともこの系列の法人はみんなそうらしい。
その後電話した区の自立訓練事業所ですらそうなんだよね。

他にも 最初に書いたとおり、放デイの事業所なので、児童のみ とか
精神障害の人の施設なので、知的は受けてない とかあって
(それは一応リストにチェックがあってわかるようにはなってる)
結局、40件あっても3分の2近くが”およびじゃない”状態...


最初は気楽に考えていた私もさすがに焦ってくる。
区内で実績のある社会福祉法人がいいな とか考えていたけど
そんなこと言ってられる状況じゃない。

で、しょうがないから区の自立生活支援センターにかけてみると
なんと!
そこすら ”いっぱいで新規は受けられません” 状態... omg

ちなみにここセンターと名乗っているけど、区役所の担当課と同じなので
「じゃあ、どうしたらいいんですか?
 毎年高等部卒業して、区外の相談支援をやってない事業所を利用する人とか
 一般就労する人とかが 相談支援受けたい ってなることあるわけですよね?
 そういう人を受けてくれるところを区の方で把握してないんですか?」
って、若干キレ気味に ゴリゴリ押したら
「周りの職員にも聞いて、少し調べてみます。」ってことになった。

で、折り返し電話があって、4件ほど教えてもらえた。
そのうち1件は 私が最初に電話して断られたところだったけど...
しかももう1件は
「精神障害対象になってますが、最近知的も受けてくれるようになったそうです。」
って、おい... だったらなぜリストを更新しておかないのだ...?


こういうのって ほんとおかしいと思うんだよねー。
最初にリストを渡す時点で、なぜこの情報をくれないのか...

そりゃ、役所だから公平を期する必要があってお勧めとかできないのはわかる。
でも、例えば ”〇〇会系は事業利用者のみが対象になっています” くらいは
言っても問題ないんじゃないかね。
そしたら半分は対象外になるのが最初からわかる。

私はたまたま育成会系の先方の担当者がいい人で 丁寧に話を聞いてくれて
”うちは利用者だけなんですよ。”って言ってもらえたからいいけど
区の自立訓練事業所なんて「受けられません。」だけ。
私が「それは利用者のみ対象ってことですか?」って聞いたら
「そうです。」って。

つまり、その情報が得られないと 1件1件しらみつぶしに電話する羽目になるわけ。
ゴリゴリ言った者だけが情報を得られる っておかしいでしょ。

こういうのほんと、お役所仕事だなー と思うんだよね。
リストを作って渡せばいい ってだけで
それを使う人の立場でぜんぜん考えてない。
ほんと意識改革してほしいよ。

役所の人も言われないとわからないみたいだから
まぁ みんなでゴリゴリ言っていった方がいいとも思うけどね。
だってそれ わが子のためだし
わが子のためは結局みんなのためなんだもん。


あ、で 結局バンビは教えてもらった社会福祉法人の1つに
引き受けてもらえることになったんだけどね。😅 
来春なら年明けてから面談で って話で予約できたから良かった。
教訓:Noと言われてもそこで引き下がらず、一応ひと押ししてみると良いよ。

もうほんと1つ1つ 社会的自立に向けて
親がやっとかなきゃいけないことをクリアしていく ってカンジだなぁ...。
やれやれ... (最近これ多い)
コメント (2)
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初めての鍵

2021年09月26日 | プラダー・ウィリー症候群
プラダー・ウィリー症候群は 食欲との戦いだと言われているけど
これまでバンビには盗食はもちろん、過食の傾向もなく
肥満というほどでもなく
Dr.の「そういう子もいるんだよねー。」という言葉に
うちは”そういう子”なのかなぁ とかすかな期待も持っていた。

それでも”今日大丈夫だからって、明日も大丈夫って保証がないのがPWS”だと
ずっと自分に言い聞かせてきたのだけど...

この夏 バンビが壊れてきていることは以前にも書いた。→就労への道⑫

夜 私が仕事から帰ってくると、急に慌てたように動くバンビがいて
お菓子の入っている戸棚の扉を閉めたり、ごみ箱に何か捨てたり。

見ると 安かったからまとめ買いしてあったお菓子の袋が
あれもこれも開いていたり
ごみ箱にお菓子の個包装の袋がいくつも捨ててあったり...
その度に 驚きとショックと脱力の波が押し寄せてくる。

でも私は”食べたことを怒ることはしない”と心に決めている。
じゃないと 嘘をつくから。
「怒らないから何を食べたかのか教えて。」と言っても
隠したい気持ちが働くのか なかなか正直には言わないんだけどね。

まぁ、高校生男子だからね そりゃお腹も空くだろう。
私だってその年頃はお腹が空いて、ご飯をモリモリ食べていたもんなぁ...
(だから太ったんだけど...w)
普通なら丼飯食べるくらいのお年頃なんだよね。

それをお菓子を多めに食べたからって 
目くじら立てて叱るのもかわいそう... なんだけど
でも それやっちゃったら確実に太ってきてるんだよねぇ。

コロナ禍で運動量が減っているせいもあるけど
身体がごっつく丸くなってきているのは目に見えて明らか。
おなかに枕入ってるみたいになってるもんなぁ...

食べさせてあげたいけど、代謝が悪いから太る一方で
なかなかそうもいかなくて 不憫で仕方ない。
本人も食べちゃダメなことは重々わかっていて
でも食べたい気持ちが止められないんだもん つらいよね...。

不憫だけど、糖尿病とかになられても困るので
結局 「鍵」を掛けることにした。
食べるものがあるから食べてしまうわけで
これはもう物理的に食べられないように環境整備をするしかないんだよね。

いろいろ考えて、お菓子を全部ソフトクーラーバックに入れ
蓋の開閉はダブルジッパーになっているので
それにダイアル式の南京錠を着けて、戸棚にしまう。

バンビには毎日1回分のおやつを袋に入れて置いておくことにした。

やめろと騒ぐかと思ったけど
自分のおやつ袋に入っているおやつを確認したら 安心なのか
特に何も言わなかった...。
あ、言ってたのは「これはもう開かないんだね。」のひと言...涙

それでもバッグに入れてなかった
夏の実習の時用に買ってあった塩梅干し飴を
3つも食べてたけどね。

必要もないのに冷蔵庫を覗いたりしていることがあるから
他に何か食べるものがないか 物色しているのかもしれない。

でもとりあえず冷蔵庫の中にあって 
バンビが好んで、しかもすぐ食べられるものはパン類くらいしかないからね。
パンを食べてしまうと次の日の朝困るのは自分だとわかっているだろうから
それにはたぶん手をつけないだろう と
冷蔵庫に鍵を掛けるのはまだやってはいない。
まぁ、それも今のところ であって、先のことはわからないけど...

他にも奇行はいろいろあって
とにかく部屋が散らかり放題で
何故か一度捨てたごみ箱のごみ(ほぼ使用済みティッシュ)を
また床に出してあったり
トイレの棚に丸めたトイレットペーパーの玉がいくつか並んでいたり
(そんなことしているから余計トイレが長いんだよ...)
自分で鼻の穴にこよりみたいなのを入れてくしゃみをしてみたり
猫に水をかけるのもまだたまにやっているみたい...

いや、もっと心理的に不安定になってるプラダっ子のことも聞いてはいるけど
でもバンビだって十分”おかしい”状態だよね。

これもいつか落ち着く日が来るのだろうか...
今はまだトンネルの先に灯りがあるのかわからず
暗い道を手探りで歩き続けるしかなくて
そういう日々が今日も明日も続く中で生きていくのは
親も子も苦しい。 

それでも 前を向いて歩いていくしかないんだよね。
親はありったけの知恵を絞って、常に試行錯誤して
わが子を守るために できる限りのことをしていくしかないんだと思う。
あきらめるわけにはいかない...。

この初めての鍵が いつまでこのまま続くのかはわからないけど
とりあえずは様子を見ていくしかないんだよね。やれやれ...
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就労への道⑬ 進路が内定しました

2021年09月20日 | 社会的自立に向けて
 前回の記事に書いた福祉型カレッジでの実習も無事終わり
先日「合格通知」が学校経由で届いた。
あとは入学申込書を提出すれば、晴れて入学決定。
やれやれ~。

就学もそうだけど、ギリギリまで決まらないというのはやっぱりつらい...
9月の段階で目途が着いたのは 精神的には助かるなぁ。

就労に至らなかったことを残念に思う気持ちがあるのは正直なところ。
でも、バンビの現在の実力ではそれは難しいというのが結論だから仕方ない。

実習最終日の面談で、「僕はここに入りたいです。」と力強く言ったバンビの
その気持ちが叶ったのだからそれが何よりなんだろう。

ストレス耐性の低いPWSのバンビに無理を強いるのは
平穏な生活まで壊しかねないことは 重々承知している。
実習で慣れないところに通う生活は 見通しが立たないことに不安を感じる
バンビにはやっぱり負荷がかかる。
だから もう実習に行かなくていい というのは
親の私にもちょっとした解放感があるんだよなぁ~。

バンビは何より 普通の子がみんなやっているような生活
友達と連絡取り合うとか、一緒に出かけたりとか そういうことに憧れていて
(まぁそれはなかなかリスクのあることでもあるのだけど)
そういうことがもしかしたらできるかもしれない環境に身を置きたい
そう願っているわけで
働くのは いずれすることになるだろうけど
今はそういう青春生活メインで と考えたとしても悪くないと思う。

何より今はこの新型コロナ禍で企業実習もままならないような状況で
社会がこの状況を抜け出すのにまだあと2,3年はかかるかもしれない 
と言われている。
だったらトータル4年(後半2年で就労が決まればそこで終わり)
のんびり過ごしてもいいのかもしれない。

そんなこんなで ”縁あるところに落ち着く”というか
”そうなったことがいちばん良いこと”だと今は信じていこうと思ってる。

これがゴールじゃなくて、まだまだ先は続いていくんだけど
「就労への道」はひとまずこれで終わりにしよう。
就労できればいいわけじゃなくて
やっぱり「社会的自立に向けて」がこれからの目標になってくるわけだしね。

後は残り半年の高校生活を楽しんでほしいな。
これからも出会いに恵まれて(バンビは割とそういうの”持ってる”人)
いっぱいいろんな経験を積んで 
毎日が”楽しい”にあふれている そんな時間が過ごせたら 
と 母は願っています。
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まだまし と思うことで救われることもある

2021年09月06日 | 日々の出来事
学齢期最後の夏休みも終わり、2学期が始まりました。
すぐにバンビは自立訓練+就労移行の事業所に実習に通うことになり
今日が初日で 私も担任の先生と一緒に挨拶&見学してきたんだけど...

そこは今はやりの福祉型カレッジの元祖みたいなところで
みんなわちゃわちゃ楽しそうにやっていて
(障害者特有の歯止めのなさみたいなものがあり
 ちょっとうるさかったりもしたけど)
やっぱり普通の就労移行とはちょっと違う雰囲気。
まぁ、バンビが入れてもらったのは 自立訓練のクラスだから当たり前か...
学校の延長みたいなカンジかな。

今日は一般教養の時間に交通ルールのことを習ったり
就労の時間には 事務の仕事にはどんな業務内容があるか を学んだりしたみたい。
お勉強が苦手なバンビにはちょっと難しかったみたいだけど
卒業生とか顔見知りもいたので、それなりに楽しく過ごせたらしい。
まぁ 一安心。

自立訓練2年と就労移行2年やって それでものにならなくても
就労継続支援の事業所(いわゆる作業所)でもいいよね。
バンビが平和に毎日を過ごせるなら 例え就労できなくても...
無理を強いることは もうやめよう。
そんな風に思ったら 私も少し気が楽になった。


実は 以前から知っているバンビより何年か年上のPWSの保護者の方と
ちょっとだけ話をする機会があって
そのお子さんは 今 作業所にも行けなくなって在宅状態なのだとか...
いろいろ精神的な症状も出ていて 服薬しているという。

このところのバンビの様子に悩まされていた私だけど
そういう状況に比べたら 「まだまし」なんだな と実感する。

でもそのお母さんも
「それでも 警察のお世話になるようなことはしてないから まだまし
 と 思うことにしてる。」と...。

これね、酷い話のように聞こえるかもしれないけど
(比較の対象にされる方はいい気分はしないだろうから)
でもそうやって 自分より悪い状況の人と比べてそれよりはまだまし って
思うことで 人間はギリギリのところで踏ん張ることができる 
っていうのも また事実なんだよね...。

その先輩ママさんに 
「追い込んじゃダメってわかってて気を付けて育ててきたのに
 こんな風になっちゃって...。」と嘆いてらしたけど
バンビも そのお子さん程じゃないけど
やっぱりPWS特有の 見通しの立たないことへの不安や
ストレス耐性の低さがあることをわかっていて
私はそこを十分にケアしてあげられてなかったなぁ と思う。
まぁ難しいとこなんだけどね...

命さえあれば、元気でさえあれば、毎日が平穏でさえあれば
それでいいはずなのに
ついつい 親の見栄や欲目でそれ以上を望もうとしてしまう。
バンビを追い込んでしまう。
わかっているのに ダメだなぁ、私...。

バンビはいい子なんだよ、かわいい子なんだよ。
私の宝物で、命に代えても守りたい大切な存在なんだよ。

それなのに 彼の将来を案じているようで 
私は自分のことを案じていたのではなかったかー。

そんなことを反省した 夏の終わりの一日...。
コメント (2)
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