バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

嘘じゃなくて、思い込みなんです

2013年08月14日 | 問題行動
北海道旅行から帰ってきました。
飛行機降りた瞬間に数日忘れていた熱気がもわ~ん。
いや、毎日ほんと暑いです。
まだ写真の整理もできてないので、旅行の顛末は後日記すとして
先日の記事と関連した他の”PWSの特徴”にまつわる話を-。


これは問題行動という程ではないけど、1つは記憶力について。

先日スーパーに一緒に買い物に行って、ちょうど冷凍食品の特売日だったので
「学童のお弁当に入れようね。」といくつか購入したんだけど。

それをバンビはちゃんと覚えていて(もう10日以上たっているのに)
「ママ、今日のお弁当は何? スパゲティ入ってる? しゅうまいは?」みたいなことを聞いてくる。
私なんてもう記憶が飛んでるから「スパゲティって、何の話よ?」くらいな状態だったのに。
(いつもはスパゲティなんてお弁当に入れないし、冷食も普段そんなのは買わないから、すっかり忘れてた。

PWSの人は短期記憶が苦手で、長期記憶に長けているって話は前から耳にするけど
ほんとに 勉強なんかは今教えたことをもう忘れてる なんてのが日常茶飯事なのに
(てか、これは最初から頭に入ってないだけ?)
好きなこと、関心のあることは 視覚だけじゃなく、ちょっと聞いたことすら
時間がたってもよーく覚えていて、驚かされたり感心させられたりすることがしばしば。

最近では、記憶に関しては私の方が怪しいので
バンビに「覚えておいて、ママに教えて。」と言っておくと
ちゃんと(それもかなりしつこく)リマインドかけてくれるので重宝しているくらい。
まぁ、これはありがたい特徴でもあるのでまだいいんだけどね。


もう1つが妄想(思い込み)というか、過大表現というか。
前に書いたことともちょっとカブるとこあるけど
例えば、”おばあちゃんのうちに1泊する”が、学童の先生には”木曜から日曜までずっと泊まる”と話してたり。

嘘ついてる つもりは、本人にはまったくないんだよね。
期待なり願望なりが そういう思い込みへと変わっていってしまうというカンジなんだろうか。
本人の中ではそれが事実になってしまっているので
「違うよ、1泊でしょ。」と言っても、「ううん、ずっとだよ。」と頑として言い張る。

私はバンビと一緒にいて状況も把握しているから、事実と本人の思い込みの違いもわかる。
でも、そうじゃない人にはわからないよね。
今はまだ笑って済ませられることがほとんどだけど、これも将来トラブルの種になる可能性は大。


例えば、カレンダーなり予定の書いた手帳を見せて、「ほら、この日に泊まるんだよ。」と言えば
バンビも「あ、そうだった。」で済んだりするんだけど。
それを「何言ってるの、違うでしょ!」とやっちゃうと
「泊まるんだもん。ずーっと泊まるんだよー。(泣)」てな事態に陥ってしまいがち。

本人ちゃんとわかっているんだけど、相手が「へぇ、そんなに泊まるの。いいねー。」なんて反応してくれるのが嬉しくて
つい、1泊が3泊になっていったり ということもあって。
だから決して、本人的には”嘘”ではなく”話がオーバーになってるだけ”だったりするわけね。


でも、そういうのは まだ許せる範囲なんだけど
例えば、自分がしたことを人のせいにしたり そういう明らかな嘘はやっぱり許しちゃいけないもんね。
でも、それも 本人的には怒られたくない気持ちから そういう風に本気で思いこんだりするからなかなか厄介で。
追及すると意地でも違うと言い張って、すごくこじれることがあるから
対処の仕方は要注意。これも加減がすごーく難しい。


PWSの人にとっては、食の管理のことも もちろん大きな課題ではあるんだけど
私としては それよりこういう精神面の課題に対する対処の仕方を
是非、PWSをケアする人(親も含めて)のスキルとして
ノウハウ集にまとめるとか、ロールプレイングでトレーニングするとか
そういう方にもっていけたらなー というのが、最近の切なる願いであり目指すべきところになってきている。

具体的にどういうアクションをしたらいいのか 今はまだわからないけど
必ずそれは実現したい。いつかバンビを他人の手に委ねるその時までに。

メールはこちらまで → bambi-suzu@mail.goo.ne.jp
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人好き故に

2013年08月07日 | 問題行動
夏休みも早いもので、調度折り返し地点。
朝学童に持っていくお弁当を作り、出かけるまでの時間に宿題を見てやって、バタバタと出勤。
帰ってからは、買い物をし、夕飯の支度をして、バンビが寝るまでもう嵐のような状態。
やれやれ、疲れる。
フルタイムで働いている人はこれが毎日だもんなー。ほんとに尊敬しちゃう。

でも、考えてみたら去年までの夏休みは
「ねー、ママー。今日はどうするのー?
 電車乗りたい。公園行きたい。どっか連れてってー。」を朝からずっと繰り返されて、本当に辛かったんだけど
毎日ちゃんと行くところがあって、予定が決まっていれば そういうことはなく
まぁ、比べれば 忙しい方がまだ精神的に楽かなー と思ったりする。

PWSの人は、何より不安感が強いので
予定が決まってないと 自分は何をしたらいいのか、どこへ行ったらいいのか
どうなってしまうのか 等々が気になって仕方ないのだろう。
この障害の特性を踏まえた上で、うまく付き合っていくしかない。


そう思うんだけどねー。わかっていても、どうしたもんかと思うこともあるわけで...。
例えば、人見知りナシ。警戒心ゼロ。人懐こくておしゃべり好きなところ。

そりゃ、小さいうちはいいんだよね。かわりがられてむしろ得な面もある。
だけど、バンビももう10歳。
やっぱり ”普通じゃない”というか ”変わっている”というか。

例えば、スーパーですれ違いざまに ちょっと年上の女の子に声をかける。
(いや、ナンパではなく... ほんとに知り合いに挨拶するみたいに。)
知り合いかなと思って見ると、相手はあきらかに”この子、誰?”と怪訝そうな表情。

「知ってるの?」と聞くと「...うん。」返事が明らかに鈍い。
「お友達と間違えちゃった?」と重ねると、「ううん、知り合いだったよ。」とキッパリ。
でも、このキッパリが曲者で、大抵は嘘 というか 思い込み、妄想なんだよね。
そう、嘘ではなくて。
嘘ついてごまかそうというんじゃなくて、やり取りしているうちにほんとに知り合いだと
本人の中では認識されてしまう みたいなカンジ。


あと、もう1つ困るのが「プラダーポリス」と言われている、妙な正義感。

例えば、ある日まだ補助ナシ自転車に乗れないバンビを私の自転車の後ろに乗せて信号待ちしていた時
「ママ、後ろの人、二人乗りしてるよ。」
いやいや、こっちも立派な二人乗りですから...。

それだけならまだいんだけど、その人達に
「二人乗りはいけないんですよ。危ないからダメなんです。」って話しかける。
や、やめてー。お前が言うなー!

若いカップルらしき二人(何しろ後ろだからよくは見えない)は
そういうバンビを面白がってニヤニヤ笑っているらしく
私が焦って「余計なこと言わないでいいの!」と言ったら、それがゲラゲラ笑いになった。
そこで信号が青になったから それ以上関わらないで済んだので良かったけど...。

人によっては、あるいは状況によっては 人の怒りを買いかねない。
例え、内容的には正しくても 世の中 ”言わぬが花”ってことはあるもんね。

こういうのって、まぁPWSに限らず 人の気持ちがわかりにくい発達障害の人にありがちだと思うんだけど
うまく説明するのが とっても難しくて。


人が好きで、人と関わりたい という気持ちはいい面で働く場合もあるんだけど
ここに書いたみたいなことは トラブルの種になりかねないので
今は ”知らない人にやたらに話しかけると、恐いおじさんに連れていかれちゃうこともあるんだよ。”
という脅しでセーブしてるカンジなんだけど(いい方法だとは思ってないけど)
ちゃんと説明するのも、バンビにわからせるのも 難しくて苦労しているところ。

何かいいお知恵があったら拝借したいわー。

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水泳教室 その後

2013年08月07日 | 日々の出来事
先日書いた水泳教室の話の続き。
さて、3日目。私はどうしたかと言うと...

まず、始まる前に バンビにどうしたいかを聞いた。
そうしたら「みんなといっしょじゃなきゃダメなんだよ。」という返事。

なので、みんなと同じ更衣室で着替えてもいい。
その代り、始まる前にママと一緒に向こう(障害者用)の更衣室で先に水着を着よう。
(その上に服を着て、受付まで待っている ってことね。)
それと、終わってからは お兄ちゃんに助けてもらわないで、自分のことは自分ですること。
それができるならいいよ ということにして送り出した。

実際には、始まりはスムーズにいったらしく
終わってからは、また例の6年生が 途中1回報告に来てくれたんだけど
「遅くなると申し訳ないから、ほっといてくれて大丈夫よ。
 時間かかるけど、自分でやると思うから。」と言って、お礼を伝えた。

で、実際みんなが帰ってちょっとしてから やっとバンビも出てきたんだけど
その様子は 自分で頑張ったことに満足しているようだった。


なので、4日目もそのやり方で。
この日は終わった時、6年生の子はとくに報告することもなくそのまま先に帰っていった。

前日のやり取りをその子のお母さんが横で聞いていたので、何か指示したのかはわからないけど。
例えば、立場が逆で私だったら 
”あの子は自分で頑張っているんだから、手伝わない方がいいかもしれないよ。”って言うかもなー と思ったりするし。

そして、最終日。
この日は始まる時にいくら待ってもバンビが出てこない。
どうしたんだろう? と落ち着かなくて、見に行こうとしたら
バンビが水着のまま(もちろんまだ濡れてはいなかったけど)見学ブースに来て
「ロッカーの100円がない」と言い出す始末。(さっきちゃんと渡したじゃーん。

まぁ、そんな小さなトラブルはあったけど、5日間の水泳教室は無事終了。

関節の(特に膝の)動きがぎこちないバンビにはバタ足が難しいようだけど
息継ぎナシのクロールで3m泳いだらしい。

担当の先生から渡された修了証には
「呼吸もでき、バタ足も進みますが、腕を回すと遅くなります。
 いっぱい練習してね。
 浮けない友人に話しかけ、なごませてくれていました。ありがとう。」と書いてあった。

バンビらしくてちょっと笑えた。頑張ったね、バンビ。

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新聞記事(鎌田實先生のインタビュー)より

2013年08月07日 | ことばのメモ
7月29日朝日新聞・夕刊の「人生の贈りもの」というコラム(インタビュー記事)は
「がんばらない」の著者としても有名な諏訪中央病院名誉院長・鎌田實先生の1回目。
その中からメモ。

・・・
「がまんしなくていい」(集英社)では、二つの「幸せホルモン」を中心に、我慢せず幸せになる方法を考えました。

-幸せホルモンとは
 一つは「喜びホルモン」のセロトニン。
 おいしいものを食べたり、感動したりすると出る。
 睡眠や体温調整のほか、不安を抑え、幸せ感をつくりだす。
 もう一つが、誰かのために何かをする時に出る「思いやりホルモン」のオキシトシン。
 抗炎症作用がある。
 動脈硬化も炎症の一種ですから、人のために何かをすると、回りまわって自分の老化を防ぎ、血管の若々しさを保ってくれます。

-「1%だけ、誰かのために」と呼びかけていますね
・・・

セロトニンとオキシトシン、PWSにも関係していそうなホルモンだよね。

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