バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

冷蔵庫に鍵をかけました

2022年06月11日 | プラダー・ウィリー症候群
 お昼のドカ食いは、現金支給に戻してから落ち着きを見せていたバンビ。
6月からはカレッジも通常の運用に戻り
生活も安定したかのように思っていたのだけど...

忘れた頃に繰り返す問題行為。

オットが買いたがってコストコで買った大きなあんバターの瓶
たぶんまだ3分の1、いや少なくとも4分の1は残っていたと思うんだけど
気づいたら冷蔵庫から瓶ごとなくなっていた...

「瓶をどこにやったの? 返して。」と怒らずに言ったら
「もう、ない...」 

前に一度舐めて食べた痕跡があって(スプーンが置いてあった)
気にはしていたんだけど まさか瓶ごとやられるとは…

バンビを叱っても仕方ないんだよね。
そんなの買ったのが間違いだった。(確かに美味しかったけど...)

なんだか眠れなくて、そのまま明け方4時に 冷蔵庫の鍵をポチった...。


バンビが生まれて間もない頃は
PWSの特性を知って、絶望して
冷蔵庫に鍵を掛けなくちゃいけないのかと 暗澹たる気持ちに陥っていた。
確かベビー用の冷蔵庫ガードを購入した気がする...

でも、その後 過食も盗食もないまま平穏に日々は過ぎて
その冷蔵庫ガードも いつしか処分してしまったっけ。

食べ物をいたずらに目に付くところに置かないよう気を付けてはいたけど
だからと言って、特に隠すようなこともしないまま
ただただ 糖質・脂質の摂取と
全体の食事量を摂りすぎないよう気を付けていただけの
普通の生活をしてきた。

ただそれでも 
”今 大丈夫でも、明日も大丈夫という保証がないのがPWS”だと
ずっと思ってきた。

そう、実際 大丈夫ではなかった...

でも、それだって この年齢の男子なら食べたい盛りのはずで
それを思うと そんなに超食べ過ぎってわけでもなく
なのに 身体はどんどん太って大きくなっていくのが
ほんとにかわいそうな病気なんだよね。

食べ過ぎてしまうと ついついそれを叱ってしまいがちだけど
バンビは悪くない。
ほんとに悪くないんだよね...

食べてしまうバンビをどうにかしようとするんじゃなく
食べ過ぎてしまわないように 環境を整えていくしかない。

だから、冷蔵庫に鍵を取り付けた。

それはもちろん哀しいことだけど、そこに昔感じたような絶望感はなくて
バンビを守るために必要な処置なんだと 
前向きな気持ちで考えられるように今はなった。

ちなみに、うちが付けたのはこんな鍵。→冷蔵庫ドアロック


これを私が仕事に出かける時と、夜寝る時に施錠する。

粘着テープをちょっと温めてから貼り付けるんだけど
これが意外にもガッチリしていて、一度貼ったら剥がすのは難しい。

今は 認知症で冷蔵庫を漁って食べてしまう人も多いのか
大人の力でも開かない こういう冷蔵庫ドアロックの種類も豊富で驚いた。

鍵(key)を掛けるタイプのも多いけど、それだと鍵の管理の問題があるので
いわゆる南京錠 ダイアルロック型のものを選んでみたけど
いまのところ使い勝手は悪くない。

バンビには何も言わずにいきなり施錠し始めたんだけど
朝「鍵がかかってて開かないよ。」と普通に言ってきて
特に抗議するでも、文句言うでもなく...
どういう風に受け止めているんだろうか わからないけど。

でも、彼にとっても 
探せば食べられるものがあるのに我慢しなくちゃならない っていう状況より
食べ物があっても、それに物理的に手を出せない方が
それは無いのと同じで 精神的には楽なんじゃないかと思えてならない。

さてさて、このやり方がどこまで通用するかはわからないけど
しばらくはこれで様子を見て見ようと思ってる。
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これぞプラダーウィリー!

2022年04月13日 | プラダー・ウィリー症候群
カレッジは給食はないけれど
仕出しのお弁当を注文することはできるので まぁ親としては助かる。

1ヶ月分をまとめてオーダーするんだけど
バンビは買い弁(コンビニ等でお弁当を買う)もすごくやりたがっていて
まぁ買い物練習にそれも良いかと思うところもあったので
それじゃ 最初の1週間は毎日仕出し弁当。
2週目からは 月・水・金は仕出し、火・木は買い弁で ということに決めた。

ところが、スタートしてみたら どうも実習の時と業者さんが変わったのか
「量が足りない。」と言い出した。(料金は値上がりしたのに...)
でも献立表に書かれているカロリーを見たら
それ以上増やすわけにもいかないカンジ。

「みんなも食べてるんだから我慢しようね。」と言い聞かせ
それで納まると思っていた私が甘かった。

買い弁はいままでも 私がお昼いない時に時々チャレンジしていて
その時は千円札を渡して、おつりとレシートを返す ということで問題なく
やってきていたのだけど
毎回それをやるのは面倒なのと、それだと小銭が溜まるので
PASMO(交通系ICカード)を使って買い物し
週末にチャージ&アプリで家計簿管理 という運用にしようと試みていた。

1週目の金曜日の朝
帰りにPASMOに利用履歴を印字してくるように言ったら異様に抵抗する。
これは何かある...

結局 渋々印字したレシートを出して来たのだけど
見てびっくり! 口あんぐり...
物販で買い物をしていて 残高が想定以上に少ない。

しかも バンビの部屋に転がっていたレシートを見て愕然とした...

お弁当があった日にも関わらず、おにぎり2個を買い足し
さらに菓子パン2つを... OMG
(ちなみに帰宅してからおやつも食べてる)

翌日は お弁当に+かつカレーとポテサラ。

こんなことしてたら 糖尿病になるよ、なったら大変なんだよ! と
懇々と諭して 「わかりました。もうやりません。」と約束したはずが
翌週 朝、生姜焼き弁当とポテサラ買って持っていったのに
同じ日の昼 また生姜焼き弁当を買っているのって 何なのー⁉
まったく意味がわからない。
(どんだけ生姜焼きとポテサラ好きなのか...)
しかもコロッケパンまで...

考えただけで こっちが胸焼けする...
いや、ほんと これがプラダーウィリーなんだね...

これまでの19年間 私なりに(そんなにガッチリはやってないにしても)
食事に気を付け、運動をさせ 頑張って何とかかんとか体型維持してきたのに
この1年であっという間に 肥満体型。
思春期恐るべし... 
何だかもうがっくりきてしまって、完全に虚脱状態の私...

そりゃ食べたいんだろうな
この年頃ならおなかすくよね...
私だって ご飯モリモリ食べてたし
高校生男子とかなら 早弁してまた食べて、帰りもなんか食べて とか
あたり前のようにしてるんだろう。
でも、バンビは代謝が悪いから それやると太るんだよね。
確実に二重顎、おなかも相撲部屋入門か ってカンジ。

自分でもまずい と思う気持ちはあるみたいで
PASMOで買いまくると残高なくなるよ と言われてからは
自分のお小遣いで買ったりもしてた。
そういう知恵は回るんだよね...

うーん...
毎回現金を扱うよりPASMOで買い物する方が
手先が不器用でお財布から小銭を出すのにもたついたり
その場で計算ができないからとりあえずお札で払って小銭でおつりをもらう
っていうのをしなくてすむからいいかと考えていて
このやり方を軌道に乗せたいと思っているのだけど...

今は お金を使うこと自体が楽しい っていうのもあるだろうし
親の監視の目から解放された気持ちもあるのかもしれない。
少ししたら落ち着くのか、ずっとこうなのか(なんてったってPWSだからね)
悩みどころ。

あぁ、今度の定期検診 怖いなぁ...
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初めての鍵

2021年09月26日 | プラダー・ウィリー症候群
プラダー・ウィリー症候群は 食欲との戦いだと言われているけど
これまでバンビには盗食はもちろん、過食の傾向もなく
肥満というほどでもなく
Dr.の「そういう子もいるんだよねー。」という言葉に
うちは”そういう子”なのかなぁ とかすかな期待も持っていた。

それでも”今日大丈夫だからって、明日も大丈夫って保証がないのがPWS”だと
ずっと自分に言い聞かせてきたのだけど...

この夏 バンビが壊れてきていることは以前にも書いた。→就労への道⑫

夜 私が仕事から帰ってくると、急に慌てたように動くバンビがいて
お菓子の入っている戸棚の扉を閉めたり、ごみ箱に何か捨てたり。

見ると 安かったからまとめ買いしてあったお菓子の袋が
あれもこれも開いていたり
ごみ箱にお菓子の個包装の袋がいくつも捨ててあったり...
その度に 驚きとショックと脱力の波が押し寄せてくる。

でも私は”食べたことを怒ることはしない”と心に決めている。
じゃないと 嘘をつくから。
「怒らないから何を食べたかのか教えて。」と言っても
隠したい気持ちが働くのか なかなか正直には言わないんだけどね。

まぁ、高校生男子だからね そりゃお腹も空くだろう。
私だってその年頃はお腹が空いて、ご飯をモリモリ食べていたもんなぁ...
(だから太ったんだけど...w)
普通なら丼飯食べるくらいのお年頃なんだよね。

それをお菓子を多めに食べたからって 
目くじら立てて叱るのもかわいそう... なんだけど
でも それやっちゃったら確実に太ってきてるんだよねぇ。

コロナ禍で運動量が減っているせいもあるけど
身体がごっつく丸くなってきているのは目に見えて明らか。
おなかに枕入ってるみたいになってるもんなぁ...

食べさせてあげたいけど、代謝が悪いから太る一方で
なかなかそうもいかなくて 不憫で仕方ない。
本人も食べちゃダメなことは重々わかっていて
でも食べたい気持ちが止められないんだもん つらいよね...。

不憫だけど、糖尿病とかになられても困るので
結局 「鍵」を掛けることにした。
食べるものがあるから食べてしまうわけで
これはもう物理的に食べられないように環境整備をするしかないんだよね。

いろいろ考えて、お菓子を全部ソフトクーラーバックに入れ
蓋の開閉はダブルジッパーになっているので
それにダイアル式の南京錠を着けて、戸棚にしまう。

バンビには毎日1回分のおやつを袋に入れて置いておくことにした。

やめろと騒ぐかと思ったけど
自分のおやつ袋に入っているおやつを確認したら 安心なのか
特に何も言わなかった...。
あ、言ってたのは「これはもう開かないんだね。」のひと言...涙

それでもバッグに入れてなかった
夏の実習の時用に買ってあった塩梅干し飴を
3つも食べてたけどね。

必要もないのに冷蔵庫を覗いたりしていることがあるから
他に何か食べるものがないか 物色しているのかもしれない。

でもとりあえず冷蔵庫の中にあって 
バンビが好んで、しかもすぐ食べられるものはパン類くらいしかないからね。
パンを食べてしまうと次の日の朝困るのは自分だとわかっているだろうから
それにはたぶん手をつけないだろう と
冷蔵庫に鍵を掛けるのはまだやってはいない。
まぁ、それも今のところ であって、先のことはわからないけど...

他にも奇行はいろいろあって
とにかく部屋が散らかり放題で
何故か一度捨てたごみ箱のごみ(ほぼ使用済みティッシュ)を
また床に出してあったり
トイレの棚に丸めたトイレットペーパーの玉がいくつか並んでいたり
(そんなことしているから余計トイレが長いんだよ...)
自分で鼻の穴にこよりみたいなのを入れてくしゃみをしてみたり
猫に水をかけるのもまだたまにやっているみたい...

いや、もっと心理的に不安定になってるプラダっ子のことも聞いてはいるけど
でもバンビだって十分”おかしい”状態だよね。

これもいつか落ち着く日が来るのだろうか...
今はまだトンネルの先に灯りがあるのかわからず
暗い道を手探りで歩き続けるしかなくて
そういう日々が今日も明日も続く中で生きていくのは
親も子も苦しい。 

それでも 前を向いて歩いていくしかないんだよね。
親はありったけの知恵を絞って、常に試行錯誤して
わが子を守るために できる限りのことをしていくしかないんだと思う。
あきらめるわけにはいかない...。

この初めての鍵が いつまでこのまま続くのかはわからないけど
とりあえずは様子を見ていくしかないんだよね。やれやれ...
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PWSっ子の癇癪対応

2020年03月07日 | プラダー・ウィリー症候群
 突然の学校休校に学齢期の子ども達はどんな風に過ごしているでしょう?

うちの場合は、私が半日出勤の日はバンビは一人で留守番。
1日勤務の日は放課後デイを利用してなんとか対応。
そこはルーチンをきっちりこなすプラダっ子。
午前中は学校から出された宿題をきちんとこなし
お皿洗いなどの手伝いを済ませてから
好きなテレビを見たり、ゲームをしたりと まぁまぁ楽しんではいる様子。

ただ、余暇活動のバスケもスイミングも
体育館やプールが利用できなくなったため活動中止となり
運動不足が心配な状況だな...。

1人で留守番の日は、おしゃべりする相手もいないので
私が帰宅してからはチャットボックス状態。
しゃべる、しゃべる...うるさくてかなわない。

人好き・お出かけ好きの子が、家に一人でいるのはやっぱりストレスなんだろう。
昨日はついにデイで事件発生。
癇癪と泣きで固まるバンビ。

事の始まりは
トイレの中の手洗いは使わず、洗面所で手を洗うように言われてたのに
思わず中で洗ってしまったらしい。
で、”誰がやったの? 床がビショビショで他の子の靴下が濡れちゃったよ。”
ってなった時に、名乗り出て謝ることができなかった。

支援員さんはバンビだとわかっていたから注意したら
バンビは固まってしまい、挙句にその支援員さんを蹴ってしまったらしい。

以前にも そういう状況で支援員さんに手を出したことがあったからか
「暴力は絶対にダメ! もうここに来られなくなるよ。」と言われたら
泣きだしてどうにもならなくなった...。 という話だった。

もちろん、バンビが悪い。
家でも注意されて気に食わないと
たまに 私のことを押したり叩いたりしてくることがあって
それは絶対ダメだと言い聞かせているのだけど、やっぱりやってしまう。
この瞬間的な怒りの表出は PWS特有のものなのかなと感じる。

ただ、障害があろうとなかろうと
やってはダメなことはやってはダメなのは当たり前。
他害をしたら居場所がなくなる それは万人共通。

それを踏まえた上であえて書くのだけど
だから 当人をそういう状況に陥らせないように
家族や支援者がうまく対処してくれたらいいんだけどな と思う。

泣きじゃくって帰ってきたバンビを とにかく座らせて話を聞いてみると
「もうデイに行けない。どうしよう。」って それで思考停止していて
すべてがシャットダウンされている状態だった。

本人は ”やってしまった、まずかった”という認知はあるんだよね。
今回もバンビはわかっていて、でも恥ずかしくて名乗り出て謝ることができなかった。
だからそれを悪いことだとさらに説教する必要はないんだよね。
そして「もう来れなくなるよ。」みたいな否定的な言葉で追い込むべきではない。

いちばんいいのは、落ち着くまで待つこと。
いろいろ言葉をかけないで、座らせて少し離れて見守る。
落ち着けば会話もできるし、何が悪かったかは理解できる。
そしたら、気持ちに寄り添い肯定的な関わりをする。

「恥ずかしくてできなかったの?」
「その時、ごめんなさい って言えれば良かったね。」
「暴力はやってはいけないことだって、わかってたよね?」
「謝ることはできる?」 てな具合に。

今回 話の終わりに「今電話して、自分で謝る?」と聞いたら
「今は泣いちゃうから無理。」と言っていたので
「じゃあ、とりあえずお母さんがお詫びのメールだけしておくね。」と。
でもメール送り終わった頃、結局自分からちゃんと電話して
「ごめんなさい。」と謝ることができたんだよね。

管理者の方からもすぐ返信いただいて
その日のうちに自分から謝ることができたのは大きな成長を感じると言ってもらえたので
バンビにもそのことは伝えた。

失敗体験を失敗したままで終わらせない というのも大事なこと。

支援員さんに特にケガもなく、今回は良かった。
私はお詫びもしたけど、今後はこういう風に(時間に余裕があれば放置)してほしい
ということも伝えた。
支援者にもPWSを理解してほしい、対処の仕方を知ってほしい。
親にできることをしていくしかない。

もう何度も書いてるけど、PWSはストレス耐性が低い。
だから、かけずに済む負荷ならかけないようにする。
対応の仕方を工夫する。
これはとても大切。

他の親御さんや支援者の方にも知っておいてもらえたら と思って書いてみました。
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食を制限するかしないか

2018年11月21日 | プラダー・ウィリー症候群
学校の都合で給食がない日に 放課後デイサービスを利用した。
お昼はファミレスでランチをするという。
これまでにも何度かあったことなので、気にも留めずにいた。

というのも、バンビはいまのところ 過食・盗食がないから。
そして、まぁ多少おなかはぽっちゃりだけど、肥満はしてないから。

自分から ご飯を少なめに とオーダーの時に言うこともできるし
ドリンクバーでもジュースは最初の1杯だけで、後はお茶で という約束も守れる。
自宅で留守番している時も おやつの時間になったら箱から自分で選んで食べる。
あるもの全部を食べたりすることはないんだよね。
そして食べてる分、運動を頑張って 太らないように気を付けてもいる。

自立を目指し、買い物などはできるだけ自分でするように仕向けてきた。
スイミングに行く時はお金を渡し、それでおやつを買って食べることも許している。
おつりはちゃんと返してくる。

だから 信頼していた。

でも、この日 デイから帰ってきてレシートを見たら
ドリアとハンバーグとセットのプチバンにドリンクバー。
明らかに食べ過ぎ。

なんで? いままでこんなことなかったのに...
私もちょっと混乱していた。はっきり言って、ショックだった。

頭ごなしに叱りつけないように 座って話を切り出したものの
話しているうちに バンビの態度にイライラするものがあって
「こんなに食べたら、夕飯は控えないとダメじゃない!?」と言ってしまったんだよね。


PWSにとって、ご飯が食べられない ということほどの衝撃はないみたいで
普段はおとなしいバンビでも これを言われると激昂する。

「だったら、お母さんも食べるな!」とデイの連絡帳を私に投げつけてきた。

あー、やってしまった...
まずはなぜそうなったかを聞いてあげるべきだった。

この日は中学生しかいなくて、他の子もみんなこれくらい食べていたらしい。
食べ盛りの中学生なら 別にそんなに驚くような量でもないもんね。
後輩の子が食べているのを見て、自分も食べたいと思うのは 当たり前といえば当たり前のこと。
ランチ代1000円以内 という案内だったから、その上限ギリギリまでオーダーしたというのも
後で聞いてわかった。

冷静に話をすれば 食べ過ぎたと本人も思っているんだよね。
その場のノリとか勢いとかもあったのだろう。(大人のお酒と同じかな~)
わかっているのを責められるのがイヤだ という気持ち。
まぁそれも理解できる。


強いて言えば、こういう時は周りの支援者の人に「少し多くない? パンはやめておこうか。」と
言ってほしいわけなんだけど(そうしたら食べない可能性は大なので)
デイのスタッフさんも入れ替わりがあるので なかなかそこが難しかったりする。
(一応は伝えたけど)


そして、バンビには

お母さんはあなたを信頼しているから いままでお金を渡して自由に好きなものを食べさせてきた。
でも、こんな風に食べ過ぎてしまうなら それはお母さんの信頼を裏切ることになる。
そうするともう信頼できないから いちいち食べ過ぎないように見張ってくださいと
スタッフさんに頼まなくちゃいけなくなる。
デイだけじゃなくて、移動支援でも、学校でもどこでも。
つまりもう自由がなくなるんだよ。 

ということを言って聞かせた。


バンビもそれは理解できたらしい。
これからは食べ過ぎないようにする と言ってきたので
仲直りして 一緒に夕飯を食べたんだけどね。


こういうことはきっとこの先も起きるだろうけど
その都度 話し合って対応を考えていくしかない。
でも、私はできるだけ バンビを縛らずに、信頼してやりたいと思っている。

食べることは生きることで、食べることは人生の中で大きな楽しみの一つだから。
自分だけ制限されている と食に不満を持つことは
人生そのものを制限されるように思えるかもしれない...。

おいしいものを食べて、あぁ幸せだな と感じるのは素敵なこと。
そこは大事にしてやりたい。
この先もずっと.. そう 願っている。


メールはこちらまで → yakkoxhs@gmail.com
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ある研究会に参加して

2018年06月11日 | プラダー・ウィリー症候群
発達障害関連の支援者を中心とした研究会があって、以前から興味を持っていたのだけど
今回モデルケースとして、PWSの親の会を通じて赤ちゃんの頃から知っているAちゃんが取り上げられると聞いて
開催地が地元で近いということもあり、初めて参加させてもらった。


いやー、想像を超えて熱い研究会で(4時間近くやってたよ~)
参加者は 立場的には特別支援教育に関わっている学校の先生とか、OT・PT・STの先生だったりとか
いろんな専門家の方がいらっしゃっているようだったけど
来るもの拒まずらしく、保護者の参加も認められているので、私はオブザーバーとして参加。
週末の夜、皆さんお仕事が終わって駆け付けてるんだと思うんだよね。(遠くからの参加者もいるらしい。)
ほんとに熱心なことで頭が下がる想い。


で、ケース出しをされたOTの先生がAちゃんの担当をされていたのはわずか3ケ月。
つまりOT3回しか接してないのに、これだけ膨大な資料をまとめケース出しするなんて
さぞや 大変だったことだろうなぁ...。

しかもみんなの前でプレゼンして、アドバイザーやファシリテーターの先生にゴリゴリ質問されて
(もちろんただ責められてるんじゃなくて、まぁ愛のムチだとは思うけど)
こりゃ相当ハードだなぁ とちょっと気の毒にも思えた。


ただね。
私は単なる一保護者で、専門的な知識は何も持ち合わせていないけど
PWS児の親として15年やってきて
さらにバンビだけでなく、親の会や協会などを通じて何人ものPWSの子ども達と接してもきているわけで
だから ことプラダーウィリー症候群に関してだけなら
この先生より私の方が詳しい という自負はあるんだよね。

バンビは1歳から療育受け続けてきたし、私も自分なりに勉強してペアレントメンターもやっている。
だから素人ではあるけれど、一般的な素人(親)に比べれば多少は支援のことも知っている。


それで、このプレゼン聞いてると うーん...と思ってしまうことがいっぱいあって...。



実際のOTの様子を撮影した動画も見せてもらったけど
まず、椅子に座った時、足が床に着いてなくてびっくり!
椅子の高さがぜんぜん合ってない。

座面に滑り止めを使っているのかどうかは 動画からはわからず、説明もなかったように思うけど
要はAちゃんは座位保持ができないから、おなかを机にもたれかけるようにして座っていて
さらに 腕も机につけて身体を支えているんだよね。
これじゃ 腕の動きが制限されてしまう。
それは素人の私でも見たらわかるのに...
さすがにアドバイザーの先生からもツッコミ入っていたけど、これはないなぁ という印象。


初回のOTで、先生は両親と話しながら
Aちゃんに 貯金箱におはじきを入れる課題をやらせているシーンがあったんだけど
Aちゃんがどんどん入れていくのに対し、誉める声かけをしていないように見えた。
(音声が聞き取れなかっただけなら、ごめんなさい。)

現在のOTの先生が、お絵かきで Aちゃんが〇を1つ描く度に
”できたねー。”とか”すごい!”、”上手ねぇ。いっぱい描けたねぇ。”と誉めているのとは対象的。

他の課題も、アドバイザーの先生から「これ、楽しんでやってる? ぜんぜん笑顔ないよ。」と指摘されているとおり。
先生がAちゃんを上手にのせて課題に対して意欲的に取り組ませよう という工夫をしているように見受けられないんだよね。


”あなたはこの子をどうしてやりたい? Aちゃんにどういう風になってほしいと思っているのか?”という質問に対して
”私はこうしたい。こうなりたい。”しか答えられない先生。
主語が違うんだよ と指摘されていたけど
あぁ、この視点 大事だよなぁ と、ここは言っちゃ悪いけど反面教師として私にも勉強になった気がする。 


プレゼンを聴いている参加者にも ファシリの先生から矢のような質問がされる。
この資料から読み取れることは何か?
数値から、動画から Aちゃんの課題は何か? 対策として考えられるのは何だと思うか?
これができなきゃ プロじゃない と。
おぉ、厳しい。でも、そりゃそうだよね。


それに対して答えるメンバーの方の中には
”え? 今 質問されている内容に対する答えとして、それどうなの?”というシーンもあり...
うーん...。



保護者の立場から思うに
支援者に求めたいのは 人柄と、腕(知識・スキル・ノウハウ)と、コミュニケーション能力 かなぁ。

例えば発表されていた先生は、たぶん人としてはとても良い人なんだろうね。
何より一生懸命だし。

ただ、腕としてはいまひとつというカンジが否めない。
(素人のくせに上めせで申し訳ないけど、アドバイザーの先生も言ってたことだからご容赦を。)

そして、コミュニケーション能力も
このプレゼンの間、アドバイザーやファシリの先生と噛み合わないことが多々あって
もちろん、緊張感MAXのせいもあるとは思うんだけど...。

結局、支援者って 当事者やその保護者のニーズや、普段の様子などをちゃんとヒアリングする力がないと
ふさわしい支援ができないわけだから コミュニケーション能力ってとても大事だよね。


まぁ、腕やコミュニケーションは良くても、人柄に難あり=例えば、横柄で上から目線で決めつけるとか
親を責めて追い詰める とかも困っちゃうけどね。

人柄と、腕と、コミュニケーション。
三位一体でいい先生だな と思える人って、実はなかなか少ない。
こういう研究会で是非勉強していただいて、支援者の皆さんも腕を磨いていただけるとありがたい話だよね。



そこへいくとさすがにアドバイザーの先生とファシリの先生のお二人は
動画見ただけで、いちいち指摘が鋭くて的確。

Aちゃんの食事の様子とおしゃべりしている動画を見ただけで
発語の問題(発音が不明瞭で語彙が増えない)と舌の動かし方の関係を見抜いていたもんね。
そして、「この子は気が強いねー。プライドも高いな。」と。
認知はいい(たぶんバンビよりぜんぜん高い)のに、低筋緊張で身体が思うように動いてくれないことが問題。


バンビもそうだし、たぶんPWSの子の多くに共通していると思うんだけど(私の素人考えではあるけど)
PWSの発語の遅れは、認知よりは器質的な理由。
そしてメンタルの影響が大きいんじゃないかと。

こちらの言うことは理解できていて、でも発語は増えないというのは
実は ボキャブラリー自体は内にたくさん溜めていて、表出がうまくできないからしない というだけのこと。

そして、自分はいっぱいしゃべっている(発音不明瞭で聞き取れない)のに伝わらないことにストレスを感じているはず。
”家族以外の他社に対して発語での働きかけが少ない”のはプライドが高いから、うまく言えないなら言わないということ。


顎が小さく、高口蓋(これはバンビは言われたけど、みんなに当てはまるかはわからない)
低筋緊張で舌の動かし方が未熟。
というより、身体は低筋緊張なんだけど、末端の緊張が強く、舌も筋肉なので緊張が強い。

これに対して先生のアドバイスは 電動歯ブラシによる口腔内の刺激
あと 粗大運動を多く取り入れる(微細運動のためには粗大運動から)
今 Aちゃんが取り組み始めたトランポリンがすごくフィットしているんじゃないかと。 


ヒアリングや保護者から提出された資料からこれが読み取れて、対策のアドバイスができてこそプロなんだろうな。
そういうことが 今回この研究会に出てみてよくわかった気がする。


それと、やっぱり親もある程度勉強した方がいいと思うな。
そして支援者の人とはよくよくコミュニケーションを取って、我が子のこと伝えて、支援を引き出すといい。
(今回のAちゃんのママは、とても熱心に勉強されていることは知っているので あくまで一般論として)

最初は私も勘違いしてしまっていたけど
療育なんてせいぜい週1、ヘタしたら月1くらいしか機会がなくて
そんなのだけで我が子に効果が出るなんてことはまずないと言っていい。

大事なのは日頃の積み重ねなんだよね。
だから、療育の時間は 子どもに対して日々どういうアプローチをしたらいいかを
親が支援者に教わるためにあるんだと思う。

そして、的確なアドバイスを得るためには ベースとなる情報が支援者にないとたぶん難しい。
PWSというのがどういう障害で、この子の特性はどういうもので というのを
サポートブックなどを作成して支援者に伝えるのは 親の役目とまでは言わないけど
そうした方が高い効果を得られそうに思う。

どうせ同じ時間費やして療育に通うなら、ただその時間を子どもが楽しく過ごせばいいというわけじゃないはずで
少しでもこの子のために親がしてやれることは何か というのをgetすることを考えた方がいいよね、きっと。



今回のモデルケースとしてのAちゃんを見ていて
先生方は この子の気の強さはイヤイヤ期の自己主張。意欲につながるならいいんでは という見解だったのだけど...

先生方より少しPWSを知っている私からしたら
いまのうちから 主導権はあくまで親が握ることを意識しておいた方がいいな と思ったりした。


PWSのしつこさ、こだわり、頑固さ これにやられて親が折れてしまうことをできるだけしない。
癇癪を緩和、あるいは回避する術を親が身に着けておいた方がいいってカンジかな。

例えばペアレントトレーニングだったり、子どもと交渉し子どもに選択させる習慣づけだったり
まぁ手はいろいろあると思うけど。

自分の機嫌を自分で取れるようにして、常に心の安定を保てるようにすること
これはすごーく大切。
小さい頃からこれを身に付けさせておくと、あとあとで効いてくるから。


あと、子供のやることにはその子なりの意味があると思うんだよね。

スキンピッキングも抜毛も、暇な時の自己刺激だったり、その場からの逃避のためだったり。
(血が出たり、毛が抜けたりすると 支援者が注目してくれたり、あと課題を一時ストップできたりする ということもあるので。)
その行為自体を止めさせようとするのではなく、それに対する意識を遮断し他のことに意識を向けさせる
代替行為をさせる(バンビの場合はシールあそび)などの対策を取るとかがいいと思う。


服の前後がわからないのなら、うちはシャツの後ろに小さいボタンを付けてそれを見てかぶることを教えたし
靴を履くのに時間がかかるなら 指が引っかかるようにかかとにリングを付けたりもした。

そうやって、自分でやらせる、できたという体験を増やすことで、自己肯定感を上げて自分に自信を持たせる。
そういうことも発語につながっていくし、不安感(PWSはこれが強い)も軽減されていくと思う。


この辺が ペアレントメンターとして、私が今回感じたことなので、蛇足ながら書いておきます。



というわけで、研究会の報告 かなりざっくりだけど。
保護者が参加するには ある程度前提知識がないと厳しいかもね。
(感覚統合とかは本くらい読んでないと、何言ってるのかわからないだろうし。)
まぁ、支援者は支援者で知識とスキルとノウハウを高めてもらって、親は親でできること いっぱいあるからね。
そういうのをみんなでシェアしたらいいんじゃないかな という気がしたな。


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骨密度と性ホルモン療法の話

2018年01月21日 | プラダー・ウィリー症候群
バンビは思春期に入り、小児医療から成人医療への切り替えの時期が近付いている。
バンビが通っているD大病院は、以前いらしたN先生のおかげで
PWSを 小児科(内分泌)・整形外科・精神科・泌尿器科 連動でトータルに診ていこうとしてくれているので
とてもありがたい。

小児外科で停留精巣とついでに包茎手術の手術をした後 しばらくしてから
泌尿器科の診察を受けるようになったんだよね。
性ホルモンは こちらの管轄らしい。

そこで一度骨密度の検査をしましょう という話になり、先日その結果を聞きに行ってきた。
(ちなみにPWSの子がGH始める時にやる骨端線の検査は手の骨で
 それとは違って、腰椎をレントゲン撮影したんだけどね。)

そしたら、なんとバンビは骨密度が70%を切っている。
つまり骨粗しょう症 なんだって。

えー、びっくり!!

確かに、PWSは骨折が多い って話は聞いたことがある。
痛覚が鈍くて自覚症状を訴えないから要注意 って話も。

だけど、骨粗しょう症ってあんまり聞かないなぁ。
まぁ、骨密度低ければ骨は脆いから、そりゃ骨折しやすくもなるだろうけど...。


って、話をDr.にしてみたら、データ取ってないだけなんじゃない?
停留精巣の手術しちゃったら、予後の検査とかしてないと思うよ って。

そ、そうなん?


でも、そもそも骨は整形外科じゃないのかなー? と思うのはどうやら素人考えのようで
カルシウムは腸で吸収されるんだけど、それを助けるのがビタミンD。
サプリとか飲んだらどうでしょう? って聞いて見たけど、排泄されちゃうからあんまり意味ないと思うよ って。

そ、そっ、そうなん?

で、骨代謝には 性ホルモンが関わってくるらしい。
だから女性は閉経後骨粗しょう症のリスクが高まるんだよね。

ま、私は素人なんで、詳しいことはよくわからないけど
とにかく バンビの場合、男性ホルモンを投与すれば骨密度は上り、骨は強くなる。
でも、Dr.が言うには 男性ホルモンを始めたら、身長は伸びなくなるんだって。

バンビは まだあと1年はなんとかGH(成長ホルモン)療法を受けられそう。
身長も今155cmくらいだから、せめてあと10cmはほしい。男の子だしね。
実際まだ伸びてるから、そこは期待できそうだし...。

まぁ、そんなわけで 骨の方はいますぐどうこうって話じゃないから
GH終わるまで待とうかね ってことで話は終わったんだけどね。
また内分泌の方のDr.ともよく相談してみましょう ってカンジで。


前に内分泌のDr.に言われてたのは 性ホルモンはGHと違って、毎月通院しないとならなくなる。
(薬剤が1ヶ月分しか出せないのか、毎月の診察が必要だからなのか まではちとわからないけど。)

そうなると、月1で学校を休んだり、将来仕事を休んだりしなくちゃならなくなるわけで
それはちょっとキビしい。
だから、慣れてきたら近所の病院でもいいんだよ~ って話で
それまでには そういう対処をしてくれる病院を地元に探しておかなければならないってこと。

ふぅ、まだまだ何かと大変だ...。


そういうわけで、骨が脆いので骨折は気をつけないと。
先日も学校で体育の時間に転んだらしく、数日たってもまだ痛いと言うので
心配になって念のためレントゲン撮ってもらった。
異常なかったから良かったけど。


こういうのって知らないと対処ができないので
誰かの何かの参考になればと思って書いてみるけど
機会があったら 親の会の交流会などで話題にしてみて、成人されているお子さんの話を聞いてみたいな と思ってる。


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PWSについてテレビで放映されます

2017年08月30日 | プラダー・ウィリー症候群
9月5日(火)夜9~10時54分 日本テレビ
「ザ!世界仰天ニュース」 ~太り続ける子どものナゾ 2時間スペシャル~」で
プラダーウィリー症候群についても 取り上げられるそうです。

親の会にも 患者を紹介してくれないかと番組スタッフから依頼があったそうだし
個人ブログを通じて、直接コンタクトがあった方もいるそうです。


親の会の方は
肥満過食ばかりに目が行ってしまい興味本位の方向性はNGだが
PWSの社会での認知をあげるための誠実な取材なら受けるというスタンス で対応していたようなのだけど
如何せん 時間が足りず。

先方から
『今回PWSの症状として”情緒面の問題”を抱える患者さんを取材し取り上げようと考えておりましたが
まだあまり病気の認知が一般的でない現状において
テレビの放送尺の中で、その部分だけをクローズアップしてしまっては語弊や誤解を生んでしまいかねないと考え
ご依頼させて頂いた件は白紙とさせていただければと思います。』
という連絡があったらしい。

一応、真面目に考えてくれているんだと 少し安心。

テレビは 尺の問題とかいろいろあるんだろうけど
その制約の中でも PWSを取り上げて
まずは こんな病気があるのだということを知ってもらえるだけでも ありがたいことだと思う。


ただ、声を大にして言いたいのは
PWSは症候群なので、番組で伝えられることすべてがPWSの人にあてはまるというわけではないこと。
過食や盗食の話も しない子はしない。事実、うちは今してない。
問題行動も得意なことも 人によって様々。

情報として知ってもらうことは大事だけど いたずらに恐れることはない。
決めつけて枠にはめて歪める必要はない ってこと。

目の前の我が子を見ることが大切。
特に 告知を受けたばかりの小さな子のパパママに伝えておきたい想いです。


ま、それはともかく 番組の放映が楽しみ
視聴したら、また書きたいと思います。

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成長ホルモン療法の適用拡大の話

2017年06月03日 | プラダー・ウィリー症候群
プラダーウィリー症候群に対して、成長ホルモン療法が日本で認可されたのは2002年だから、今年で調度15年になるんだけど...。

これには「適応基準」があって
染色体検査によりプラダーウィリー症候群と確定診断された者で、身長が同性、同年齢の標準身長の-2SD以下
または年間の成長速度が2年以上にわたって標準値の-1.5SD以下である場合。

となっている。

また、「治療継続基準」として、1年ごとに以下の基準を満たしているかどうかを判定する必要がある。
・成長速度≧4cm/年
・治療中1年間の成長速度と、投与前1年間の成長速度の差が1.0cm/年以上の場合。
・治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が下記の場合。
 2年目≧2cm/年
 3年目以降≧1cm/年

ただし、以上のいずれも満たさないとき、または骨年齢が男17歳、女15歳以上に達したときは投与を中止すること

となっている。

つまり、身長(と年齢)に縛りがあり
だから、PWSだと診断がついても、身長高めの子にはGHが使えない。
実際、バンビもこの制限に引っかかり、使い始めたのは9歳になってからだった。

そして、身長が低くても、もう成人しているお子さんにほとんどの場合、GHは使えない ということになる。


ただ、成長ホルモンが、単にPWSの低身長に対して効果があるだけでなく、体組成の改善にも有効である という論文が出てきて
また、知的あるいは精神面にも効果をもたらすのではないか という説を唱える医師も出てきているらしい。


それでこの制限を外して、PWSと診断されたら誰でも成長ホルモン療法が受けられるようにしたい というのは
まぁ 以前からの私達保護者の願いだったわけだけど。


で、厚生労働省の「未承認薬・適応外薬検討会議」というのがあるそうで
そこに”医療上必要性が高い”と認めてもらえたらいいんじゃないか という話が耳に入ってきた。
それは患者会の(いや患者会じゃなくて有志の集まりでの)陳情であっても会議には掛けてもらえるかもとか、なんだとか...。


というわけで、私なりに少しリサーチを掛けてみた。
まずは親の会から。

かつて、PWSに対して成長ホルモン療法が認められたのは 親の会の働きかけもあったからこそ と聞いていた。
でも、当時メインで動かれていて、強力にプッシュしてくださったのは D大病院のN先生で(もう引退されたけど)
親の会はバックボーンとして、アンケートのデータを提供したりしていたようだ。

なので、陳情に関するデータ等は全てドクター側のものであって、会にはないらしい。


では、D大病院のN先生に代わるドクターは いるのだろうか?

たまたま、バンビの診察があったので 主治医の先生に世間話的に聞いてみたところ...

「医者としては、すべてのPWS患者にGHを使えたら とはもちろん思う。
 ただ GHの投与が体組成の改善につながり、PWS患者のQOLを上げる というだけでは
 申請は難しいだろう。」 という見解だった。

そもそも国はお金がないから、厚労省の立場としては出したくないわけで
余程きちんとしたバックデータがないと難しい。

例えば、体組成の改善が、糖尿病の発生の減少につながった とか
脳血管の疾患の発生が減少したとか(でも、元々PWSは脳疾患の発生率は低いらしい)
そういう 具体的な数字が出せていれば、可能性は上がると思われる とのこと。

”ヨーロッパでは既に体組成改善目的で認可されている”と言っても
アメリカはまだ身長による制限が設けられているから(日本よりは緩いみたいだけど)
アメリカが変わらない限り、日本は おそらく変わらないだろう という話。



他にも医療関係者や、成人の方の親御さんにも話を聞いてみたけど
そもそも GHは糖尿病や重度肥満、呼吸障害の人には禁忌だけど、成人してる人には肥満して糖尿病になってる人も多い。
つまり使えるようになっても、どっちにしろ使えなかったりもするわけで...。


それに費用の面からも
バイオシミラー(バイオ医薬品のジェネリック)は既に出ているけど
ジェネリックで半額と言えども、元々が高額。
全額助成はとても無理だろうし、成人になったら保険適用で3割負担。

例えば、バンビの今回の成長ホルモン剤の料金は、軽く10万円を超えているんだよね。
もちろん、今はそれを小児慢性疾患の医療費助成で 月5,000円が上限で支払い
しかも中学生の間は 小児医療費助成でそれも戻ってくる。
でも、小慢が切れたら(確か18歳?)3割負担...。
もちろん、量によって金額は変わるし、体組成改善目的なら量は多くなくていいらしいし
だから一概に言えないけど、今のままで考えたら決して楽ではない出費。

うーん...。
なかなかおいそれとはいかないようだ。


きちんとしたデータを揃えればいいんじゃないか って思うけど
ネットで拾える論文なんて そもそも玉石混交。
(私なんて英語はからきしだけど、仕事で日本語の論文をちょちょっと探した時も
 中には 何じゃこりゃ?的なものもたくさんあったなぁ...。)
だから、例え英語が堪能であったとしても
医療的に素人では 論文の山の中から玉を拾い出すのはなかなか難しいのではなかろうか という気がする。

だから、ここは かつてのN先生のような、強力なリーダーシップを発揮してくれるドクターが是が非でも必要。
そういう人を巻き込めるかどうか が、まずは勝負の別れ道なのでは。

それに、例え強力なリーダーがいたとしても やっぱりバックデータが必要なことには変わりなく
そこは 親の会が支えないと難しいと思うんだよね。
(データだけでなく、患者会としての会員数も大事らしい。)


でも、最初にも書いたけど、日本でPWSに成長ホルモン剤が使われるようになって15年。
まだそんなもんです。

当時使い始めた人も やっと青年期から成人になったところくらいだと思う。
だから使ってみてどうなったか、あと 成人になって使えなくなってからどうなったか
その辺のデータがたくさんあるわけではないはず。
(海外はどうか知らないけど。)


それでも、やらないよりは 少しずつでもやっていった方が良いとは 思う。
ただ、事はそれ程簡単ではなさそうだし
誰かがやってくれるのを待っても きっとそれは無理。
やりたいと思っても、自分達だけでできることじゃなければ、人を動かしてくしかない。

極端な話、旗振って先頭きってくれるドクターを 自分達で見つけてくるぐらいじゃないと
で、外堀全部埋めて 後はここんとこ親の会お願い くらいにしないと難しいかもしれない。
親の会は親の集まりの会だからね。


今の私にできるのは 取り合えず、ここまで。


あと蛇足ながら、付け加えると
成長ホルモンは 決して魔法の薬ではないから、これさえあれば問題解決とはならないのだよね。

それに薬だから、当然副作用もある。
副作用欄読むと結構怖くて、それもあって私はバンビにGHの投与を焦ることはなかった。
実際、使い始めて一時的に肝機能の数値が下がったり、心臓手術の後発疹出たり、いろいろあったしなぁ。
自分もバンビがそうなるまではそれ程意識してなかったけど
GH使うなら、そこは親として忘れちゃいけないことのように思う。
(Dr.がもうちょっと啓発してくれるべきじゃないのかねぇ。)

今は 側弯症状のある子もバンバン使っているようだけど... 私は素人ながらちょっと怖い。

あと、認知面での効果を謳われると、親としては期待したくもなるけれど
認知が良いからと言って、必ずしも幸せではないのもPWSだしね。
(嘘ついたり、良からぬことをしでかす知恵があるということだから。あと、対人面で苦労するとか。)


PWSの治療の基本は、あくまで食事と運動。つまり生活習慣。
それに、行動に対する対処の仕方。→メンタルの問題の方が、食より余程重要かも。

これがきちんとできた上でのGH。なんじゃないかな。



子ども達の未来が平穏で幸せであることを願う親の気持ちは同じ。
できるならPWSという障害そのものが解決する薬が いつの日か開発されることを心から願ってる。

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癇癪の話

2016年12月13日 | プラダー・ウィリー症候群
エリさんからご質問のあった癇癪の話ですが、こちらに記事として書きますね。


まぁ癇癪なんて、誰にでもあることだと思うんです。
特に小さい子はまだ自分の感情をコントロールできないから、PWSでなくたってありますよね。
そして小さいうちの癇癪は、PWSであろうがなかろうが、まぁかわいいものだと思います。
(親としては手を焼かされるとしても、傍から見たら微笑ましい みたいな)

で、PWS特有の症状としての癇癪 
と言っても これまた個人差があるので、一概に言えるものではないですが...

ただ、親の会で講演もしていただいたことのある心理のDr.によると
PWSの癇癪やパニックは長くは続かない、一過性の傾向があるんだそうです。

バンビもたまにありますが、瞬時にわーっと爆発するカンジ、特に言葉でワーワー言う。泣きながらワーワー。
ただ、バンビの場合は 長くても30分くらいかも。


私が特に気をつけて、言い聞かせ続けているのは
どんなに頭に来ても、その気持ちを力に任せてはいけない。
例えば、人に暴力ふるったり、ものに当たったりはしない ということ。

これは注意していないと、将来犯罪者になりかねないので。
アンガーコントロールは大切ですよね。

で、バンビがヒートアップしている時は、黙って落ち着くのを待ち、後で冷静に話をするように
と言ってもこちらもヒートアップしてしまうのでこれがなかなか難しいのですが
でも できるだけそうするように心がけています。


気持ちの切り替えができない というのは、PWS特有の執着ゆえ というところもあるのかと思います。
マイルールのこだわりとか単純な思い込みで とか、理由はいろいろですが。

だから ”こうじゃなきゃ”っていう観念から引きはがすこと、それが気持ちの切り替えの訓練 と言えるかも。

ちょっと漠然としていて、わかりにくいかとは思いますが...。

例えば、失敗した、予定どおりいかなかった そういう時に
どうしよう、恥ずかしい、こういう風にやりたかったのに、もう一度やりたいんだ、どうしてもこれじゃなきゃイヤだ
誰のせいなんだ、あの人が悪いんだ
そういう感情の中にぐるぐる渦巻かれてしまって出られなくなる。

バンビを見てると どうもそういうカンジなんです。
自分に自信がないせいもあると思うんですが。

だから ”大丈夫、次頑張ろう”とか ”それじゃなくても、これでもいいよね。”とか
”失敗はしたけど、頑張ったのは偉かった。”とか
そういうフレーズを頭に思い浮かべて 自分で自分の気持ちを立て直すことができるか。

私達だって、そういう風にしてますよね。

これはもう経験を積んでいくしかないんじゃないか と思うんですよね。
あえて うまくいかない状況を作り出す必要はないけど
いろんなことをたくさん経験すれば、それだけうまくいかない状況に直面することもたくさんあるはず。
その時に 大丈夫と言って(別に言葉はなんでもいいのですが)自信を失わせないこと
こうしたらいいかもor良かったかな という方向なりやり方を示してあげること。
親にできるのは そういうところかな と...。


今は バンビも自分で自分に言い聞かせるように言葉を発したりして、気持ちの切り替えができるようには なってきています。
ただ、思春期に入ってまたいろいろ”想うところ”が増えるのか 難しくなってきてるように感じるところもありますが。


親が子にどう相対するかは 本当に手探りですね。
私も いろいろな方と接点を持つことで気づくこと、学ぶことが多いです。
またそんな”子育てのコツ”が学べたら ここに書いて残していきたいと思っています。

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