バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

落とし物を届ける

2018年01月31日 | 問題行動
昨日仕事から帰ったら、テーブルの上に警察からの手紙が...。

”何これ?” と思って開けてみたら、お子さんが落とし物を拾ってくれました と書いてある。
(これだけじゃなくて、調書の写しも 一緒に入ってたけど。)


何を拾ったかと思ったら、婦人物の手袋片方。

それをね、登校途中に警察(しかも交番じゃなくて、棒持って立番してる警察官がいるような本署)に届けたというわけで、びっくり!
まぁ、確かに通学路にあって、毎日その前を通っているわけだけど...。

バンビは人と関わるのが好きで
わからないことがあると店員さんやら駅員さんやらになんでも聞きたがる。
知らない人にも 妙にフレンドリーに話しかけるんだよね。

まぁ、それも生きていくには大事な能力の1つだからいいんだけど
なんて言うか、微妙な、そのぉ 加減がねぇ...。


もちろん、落とし物を拾って警察に届けるというその行為自体は、正しいこと・良いことではあるのだけど。

ただ、お礼にということで リフレクターのキーホルダーや光るシールをもらったみたいなので
そういうのに味を占めて、いろんなもの拾って届けられても困るし。
あと、例え警察とは言え 登校前に寄り道したのもどうなのか というのもあり。
(早く出ているので、遅刻はしていなけど)


だから、その日は 特に誉めもせず、もちろん叱りもせず。
”そうだったんだ~。”で終わりにしたんだけど なんかどう対応したもんだか迷う。


で、こういうことがあったことは 学校の連絡帳に書いて、担任の先生にも伝えた。
その日のうちに電話をくれて ”難しいですねぇ。”みたいな話になったのだけど
よくよく聞いたら クラスにやはりそれで何度か警察に行ってる子がいるのだとか。
なるほど...。

”落とし物を警察に届ける”っていう発想がどこから出てきたのだろう?
バンビ自身が思いつくことじゃないような気がしてたから、それで腑に落ちた。

友達がやっているのを前に聞いていて、それで自分も真似してやってみた というところなんだろうね。


あと、バンビは過去に手袋を片方落として失くしてしまったことがあって
その時は お店のサービスセンターに”届いてませんか?”って一緒に聞きに行ったんだよね。
たぶん そういうことを覚えていて
だから 届けに行ったのかもしれないなあ。



さらにこの話を メンター仲間のママ友にしたら
それはやっぱり 場所とか内容とか状況によって、こうしたらいいよ と教えてあげるべきなんじゃないか
という話で落ち着いた。

つまり、貴重品(財布・鍵・スマホ もしくはそういうのが入ってる鞄等?)は届ける。
で その場所が駅なら駅員さん、お店なら店員さん、図書館みたいな所だったら施設の職員さんに。
路上だったら警察なのかな。

でも、手袋とかハンカチとかだったら、落とした人はまず落としたであろう場所に探しに行くし
屋内なら まぁ貴重品と同じようにいわゆるその場所のスタッフに聞くくらいはするだろうけど
その手のものはわざわざ警察に捜索はかけないだろう。
だから、路上だったら その場所にそのまま置いておいてあげた方がむしろ良いかもしれないんだよ。

ってカンジなのかなぁ。


うーん、こういうことの微妙なニュアンス
普通なら(定型発達の人なら)中学生にもなればなんとなくわかることなんだろうけど
それを 非定型の子に説明して、理解させるって 結構難易度高い~。


いやぁ、自分で行動できるお年頃になると こういう微妙なことがあれこれ起こるもんです。

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雪の朝

2018年01月23日 | 日々の出来事
久しぶりの大雪~

私は仕事で雪対応に追われ、夕方早めに帰宅したものの、電車がなかなか来ない。
来たと思ったら、朝のラッシュ並みの大混雑。
それでも夕飯時までには帰れたからまだ良かった。
バンビとは連絡も取れていたので、一安心。
こういう時 ひとりで留守番させられるのは本当に助かる。


そして、今朝。
歩いて30分の通学なので、道路がどういう状況か確認したくて私も着いていくことにした。

うちの区の中学生は、基本長靴を履かないことになっている。
雨でもスニーカー。

でも、さすがに大雪の場合は許されるらしく、バンビも足元はスノーブーツ。
調度来月行くことになっている日光での宿泊学習のために用意してあったので助かった。


まだ凍結していないので、滑るという程ではないものの、雪が深い所では足を取られる。
バンビもさすがに中学生になったので足取りは危なげないけど
ただ下を見て歩き続けるので、対抗する人や自転車に気付くのが遅いのがちょっと心配。


途中 雪かきをしていた年配の方に「おはよう。いってらっしゃい。」と声をかけていただく。
「いつも、とってもいい子なのよねー。」と私にもニコニコ。

「ありがとうございます。お世話になってます。」と返したものの、ちょっと、びっくり。
どんな会話交わしてるのぉ...?


大通りに出たら、信号じゃないところを
「今、行けるよ。」と渡ろうとするので、これまたびっくり!
いつもそんなことしてるんかい、危ないなぁ もう。


もう通学に関しては一人でできているので任せているし、だから普段何してるかわからないけど
たまに一緒に行動してみて 改めて気づくこともあるなぁ なんて思う
雪の朝だった。

ま、これも貴重な経験。

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親として 闇の告白

2018年01月21日 | 問題行動
年齢が近いPWS児のママ達と話をしていると
うーん、やっぱり小学校高学年くらいから なんだかんだやらかし始めるみたいだなあ...。

って、あんまり書いちゃうと 小さい子のパパママには引かれてしまうかもしれないけど。

でも、まぁ 思春期って、定型発達の子でもいろいろもやもやしてて、親は扱いに困るもので
自分のこと振り返っても わけもなく親に反抗したり、なんかとんがってたなぁ って思うもん。

だから、まぁ 誰もが通る道っちゃ そうなんだけどね。


でも、PWSの子は やっぱり独特のものがあるな っていうのは、15年近く付き合ってみての感想。

これはPWSに限らず、ダウン症でも発達障害でもそうなんだろうけど
その子の特性をよく知って、理解した上で
その子に合った対処をしていくしかないと思うんだよねぇ。

それによって 子どものツラさや苦しみを少しでも軽減してあげないと
親も一緒にどんどんツラくなって、負のスパイラルにはまってしまう。


例えば、バンビの場合は
(これはあくまでバンビ個人の場合であって、PWS全員にあてはまることではないのだけど)

自分がうまくできなかったこと、しくじったことがあったり、それによって注意されたりした時に
ちょっとした悪さで 憂さ晴らしをする みたいなことがよくあるんだよね。

家でだったら、猫にちょっと嫌がらせするとか
学校でだったら、気に入らない友達のことを押したり、ものを隠してみたり...。

猫に意地悪したい とか、その友達を困らせたい ってことが目的じゃなくて
ほんとにむしゃくしゃ、もやもやした気持ちの八つ当たりみたいなカンジ。

そういうのって、みつかれば当然注意されるわけだけど。


次がまたバンビの特性で 刺激に対して固まってしまう。
特に叱られるとかのネガティブな刺激に対して、フリーズする。

そのフリーズしている間に 頭の中ですごくいろいろ考えているわけ。
で、なぜか認識が変換されていくんだよね。
まずい状況だ、どうしよう?→怒られたくない、恐い→僕が悪いんじゃない→お母さんが悪いんだ!

そこで相手への攻撃のスイッチが入る。叩いたり、蹴ったり...。
前にも書いたけど、私だけじゃなく、デイの支援員さんや学校の先生に対しても。

怒りのコントロールができない。
普段は穏やかでおとなしい子だけど、沸点に到達した時の激しさ。


バンビの課題はいろいろあるけど、今 私がいちばん困っているのはこの問題かな。
何しろ 学校とかだと 人に迷惑かけるしね。
ただ、長時間続くパニックではないので、静かな環境で例えば座らせるとか
違う部屋に離れてカームダウンさせると すぐに落ち着いて話ができる状況にはなるんだけどね。



うちは幸い食に関するトラブルはないけど
行動範囲が広がり、一人になる時間があり、お金を持っていたりすると
買って食べてしまう という話も聞くし
人に依存心が強いから、特定の人に執着してしまう等の対人トラブルも出てきたり。

なんでこんなことするの? って思うようなことをやるようになる。
でも、きっと バンビの憂さ晴らしみたいに、本人なりには理由があるんだよね。
例えそれが周りには理解しがたいものであっても。


これは、叱りつけて治る類のものではなくて
障害ってそういうことだよね。

わかっていて、私も怒鳴りつけたり、時には感情が止められずに叩いてしまったり
私こそアンガーコントロールができてないじゃん って思うんだけど...
バンビが小学校高学年から、やっぱり私もホルモンの状態からかイライラが続いて
バンビを許せない時があって。

我慢して、握り拳握りしめて
それでも我慢できなくて、叩いてしまったり
子どもを叩く後ろめたさに自分で動揺して
代わりに机叩いたり、もの投げたりしてしまって バンビを怖がらせたり...
エスカレートして虐待しそうな自分が恐くなった。

叩かれたバンビは 叩かれたことに逆上して
”ぎゃー、痛いー、お母さんはひどいー!”って、大泣きしながら私を叩き返してきたっけ。


今はもう落ち着いているけど、でも あの一時期は本当に苦しかった。
闇が深かった。

私が一度も子どもを叩いたことがない親であれば
今 バンビも人を叩くようなことはしなかったんじゃないか...
そういう苦い後悔も胸をよぎる。
本当に過去に戻ってやり直したい気持ちだけど、戻ってもきっと同じことしそうな気もする...


でも、あの闇から抜け出して、今 曲がりなりにもバンビと親子関係成り立っているのは
ただただ 諦めなかったからだと思う。

バンビのやることには バンビなりに理由があるのだ と思って
だから その理由を汲んでやろう。
この子にふさわしい対応をしてあげよう。
それができるのはまず親である私だ。 
その気持ちだけ捨てずに ここまで来た。

もちろん、悪いことは悪い。
やってはいけないことはやってはいけない。
でも、悪いことをしてしまうその彼なりの理由を思い図ってあげられるようでありたい。
その上で悪いことをしなくてすむように、してあげられたらいいのだけど...。

親であることは嬉しい、親であることは苦しい、親であることは楽しい、親であることはせつない。
想いは廻る、ずっとずっと 私が親である限り...

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骨密度と性ホルモン療法の話

2018年01月21日 | プラダー・ウィリー症候群
バンビは思春期に入り、小児医療から成人医療への切り替えの時期が近付いている。
バンビが通っているD大病院は、以前いらしたN先生のおかげで
PWSを 小児科(内分泌)・整形外科・精神科・泌尿器科 連動でトータルに診ていこうとしてくれているので
とてもありがたい。

小児外科で停留精巣とついでに包茎手術の手術をした後 しばらくしてから
泌尿器科の診察を受けるようになったんだよね。
性ホルモンは こちらの管轄らしい。

そこで一度骨密度の検査をしましょう という話になり、先日その結果を聞きに行ってきた。
(ちなみにPWSの子がGH始める時にやる骨端線の検査は手の骨で
 それとは違って、腰椎をレントゲン撮影したんだけどね。)

そしたら、なんとバンビは骨密度が70%を切っている。
つまり骨粗しょう症 なんだって。

えー、びっくり!!

確かに、PWSは骨折が多い って話は聞いたことがある。
痛覚が鈍くて自覚症状を訴えないから要注意 って話も。

だけど、骨粗しょう症ってあんまり聞かないなぁ。
まぁ、骨密度低ければ骨は脆いから、そりゃ骨折しやすくもなるだろうけど...。


って、話をDr.にしてみたら、データ取ってないだけなんじゃない?
停留精巣の手術しちゃったら、予後の検査とかしてないと思うよ って。

そ、そうなん?


でも、そもそも骨は整形外科じゃないのかなー? と思うのはどうやら素人考えのようで
カルシウムは腸で吸収されるんだけど、それを助けるのがビタミンD。
サプリとか飲んだらどうでしょう? って聞いて見たけど、排泄されちゃうからあんまり意味ないと思うよ って。

そ、そっ、そうなん?

で、骨代謝には 性ホルモンが関わってくるらしい。
だから女性は閉経後骨粗しょう症のリスクが高まるんだよね。

ま、私は素人なんで、詳しいことはよくわからないけど
とにかく バンビの場合、男性ホルモンを投与すれば骨密度は上り、骨は強くなる。
でも、Dr.が言うには 男性ホルモンを始めたら、身長は伸びなくなるんだって。

バンビは まだあと1年はなんとかGH(成長ホルモン)療法を受けられそう。
身長も今155cmくらいだから、せめてあと10cmはほしい。男の子だしね。
実際まだ伸びてるから、そこは期待できそうだし...。

まぁ、そんなわけで 骨の方はいますぐどうこうって話じゃないから
GH終わるまで待とうかね ってことで話は終わったんだけどね。
また内分泌の方のDr.ともよく相談してみましょう ってカンジで。


前に内分泌のDr.に言われてたのは 性ホルモンはGHと違って、毎月通院しないとならなくなる。
(薬剤が1ヶ月分しか出せないのか、毎月の診察が必要だからなのか まではちとわからないけど。)

そうなると、月1で学校を休んだり、将来仕事を休んだりしなくちゃならなくなるわけで
それはちょっとキビしい。
だから、慣れてきたら近所の病院でもいいんだよ~ って話で
それまでには そういう対処をしてくれる病院を地元に探しておかなければならないってこと。

ふぅ、まだまだ何かと大変だ...。


そういうわけで、骨が脆いので骨折は気をつけないと。
先日も学校で体育の時間に転んだらしく、数日たってもまだ痛いと言うので
心配になって念のためレントゲン撮ってもらった。
異常なかったから良かったけど。


こういうのって知らないと対処ができないので
誰かの何かの参考になればと思って書いてみるけど
機会があったら 親の会の交流会などで話題にしてみて、成人されているお子さんの話を聞いてみたいな と思ってる。


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